何から話すべきか。
そうだな。
今色々あってエンナカムイに来ているというのが先に来るべきだろうか。
本来ならばこの場に来るのはもっと先延ばしになるはずだったのだが、旅路の途中で遭遇したヤマトの双肩の片方を担う右近衛大将オシュトルに話しの事は及ぶ。
「すまぬな……そなたに託したい」
経緯を聞くと、ヤマト八柱将が1人ヴライとの戦いでこうなってしまったのだそうだ。
話を聞いている片方は妹のネコネ、もう片方は懐刀のハクという男。
「そなたしか居らぬのだ……頼む」
正直、ヤマトという国には良い印象があまり無い。
都は栄えており民の暮らしも賑やかなものだが、最近故郷であるトゥスクルへの侵攻が行われた。
帝が崩御されて、侵攻は半ばに終わることになったがそれが理由でヤマトの兵を辞めてきた所だ。
俺を雇っていたのはデコポンポという八柱将の一人だった。
何十万という兵を集めて全軍突撃と撤退の命令しか出せないものの、一山当てるならそこで名を挙げる他無いと踏んでの打算もあった。
彼を揶揄した【七光】というのも頷けるというものだ。
「某の故郷であるエンナカムイに……」
オシュトルから仮面が外れ落ちる。
その顔には余裕は無く、遠く離れた場所から見たいつかの凛々しい姿からはかけ離れたものだった。
  うたわれるもの 〜悠久の残滓〜
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