ここはオレンジアカデミー。パルデア地方最大の都市であるテーブルシティの歴史ある学校である。
先日まで姉妹校であるブルーベリー学園へ交換留学に行っていたが、今はオレンジアカデミーに帰ってきて日々
「ハルト!もう一戦バトルやろ!」
彼女はネモ。パルデア地方最年少チャンピオンにして超がつくほどのバトル好き。そして僕のライバルだ。
今日は朝からバトルに誘われ、かれこれ数時間はぶっ通しで対戦し続けている。ネモはあまり体力が無いはずなのだが、バトルになるとどれだけやっても全く疲れる様子がない。こっちはもうヘトヘトなのに…
「さ、さすがにちょっと休憩しない?ペパーに作ってもらったサンドウィッチもあるからお昼ご飯にしよう?」
そう言うとネモはようやくボールを構えるのをやめてくれた。同情した顔でサンドウィッチを渡してくれたペパーに感謝しよう…
そうしてネモとお昼ご飯を食べながら雑談していると、ネモに聞きたいことがあったのを思い出した。
「そういえばブルーベリー学園のタロとよくお喋りしてたけど、タロとは知り合いだったの?」
「そう!タロは昔お父様に連れて行ってもらったパーティーで会ったの!タロのお父様はヤーコンさんって言って、イッシュ地方のジムリーダーなんだよ!バトルもしてもらったんだけどすごく強かったんだ!」
ネモは目をキラキラさせながら答えてくれた。ジムリーダーと聞いてすぐ初対面の大人にバトルをふっかけるあたり実にネモらしいが、────ヤーコンとはまた懐かしい名前だ。
「それでね?ブルーベリー学園でタロにイッシュ地方の強いトレーナーの話を…ってハルト聞いてる?」
僕が懐かしい名前で感傷に浸っている間にも、ネモは話しを続けていたらしい。僕はごめんと謝りながら、ネモに話の続きを促す。
「それで、ブルーベリー学園でタロにイッシュ地方の強いトレーナーの話を聞いたんだけど、すっごく強そうなトレーナーの話を聞いたの!ハルトはイッシュ地方の伝説のポケモントレーナーの話は知ってる?」
僕が首を横に振ると、ネモは嬉々としてその伝説のポケモントレーナーの話を教えてくれた。
「そのポケモントレーナーはすっごい天才で、ポケモンの言葉が分かるんだって!しかも伝説のポケモンを使うらしいの!私は黒い伝説のポケモンって聞いたんだけど、白い伝説のポケモンって言ってる人もいたなぁ。伝説のポケモンを使うトレーナー…私も戦ってみたいなぁ…」
────知らないなんてとんだ嘘だった。僕は彼のことをとてもよく知っている。
とても早口で、ポケモンのことをトモダチと呼び、龍に英雄と認められた、僕の──
「ってそうじゃなくて!その伝説のトレーナーがなんと!最近イッシュ地方の色んなところで姿を現しては人助けをしてるんだって!理由はよく知らないんだけど──ハルト?」
────彼が、姿をあらわしている?
あの日、
「やっぱりハルトも戦いたいよね!だって伝説のポケモンにポケモンの言葉が分かるトレーナーとか絶対絶対強いもん!その人パルデア地方にも来てくれないかなぁ…戦いたいなぁ…」
そんなネモの大きな声で現実に引き戻される。でもおかしいな。僕は戦いたいだなんて言ってないんだけど。
「ネモ、なんで僕が戦いたいって分かったの?」
そうネモに問いかけると、ネモは当たり前だとでも言わんばかりに笑いながら教えてくれた。
「顔を見れば分かるよ!だってハルトすっっっごく嬉しそうだもん!」
顔に出しているつもりはなかったけれど、ネモにはお見通しだったらしい。やはりバトルのことになるとネモには敵わないなぁ。
そんなことを考えながら、改めて彼に想いを巡らせる。
かつて君は、僕に『夢をかなえろ』と言ってくれた。君がそう言ってくれたから、僕は夢を実現できた。真実とすることができた。
あれから随分と長い時間が経ったけれど、
3度目の
また何か書きたくなったらこのくらいの文字数のSS書きたいな。
皆さんは読む時文字数って気になりますか?