本文の内容はすべてフィクションです。

1 / 1
(翻訳者注:文意が伝わりにくいと思われるところには注を入れてあります。
      ロストエピソードとは、クリーピーパスタのジャンルの1つで、アニメ作品などで放映されなかった、または作られなかった話にまつわるものを指します。有名なものでは「Tom's Basement」「Suicede_Mouse」などが該当するそうです)


ロストエピソード:ハリーポッターと開かない窓

これは私がまだアカデミーに通っていた時の話です。もちろんそれは年齢の話で、サボりの常習犯だった。

 

当時の私は免許を持っていませんでしたが、地元の友人の例に漏れずバイクを乗り回していました。もちろん当時の私に金があるはずもなく、父のKAWAER(翻:バイクメーカーのKAWASAKIと思われる)を失敬しては街に繰り出し、適当に見つけた女の子を引っ掛け、ドライブに繰り出していた。母は私を放任気味であり、父もまた私のそれを知っていたかもしれませんが、当時の私にとっては妹のベルガを含めそれらはどうでもいい物事だった。

 

そろそろ本題に入れというWeb backerの声が聞こえてきました。私のそれを話そうと思います。1つだけ言えることは、当時の私はハリーポッターについては無知でした。私は囚人が出てくる映画までは見た記憶があるが、それ以降の映画に付いては曖昧な記憶であり、またおそらくプリンスは見ていなかっただろうし、プリンスがスネイプであることも知らなかっだろう。映画に限れば、女の子にはポッターよりマーベルの話がウケただろうし、当時はアメフトと車、酒、セックスの話ができれば十分だった。チアガールズのオツムなんてそれ程度だ。マーベルが受けるのはnerdだけだって?そうかもしれない。

 

その日、俺は地元をちょいと離れ、メドファッキンフォードに来ていた。(地元を詮索するなよ)が、先になんだ、酒を飲んじまったからか道を迷ってしまった。(飲酒運転?そうかもな)土地勘のないところを運転するのはマジでストレスと解放なんだが、とにかく夜遅くにやるのは問題だった。今思えばなんでそんな時間に運転を始めたのかわからない。

 

つまるところ、俺は金もねぇのにガス欠しちまったんだ。ここで問題だったのは、俺が免許がなく、燃料を買う時にそれを求められたらポリスに捕まっちまうってことだった。でも地元のバンス(本当にいい奴!)の家のスタンドなら問題なかったし、俺はいつもそうしてた。やつは計算ができなかったから、バーガーと20Lを等価だと思っている。

メドフォードから地元までは飛ばして数時間ほどとそれほど遠いわけでもない。つまりそれだけ工面できれば俺は帰れるし、偉そうな奴らのご厄介にならずに済むわけだ。

 

そういうわけで、俺はモーテルを探した。親切な方に多少のtagを渡せばガソリンを手に入れるのはわけないとそう思った。

果たして、モーテルは1軒だけ見つかった。

 

流石の俺も慌てた。モーテルは1部屋を除いて真っ暗で、営業しているかも怪しかった。でも俺はそこに行くしかなかったよ。これ以上は走れなかったから。最悪バンスかメリアに燃料を運んでもらうにしても、モーテルは目印にはなるだろうし、とにかく俺は1晩そこに泊まることに決めた。

 

意外にもモーテルの親父は陰険だった。それこそポッターでいうスネイプかArges (翻:ホグワーツの管理人アーガスフィルチを指していると思われる)みたいな奴だった。だが、愛想が悪いだけで話はわかる奴だった。奴は耕運機を持ってるから、缶の中の燃料をくれてやってもいいと言った。俺は当然喜んだし、多めに金をくれてやった。

 

本題に入るから。モーテルのテレビは古ボケけていたし、ろくに写りもしなかった。燃料の手前、文句は言わなかったし、この碌でもない日を早く終わらせるために寝てしまおうと思った。だがそのオンボロテレビには信じられないことに、DVDデッキがついていた。

寝る前のお遊びさ。どんな作品をあの親父は提供するのか見てやろうと思った。共用部にDVDボックスがあるのを、俺は目ざとく見つけていたからな。

 

結果的に、まぁガッカリだった。ありふれた作品だった。「ホームアローン」「サメ映画の何か」「ミッキーマウスとディズニー陛下のファッキンなんたらかんたら」このモーテルで子供にシンデレラを見せる親がいるのかね?

だか、1つ目を引くものがあった。「Harry Potter and the」ブランクの、オンボロのDVDケースにサインペンで殴り書きされていた。俺は当然、それがどの作品かはわからなかったが、(翻:ハリーポッターの英題は、どれも「Harry Potter and the」までは共通しているためと思われる)とにかくそれを見てやろうと思った。うまいこと行けば、まだ見たことのない作品を訳知り顔で話せるかもしれない。

それで、私は自分の部屋に持ち帰りました。

 

開けたとき、正直ガッカリした。なんてことはない「秘密の部屋」だった。まぁでも寝る前の子守唄にはちょうどいい退屈さかもしれないし、返しに行くのもめんどくさかった。

デッキに入れると、読み込むのに時間がかかった。正直寝かけたが、やがて出たタイトルコールで目が覚めた。

 

Harry Potter and the Unopened window.

 

「開かない窓?」思わずそう口にしたのを覚えている。正確なタイトルかはあやふやでも、明らかに秘密の部屋ではなかったし、窓がどうとかいうタイトルはなかった記憶があった。だが、当時の俺はそれほどポッターに詳しくなかったし、最新作かと思ってワクワクした。バカな話だ。最新作がそんなボロボロのわけがない。

 

ここからは可能な限り覚えていることを書こうと思う。(急に詳しくなったと思うなよ。俺は調べたし、何度も映画を見直したし、最終的に嫌々あの本を読んだんだ)

 

物語はバーノンの働いているシーンから始まった。明らかに変だった。見る限りそれは普通のロンドンの会社だったし、外にはビッグベンが見えた。5分ほど、彼はただ普通に働いてるように見てた。詰まるところ彼は部下に命令し、いずこかに電話をかけ、そして退勤しようとしていた。

「メイソンさん!」彼は退勤際にも電話をかけていた。「本日の18時にお迎えに上がりますよ!メイソンさんも!奥様も!」

 

そこから彼は車を運転し、プリベッド通り4番地へと帰宅した。そこからはしばらく、通常の秘密の部屋と同じだった。ダーズリーはハリーを呼び、大人しくしているように凄んだ。そしてハリーは自分の部屋に戻った。

 

ヘドウィグがいなかった。

 

「ヘドウィグ?」ハリーは呼んでいた。「どこにいるの?大人しくしていないと怒られてしまうよ」何度かハリーは名前を呼んだが、やがて窓が開いていることに気がついた。「おじさんにバレないといいんだけど」と言って、ハリーは窓を開けたまま、早めにベッドに入り、目を閉じた。

 

一瞬画面が暗転し、次の瞬間ハリーの部屋のドアが開いた。「ハリーポッター!」バーノンが大声を上げて入ってくると、なんと彼にケーキの切れ端を差し出した。「無事決まったぞ!これでワシらは大富豪だ!」

当時、ここまで来て俺はいよいよ混乱した。確かこの話は失敗したはずだ。ケーキが浮いて、客がキレたはずだ。というかドビーはどこだ?一体何が起きている?

 

「ところで、あの鳥はどこだ?」バーノンは当然ハリーに聞いた。「商談を邪魔するかもと思って、友達の家に行ってもらいました」おそらく咄嗟に誤魔化したのではないかと思う。バーノンは疑問に思ったようだが、最終的には上機嫌に納得したようだった。「来いハリー!今日の夕食は豪華だぞ!」その後のディナーは、確かに豪華だったし、ハリーのそれも当然ダドリーよりは劣るものの、明確に豪華な夕食だった。

ダーズリーは延々と、自分がいかに優秀か、明日買いに行く別荘でどんなことをするかを語っていた。ペチュニアはバーノンを持ち上げていたし、ダドリーも食事に満足していた。

 

ここまでで20分が経過していた。一体俺は何を見せられているんだ?そう思った。でも、今思えば決定的に物語に引き込まれる要素があったんだ。カメラは卓上に、特別そうにおいてある書類を映した。「リトル・ハングルトン再開発」

当時の俺はこれの意味が分からなかったが、今ならわかるさ。こいつは例のあの人の親父の墓があった村だった。

 

その後夜明けのカットが移り、なぜかダーズリーはハリーポッターの部屋の窓に鉄格子をはめる、通常の秘密の部屋と同じ行動をとった。「お前もマジョルカ島に行くんだ!」とダーズリーは上機嫌だった。

確か「なぜ鉄格子を?」みたいな質問をしていたと思うが、ダーズリーは答えなかった。というよりも、彼も自分の行動に違和感を抱いているようだった。

 

その後映像は、またポッターとその部屋に戻った。ペチュニアが部屋に来て「お前の身長がほっといても伸びるせいで、不動産契約に来ていく服も無い。おとなしくしていなさい。部屋から出ないこと。ペチャクチャ。ペチャクチャ。」とわめいて、退出し、部屋に鍵をかけた。

「ここまで機嫌がいいなら、鍵もかけ忘れればよかったのに」ハリーがつぶやいた。

 

このとき、絶対だ。誓って言うが、画面に一瞬ダンブルドアの顔が移った。ソニックみたいなジャンプスケアだった。(翻:クリーピーパスタであるSonic.exeのこと?)目から血を流していた気がした。それは俳優ではなく、稚拙なイラストだった。

 

俺はダサいと思ってその時は声を抑えたが、今思えばこの時に大声をあげていればよかったんだ。最初の退屈さが嘘みたいに感じたよ。

 

画面が早回しされた。窓の外は暗くなり、ハリーは不機嫌そうだった。「商談で僕のことを忘れてはないだろうね。」そうして別途にまた潜り、また朝が来た。

 

誰も家に帰ってこなかった。

 

「どういうこと?」ハリーは叫んだ。ドアをたたき、ダーズリー一家の名を叫び、そしてやがて疲れて、ベッドに潜った。

 

昼と夜が4,5程繰り返された。ハリーが呻くカットが入った。「僕はあれから食事もしていない。トイレも行っていない。なのになぜこんなに元気でいられるんだ?」

 

その後彼は何とかしてドアを破壊しようとしていたが、破壊ができなかった。

部屋にあるものを叩きつけ、癇癪をおこしても、それでも壊れなかった。

「助けて!」ハリーは叫んだのち、思いついたのかトランクから杖を引っ張り出した。「規則なんかクソくらえ!アロホモーラ!」

 

何も起きなかった。

 

「アロホモーラ!アロホモーラ!」ハリーは繰り返したが、杖は何も答えなかった。一瞬たりとも杖が光る様子はなかった。

まるで魔法なんてなかったかのように。

 

「浮遊せよ!光よ!直れ!」ハリーは思いつく限りの魔法を唱えたようだが、何も浮かばず、杖先は光らなかった。

 

彼はヨロヨロとベッドに横たわり、杖を見つめた。「こんなことはあり得ない。使わない間に壊れた?」そうして目を閉じた。

 

また何度も明るくなり、暗くなった。彼は扉を諦め、窓を叩き割ることに熱心になっていた。だが、窓はそれに答えなかった。

外を歩く人にアクションをとっても。あらん限りの力で叩き割ろうとしても。魔法を唱えても。

何も起きなかった。外からはまるで気が付かれず、窓は割れず、魔法は出なかった。

 

ハリーは叫んだ。「ロン!ハーマイオニー!先生!誰か!誰か!僕はここにいます!助けて!ヘドウィグ!」

 

画面がまた暗転した。彼はうつろな目でカレンダーを見つめていた。9/1。「誰かから手紙が来るはずだ。」彼は自分に言い聞かせているようだった。

 

そうしてまた窓を割ろうとし、何も起きなかった。それが延々と繰り返された。

 

彼はゆっくりと狂っていくようだった。

 

「ヴォルデモート!出て来い!お前の仕業なんだろう!」「ダンブルドア先生が僕を見捨てるはずがない!」「魔法なんて存在かったんだ!これは夢だ!」ときおり発せられる彼の発言は、だんだん支離滅裂になっていった。

 

そうして外の景色が移り変わった。冬になり、そして夏になり。また冬になり…

彼は成長し、髪も身長も伸びた。部屋中が荒れ、壊れた物ばかりになった。

 

そして今、彼は首を吊る決断をしたようだった。「父さん、母さん…」彼はつぶやき、どこかで折ったのだろう杖を握りしめ、そしてそれをやった。

しばらくバタバタもがいていた。もがいている間も、昼夜は繰り返された。

 

最終的には、彼のたくらみは成功しなかった。

やがて彼はもがき切り、ロープは支柱から外れ、彼は落下した。

彼は、死ぬこともできないようだった。

 

彼はしばらく俯き、やがて顔を上げた瞬間、画面が暗転した。

 

暗転したまま、ナレーションが入った。その声はまるでダンブルドアだったが、あそこまで恐ろしい声は俺の人生で聞いたことがなかった。

 

「これでいいのだ」

「これで世界は救われた」

「奴は血も骨も失った」

「わしを許してくれ」

「For the Greater.For the Greater.For the Greater.For the Greater.For the Greater.」

「For the Greater. G O O D.」(翻:より大きな善のために。)

 

画面はまたハリーが俯いたシーンに戻り、やがて顔を上げた。

 

 

彼は笑っていた。

 

 

目から、口から血を流しながら笑い転げていた。

 

しばらく笑い、狂ったのち、ハリーはこちらを見つめてきた。真顔だった。

俺はその瞬間、彼が間違いなくこちらを見ていると思った。

 

そうして彼は叫んだ。「誰か!誰か!誰か!」

叫びながらもこちらに寄ってきて、画面いっぱいに広がる彼の顔とその狂った表情を見て、ついに俺は我慢できなかったのだと思う。

俺の記憶はここで途切れ、次の瞬間、モーテルの親父に体を起こされていた。

 

親父が話すには、寝ていたところに、俺が叫ぶのが聞こえたため、慌てて飛んできたらしい。

奇妙なことに、俺はテレビを抱きかかえ、真っ暗な画面に顔を擦り付けながら叫んでいたそうだ。もちろんそんなことをした覚えはない。最終的に、親父は俺をぶん殴って引き離したそうだ。

 

俺は親父にあらん限りのことを話した。親父はバカを見る目で俺を見たのち、「最近のガキは。テレビの電源ついてねぇじゃねえか」と言ってボタンをを操作した。

 

テレビは反応しなかった。

親父は舌打ちしたのちに「再起動だ」と言ってテレビのコードを引き抜いた。

テレビにノイズが走り、永久に動かなくなった。

その後テレビをまたつけようとしても、もう動くことはなく、DVDも取り出せなかった。

 

俺の尋常じゃない様子を見たのだろう。親父が話してくれた。

そのDVDは、ある日俺のような若い男が宿泊した際、ちょっとばかし駄賃が足りなかったらしい。その足しとして渡されたらしいが、親父も、宿泊者も誰も興味を持たなかったため、おそらく俺が初めて見たのだろうということだった。

 

結局俺はその晩眠れなかった。部屋を変えてもらい、結局バンスを呼び出した。

バンスも悪態をついていたが、俺の様子を感じ取ったのだろう。早朝にトラックで迎えに来てくれたので、バイクと俺を回収してくれた。

親父はめんどくさそうにゴミ捨て場にテレビを運んで行った。一瞬「破壊してDVDを取り出せないか」と考えたものの、とても実行する気分に離れなかった。

 

その後の俺は、思いつく限りの方法でそのDVDについて調べたが、何も出てこなかった。トラウマになりそうになりながら映画を何度も見たが、映画は何も知らずに、ハリーにトムリドルを会わせた。

4chやRedditに書いても情報は出てこなく、俺は嘘つき呼ばわりされた。俺は悪い夢を見たと自分に言い聞かせた。

 

あれが夢のわけがない。あんなリアルな夢があるはずがない。そして嫌な証拠があった。

当時は秘宝が発売されていなかった。より大きな善のために。その標語はどこにもなかったんだ。

でも俺は知っていた。初版を買って読んだとき、その言葉を見て、俺はあれが夢じゃなかったと思い知った。

 

 

今でも考える。世界を救えなかった彼。開かない窓。そして最後に暗転した画面。

 

俺はそれを気のせいだと思い込みたかったんだ。モーテルの親父が電源オフだと思ったあの画面を。

俺も、あれは電源オフだったんだと信じている。

 

 

あれが、画面いっぱいに広がる、狂気に落ちたハリーポッターの、血を流した目じゃないと信じている。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。