先日の一件から放課後にブルーの生徒達に挑まれることが多くなった。毎日毎日、飽きもせず挑んでくる。デュエル自体は嫌いでは無いが、いかんせん量が多すぎる。自分が蒔いた種なので自業自得と言えばそうなのだが、限度というものがあるだろう。
今日も負けた生徒達の背中を眺めながらため息をつく。
「相変わらず挑まれ続けてるのね」
声をかけてきたのは明日香だ。後ろには十代や翔と三沢といったいつものメンバーだ。
この数日、挑んでくる生徒達をかわすため明日香や十代達と共に行動していた。その見返りとはいえデュエルや手伝いをすることもあった。柔軟な対応をする明日香やさまざまなヒーロー達を使い戦う十代達とのデュエルはとても楽しいかった。しかし毎日世話になるわけにもいかず、1人でいることもありその時を狙ってやってくる。
「自分が言ったこととはいえこう毎日挑んでくるとは思わないだろ」
零士も初めはこうなると思っていなかった。数日もすれば飽きるなり諦めるなりするだろうと考えていた。しかし、いつまで経っても挑んでくる。最近はわざと負ければ諦めてくれるかなと思い始めているほどだ。もちろん、わざと負けることなどしないが。
「なぁ、俺ともデュエルやろうぜ!」
明日香の後ろにいた十代がいつの間にか前に出てきてデュエルを挑んでくる。相変わらず、十代は元気だな。いつもなら二つ返事で受けてきたが、
「悪いが流石に腹一杯だ。それにもうしばらくしたら月一テストがあるんだから、明日香や三沢はともかく十代や翔は頑張らないと危ないぞ」
その言葉に十代の後ろにいた翔は、そうだったどうしよと頭を抱えて蹲ってしまう。なお、十代本人はなんとかなるだろうとケラケラと笑っている。
「まだ一週間もあるんだから今からでも勉強をすればいいだけなんだから、余計な不安を煽ってはダメよ」
明日香の言っていることも正しい。真面目な性格の人なら普段から予習復習を欠かさずおこない焦ることなどないが、直前にならないと火がつかないのは人のさがと言う物だろう。
零士も授業の内容を自分のわかるようにまとめたりしているので基本的に赤点を取ることはないが、だからと言って高得点を取れるわけでない。
「あ!そうだ三沢くん、僕に勉強を教えてください。お願いします」
さっきまで蹲っていた翔が、近くにいた三沢に懇願する。
確かに三沢は頭もよくデュエルの腕も高い。教えてもらう人物としてはうってつけであろう。
「そうだな、・・・・・・俺は構わないぞ。零士はどうする?」
三沢の思わぬ一言に困惑し思わず俺?といった風に自分を指差す。
「俺達は学生という立場なのだから本分は学業。それに評価が上がれば自信にもつながり教師からの評価もよくなる、悪いことはないぞ」
「それに不安を煽っておいて自分だけ無関係はまかりとおらないわよ」
三沢からの言葉にさらに明日香からの追撃、
「わかったわかった、一緒にやるよ」
零士は両手を上げ、観念し全員で移動する。彼らと共に行動していれば、他の生徒から勝負を仕掛けてくることもないだろう。
月一テストに向けて、レッド寮の一室にて勉強会が始まった。
「そこ間違っているぞ」
「え!どこどこ?」
それぞれ自分の苦手な分野を教わったり、問題の考え方などを教え合っている。
周囲の状況を楽しみながら零士はデュエルに関する科目について復習している。
デュエルに関することはたいていは知っているのだが零士のいた時代とこの時代、さまざまなとこで齟齬が生まれている。まだ赤点こそ回避しているが元々身についた知識があるせいで、なかなか憶えられないでいた。
「ここはこの公式を使うといいわよ」
「さすがなんだな、明日香さん。わかりやすいなんだな」
十代と同室の前田隼人も参加しており、明日香から教えてもらっている。
十代達がこの勉強会が始めるにあたって同室の隼人を誘っていた。
一方対面で勉強していた十代は頭をかき唸りながら問題を解いている。十代はデュエルの腕前はもちろんのこと自前のドロー力でひっくり返せるだけの運も持ち合わせているが、勉強面の方は見てわかる通りに苦手なようだ。十代にとってはしばらく辛い日々になるであろう。
そんな日々が過ぎ、試験まであと数日となったある日。
「も〜!限界だ、誰でもいいからデュエルやろうぜ〜」
ついに十代の我慢が限界に達し爆発した。そんな十代を明日香は注意するが、
「まぁまぁ、明日香くん。このところ勉強詰だったから仕方ないさ、ここら辺で気分転換も兼ねてやろうじゃないか」
三沢の提案に明日香はしぶしぶ了承し、十代は翔を連れて外へ出て行った。
勉強が一区切りつき、零士も机にペンを置き立ち上がる。
(俺も外の空気吸ってこよ)
そんなことを考えながら部屋を出る。寮の前にある広場では、すでに十代たちがデュエルを始めていた。
十代の場にはフレイム・ウィングマンが召喚されており、翔のライフも残り少しといったところであった。
「いけ、フレイム・ウィングマン。《フレイム・シュート》」
フレイム・ウィングマンが放った炎により翔のライフが尽きる。
いつもの決め台詞を放ち喜んでいる。ふとこちらの視線に気づいた十代がこちらに声をかける。
「せっかくだから零士もデュエルやろうぜ!」
ぶんぶんと手を振りこちらに走ってくる十代。十代の誘いにのりデュエルをしようと前に進もうとした時、いつのまにか横にいた三沢に止められた。
「すまないがこのデュエル。俺に譲ってくれないか、試したいことがあるんだ」
「あぁ、構わないが。十代は三沢が相手で問題ないか?」
十代はデュエルできるなら誰でもよかったらしく、早速三沢と始めている。
十代達のデュエルを横目に、負けて項垂れている翔に近づき手を差し出す。
「立てるか?」
項垂れていた翔がこちらに顔を向けると、その顔は涙目になっている。
「うぅ〜、このままじゃテストもデュエルもダメダメで退学になっちゃうよ〜」
と意気消沈してしまっている。ため息をつきつつ零士は翔の肩に手を置き話しかける。
「そんな落ち込むなよ。少しずつ点数は上がってんだから、デュエルの腕も悪くないんだから」
翔との同室には十代や隼人がいる。何度でも揉んでもらえればいい。戦えば戦うほど、自分の長所や短所が見えてくる。そのまま長所を伸ばすのよく短所を潰すも本人次第である。翔のロイドデッキはモンスターの攻撃力は低いが、能力も悪くなく機械族であるためサポートも充実している、かなり強力に立ち回れるはずだ。
翔自身の自信のなさが足を引っ張ってるのかうまくいっていない。しかし、学生生活は始まったばっかりである。おいおい、自信をつけれるようになるだろう。
「ガッチャ、楽しいデュエルだったぜ」
気づけば、十代はすでにデュエルを終わらしていたらしい。
俺も気分転換を兼ねて一戦やろうと考え、十代に声をかけようとすると、
「待ちなさい‼︎」
どこからともなく聞こえた声に全員、周囲を見渡す。周囲を見渡しても声の主は見つからなかったが、
「あ!あれ」
近くにいた翔がレッド寮の屋根を指差す。そこに視線を向けると、太陽に重なり見ずらいが人影が見える。
人影はその場から大きく飛び上がり、空中で身を翻し零士達の前に着地する。
目の前に現れた人物は銀色の長髪をかきあげ、ビシッとこちらを指差すブルーの女子生徒だった。
「あなたが黒薙零士ね。ぜひ私とデュエルしてくださらない?」
芝居かかった仕草でデュエルを持ちかけてくる女子生徒。
全員が唖然としている。ケンカ打ってくるブルーの生徒たちを片っ端から片付けていたが、その中にこの女子生徒はいなかったはずだ。
「すまんがあんた誰だ?」
突然勝負を仕掛けてる女子生徒に零士は思わず尋ねる。
(仇討ち?そんな雰囲気ではないが)
「あら自己紹介をしていなかったわね。私の名前はグレース・タイラー。あなたと同じ新入生よ、あなたの実力をぜひ私に見せてちょうだい」
勉強詰めで煮詰まっていた頭をほぐすのに丁度よかった。受けない理由がない。
「ああ、いいぜ。」
零士は腰に装着しているデュエルディスクを引き抜き装着する。
「へぇ、面白いデュエルディスクを持っているのね」
グレースが零士のデュエルディスクに興味を示す。
「ん?あぁ、これは父親の仕事の関係での特権だ。」
初めて見た時は十代も翔も羨ましがっていたな。でも確か十代達も専用のデュエルディスクを持つようになるなずだ。
(あれ?いつからだっけ)
そんなことを考えていたが、まぁいいかとグレースへ視線を戻す。
「そんなことより、やろうぜ」
零士の言葉にグレースは獲物を狩る狩人の目つきへと変わる。
「えぇ、楽しいデュエルにしましょう」
「「デュエル」」
2人の掛け声と共に戦いの火蓋はきられた。
「アニキ、三沢くん。彼女のこと何か知ってる」
零士達のデュエルが始まる直前、翔が十代と三沢に聞く。
「いやー知らないな」
「すまないが俺も知らないな」
2人とも知らないと答える。いつの間にか近くに来ていた明日香が答えた。
「彼女はグレース・タイラー。元々中等部でも有名な姉妹よ」
明日香の言葉に三沢が反応する。
「姉妹ということは」
三沢の言葉に頷き、明日香は説明を続ける。
「えぇ、グロリア・タイラーという姉がいるわ。それぞれの実力は折り紙つき。しかも、タッグデュエルを得意としてきて今まで負けたことないらしいわよ」
その言葉に三者三様の反応を示す
「それよりデュエルが始まるわよ」
明日香の言葉に皆、零士達の方へ視線を向ける。
「先行は私からね。私のターン、ドロー」
「私は、アマゾネスの剣士を攻撃表示で召喚。」
【アマゾネスの剣士】
星4 地属性 戦士族 ATK1500
「さらに1枚伏せターンエンド。さあ、貴方のターンよ、このデュエル楽しみましょう」
グレースがこちらに向ける眼は品定めするようなようで、こちらの出方を楽しんでいるようだ。
自分のデッキに手をかける。
「俺のターン、ドロー」
「俺はカードを2枚伏せ、煉獄の契約を発動。このカード以外の手札が3枚以上の場合発動できる。手札を全て捨て、墓地からインフェルニティモンスターを特殊召喚する。現れろインフェルニティ・デストロイヤー」
【インフェルニティ・デストロイヤー】
星6 闇属性 悪魔族 ATK2300
巨人のような悪魔が零士の場に登場する。
「インフェルニティ・デストロイヤーでアマゾネスの剣士を攻撃《
巨人が拳を振り下ろす。
「甘いわよ、アマゾネスの剣士の効果。このカードによって発生する戦闘ダメージは相手が受ける」
攻撃を受け止めていたアマゾネスの剣士が外側へ逸れるようにすべり、持っている剣を零士へ投げつける
零士
LP4000→3200
「だが、インフェルニティ・デストロイヤーでモンスターを破壊した時、1600ポイントのダメージを与える」
手のひらをグレースへ向けたインフェルニティ・デストロイヤーから衝撃波が放たれライフを削る。
グレース
LP4000→2400
「俺はこれでターンエンド」
「さすがね、そうでなくちゃ面白くないわ。私のターン、ドロー」
「私は手札のアマゾネスの斥候の効果を発動、アマゾネス女王を見せることにより、アマゾネスの斥候を特殊召喚する。」
グレースは手札の1枚を見せ、アマゾネスの斥候を特殊召喚する。
(女王を見せた上で特殊召喚したということは)
「さらにアマゾネスの斥候をリリースし、アマゾネス女王をアドバンス召喚する」
零士の予想した通り、女王が現れる。
現れたアマゾネスの女王は玉座に座り、静かにこちらを見据えている。
「アマゾネス女王でインフェルニティ・デストロイヤーを攻撃。」
玉座に立ち上がり、インフェルニティ・デストロイヤーの攻撃を華麗に躱し袈裟懸けに切り伏せる。
零士
LP3100
「私は、1枚伏せターンエンド」
零士の場は伏せが2枚だけで手札は0。ライフを大きく残してはいるがかなり深刻な状況である。
インフェルニティは確かに強力なシリーズではあるが。その性質上、大量展開による短期戦向きのデッキである。
それもEXデッキのカードを使い場を制圧しつつアタッカーを揃える為、融合しかないこの時代においてはかなり動きが制限されてしまう。その為、捲られたりすると返せなくなることが多い。
(ここでモンスターを引けなきゃ本格的にやばいな、伏せで一回は耐えれるが後のことを考えると壁は置いておきたい)
「俺のターン、ドロー」
引いたカードの見て思わず笑みをこぼす。
(やっぱり、まだまだ終われないな)
「俺は今引いたカード。インフェルニティ・デーモンの効果発動。手札0でこのカードを引いた時、このカードを特殊召喚できる。インフェルニティ・デーモンを特殊召喚」
【インフェルニティ・デーモン】
星4 闇属性 悪魔族 ATK1800
「さらに、特殊召喚したデーモンの効果発動。手札0で特殊召喚した時デッキからインフェルニティカードを手札に加える」
デュエルディスクからデッキを引き抜き、目的のカードを探す。
「俺が持ってくるのはインフェルニティ・ネクロマンサー。そして、今手札に加えたインフェルニティ・ネクロマンサーを守備表示で召喚する」
【インフェルニティ・ネクロマンサー】
星4 闇属性 悪魔族 DEF2000
「さらに、インフェルニティ・ネクロマンサーの効果発動。手札が0枚の時、墓地のインフェルニティモンスターを特殊召喚する。復活しろインフェルニティ・デストロイヤー」
インフェルニティ・ネクロマンサーは合掌し呪文を唱え出した。地面に黒い穴が空き、インフェルニティ・デストロイヤーが姿を現す。
「墓地のインフェルニティ・コンジュラーの効果発動。手札0枚の時、墓地から特殊召喚する。」
【インフェルニティ・コンジュラー】
星3 闇属性 悪魔族 ATK1200
「インフェルニティ・コンジュラーは、手札0の時、相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力を800ポイント下げる」
墓地から蘇ったインフェルニティ・コンジュラーは持っている杖を掲げる。
相手の場のアマゾネス女王の足元に黒い魔法陣が作られる。
【アマゾネスの女王】
ATK2400→1600
「やるわね、たった1ターンで4体もモンスターを並べるなんて」
「このデッキにとっちゃ簡単なことだぜ」
グレースの言葉に返答し、攻撃を開始する。
「バトルだ、インフェルニティ・デストロイヤーでアマゾネス女王に攻撃」
インフェルニティ・デストロイヤーが大きく拳を振りかぶり、弱ったアマゾネスの女王に攻撃を仕掛ける。
「だけど甘いわ、
「私が出すのは、アマゾネスペット
【アマゾネスペット
星4 地属性 獣族 ATK1100
ATK1100→1900→1100
コンジュラーの効果を受け場に出たことにより攻撃力は下がる。
ペット虎はアマゾネスの女王に迫り来る拳の前に現れ、体当たりをかまし弾き返す。
グレース
LP2400→1200
女王の効果により戦闘破壊はされないが大きくライフを削られるがグレースは余裕の表情を崩さない。
「さすがね、他の生徒とは比べものにならないわ」
そりゃそうだ。本来の使い方やカードの制限によりデッキパワーは落ちているが、腐っても現代で大暴れしたカード達だ。そうそう負けてやるわけにはいかない。
「だけど、ここまでよ。次は私が魅せてあげる」
そう言いグレースは伏せカードを使う。
「アマゾネスの秘湯を発動。このカードの発動時、デッキからアマゾネスモンスターを手札に加える。私が加えるのはアマゾネスの戦士長を加える。」
「さらにアマゾネスの秘湯の効果により、場にアマゾネスモンスターが存在し、戦闘ダメージを受けた時、受けたダメージの数値だけ回復する」
グレース
LP1200→2400
「これでもう私のライフを簡単に減らすことはできないわよ」
「まずいな」
「ええ、厄介なコンボね」
観戦している三沢と明日香の言葉にそんなの?と翔が首を傾げる。
「ペット
三沢の解説に翔が声を上げる。
「それじゃあ実質ダメージを与えれないんじゃ」
「あの布陣を突破するにはペット
しかし十代は、
「あいつすごい強いんだな、俺もデュエルしたいぜ」
と興奮しているようだ。
デッキの特性上、手札が0枚なため、これ以上動けない零士は自分のターンを終えるしかない。
「今度はこっちが見せてあげる、私のターン、ドロー」
グレースにターンが回る。
「自分の場にアマゾネスモンスターのみの場合、アマゾネスの戦士長は特殊召喚できる」
【アマゾネスの戦士長】
星5 地属性 戦士族 ATK1900
ATK1900→1100
「アマゾネスの戦士長が召喚、特殊召喚した場合、デッキから融合を自分の場にセットすることができる」
「それじゃあ、私のとっておきを見せてあげる。セットした融合を発動。場のアマゾネスペット虎と手札のアマゾネスの吹き矢兵を墓地へ送り融合召喚!現れよ、アマゾネスペット
【アマゾネスペット
星7 地属性 獣族 ATK2500
ATK2500→1700
「さらに手札からアマゾネスの聖戦士を召喚。聖戦士は場のアマゾネスの数だけ攻撃力を100ポイントアップする」
【アマゾネスの聖戦士】
星4 地属性 戦士族 ATK1700
1700→900→1300
零士が4体を並べたように、グレースも4体のモンスターを並べる。
「さあ、狩りの時間よ。アマゾネスペット
【アマゾネスペット
ATK1700→2200
アマゾネスペット
零士
LP3100→2100
コンジュラーが場を離れたことによってグレースのモンスター達は本来の攻撃力を取り戻す。
【アマゾネスペット
ATK1700→2500
【アマゾネス女王】
ATK1600→2400
【アマゾネスの戦士長】
ATK1100→1900
【アマゾネスの聖戦士】
ATK1300→2100
「アマゾネスペット
ペット
【インフェルニティ・デストロイヤー】
ATK2300→1500
「アマゾネスの聖戦士でインフェルニティ・ネクロマンサーを攻撃。聖剣の舞」
華麗なステップで距離を詰める。舞うように剣を振り回し、ネクロマンサーを切り裂く。
「アマゾネスの聖戦士が攻撃したことにより、インフェルニティ・デストロイヤーの攻撃力下げる」
再び虎獅子の効果によって攻撃力が下がる。
【インフェルニティ・デストロイヤー】
ATK1500→700
「アマゾネスの戦士長でインフェルニティ・デストロイヤーを攻撃。会心の穿撃。」
零士
LP2100→900
戦士長の投げた槍がデストロイヤーの胸に風穴を開ける。
「アマゾネスが攻撃したことでインフェルニティ・デーモンの攻撃力を800ポイント下げるわ。」
【インフェルニティ・デーモン】
ATK1800→1000
「トドメよ。アマゾネス女王でインフェルニティ・デーモンへ攻撃!」
この攻撃が通ってしまったら1400ポイントのダメージを受け零士は負けてしまう。
「
零士
LP900→200
「なんとか凌いだわね。でも
【インフェルニティ・デーモン】
ATK1000→200
「楽しかったけどもう終わりね。次の私のターンで決着がつきそうね」
零士の場のモンスターは攻撃力200のデーモン1体のみ、残りライフも200、手札はなく伏せカードは1枚のみ。はたから見たら、最早逆転の目はない。
「何言ってる。デュエルは追い込まれてからだろうが」
零士の啖呵にグレースはつまらなさそうにしていた顔はみるみるうちに笑みをおびてくる。その顔は零士の言葉に対して、それなら見せてみろというのを顕著にあらわしていた。
「俺のターン、ドロー!」
「さらに
(よし、これならいける!)
「手札のインフェルニティ・ワイルドキャットは手札のインフェルニティを捨てることで特殊召喚できる。インフェルニティ・クイーンを墓地へ送り、インフェルニティ・ワイルドキャットを特殊召喚」
【インフェルニティ・ワイルドキャット】
星3 闇属性 悪魔族 ATK1400
「見せてやるよ、インフェルニティの最上級モンスター」
「ワイルドキャットとデーモンをリリースして、インフェルニティ・ジェネラルをアドバンス召喚!」
【インフェルニティ・ジェネラル】
星7 闇属性 悪魔族 ATK2700
黒と金を中心とした全身鎧を身につけて、赤いマントをたなびかせる。インフェルニティの最上級モンスター。
「確かに攻撃力はペット
グレースの言う通りこのまま攻撃しても意味はない、返しのターンでトドメを刺されて終わりだ。
「墓地のインフェルニティ・クイーンの効果発動。ワイルドキャットを除外することでインフェルニティ・ジェネラルはこのターンで直接攻撃できる」
「ペット
「ジェネラルの直接攻撃!とどめだ。《
ジェネラルは飛び上がり、グレースの前へと降り立つと剣を上段に構え、そのまま振り下ろす。
きゃっと声を上げ、グレースはそのまま尻もちをつく。
グレース
LP2400→0
零士は慣れた手つきでデュエルディスクをしまいグレースに近づく。
尻もちをついてほうけたままのグレースに手を差し出し
「久々に楽しいデュエルだった。またやろうぜ」
そう声をかけるがグレースはこちらを見つめたまま動かない。
尻もちをついた時に怪我でもしたのかと心配していると、
「やっぱり強いのね。他の新入生達とは一味も二味も違うわ」
すっと立ち上がる。気づけば周りで見ていた十代達も近くに寄ってきていた。
「スッゲーデュエルだったぜ。俺ともやろうぜ」
相変わらず誰彼構わずデュエルを申し込む、いつも通りの十代。
「あなたは入試試験クロノス教師を破った遊戯十代ね。あなたもと手合わせしたいわ」
十代に向けていた視線を隣にいた、明日香にも向ける。
「もちろん天上院明日香、あなたともよ。だけどもう帰らないといけない時間だわ。」
腕時計を見たグレースは女子寮に戻ろうと走り出す。しばらく走った後、こちらを振り返る。
「黒薙零士!今回は貴方の勝ちだけど、次は私が勝つからね」
そう言い放ち再び走り出していった。十代は俺もやりたかったなとがっかりしている。三沢は顎に手を当ててぶつぶつと何やら考え事ののようだ。
「ハイハイ、休憩はおしまい。勉強の続きをしましょう。」
手を叩き、明日香は皆に勉強するよう促す。各々の部屋に戻っていく。特に十代は露骨に嫌な顔をしていた。零士もそれに続き部屋へ移動する。
タイラー姉妹はARCファイブの中でもかなり好きなキャラです。GXに登場していいかなと思い登場させました。後々、本来のアマゾネス使いが登場するはずですが、そこら辺は一応考えてはいます。