魔法少女リリカルなのは Goddess Was Fallen 作:ルル・ヨザミ
あと、活動報告で言っていましたがこちらでは言っていなかったので改めて言います。最近UAを見るとこの話が自分の予想をはるかに超えて見られているというのを知りました。読んで下さっている方々、本当にありがとうございます。感想も、お待ちしてます。(前まで返していなかったものは随時返していきます。)評価もぜひお願いします。
それではこれからもよろしくお願いします。
フェイト、なのは、アリサ、はやて、ヴィータ、シグナムは朝から使っていた練習場に再び来てアリサとはやての練習を行うことにした。
アリサはなのはと射撃魔法の撃ち方や、防御魔法の練習を、はやては早速モードトロイエの能力をヴィータとシグナムに使用しようとしていた。
「じゃ、いくでー!」
「来い!はやて!」
「準備はできております」
この能力があれば、いつ''影''か襲ってきてもドンな能力を持っていても私が皆を守れる…もう大切な人と戦わないですむんや…頼むで…。
「スプレームス・サルワティオ!」
私がそう言うと、ベルカ式の魔法陣が展開し、キラキラとした光がシグナムたちに向かっていく。キラキラした光というんは、魔法もののアニメでよく見かける治癒とかの演出と同じ感じのものや。
「おお…主。私とヴィータの腹部に隷属の紋章が…」
「ちゃんと壊せていなかったって言うんはこの事か!じゃあ、今は上手くいっているって事や!このままいくで!」
「ありがとうはやて!」
上手くいってる…上手くいってる…。
(そんな焦らなくてもいいのですよー。一度か効果が効き始めればもう失敗することは無いので―)
あ、そうなん?よかったー…。じゃあ落ち着いて焦らず…クールに…
「クールに…」
「どうしたんだ…はやて…」
「えっ…声に出てた?」
「う、うん」
そりゃ恥ずかしいわ。でも特殊能力は出し続けな…!段々目の前にある紋章が薄くなっていくのがわかる。
そして十分後、遂に隷属の紋章は砕け散り消えていった。
「気分はどんな感じや?ヴィータ、シグナム」
「何か…清々しい…?っていうか、いつも頭ん中で最優先事項はなのはって響いていたのが無くなったっていうか…」
「とにかく、ようやく主はやてのみの騎士に戻れた。それは確かです。ありがとうございます…」
「本当…よかったわ…」
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———
よかったよかったと二人と話すはやての目じりには涙が薄っすらと浮かんでいた。引き裂かれた家族の絆が今ようやく戻ったのだ。それは涙が出る程嬉しいに決まっている。
「よかったね…はやて…」
私は思っていた事をつい口にしてしまった。まあ、悪いことじゃないからいいかな。
「フェイトちゃんもありがとう…。ホンマよかったわ…」
「アリサの方はどんな感じだ?今めちゃくちゃいい気分だから、あたしも試運転手伝うぞ」
ヴィータ…それだと気分良くないと手伝う気ないみたいに聞こえるよ…。でも確かにアリサたちはどんな感じなんだろ。私もはやてたちの方見てたからわかっていない。
「なのはー!いくわよー!ブレイズハリケーン!!」
アリサがフレイムアイズを展開させたまま身体を回転させると炎の竜巻が起きる。そして竜巻はそのままなのはの方へ飛んで行く。なのはの方はプロテクションを張って待機している。
「これって…前方バリアだけでいいのかな…?」
「受ける直前でそれを言うの!?」
なのははアリサのブレイズタイフーンを受け切った。少しだけバリアジャケットは焦げてしまったけど。流石なのはだ。防御はお手の物。
「熱かった…すごいねアリサちゃん…」
「そりゃこのデバイス、フレイムアイズのおかげでしょ。って…なのはなんか顔色悪くない?」
「え?本当…?なんだろ…疲れてるのかな…」
「なのは!大丈夫?」
私も思わず駆け寄る。なのはの顔を見ると少し青白くなっている。確かにあまり体調は良くなさそうだ。
「ご、ごめんね!体調悪いのに私の相手させちゃって」
「い、いや別に体調が悪い訳じゃ…」
となのは言葉を言い終わる前に膝から崩れ落ちた。
「なのは!?本当に何ともないの…?」
「…ねぇ、このなのはの症状“隷属の影”に乗っ取られる直前になんか似てない?」
アリサがなのはに肩を貸しながら言う。言われてみれば確かに…。でもなのはの“隷属”の種は発芽しないはず…。
そう、なのはの頭に植え付けられた“隷属”の種はモードフォーレンを使う事によって発芽が抑制されているのだ。モードフォーレンは“隷属”の種の発芽の為のエネルギーを使用することによって変身できるシステムらしい。だから、なのはから“隷属の影”が復活するなんてありえない…と私は考えている。
「医務室行こう?なのは」
「え……うん、わかった」
「アリサ、私はなのはを医務室に連れて行くから、練習ははやてたちと」
「わかったわ、なのはをお願いね、フェイト」
私はなのはを医務室に連れて行くことにした。なのはの息は落ち着いているけど、何より顔色が優れていない。早く…早くいかないと。
———
——
「なのは…大丈夫かしら…」
「心配やけど、フェイトちゃんが一緒にいるから大丈夫や。アリサちゃんは魔法の練習しよ?」
「…そうね、なのはは大丈夫…!うん!やるわよ!」
「じゃ、やりましょう、アリサさん」
「ヴィータもよろしくね!」
なのはは心配だけど、私は私のできることをやるしかない。さて、私の魔法は基本的に炎を伴うことがさっきまでの練習で分かったんだけど、それ以外の純粋な魔力弾も撃ってみたいのよねぇ…。
「でもアリサさんフェイトの魔法を思い出してみてください。フェイトの魔法ってただの射撃魔法でも雷属性ついてますよね」
「ああ、確かに…でも属性対策ってとられやすいんじゃあ…」
「そんな事する魔導士って意外と少ないんよ?なのはちゃんはライトニングプロテクションを使えるけど…それはフェイトちゃんと戦うために身に着けた局地的なものだし、そこまで考えなくてもええんちゃう?」
「うーん…なるほど…じゃあ深く考えるのやめるわ」
「じゃ、なのはのアクセルシューター、フェイトのフォトンランサーみたいな万能な射撃魔法の練習しましょう」
「そうね、おねがいするわ!」
「ヴィータもすっかり教官だな」
「そやねぇー」
「うっせぇぞ、シグナム!」
本当に、この家族仲いいわよね…。…頑張ろう。この人たち見てたらやる気出てきたわ。
「試しに一回撃ってみるわねー」
「はいはーい。ちゃんと狙ってくださいねー」
「OK!いくわよ…!フレイムアイズ!」
≪おっしゃあ!単発の魔力弾だな!魔力制御は任せとけ!≫
「頼りにしてるわよ!でやぁぁぁ!!」
私がフレイムアイズを横薙ぎの形で振ると、軌跡のように魔力弾が三発展開された。なるほど、これをヴィータ目がけて撃つのね。
「アリサさん魔力弾の展開上手だなぁ」
「うん?お前が教えたんじゃないのか?」
「あたしが教えたのは簡単な魔力の運用の仕方。基礎中の基礎だよ。それを少し応用したものをさっきまでなのはが教えてたんだ」
「じゃああれはなのはの教導のたまものか…すごいな…」
「このまま投げるような感じで…よし、想像できた!いっけぇ…」
私がここまで言ったところで目の前の魔力弾が三つとも突如爆発した。
「きゃあ!?な、なによ…」
私は尻もちをついて、その爆発で起こった煙を見ていた。一体何が起こったのか…魔力制御は今回はフレイムアイズに任せていた。つまりフレイムアイズが何かしらのミスをしなければこんなアクシデントは起きない。でも…フレイムアイズには私の魔法の使用パターンをインストールしているからこんな事まず起きないはずなのに…。
「アリサちゃん!大丈夫か!」
「アリサさん!」
「バニングス!」
「あ、あぁ大丈夫大丈夫。それより、なんで魔力弾が爆発しちゃったの?私魔力制御は今回はフレイムアイズに任せてそれをお手本にって思ってたんだけど…」
≪言っておくが、俺は何もミスってないぜ。アリサもな≫
「…二人とも何も失敗していない…なのに爆発した…じゃあ誰かが攻撃したって事…?」
はやてがそう言った時、この練習場に緊張が走る。…この場に私たち以外の誰かがいる…?
「主!モードを念のため発動していて下さい!もしかしたら“影”の手先かもしれません」
「そうやな…!モードトロイエ!」
それは、はやてのモードチェンジの為の黒い球体が出る直前だった。はやての身体が練習場の壁に叩きつけられたのだ。私にも何が起きているノカわからなかった。
「はやてぇ!」
ヴィータが駆け寄る。はやては上半身を起こした状態で、ヴィータに止まるよう指示した。
「誰かに突然蹴られたみたいな感覚やった…ヴィータもシグナムも、アリサちゃんも周りに気を付けるんや!」
私たちは陣を組んで周りを見る。特に何か変わったところはない。誰かがいる様にも思えない。もしかしてフェイトがドッキリ…?いやそれなら魔力弾の爆発やはやてを蹴るなんてことしない…。じゃあいったい誰が…。
「意外と勘が鋭いのね。特に夜天の主さん」
「!誰だ!どこにいる!姿を現せ!」
どこからともなく聞こえた声にシグナムさんが厳しく対応する。恐らくはやてが攻撃されたからピリピリしているんだろう…。
「質問が多いわ…全く。いいわよ、出てきてあげる」
「どこから…どこからくるの…?」
私は初めての戦闘であるから、完全に緊張していてあたふたとキョロキョロと周りを見渡しているだけだった。
すると、練習場の入り口の近くにある柱の陰から一人の少女が現れた。その姿に私は見覚えがあった。いや、見覚えがあるどころではない、その姿の人物に私は今日の朝にも会っていたのだから…。
「すず…か…」
「ふふふ…残念。私は月村すずかではない。見た目はそうだけどね」
「つまり、月村の姿を模った…“影”と言ったところか…?」
「ご名答!流石もう二度も“影”と戦っているだけはあるわね。そう私は“影”」
「一体何の“影”か教えてくれる?」
はやてが聞く。“影”は少し高い声で笑うと、こう答えた。
「いいわよ、教えてあげる。私は“束縛の影”司る欲は人の欲そのもの」
「欲そのもの…?なにそれ、アバウト過ぎない?」
「欲なんてそういうものよ…さ、かかってらっしゃい」
“束縛の影”は私たちに戦えと言ってきているようだ。しかし、今までの“影”との戦いから、こちらから仕掛けると状況的に不利になることが多かった。故に私たちは攻められずに、ただにらみ合いが続いていた。
「…いいわ!私がやってあげる!」
私は震える声を何とか抑えながら、“束縛の影”に伝える。
「アリサちゃん!?何を…!?」
どうせ、このままにらみ合っていても状況は変わらないし、逃げられもしない…なら、今ここにいないフェイトやなのはが帰ってくるまでの時間稼ぎ…やってやるわよ!
「初陣、行くよフレイムアイズ…!」