「このアイテム……、こんなとこで入手したらこうなるだろ」
と思った部分からさらに妄想を膨らませてこうなりました。
主人公の名前は「結城理」になってます。
主人公は美鶴さんのことがしっかり好き
美鶴さんは主人公に好意があるけど無自覚
そんな距離感です。
タルタロス探索中のこと……
「そういえば、結城?さっき入手したアイテムはなんだったんだ?」
俺は思わずギクリと肩を跳ねさせた。
(もしやバレたか……?)
と冷や汗を掻きながら理がその表情を覗き込むが、美鶴先輩は何も知らないらしい疑問を浮かべた表情でこちらを見ている。
「……これだったんだよ、ただの現金」
「そんなふうには見えなかったぞ?」
「どうしたんだ?美鶴」
「あぁ、明彦。それが、先ほど入手したものを彼がひた隠しにするんだ。……お前の口からなら何かを聞き出せないか?」
まずい、これは非常にまずい。
この状況だけを見れば、俺が美鶴先輩に意地悪をしているように見えるかもしれない。
しかし、これは違う。彼女の為、そしてこのチーム全体のためにこれは隠すべきだと思ったのだ。
『セクシーアーマー』、宝箱に共に入っていた説明のような紙にはそう書かれていた。
【セクシーアーマー!クールで素敵で天然なあの人にいかが!?】
誰がこんなふざけたものをタルタロスの宝箱に突っ込んだのだろうか?
そんな疑問はともかく、こんな訳の分からないものを仲間に見せれば最後、このアイテム一つによって順平は浮かれ、岳羽はこちらに軽蔑の目を投げかけ、山岸はドン引き、そして最終的に美鶴先輩の処刑が襲ってくることくらい目に見えている。
「結城、リーダーとして隠し事はあまり良くないと俺は思うぞ」
「…………なら、真田先輩だけ来て欲しい。一度見ればなぜ隠すかわかる」
美鶴先輩と俺の間に立って死角になってくれた真田先輩に、コッソリと先ほど宝箱から出てきたセクシーアーマーなるものを見せる。
すると、こちらへの軽い疑念があった真田先輩の表情がまるで宇宙を見たようなポカンとしたものに変わる。
「あ、なんだ……、その、これは本当に宝箱から?」
「あぁ」
「よし、美鶴。このことは忘れるんだ。それが、全員のためだ」
そう言われた美鶴先輩は渋々ながらも頷き、その日は少しの探索をしたあと寮に帰還した。
セクシーアーマーはタンスの奥に捩じ込み、これで一件落着。
そう思ったのが、間違いだった…………
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そこから数日後、セクシーアーマーのことは順平にも共有しこれで女性陣に広まることはないだろうと安心していたある日の放課後、一通のメールが届いた。
[件名:なにかしたの?
本文:美鶴先輩があなたの部屋を捜査するから近づかないようにって……、なんかやった?]
岳羽からのメールだった。
やはり先日のタルタロス攻略から怪しまれていたらしい。
これは緊急事態だ、走って寮まで戻らなくては
「あ、おい、なんかあったのかよ!?」
驚く順平に緊急事態だ、とだけ言って走り出す。
その一言で大体を察したのか、背後から応援する言葉をかけてくれる順平。
俺は出来る限りの全力で寮へと向かったが、しかし現実は無情で……
「結城、その……これは、なんだ?」
「この前のタルタロスで入手した装備です」
「君には……、これを渡して着せるような相手が、いるのか?」
「……いません」
しばらくの沈黙の後、ため息を吐いた美鶴先輩は大きなため息を吐いて
「なら、これはもう一度しまっておけ。私も見なかったことにしておく」
「え?はい、お願いします……?」
「影時間を消したあと、その報酬としてならそれを着てやらないこともない」
その後、結城理は影時間に関する物事にさらに力を入れるようになり
桐条美鶴は自分が何を口走ったのかを意識して数日の間、結城理と目を合わせなくなったが、それはまた別の話。