A.プロセカが誇るシリアス君の霊圧が消えます☆
「ちなみにまふゆちゃんは、納豆はネギ入れて食べるタイプ〜?」
「私卵かけて食べるタイプ」
これは……『本当の想い』を胸に抱いた少年少女たちと、
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
時刻は深夜の25時。
良い子はすっかり熟睡しているであろうこの時間から活動を始める音楽サークル「25時、ナイトコードで。」──通称ニーゴは、いつも通りボイスチャットを開きながらMVの作成に勤しんでいた。今もちょうど、そのメンバーの一人である『
『雪。新曲のラフが終わったから、早速聞いてみて欲しいんだけど───……雪?』
「はあぁ…」
しかし、当の雪の調子はどうにも優れない様子だ。彼女の身に一体何があったのだろうか。
『わーお。雪らしからぬ超特大のため息じゃん。何かあったの?』
「……今日のお昼。しんちゃんが
『『『あー…』』』
『またコレ…?』と、言わんばかりに呆れを帯びた三つの声が重なる。瞬間、ニーゴのみんなの目にはまふゆが画面の向こうでどんな表情をしているのかがありありと浮かび上がり…けれども、苦笑いを以てしてしかまふゆに同情することができなかった。
とはいえ、奏たちもまふゆの心労を身に染みるほど理解しているため、こういう時くらいは存分に発散させてやろうと、今のこの状況を甘んじて受け入れているのであった。
「校門の前で『ま~ふゆちゃん!』って、バカでかい声で呼ばれたのはまあいいとして──」
『(あ、それはいいんだ)』
「わざわざ来た目的が、お弁当分けてもらうためだったから流石に
『あはは…。それはまたなんとも、しんのすけ君らしい理由だね』
「私が食べるお昼ご飯の量減っちゃうし。お弁当忘れて交換こもできない分際で乞食しに来るの、ホントにやめてほしいんだよね」
『ちょっと待って、怒るポイントそこなの?』
『学校を抜けてきたことに対してではなく?』
──そう。実はこの朝比奈まふゆという少女、しんのすけのおバカな行動の数々に毒さr…影響されてか、まれに常人とはズレた感性を発揮して周囲を困惑させるきらいがある。
傍から見れば平々凡々な優等生だがしかし、その実態はしんのすけ直伝の独特な知識と感覚を併せ持ったヘンテコな天才と言えよう。
無論、気心の知れた仲であるニーゴの面々はまふゆのこの意外過ぎる一面を周知済みだ。時折理解が追いつかないこともあるにはあるが…、そこがまふゆの可愛いところだとみんなは思っている。
「──ねえ、ちょっと…私の話聞いてる?」
『あー、はいはい。一言一句逃さず聞いてるから。あんたとしんのすけの惚気話』
「惚気…? 何言ってるの。お昼ご飯をいかに満足にいただけるか私にとっては立派な死活問題なんだよ。えななん、馬鹿なん?」
『………………そうね。あんたは
「えななん、最近ツッコミのキレ鋭くなったよね」
『誰のせいだ誰の!!』
『あはは! いいぞー、もっとやれやれーい!』
『Amia。あんまり煽ると作業が終わらなくなっちゃうって…』
今日のニーゴもへいわです(まる)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
時は過ぎて──同日の朝。
「しんちゃん起きて。学校遅刻するよ」
「うーん、ねむぃ…。あと五年寝かしてぇ〜」
「そんなに寝たら身体がガチガチに固まって動けなくなっちゃうよ」(スン)
「やれやれ…。テンプレの小ボケにマジレスで返さないでほしいゾ…。
「………」
と言いつつ、まふゆに対してオーバーなリアクションを返す─まるでペンで書いたような
好物がチョコビの、春日部生まれの春日部育ち。神山高校へ進学した理由の一つに『とーきょーはナイスばでーおねいさんがいっぱいいると聞いて~♡』と答えるほどの、筋金入りのおねいさん好き(好きな女性のタイプは関根◯里)。
──そんな彼はまふゆに冗談が通じないとわかると、渋そうな顔を浮かべてベットから降り、支度に取り掛かっていくのであった。
「まったくも~。まふゆちゃんたら、一体いつからかーちゃんに似てこんなに口うるさくなっちゃったの~」
「ふふふ。“上京したしんちゃんをよろしくお願い!”って、おばさんから直接頼まれてるからね。自然と朝一番の扱い方もわかってくるものだよ。あと────」
「あんまり文句ばっかり言ってると、おばさんに報告して仕送りを全部ピーマンにしてもらうけど?」(ニコッ)
「へい姐御! 喜んで準備させていただきやす!」
部屋の空気が凍る…。
鬼嫁もかくやというレベルの気迫と満面の暗黒微笑にあてられて、流石のしんのすけも大人しくまふゆの指示に従うことを選んだ。支度に奔走するしんのすけの姿は尻に敷かれたサラリーマンにも等しいが、実際、グダグダしているしんのすけのせいでまふゆ自身もマジで学校に遅刻しそうなのである。こればかりは自業自得だった。
──それからドタバタとした準備が終わって。
「おまたー」
「うん。じゃあ行こうか」
「ほーい」
とまあ…このように、高校二年生になってもしんのすけの朝は相変わらず忙しなく、余裕がない。着替えや洗顔は補助なしだとスムーズには済まないし、
けれど……
「(やっぱり、
──いつか未来から訪れたしんのすけの婚約者の言葉を思い出す。
“君たちだって、しんちゃんと一緒だと楽しいでしょ?”
“イヤなことがあっても、一緒に遊んでると明るい気持ちになるでしょ?”
全くその通りだった。
みさえからしんのすけの面倒を頼まれた身として、自らの至らなさを申し訳なく思うことはもちろんある(みさえに対して)。しかしそれでも、まふゆはしんのすけと過ごすこの時間を誰よりも楽しみ、そして好いていた。
だから。頭に来たり喧嘩したりすることがあったとしても、こうしてしんのすけを支えることを決して苦には思わない。
将来を見据え、段々と大人に近づいていく今。
───
───日頃の行いに対するちょっとした
まふゆはそっと、しんのすけの耳元に息を吹きかけた。
「………(ふー)」
「あッひ~~~ン♡」
「ふふっ♪」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
セカイの狭間、と呼ばれる空間をご存じだろうか?
一口に言うと、そこは人々の“本当の想い”が反映された不思議な
「あーむ。…んん〜〜! 新発売のスペシャルロイヤルチョコビ、おいしすぎておケツがとろけちゃう〜」
──何事にも
セカイの存亡と想いの持ち主たる少年たちの成長を願うバーチャルシンガーの“初音ミク”は、セカイを守り
彼ならば自分にはできないことをやってのけてくれると、一抹の希望を抱いて───。
『し、しんちゃん。そこに山積みになってるお菓子の山は一体何なのかな?』
「買い溜めしといた分のチョコビだゾ。今使ってるアパートのお部屋じゃ、隠しててもすーぐまふゆちゃんにバレてぼっしゅーされちゃうからここに置いとくの。ってことで、よろちくび〜」
『あは、あはは…………はぁ』
☆野原 しんのすけ……
我らが主人公。今作の彼はセカイの狭間と現実を介して『教室のセカイ』『ステージのセカイ』『ストリートのセカイ』『ワンダーランドのセカイ』『誰もいないセカイ』の計五つのセカイをお守りし、また、そのセカイにアクセスする少年少女たちをお助けする使命を与えられた『
原作通り超がつくほどのマイペースだが、常識に囚われない非常に柔軟かつ自由な発想の持ち主であるため、セカイを守護するにはぴったりという理由でミクに選出された。俗に言う主人公補正ってやつ。
セカイの住人である豆腐と違い、
☆朝比奈 まふゆ……
幼児期~小学校卒業までの時間を春日部で過ごしてきたしんのすけの幼馴染。春日部防衛隊の一員でもあり、防衛隊のメンバーとは全員友達。隠れハジケリスト。
まふゆママの毒親ムーブがみさえの活躍によって阻止されたことで健全な子供時代を謳歌した。そのため原作ほど闇落ちしていない。というか消えたがってすらいない(『誰もいないセカイ』はまふゆ以外の三人の想いから生まれた)。
が、その代償としてしんのすけの影響を色濃く受けており、天才ながらもとんでもない奇行に走ることが多々ある。ゆえに、生まれた黒歴史は数知れず……ふとそれらが記憶に蘇ると無性に消えたい気持ちになるという。『誰もいないセカイ』に繋がった動機がメンバーの中で一番しょうもない。
☆まふゆママ……
本来はプロセカに登場するキャラの中でダントツにやべーやつだが、この世界線では一味も二味も性格が違っている。
上辺だけはいいがその本質は半ば脅迫・洗脳染みた子育ての仕方をみさえに見抜かれ、渾身のビンタと根気強い説得を以て己の愚かさを自覚させられた。それ以降はどこにでもいそうな優しいお母さんへとジョブチェンジ。ニーゴの活動も、看護師を目指す勉強も、しんのすけとの交流も全てを肯定するただのまふゆ大好きウーマンになった。
☆野原一家……
概ね原作通り。朝比奈家との仲は十年近く経った今でも良好。
☆春日部防衛隊……
こちらも概ね原作通り。昔に比べてまふゆの印象が変わったと思っているが、友達であることに変わりはない。
…みたいな妄想してる。