透き通る世界の武器商人さん(ちゃん)   作:狐の行商人

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夏の暑さでぐったりしてたら4カ月近く過ぎてました、お待たせして申し訳ない...

さて今回はコラボという事で既に投稿されている此方の作品(https://syosetu.org/novel/369194/4.html)のアルマ視点と、その後のお話を投稿します...では、どうぞ!


DLC EX もしもアルマが...?

『万屋アルカ』...ブラックマーケットに店を構えブラックマーケットの店らしく大量の銃器や武器の数々を販売し、更には武器の改造や治療に使えるハーブを主に用いた珍しい医療品を取り揃える一風変わった店である

 

この店の店主の名は萬屋アルマという武器商人であり元々の世界でも武器商人として生きそして死んだ筈の男であった...何故か此処キヴォトスで目を覚ました時には若返った上に女になっていたのだが、本人的には最早その辺りは気にしない事にしている

さて、そんなアルマであるが...もしも彼女が招かれるべきキヴォトスが、ほんの僅かに本来とは異なる世界線へとズレていたならば、アルマの運命はどうなっていただろうか?

 

そう、例えば...とある『クールなガンマン』が先生をしている世界だとしたら、アルマはどのような日常を送るのだろうか?

これはそんなもしも、の一幕である

 

 

 

 

「...ふぅ~む、何度見ても最高級の品物だなぁコイツぁ。『ヴァスコ・ダ・ガマの黄金冠』だったか?あのポルトガルが誇る探検家の名が付くお宝とまさかキヴォトスで巡り合えるとは人生どう転ぶか分かったもんじゃあねえなぁ?イッヒッヒッヒッ」

 

先日ひょんな事から出会う事となった『シャーレの先生』から高額で買い取らせて貰った超一級のお宝『ヴァスコ・ダ・ガマの黄金冠』を片手に持ち、割れ物を扱うかのように慎重にゆっくりと一回転させながら埋め込まれた宝石の細部まで綺麗に磨き上げていく

 

流石に世界の歴史にも残る偉人に関わる名宝だ、隣国スペインの片田舎のお貴族だったあのサラザールのクソガキ如きじゃあ手も足も出せないこの輝きと高貴さは何時かこのキヴォトスが平穏になった時にでもちゃんとした所に納めて万人に見て貰った方が世の為人の為だ、その時が来るまで俺がこのお宝はしっかりと預かっておくとしましょうかね

 

そうして美しい輝きを放つ黄金の冠を暫く磨いてると、遠くから人が店にやって来る気配を感じた

そっとトランクの奥へと冠を納め直した後、俺は定位置である店のカウンターの席で近付いて来る客を待つ...何となくだが、近付いて来てるのはウチの店を御贔屓にしてくれる旦那か?こいつぁもしや来店のタイミングを見計らってたかもしれねぇなぁ?コイツが店にあるから、ってな?イッヒッヒ!

 

「よう、アルマ」

 

「(イッヒッヒッヒッ、噂をすれば...だ)

お、アンタか。Welcome!次元の旦那。新しい相棒でもお探しかな?」

 

自身の勘に従って少し待って見れば、予想通りの御贔屓さんがやって来た

やせ形の体を少し猫背に曲げながら歩く男は紺系のダークスーツを着こなし、ボルサリーノ製のソフト帽を深々と被り目元を隠しながら煙草を吹かすのが様になっている...『先生』と言うよりは『凄腕のガンスリンガー』と言われた方が俺は納得しちまうこの男の名は

 

「そいつは今のところ要らねぇ、それよりもこいつの修理を頼みたい」

 

シャーレの先生、次元大介の旦那である

 

「そいつをか、ありがてぇ話だが......毎度のことだが、いいのか?アンタの魂だろ」

 

コトリ、と置かれた旦那のマグナムは流石に相棒として使っているだけあり欠かさず手入れが成されているのが見て取れるぜ

俺は旦那の銃を手に持って問題が無いかあちこちを確認しつつそう問い掛ける...お?こいつぁフレーム部分にちょいと痛みが見えるな。エデン条約の時命の危機に陥ったとの情報もブラックマーケットまで聞こえてきていたし、そん時やその後のドンパチでかなりの無茶をしたようだな?

 

「お前さんの腕を見込んでなきゃ任せねぇよ」

 

っかー...全く、反則だ反則。そいつぁ職人泣かせの台詞だぜ旦那ぁ、そう言われちゃあ腕を振るうしかねぇじゃあねえかよ

 

「イヒヒ、嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。ちょいと待ってなよ」

 

旦那の手足の一部と化してるこのマグナムは倍する黄金の塊を対価にしたとしても全く足り得ねぇと言える価値のある代物だ、そんな相棒を預けて貰えるんなら相応のお仕事をさせて頂くとしましょうかねぇ

 

 

 

 

 

「我ながらホント見事な腕だぜ......」

 

フレームの痛みを綺麗に直しマズルの中の傷や汚れを綺麗に取り除き、グリップ周りやコイツでマグナム弾を使っているとよく起こるシリンダーの歪みや破損まで問題がないか内部機構を入念にチェックした後に次元の旦那へと相棒を返させて貰った

しかしまぁ…ウチでもマグナムは取り扱っちゃいるが、次元の旦那の銃みてぇな重さと凄みは出せねぇや

こればかりは旦那が今まで積み重ねて来た経験や命を賭けた強敵達との戦い、そして多くの宝を巡る旅の中であった出逢いや別れなんかが詰まってるのも多分にあるだろうよ...俺はそう思うね

 

手渡したマグナムを手に馴染ませる様に持ち、じっくりと眺めてから腰のホルスターにマグナムを戻すその動作も最早ガンマンとして堂に入ったもんだ

いやはや...万が一があっても俺は旦那とは絶対に敵対したくない、旦那と出会った時のあの早撃ちはそれ程に速く無駄が無かったんだ。構えた、と思う間もなく撃ってたあの動作...キヴォトス人の身体になってても撃ち抜かれるという恐怖で震えちまうからな

 

「流石だな。アルマ」

 

「この前の調印式のでも大分酷使したらしいな?随分とフレームが痛んでたぜ」

 

「まぁな、こいつにはいつも助けられてるからな。ご褒美をくれてやらねぇとだ」

 

「イヒヒ、その通りだと思うぜ」

 

相槌を打ちながら旦那に支払われた代金をレジに納めようとして、態々用意していた筈だったソイツの存在を思い出す。おっとアブねぇ、旦那の為にコイツを"仕入れた"のを忘れかけてたぜ!

 

「旦那、ちょっと待ってくれよ」

 

「どうした。何か用か?」

 

「実はな、とっておきの上物が入ったんだが......どうだ?」

 

帰ろうと背を向けかけていた旦那にとっておきの代物を掲げる

掲げた上物...バーボンウイスキー『エヴァンウィリアムズの23年』を落ちない様にしっかりと持ちながら軽く揺らすと中の琥珀色の美酒もボトルの中でチャポン、と踊る

へっへっへ、旦那がユウカ嬢に禁酒令を出されているのはそれとなぁく聞いちゃあいるが...俺から誘うのは禁じられてないもんな?しかもコイツは旦那が好んで飲むバーボンウイスキー、エヴァンウィリアムズの滅多に手に入れられない極上品だぁ。苦労したんだこれを"仕入れる"の

 

コイツの価値とお味をご存知な先生はクワッと普段隠れている目ん玉をむき出して悩み始めるが、もう一度琥珀色の液体を躍らしてやりゃあ何度かせき込んでから此方へと戻って来た

 

「なら、一緒に飲むとするか」

 

「そう来なくっちゃな、旦那!」

 

そう言ってくれると思ってたぜぇ、ツマミにと作っといた『稀鳥のトキトゥーラ』や『三位一体のミティティ』が無駄にならなくて何よりだ!

 

「「それじゃあ...乾杯!」」

 

透明なグラスに琥珀色の美酒を注いだ俺と旦那はソイツを掲げてグラスを合わせる

甲高い音と共に揺らめくウイスキーの味に舌鼓をうちながら、お互いにあれこれと話し始めるのだった......

 

 

◇◇◇

 

 

 

「...で、旦那?昨日気分良くバーボンをしこたま呑んで気分良く寝た翌日の当番に来てみりゃあ、この書類の山は一体全体どういう事情で?」

 

夜遅くまで互いに気分良く飲んだ翌日、シャーレの当番だった俺は機嫌良く旦那のいるオフィスまで足を運び...高く積まれた書類の山脈の中で頭を机に突っ伏してくたばりかけてる旦那に問いかける

 

「...あぁ?そりゃあオメェエデン条約のあれこれで西へ東へ駆けずり回ってる間もずっとシャーレには仕事が舞い込んでくるだろ?で、当の俺は向こうに出ずっぱりだ...するとやってくる仕事の束はどうなっていくと思う?」

 

「...OK旦那、そいつぁ白いもんが積み重なり続けるから富士の山超えのエベレストだ。って事は今日の仕事はコイツの標高を少しでも下げてキリマンジャロにする事だな」

 

「ワリィが頼む。ったく、此処に来てから結構経つが未だに書類仕事は慣れねぇな...」

 

文句を言いながらも書類と格闘する旦那に苦笑いしつつ、旦那の側に設けられているデスクの席へと座らせて貰う

 

「イッヒッヒ、凄腕のガンマンも書類仕事は流石に専門外か?」

 

「兵士相手の教導とかは出来るんだがな...これに関しちゃお門違いって奴だ、俺やお前みたいな経歴なら尚の事な」

 

「違いないわなぁ」

 

次元の旦那の机の上にあった膨大な書類の山の1つを自分の机へと引き寄せ、時折談笑も交えながら書類を捌いていく...毎回毎回思うが、シャーレに届く仕事量って旦那1人に押し付けていい量じゃないよなぁ。幾ら当番の生徒がいるっつっても多過ぎんだろ。見てみろ今も何か難しい顔して書類とにらみ合って―――

 

「...なぁアルマ」

 

「ん?どうした旦那?」

 

「あぁ...アルマお前はアリウス、いやアリウス分校の事をどう思う?」

 

「アリウス、か...確かエデン条約の時にゲヘナやトリニティに対してテロ行為を働いた学校だったな」

 

そして旦那を撃ったアリウススクワットの連中がいた学校か...正直旦那を撃ったって聞いた時はキレてたが、支度してる間に耳に入って来た情報を聞いちまえば怒りを飲み込む事は何とか出来たんだよなぁ

まぁ今はアリウススクワットの話じゃなくてアリウス分校の事だ...俺は少し考えてから、自分の思う所を正直に答える

 

「加害者でもあるが、被害者でもある...ってとこだな。確かにゲヘナやトリニティに対してテロ行為に及んだのは事実だ、其処は否定しようもねぇ

 

だが、そんな行動をしたのは旦那達が倒した首謀者が実質的な支配と洗脳教育をしてたからだろ?ああいう自分こそが頂点だとか自分の行いこそが下々に恩寵を与えるのだとか言い張るとち狂った奴らは周りまで巻き込んで不幸にしちまうからタチがワリィ

 

そうしてソイツを信じて...いや、信じるしかないだな。上を疑うとか指示に疑問を持つとかを出来ない様に自分に忠実な駒になる様に思考を誘導されちまったアリウス生はゲヘナやトリニティの生徒から見れば加害者だが、アリウスという学校の環境を見れば被害者だ。統治権こそアリウスに戻ったらしいが、今後の事を考えると色々と難しいだろうなぁ...ってのが俺のアリウスへの考えだがどうした」

 

「成程な...」

 

「で?そんな質問をするって事はその書類はアリウス絡みの話だろ?」

 

「ご名答だ。今俺はアリウス分校の生活環境や自治に対する警戒心を少しでも改善してぇ、だから連邦生徒会に請け合って改善を進めてるが...まぁ、あれだけの事をしちまったんだ。まだまだトリニティ始め疑念や警戒は強えし連邦生徒会も連邦生徒会長が行方不明になってから多忙続きで中々と話が進みにくいって報告だ」

 

チッ、と舌打ちをしながら次元の旦那はアリウス関係の書類を机の上に置く。旦那の方もまだまだ各方面の仕事に追われててそう簡単には動けねぇんだろうが、アリウス分校の問題は現在進行形のものだ...旦那としてはせめて生活環境だけでも早いとこ何とかしてやりてぇんだろうが、出来ちまった立場や状況がそれを許してくれねぇんだろうなぁ...全く、仕方がねぇなぁ旦那は

 

「旦那、その件連邦生徒会が本格的に動くまでは俺が暫く裏で支援しとこうか?」

 

「...お前、良いのか?」

 

「ああ...何、俺も似た様な大人のせいで昔痛い目にあった口だ

その方面では連中の気持ちもそれとなく分かるから、上手い事付き合えると思うぜ?それにゲヘナやトリニティの生徒が支援してくれるとしてもアリウス側の受けも良くないだろ?その点俺はブラックマーケットの出だ、警戒はされども流れの行商人として入れば他よりマシだろうよ

 

何より...放置しておくには流石に旦那も気が引けるんだろ?」

 

「分かるか?」

 

「ま、旦那とも結構長い付き合いしてればな...旦那は面倒見良いからアリウスの連中の事放ったらかしにしちまうのは気が引けるんだろ?支援の幅や規模は流石に連邦生徒会の方に分があるが、俺なら出来るだけ早く手助けしてやれるぜ?だが連邦生徒会が動くまでだ、流石に長い間支援し続けられる程の物を無償で用意し続けられはしねぇし体裁的にもブラックマーケットの店にずっと支えられてますはちと、な?」

 

俺からの提案を聞いた後、口元に手を当てて暫く考え込んだ後旦那は口を開く

 

「...儲けは出ねぇぞ」

 

「国宝級のどでかいお宝買い取らせて貰ってんだ。寧ろ此処である程度返させて貰わにゃあ旦那との取引の儲けが余ってる位さ」

 

「ハッ、言いやがる...じゃあアルマ、頼んだぜ」

 

「おうよ。なぁに、損はさせねぇよ旦那」

 

「そいつぁ知ってるよ、長い付き合いだからな」

 

何方からともなく拳を顔の横の高さまで持ち上げ、相手の拳へと軽く痛みが無い程度の速度で合わせる様にぶつけながら俺と旦那は再び書類の山へと挑んでいった...んだが、この辺りで逃げておけば良かったぜ

 

この後暫くして俺達が酒を飲んでいた情報をヴェリタスから入手した早瀬ユウカによりシャーレの床に二人纏めて正座させられて数時間に及ぶ説教をくらう破目になるとは、俺も旦那も流石に思って無かったぜ...暫く酒の商談は秘密裏に、だなぁ。とほほ...

 

―――――――

 

萬屋アルマ(新任教師『次元大介』の世界の姿)

 

拙作とは違う世界線、【新任教師『次元大介』の世界】に居るブラックマーケット在住武器商人萬屋アルマの姿

 

この世界線のアルマは拙作と違いハーブ各種の効力が強くない代わりに神秘『クラフト(仮)』で作り出せる品物が多岐に渡っており、食料品や煙草・酒等の品物も『アルマが覚えている』なら作り出す事が可能になっている

(体力を消費し品物を入手するのでアルマはこれを『仕入れ』と呼んでいる)

ただ欠点として『何が作れるのか』は完全にランダムであり、一般的に販売されている様な物は出る頻度や量も多くなりやすく希少な物ほど出にくく量が少ないという要は家具・贈り物・戦術BDを作れないクラフトチェンバーの亜種或いは劣化版神秘となっている

 

またハーブの優位性が無い為か便利屋68やミネ等ブラックマーケット絡みの出会いが無かった様で各校とのコネクションは薄く、ブラックマーケットにある一店舗程度の勢力に収まっている模様

 

次元先生との関係は元々どちらも裏家業同士でかつ年長者同士の上、(片方は元が付くが)男同士な為かなりウマが合う。その為定期的に飲み会をしてはユウカ達に叱られているようだ...尤も、飲酒を止める気はさらさら無いとの事である

 

 

 

次元大介(新任教師『次元大介』より)

 

【新任教師『次元大介』の世界】の主人公にして、かの『ルパン三世』に出て来る次元大介その人である

 

プロの腕前による愛銃の整備とキヴォトスでは希少品な酒と煙草の数少ない入手先としてアルマの店を重宝している様だ

また次元が扱える現実世界に近い頃の車両や武器の調達先としても不定期ではあるが品揃えを見に来たりもしている

本来生徒であるアルマと飲み会を開催しているのは問題がありそうなものだが、何となくだがアルマは別に酒を飲んでも問題ないなと判断している...一瞬聞こえたCVのせいかもしれない

 

次元先生から買い取った『ヴァスコ・ダ・ガマの黄金冠』は完全非売品であり、アルマはキヴォトスが平和になった暁にはワイルドハント芸術学院かワイルドハント美術館辺りに寄贈するつもりである

 

 

 

早瀬ユウカ

 

ヴェリタス辺りからシャーレに来た際のアルマの発言を聞いちまったのか飲み会してた事がバレた

この後怒れるユウカが来襲し滅茶苦茶説教された




はい、という感じで新任教師『次元大介』世界に居る萬屋アルマはこの様な感じの生徒になっています...何処に行ってもアルマが個人的に気に入ったお節介をしちゃうのは変わりませんw


レイゴン様の新任教師『次元大介』は此方→(https://syosetu.org/novel/369194/

この場をお借りして感謝を述べさせていただきます、コラボありがとうございましたレイゴン様

クロスの話は此方からさせて頂いたにも関わらず台詞や設定集をお渡ししてから此方のクロス話を書き上げるまでに少々時間がかかりましたし、ハーブ系のナーフはクロスする際に此方から難しい要望をお出ししてしまいましたが無事に書き上げて頂き本当にありがとうございました

こういったコラボの話は中々無い機会でしたので楽しみながら書かせて頂きました、視聴して頂いている皆さんにも楽しんでいただけたら幸いです...ではまた、本編でお会いしましょう

ライブセレクション「カイザーPMC基地正門」

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