魔法少女リリカルなのは Goddess Was Fallen 作:ルル・ヨザミ
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『ふう。これで回収終わり。次は…あれだあれ、危うく忘れるところだった』
「”影”を取り戻したせいなのか、魔力がさっきより強く感じる…!」
『そりゃあ、あれは私の魔力で構成された物だからね。返ってきた分魔力が回復するんだよ。あと”不屈の影”には私の戦闘データと魔力データを組み込んでいたから、それも魔力の増加に影響しているかもね』
「”不屈の影”には戦闘データと魔力データ…」
『そのおかげでモードレイジング使って他の”影”圧倒していたんでしょ?モードレイジングの効果である憑依者の全ステータス上昇は私の戦闘データと魔力データをそのままプラスしているんだよ』
「つまり、モードレイジングは二人分の力を揮えるモードだったってわけね。どうりで強いと思ったわ…」
アリサとフェイトがパラレルワールドのなのはと話している間にはやてはなのはと共に前線を離脱する準備をしていた。
「大丈夫なんかなのはちゃん」
「うん、だいぶ良くなったよ。アリサちゃんの魔力も回復してきたし、このまま離脱はできそうだね」
「そうやな…。でもこのまま逃げてええんやろか…」
「もう一人の私と今戦っても勝ち目は薄いよ…エイミィさんも離脱してって言ってたし」
「ならそうしよう」
なのはとはやての話し合いは終わり、離脱することに決まった。もう一人のなのはを止めるため武装局員が来ることになり、その局員がもう一人のなのはを相手している間に全員離脱という流れだ。
『…こっちに来る魔力反応多数…。そう、貴方たちは戦う気はないんだね』
「!作戦がバレてる…?」
『流石に武装局員が大量に来たらわかるよ。なるほどなるほど、武装局員のレベルはこんな感じなんだね…』
もう一人のなのはは何か品定めするような呟きをして武装局員が来る方向を見つめた。その目は輝いていた。まるで欲しかったおもちゃを買ってもらった子供の様に。
『戦闘する意思のない貴方たちはもういいや。帰っていいよ。戦う気ない人と戦ったところで、いい実験結果は生まないからね』
「なんですって!」
「アリサちゃん、落ち着いて!口車に乗っちゃだめだよ!」
「両方からなのはの声ですごく混乱しそう…」
「ていうかもう混乱しかけてるんやけど…」
『逃げるなら早くしなよ。私だって別に襲わないわけじゃないんだ。ただ今の貴方たちと戦っても得る物が無いから早く逃げなよって言ってるの』
「くっ…。悔しいけど離脱するしかないから…早く行こう」
「う、うん…」
「覚えてなさいよ!!」
なのはたち四人は、もう一人のなのはに見つめられながらその場を離脱した。
”束縛の影”との戦いともう一人のなのはの出現など様々なことが起こり激動の夜となった。地平線から日が昇り始める。夜が明けようとしている。
背後から武装局員たちが戦っている音が聞こえる。フェイトやはやては悔しそうな顔をして背後を見ることなく離脱していった…。
そして、管理局地球支部。東京都新宿区のビルの一室に四人は集まっていた。夜が明けたことで翌日。土曜日であったため、なのは、アリサは親に連絡し安否ともう少し帰りが遅くなることを伝えた。
「なのはたち、君たちだけに任せてすまなかった。アリサは身体の方は大丈夫だったか?」
「ええ、シャマル先生に見てもらったけど異常はないそうよ!」
「そうか…それは何よりだ」
クロノは皆を同じ部屋に集め、四人が離脱した後の状況を説明した。
四人が離脱した後すぐに局員ともう一人のなのはとの戦闘が始まった。そのことはフェイトたちも音を聞いていたので理解していた。そしてその後が重要であった。
「武装局員は全滅した。生きてはいるが何人かは連れ去られたそうだ」
「ま、まってクロノ君!私たちがここに着いてまだ十数分しかたってないよ?いくら何でも早すぎるんじゃ…」
「なのは…。君は一度自分のことを考えてみるといい。ようはあそこにいたのは別世界の君なんだろ?となると魔導師ランクもSオーバー、とても一般の局員が太刀打ちできるとは思わない」
「クロノが予想外だったのは連れ去られたこと?」
「その通りだフェイト。どうやら向こうのなのはは局員を殺さないように気を付けてはいた様なんだが…戦いが終わると選ぶ様にしてから何人かの局員を抱え連れ去っていったんだ」
「…選ぶ…」
「ねえ、クロノ君、もしかしたらもう一人のなのはちゃんが言うてた誰にも理解されない考えっていうんと関係があるんちゃうかな…」
「そんな事を奴は言っていたのか?」
「確かに言ってたわね。ホント、その考えって何なのかしらね?」
「アリサの言う通りだよ。全く目的が見えない。理解されないって前提で話してて理解されようともしてない。こっちのなのはと大違いの頑固者だね…」
「フェイト…こっちのなのはも大概頑固者だと思うぞ…」
「えっ」
その頃、パラレルワールドのなのはは海鳴市の月村邸の近くに来ていた。
その表情はどこか悲しそうで先ほどまでの楽しそうな表情とは真逆のものだった。
『ま…いいのかな。こっちの人間に情けなんていらなかったのかもしれない』
物騒なことを呟き、月村邸の門を無理やり開き中へ入る。アラートが鳴り響き警備員が続々と集まっていく。警備員は侵入者の姿に驚き顔を見合わせる。
『…だめだね。この人たちは純度が低い』
次の瞬間十人ほどいた警備員たちは全員吹き飛ばされ、壁や木にぶつかり気絶していった。
このなのはの襲撃はすぐに地球支部に伝えられた。しかし、その時支部内にいた魔導師はアリサだけであった。
「ダメだ!君だけなんて危なすぎる!」
「今なのはたちが身体検査をやっていて出動できないんでしょ?なら私が行くしか!」
「武装局員を向かわせる!」
「さっきと同じことになるだけで!すずかの安全は保障されないじゃない!」
「しかし…!」
「こんなやり取りをやっている間にもすずかが危ないの!さっき散々言われた借りも返したいし、ちょうどいい機会よ!」
「……わかった。だが君も万全じゃない。すずかを救出したら速やかに避難するんだ。いいね?」
「了解!!」
アリサが支部を飛び出す。昼間ではあるが、緊急時なので空を飛んでいるが、クロノたちが認識阻害の魔法を周囲に散布しておいたため、一般人の目にはアリサは認識できなくなっている。
『ん…?この魔力反応は…アリサちゃん?』
今まさにすずかに手をかけようとしていたなのはの動きが止まる。すずかは目を瞑っていたが、なのはが発したアリサという名前にハッと目が開く。
「アリサちゃん…!アリサちゃんが来るの…!?」
『ま、それより早く用を終わらせればいいんだけど…敢えてここは待ってみようかな』
「…どういう…つもりなの…?」
『面白そう…ここのアリサちゃんは中々の純度だからね』
「面白そうってだけで…?」
二分ほど経つと、アリサが空からやってくるのが見えた。大きな庭の中心で右手を抑えながら座り込んでいるすずかと、その前に今にもすずかの命を奪おうとしているように立つもう一人のなのは、パラレルワールドなのは(以下PWなのは)が空から確認できる。それを見たアリサは加速し、二人の間に立つように着陸した。
「そこまでよ!!なのはぁ!」
『来たね…アリサちゃん』
アリサを見つめるPWなのはの表情はあの武装局員が来る時に見せた嬉しそうな表情であった。
そしてすずかはPWなのはが敢えてアリサを待っていたことをアリサに伝える。何か良からぬことを企んでいるのではないかと。
「私を待ってたねぇ…。相変わらずこのなのははよくわからない性格してるわね」
「このなのはちゃん?」
「ああ、すずかは知らないわよね。この目の前のなのはは別の世界のなのはなのよ」
「ええ!?そうなんだ…。私てっきりまた”影”に乗っ取られたんだと…」
「その”影”たちを作ったのがこのなのはよ」
「ええええ!?」
『こっちのすずかちゃんは良いリアクションをするんだね』
「私だってこんなすずか初めて見たわよ」
「じゃあ今までの事件の…黒幕…?」
『別にどう見られてもいいからそう思っていたっていいよ』
「ふーん…なんかあんた、卑屈よね」
『それが?』
「別にそれがどうってわけじゃないけど…。ってそんなこたぁいいのよ!」
「凄い言葉遣い…」
「なんですずかを狙ってんのよ!いきなり襲ったりして!」
『…それは言えないな。他の事なら教えてあげるけど』
「なんなの…これもあんたの言う理解されない考えの一つってわけ?」
『当たらずと雖も遠からずってところかな。完全に違う訳じゃない』
「本当にわけわかんないわ…あんた今いくつ」
『十歳』
「私より年上なの…!?」
『急に年齢聞いたね。でアリサちゃんはここに何しに来たの?別に私と雑談しに来たわけじゃないでしょ』
「そ、そうよ!あんたがすずかを襲っているから、すずかを助けに来たのよ!」
『そう…じゃあ戦ってみようか』
PWなのはは左手を前に出し、構えた。
忙しかった間に書き溜めしたものを適当に分けていたらこの話だけ短くなってしまった…。申し訳ないです…。
あともう一人のなのはの呼び方は「PWなのは」に確定しました。これより前の話では長い言い方になっていて、読みづらくて申し訳ないです。よろしくお願いします。