蛇だった者たちへ。   作:Ciels

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赫怒 終

 

 盗聴記録

 ▶︎連邦捜査部S.C.H.A.L.E端末に侵入……

 

 当該音声データを入手、タイトルを『アビドスの変化』とする。音声を再生……

 

 

 

 モニターから音声が流れている。声紋と言動より、先日のアビドス高等学校における朝礼だと思われる。

 小鳥遊ホシノの演説が終わった後、デイヴィッド先生(以下、スネークという。)はため息を吐いてガムを口に放る。

 

『……恐れていた事が起きてしまった』

 

 エメリッヒ先生(以下、オタコンという。)が声を震わせて呟く。彼はホログラムをデイヴィッド先生の横に表示させていると思われる。

 

『ホシノを止められなかった。俺の責任だ』

『君だけじゃない。僕も、何もできなかった……新たな火種をキヴォトスに産んでしまった』

『エイハブは……奴は、こうなることは望んでいなかったはずだ。あの時のあいつの言葉は、確かだったはずだ』

 

 うん、とオタコンは同意を示す。

 

『少なくとも、ホシノにはあのままで居て欲しかったはずだ。でも結局、ホシノはその解釈を間違えてしまった。ホシノは変わったよ、スネーク。今でも僕達とは話してくれるけど、アビドスは今、他の学園を信用していないようだ。それでもミレニアムに留学生を送るということは、今彼女達は遅れている技術面の回復を図ろうとしているんだろう』

『借金の件は?』

『今回のカイザーの不手際で半分は帳消しだ。けれど、まだ4億は残ってる。けどそれも、今後の彼女達のやろうとしていることを鑑みればすぐに返してしまうだろう』

 

 スネークの深い溜息が響く。

 

『PMSCs産業……ホシノはカイザー達と同じ業種をすることを嫌うと思ったが』

『良くも悪くも、彼女はエイハブの影響を受け過ぎた。それに表向きには、PMCではなくPMSCsだ。つまり、セキュリティに重きを置いている』

『詭弁だ。PMCも、歴史的にはそうやって規模を大きくしてきただろう』

『だとしても、だよ。少なくとも、世間的には好意的に見られているようだ。自治区内の犯罪率も急激に回復している』

『軍備も増強している。このまま行けば、ゲヘナやトリニティが束になっても勝てなくなるぞ』

 

 補足。専門家曰く、現在のアビドス高等学校の戦闘力はトリニティ及びゲヘナに対して劣るとされているが、生徒の練度及び技術的優位性に関しては優勢だとされている。

 

『……エイハブは救われたとマスターは言っていた。だが今度は、ホシノが呪いに囚われてしまった。捨て去った鬼が、ホシノに寄生したんだ』

『……誰かが、ホシノを救わなくちゃいけない。でもそれは、僕たちには無理だ。彼女の心に入り込む隙間がないんだよ』

『止められるのは白鯨だけ……それをエイハブは分かっているはずだ』

 

 

 音声停止。

 新データを発見、タイトルを『エイハブについて』とする。音声再生……

 

 

『マスター、もう言い逃れはさせん。エイハブは何者だ?』

 

 場所についてはゲヘナ学園の校舎であると推察される。自称アビドス高等学校の教員、マクドネル・ベネディクト・ミラー(以下、ミラーという。)は、観念したように溜息を吐く。

 

『もう気付いているだろう、スネーク』

『そんなはずはない、ビッグボスは……』

『彼もまた、BIGBOSSだ』

 

 困惑したようにスネークは唸る。

 

『どういうことだ?』

『ボスは……BIGBOSSの、影武者だった。アウターヘブンでお前が殺したBIGBOSSは、影武者の方だ』

『影武者? バカな……』

『オセロットのことは、知っているな?』

 

 オセロットという人物はデータベース内に該当せず。

 

『……まさか、自己暗示で?』

『バカな! BIGBOSSを演じていただと? 俺は奴と戦ったんだぞ! エイハブがBIGBOSSであるはずが……』

 

 オタコンが推察し、スネークが怒鳴るが途中で彼の声が止まる。何かに気づいたような声をあげた。

 

『あの……義手!』

『1974年のことだ。本物のBIGBOSSが率いた民間軍事組織……国境なき軍隊(Militaires Sans Frontières)という組織があった。そうだ、アウターヘブンの前身とも呼べる組織だ。俺は当時、そこの副官だった』

『あんたが……』

 

 データベース内にMilitaires Sans Frontièresという組織は存在せず。

 

『当時、CIAの陰謀に巻き込まれた俺達は、コスタリカとニカラグアで奴らと敵対した。同時に、サイファー……愛国者達の前身である組織とも争うことになった。理由は、メタルギアが大きく関わっていた』

『メタルギアが?』

『ああ。俺達はCIAとサイファーを退けた。だが、サイファーの部隊が一人の少女と少年を捕虜にしたんだ。少女の名前はパス、少年の名前はチコ。パスはサイファーのスパイで、BIGBOSSに倒された後に奴らに救助され、そのままキューバで捕虜になったんだ。当時チコは一時的にMSFに所属していた。チコはパスに惚れていたんだ、そのまま勝手に彼女を救い出そうとし……同じように捕まった』

『それと何の関係が……』

 

 まぁ待て、と重なるようにミラーが発言。

 

『パスとチコはMSFの事を知り過ぎていた。サイファーに情報を渡すわけにはいかなかった俺達は、BIGBOSSを単独潜入させて救出しようとしたんだ。だが、当時俺達は世界に対する抑止力のために核兵器とメタルギアを保有していた』

『なに?』

『突如IAEAの核査察団が来ることになって、対応に迫られていた俺達は、二正面での作戦を強いられたんだ。BIGBOSSは見事に二人を救出。だが……MSFにやって来たMSFの核査察団は、まったくの嘘だったんだ』

 

 スネークとオタコンは聴き入っているようだ。

 

『当時、うちに一人の科学者がいた。ヒューイ……そう呼ばれていた男だ。メタルギアを作ったのも奴だ。名を、エメリッヒ』

『それって……まさか!?』

 

 オタコンが驚く。姓がオタコンと一致している。

 

『そうだ、オタコン。お前の親父だ。当時、コスタリカのゴタゴタに伴って奴と、そしてストレンジラブという女性科学者がいた。分かるか? お前の両親は、俺達といたんだ』

『そんな……父が、メタルギアを!? それに、母親だなんて!』

 

 オタコンは明らかに動揺しているようだった。

 

『ヒューイは密かにサイファーと手を組んでいた。自分と、その恋仲であるストレンジラブの身の安全を求めて。核査察団は奴らの実働部隊だったんだ。当時、必要最低限の武装以外を隠していた俺達はあっという間にやられてしまった。拠点であった海上のマザーベースは壊滅、BIGBOSSの乗ったヘリが辛うじて俺を救出し、他の皆はほとんどが殺された。そのヘリに乗っていたのは、パイロットとBIGBOSS、俺、チコ、パス、そして……当時BIGBOSSのメディックだったエイハブだった』

 

 何とも言えない唸りのような声がスネークとオタコンから漏れる。

 

『だが、パスの身体にはサイファーの爆弾が仕掛けられていた。俺達はその爆発に巻き込まれたんだ。ボスは、その爆発からBIGBOSSを庇い……左腕を失った。俺もそうだ、片腕と片足を失ったんだ。パスもチコも、死んでしまった』

 

 ホログラムのミラーの姿が変化。

 

『それから9年間、BIGBOSSはキプロスの病院で昏睡状態になった。ゼロは知っているな? 愛国者の創始者、そしてサイファーの指揮官だった男だ』

『ああ。ビッグママから聞いた』

『ビッグママ……ふん、そういうことか。当時ゼロとBIGBOSSは敵対していた。だがゼロは親友であった奴を殺すつもりはなかったんだ。だから、世界中から狙われていた奴を守り通すために、ある計画を立てた』

 

 しばし間が空いて、スネークが推察する。

 

『それが、影武者?』

『そうだ。ゼロはオセロットに、ボス……エイハブがBIGBOSSとして役目を果たせるように暗示をかけた。過去の戦闘記録を辿り、自分こそがBIGBOSSであると変性意識の中、洗脳したんだ。……だが、本当はボスは最初から気付いていたはずだ。自分が何者で、役割が何かを。ボスは、最後まで忠を尽くした。あの時、あの場所で、確かに彼はBIGBOSSだった。俺達を捨てた本物のBIGBOSSとは違う。パニッシュド・ヴェノム・スネークは、確かにBIGBOSSだった』

『ならあんたはどうしてFOX HOUNDに?』

 

 スネークが尋ねると、ミラーは口籠る。

 

『……俺は本物のBIGBOSSへの報復心を捨てられなかった。俺を、俺達と共に歩む未来を捨てた奴を、この手で育てたお前に殺させる。そのために、FOX HOUNDに……敵であるアメリカに渡ったんだ』

『……俺を利用した訳か。結果的にエイハブと本物のビッグボスを殺すことになった。それであんたの報復心とやらは消え去ったのか?』

『いや……むしろ、報復心は消えずに虚しさに満たされるばかりだった。二人のボスに弓を引いて、俺は大切なものを全て亡くしてしまったんだ。お前の思っている通り、バカな人間だよ、俺は』

 

 

 

 音声停止。

 新データを発見、タイトルを『エイハブの動向』とする。音声再生……

 

 

 

『エイハブはこれから何をするつもりなんだ?』

 

 発話者、スネークとオタコンの二名。

 

『分からない。マスターとも連絡が取れなくなってしまった』

『エイハブ先生とミラー先生の位置情報も、iDROIDの妨害のせいでわからないままです……ごめんなさい先生』

 

 三人目の声。細部不明、データベース内の声紋と一致せず。

 

『君のせいじゃない。こういう分野なら右に出る人間はいないだろうからな、奴らは』

 

 呆れ口調のスネーク。

 

『ただ、分かっていることもある。エイハブは便利屋68とビジネス関係にあるようだ』

『……また繰り返すつもりか、奴は』

『それはないんじゃないかな。あくまで出資やビジネス面での教育がメインのようだ。ま、アルはカリスマはあるみたいだけど、ポンコツな所が目立つからね』

『この前、柴大将の屋台に便利屋と行ったが……まぁ、なんだ。相変わらずだった』

『え? もうスネークったら、またお忍びで女の子達と遊んでたのかい?』

『おい、そんなんじゃない。近況を聞いただけだ、生徒だしな』

 

 笑うオタコン。

 

『冗談だよ。でもスネーク、あんまり女の子ばっかりと遊んでると、ユウカが怒るよ?』

『帰ってきて早々こってり怒られたしな。彼女には悪いことをしたさ。仕事も任せっきりだったし』

『いや、そうじゃなくて……まぁ君らしいが』

『どういう意味だ?』

『先生に女の子の気持ちは分からないってことですね!』

『アロナ……そりゃどういう……』

 

 

 

 音声停止。

 新データを発見、タイトルを『ユウカの激怒』とする。音声再生……

 

 

 

 ドタドタと足音が響く。

 

『せ〜ん〜せ〜い〜!!!!!!』

『ユ、ユウカ……!』

 

 声紋からミレニアムサイエンススクール、セミナー所属の早瀬ユウカと断定。スネークの襟首を掴むととてつもない勢いでロッカーに叩き付ける。

 

『うぉあ!!??』

『仕事ほったらかしてどこに行ってたんですか!? ずっと私とノアで業務をこなしてたんですよ!?』

『す、すまないユウカ、だが俺もサボってた訳じゃ……』

『問答無用です! 今日はみっちり仕事してもらいますからね!』

 

 引き摺られていく音。

 

『あはは……こりゃ大変だ』

『あら、ハル先生もしっかり仕事してもらいますよ? うふふ……』

『ノ、ノア……!』

 

 

 

 音声停止。

 新データを発見、タイトルを『黒服について』とする。音声再生……

 

 

『結局、黒服の目的はなんだったんだ?』

『わからない。けれど、ホシノの神秘が関係しているとは思う。ホシノから聞いただけだけど』

『神秘が?』

『うん。黒服曰く、ホシノはキヴォトスで最大級の神秘を持っているらしい。まぁそれがどんな影響を齎すのかも、使い道もわからないけれど……神秘についてはわからないことが多すぎる』

 

 唸り、考え込むスネーク。

 

『ゲマトリアの目的と黒服の目的が一致しているとは限らない。これはあくまで、黒服単体の犯行の可能性もある』

『そうだね……奴が今どこにいるのかもわからない。あのビルも、今は空き状態みたいだし』

 

 

 音声停止。

 新データを発見、タイトルを『雷電との通信』とする。音声再生……

 

 

『しかし驚いたな。本当にあんたが生き返っているとは。それに、キヴォトス……にわかには信じられん』

 

 新規の声紋。雷電と呼称する。

 

『そりゃこっちの台詞だ。オタコンから色々聞いたぞ。……まったく、ローズとジョンが悲しむぞ』

『痛いところを突くな。だが、家族にも説明はしている。それに仕方のないことだ。俺は今となってはお尋ね者だからな。昔のあんたたちみたいだが』

 

 大きなため息。スネークのものと考察。

 

『まぁそれはいい。俺も当分は予定もない。あんたが呼びたい時に呼んで貰えばいいさ。そっちは大分物騒だと聞く』

どっかの西海岸(サンアンドレアス)よりはマシだ。殺人事件はないからな』

『死なないだけだろう。何より、あんたはヘイローとやらがないんだ、いつ死んでもおかしくない』

『俺はいい。どの道死人であることには変わりない』

『……あんたらしいが。たまには自分を大切にしたらどうだ、スネーク』

『フ、お互い様だ』

 

 

 音声停止。

 新データを発見、タイトルを『大人のカード』とする。音声再生……

 

 

『大人のカードについてだが……』

 

 場所、アビドス高等学園。時期、小鳥遊ホシノ誘拐後。発言者、ミラー。

 

『あまり、あれは使わない方がいいだろう。大人のカードのことだ』

『……』

 

 スネークもオタコンも数秒黙り込む。しばらくしてからオタコンが説明をし出した。

 

『使用時に急激な老化の兆候が出ている。君のバイタルチェックで判明した。どうやら大人のカードを使うと、永久的な老化を引き起こすようだ』

『寿命を引き換えに助っ人を呼ぶってことか。俺にピッタリな作用だな』

 

 皮肉混じりにスネークが言う。

 

『ボスには言ってないが……iDROIDにも大人のカードが隠されている。ボスの大人のカードが同様の効果かは不明だ』

『そもそも、このカード自体いつのまにかシッテムの箱に挿入されていたものだ。アロナも出所はわからないらしい』

『カードについて知っていそうな連邦生徒会長は失踪中……手掛かりは無しだ。解析に掛けても、中身は普通のクレジットカードと変わらなかった。ま、そもそもクレジットカードの機能もあるんだけどね。普通に使う分には老化の症状はないみたいだ』

 

 大人のカード、分析……出自等不明。

 

『とにかく、何か分かるまでは使用は控えるべきだ。今のお前、ザンジバーランドの時よりも老けて見える』

『ああ。体調的にも、シャドーモセス事件(MGS1)より少し前くらいだろう』

 

 シャドーモセス事件についての記録等無し。

 

 

 音声停止。

 新データを発見、タイトルを『他校との交流』とする。音声再生……

 

 

『ホシノ、ミレニアムとの交換留学を決めたんだな』

 

 発話者、ミラー。相手は小鳥遊ホシノ。

 

『うん。みんな勉強熱心でさ〜、おじさん嬉しいねぇ』

『ミナミが機械に強いとは思わなかったが……まぁ、人は見た目通りとはいかないものだ。ゲヘナにも戦術教導をすると聞いたぞ?』

『あんまり乗り気じゃなかったんだけどねぇ。今後、また共同で任務があるとまたキョウコちゃん達が困っちゃうから。おじさんとしては他校が強くなるのは困るけど、戦車中隊長からの意見となれば聞いちゃうよ〜』

 

 アビドスの戦車中隊長はキョウコと呼ばれる元ヘルメット団であると断定。

 

『だが装甲歩兵部の中隊長がミレニアムに行ってしまっては指揮が取れないんじゃないか?』

『そんなことないよ〜。これからの時代は諸職種連合の時代だから、戦車や歩兵単体じゃなくて、一元化した部隊運用が求められる。ミラー先生も分かってるでしょ?』

 

 少し困惑したように頷くミラー。

 

『話は変わるけど、先生』

『なんだ、ホシノ?』

『エイハブ先生は……ヴェノム・スネークは、元気?』

 

 動揺したような声が響く。

 

『……気付いていたのか、ホシノ』

『そりゃそうだよ先生、おじさんを見くびってもらっちゃ困るな〜。それで、先生?』

『……ああ、元気だよ。すっかり俺の知るボスに戻ってる。楽しそうにやってるよ』

『アルちゃんのところでかな? ま、先生が元気ならそれでいいや〜』

 

 

 音声停止。

 新データを発見、タイトルを『ゲヘナでの会談』とする。音声再生……

 

 男性の足音。不意にそれが止まる。

 

『……ヒナ』

『ジャック。行くのね』

『すまんな。まだ、やる事がある』

 

 ぽんぽんと頭を叩く音。恐らく空崎ヒナの頭を撫でるように叩いていると思われる。男性(以下、ジャックという。)の声はスネークに酷似。

 

『相変わらず、教えてはくれないのね』

『……すまない。だが……』

『いいわ。貴方が自由気ままなのはいつものことだもの』

 

 苦笑いが響く。

 

『でも、そろそろ美食研究会の生徒達をどうにかして欲しいわね。彼女達、野生動物の狩猟を許可なくやっているから。貴方のせいで』

『ああ……それは、デイヴィッドに任せる』

 

 

 

 音声停止。

 新データを発見、タイトルを『ジャックと生徒』とする。音声再生……

 

 走ってくる足音。少女のものと思われる。

 

『待って! スネーク、待って!』

『うお!? ……君は?』

 

 ぶつかる音。話者はジャックと救急医学部だと思われる。

 

『……やっぱり、スネークなのね?』

『その声は、まさか……クラークなのか?』

『今はその名前じゃないけれどね』

 

 ぶつかった少女から距離を取ろうとするジャック。

 

『待って。許してもらえないことはわかってる、でも……』

『君は、君は……あの時、やってはいけないことをした』

『……』

『人の領分を超え、踏み入ってはいけない場所まで行ってしまった』

 

 両者が黙り込む。

 

『だが同時に、俺達の過ちを彼らが精算してくれたことも事実だ。だから……』

『分かってる。私は、やってはいけないことをしてしまった。倫理的にも、人道的にも。科学を、人類を歪にしてしまった。でもスネーク、私は貴方に会ってどうしても言いたいことがあるの』

『……なんだ』

『ごめんなさい』

 

 しばらくして、ジャックが口を開く。

 

『いや』

『え?』

『謝るのは俺も同じだ。君にしっかりと向き合おうとはせず、真っ向から否定してしまった。もちろんあの計画は許されることじゃない。だが、そのおかげで俺はデイヴィッドと出会う事ができた。あいつを解放することができた。感謝もしているんだ』

『スネーク……』

『すまない、こんな風に……』

 

 ノイズ発生。音声データ破損。

 修復不可。何者かによるクラックを感知。

 

 

 

「すまないが、これ以上は聞かせてやれない。せっかく旧知の仲の二人が仲直りしようとしているんだ、それを覗くのは無粋じゃないかな? まぁいい。悪いが記録は消させてもらうよ。うちには優秀な人材が居てね。この程度のセキュリティなら問題じゃないんだ」

 

 

 データ消失。修復は不可能。現在クラッカーについて調査中。

 




ここで赫怒は終わり。
エンディングと次章予告についてはアカウントの閉鎖に伴い一旦削除しました。
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