遊戯王GX 煉獄と共に   作:名無しの猫又

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 おおまかな流れは考えているのですが、それを文にするのがなかなか難しいですね。短期間で仕上げる人達は本当にすごいですね。
 別の小説等のネタも浮かんでいるので、いろいろ挙げていこうかなと思っています。皆さんの暇つぶしになれば嬉しいです。


試験当日 前編

 

 

 

グレースとのデュエルから数日が経ち、とうとう迎えた試験当日。

 各教室では今まさにテストが行われている真っ最中だ。

 自信に満ちた表情で問題と解いている者や頭を抱えながら解いている者など様々な様子だ。

 その中で零士は手元でペンを回しながら、先日よグレースとのデュエルを思い返していた。

 

(……あいつの使っていたカード……確かまだなかったはずだよな?)

 

 そもそもタイラー姉妹自体もこの世界には登場していないはずだった。彼女達はGX(この時代)の時ではなく、五作品目に当たるARCV(未来)にて登場するキャラである。自分自身という異物が混じったことにより変化が起こったのか。

 某青タヌキや永遠の5歳児などの話で過去へ飛んで歴史を変えてしまったとしても最終的に本来の歴史に収束する。歴史の修正力とでもいうのか、そういう話にはこの手の話がつきものだ。

 だが、それはあくまで空想上の物語ことだ。自分の身に起きていることは夢や幻ではない現実である。この世界に生まれ落ちたのはたまたまなのか、それとも何か意味があるのか。

 そんな考えに頭を悩ませていると、教室の扉がいきよいよく開かれる。

 現れたのは遅刻してきた遊戯十代だ。十代は教師にテスト用紙を貰い、自分の席に向かい、問題を解こうとするがものの数秒で寝てしまった。

 十代は勉強はからっきしだが、デュエルの腕前はすば抜けている。

 まぁ、メタ的なことだがそれが当たり前なんだか。

 

(って、人のこと心配してる場合ではないな)

 零士は再びテストと向き直る。

 

 

 

 そうこうしているうちに時間は過ぎていき、終わりを告げるチャイムが鳴り出した。

 テスト用紙が回収され教師が教室を出て行くと周りの生徒達は大慌てで教室を飛び出して行く。

 そして残ったのは、ほんの数名のみ。

 机に出していた筆記用具を片し、いまだ寝ている十代に零士は近づく。

 

「チャイム鳴ったぞ、十代」

 

 軽く十代の頭を小突き、起こしてやる。

 

「っあれ?みんなどこ行ったんだ?」

 

 起きた十代は周りを見渡し、ほとんど教室に生徒が残っていないことを疑問に思う。

 

「さぁ、テストが終わったらみんな大慌てで教室を飛び出して行ったぞ」

 

「みんな、購買部に行ったよ。新しいカードが大量に入荷するから、それで少しでもデッキを補強しようとしてるみたいだな」

 

 同じく教室に残っていた三沢が話しかけてくる。その話を聞いて十代や翔は出遅れたことにショックを受けている。

 

「今から行けばまだ間に合うかも、翔も急げ急げ」

 

 十代は教室を飛び出し、翔もそれに急いでついて行く。急いで行ってケガするなよ、

 

「三沢はいいのか?新しいカードが入荷するんだろ」

 

 十代達は出て行ったがいまだに動かない三沢に話しかける。

 

「俺は大丈夫だ。今のデッキを信頼しているしな。零士はどうなんだ」

 

 三沢の言葉に思わず笑い、

 

「確かに気になるが、俺のデッキに入るカードがそうそう見つかるとはおもえねぇよ」

 

 その言葉に確かに、と三沢も納得する。実際、クセの強いインフェルニティに合うカードなどこの時代では珍しいだろう。

 まぁ、そもそも手遅れだしな。

 この後は昼食を挟んでから実技試験が開始される。昼食用のパンでも買いに零士も購買部に足を運ぶ。

 

 

 

 

 

 購買部についたが、何やら様子がおかしい。すれ違う人達の顔が浮かない、どこか不貞腐れているみたいな感じだ。その中で購買部の店員と話してる十代を見つける。

 

「どうだった十代、ってその感じだとやっぱり買えなかったみたいだな」

 

 声をかけたが、十代は手のひらを上に向けて顔を振る姿を見て買えてないことを察する。

 

「それが入荷したカード全部買い占めた人がいるみたいで皆んな買えなかったみたい」

 

 隣にいた翔が答える。カード全部買い占めるなんてよくやるよ。下手したら反感を買うことになるのに。

 そんな不憫な様子の十代達を見ていた購買のおばさん。トメさんが声をかけてくる。

 

「あら、今朝助けてくれた子じゃない。あの時はありがとね。お礼に残ってる2パックあげるわよ。これで実技の方も頑張ってね」

 

 たまたま残っていたパックをトメさんから貰い、十代も翔も大喜びだ。

 その光景を横目に昼食に何を食べようか選んでいると、ドローパンと表示された菓子パンが目に入る。

 

(あぁ、これが噂のドローパンか)

 

 遊戯王GXのアニメまたはゲームなどでたびたび登場する食べ物。中身の種類は豊富で何が出るかわわからない、当たり外れのあるちょっとした運試しのようなパン。

 ドローパン1つ購入し、

 

「実技前の運試しといくか」

 

 実技試験の会場に向かいながらドローパンに齧り付く。

 

 

 

 

 

「それデーワ、実技試験を開始するノーネ」

 

 クロノス教師のアナウンスで実技試験が始まる。実技試験は基本的に実力の近い者で組まれている。つまり同じ制服同士が対戦相手になる。オベリスクブルー、ラーイエローそしてオシリスレッドの順で試験は進んで行くことになり、滞りなく試験は進んでゆく、いよいよブルー生徒の試験の終わりが見えてゆき。いよいよ今日のメインイベントが始まる。

 

「遊戯十代、デュエルフィールドに降りてくるノーネ」

 

 クロノス教師のアナウンスが入り、突然呼ばれたこと驚く。本来は同じ実力同士で組まれるはずだが、入試試験でクロノス教師を破るほどの実力の持ち主。オシリスレッド達の生徒では相手にならないということだろう。

 筆記は言わずもなが赤点確定で、実技も落としてしまったら。いよいよもって退学という話が濃厚になる。筆記でそれなりに取れていればよかったのだが、遅刻したうえにテストでの爆睡。クロノス教師の思惑通り進んでいるようだが、

 

 

 

 

(勝ってしまうんだよな〜)

 

 観客席からデュエルを眺めながら思う。

 終始、今日入荷した新しいカード達で万丈目が押していた。それに対して十代ば防戦一方だ。だが天性の引きの強さでキーカードを手にし逆転勝利をもぎ取った。

 

「それでーワ、引き続きセニョール黒薙デュエルフィールドまで移動するノーネ」

 

 同じイエローの生徒達に応援され移動する。

 デュエルフィールドにつき、周囲を見渡すが対戦相手が見当たらない。

 

「セニョール黒薙、あなたも高い実力を持っています。ブルーの生徒を相手に圧倒していると話には聞いてるノーネ。だから特別に指名があったのでノーデ、その者と対戦することになったノーネ」

 

 連日、ブルーの生徒に挑まれていたのを知られていたようだ。この感じだと対戦相手はおそらくブルーの生徒だと思うが誰が相手なのか疑問に思っていると。

 いつのまにか対面に人が立っていた。

 

「お前の相手は私だ!」

 

 腕を組んで、こちらを睨みつける女子生徒。その姿はこの前戦ったグレースに瓜二つの見た目、違いは銀髪ではなく金髪。まさか、

 

「グレースの姉か?」

 

「そうだ!私はグロリア・タイラー。貴様がグレースを誑かした男だな」

 

 グロリアの放った言葉に会場がどよめきだす。零士も驚き言葉を失う。

 

「待て待て、誑かした?人聞き悪いぞ。デュエルを挑まれたから戦っただけであって誑かした覚えはない」

 

 あまりのことに弁明するが、グロリアは聞く耳を持たない。

 

「ならなぜ貴様とデュエルの後、グレースの様子がおかしくなったのだ。声をかけても上の空、理由を聞いてもはぐらかす。私の可愛い妹を誑かした責任は取ってもらう。このデュエルで貴様が負けたらこの学園を去れ!」

 

 ものすごいことを言い出した。この手の相手はもう何を言っても聞く耳を持たない。これでは何を言っても無駄だ。

 観客席の方を見ればニコニコしながらこちらに手を振るグレース。

 

(あいつわざとだな。この前のデュエルに負けたのがそんなに悔しかったのか?)

 

 今、考えても仕方ない。

 

「くそ。言いたいことは色々あるが、ひとまず俺が勝ったらグレースを交えて話をさせろ」

 

「いいだろう。貴様が勝てたら聞いてやる」

 

 いろいろとごじれたなか、零士のテストが始まる。

 

 

 

 

 

 

 先行は零士から、

 

「俺のターン、ドロー」

 

「俺はインフェルニティ・ガーディアンを守備表示時で召喚」

 

【インフェルニティ・ガーディアン】

星4 闇属性 悪魔族 DEF1700

 

「カード3枚伏せてターンエンドだ」

 

 さて、グロリアのデッキもアマゾネスだろうがどう動いてくる。

 このデュエルに勝たないと退学にされてしまうし、グロリアの放った言葉により真偽はともかく女子を誑かしたなど、今後の学園生活において支障をきたしてしまう。

 それこそ俺を目の敵にしているブルーの生徒は追い落とす格好の餌だろう。

 だが、こちらとしても入学したばかり退学などしてたまるか。

 

(何がなんでも勝たなきゃなんねえな)

 

 

 

 

「私のターン、ドロー」

 

 グロリアは依然としてこちらを睨んだままだ。

 

「グレースを誑かした貴様を私は絶対に許さない。私のターン、ドロー」

 

「私はアマゾネスの剣士を召喚」

 

【アマゾネスの剣士】

星4 地属性 戦士族 ATK1500

 

「さらに場にアマゾネスがいる時、アマゾネスの戦士長を特殊召喚できる。いでよ、アマゾネスの戦士長!」

 

【アマゾネスの戦士長】

星5 地属性 戦士族 ATK1900

 

「特殊召喚した戦士長の効果によりデッキから融合をセットする」

 

「そして、セットした融合を発動!手札のアマゾネス女王と場のアマゾネスの剣士を素材に融合召喚、現れろ!アマゾネス女帝!」

 

 グロリアの場に登場するのはアマゾネス女王の上位互換の融合モンスター。女王と違い効果による破壊もされないカードだ。

 

【アマゾネス女帝(エンプレス)

星8 地属性 戦士族 ATK2800

 

「バトルだ!アマゾネス女帝でインフェルニティ・ガーディアンを攻撃、さらにアマゾネス女帝の効果によりアマゾネスモンスターは守備表示モンスターを攻撃した時、攻撃力が守備力を超えていればその差分のダメージを与える」

 

 女帝の強烈な一撃によりガーディアンは簡単にバラバラになってしまう。

 

零士

LP4000→2900

 

「この瞬間、罠発動!インフェルニティ・リフレクター。インフェルニティが戦闘で破壊された時、手札を全て捨てて発動する。破壊されたモンスターを復活させ、相手に1000ポイントのダメージを与える」

 

 逆再生のように再び現れたガーディアンが黒い玉を構成し、グロリアにめがけて放たれる。

 

「さらに手札が0で、インフェルニティ・セイジが墓地へ送られた時、デッキからインフェルニティモンスターを墓地へ送る。俺はインフェルニティ・ジェネラルを墓地へ」

 

グロリア

LP4000→3000

 

「くっ、だが私の攻撃はまだ終わってない!アマゾネスの戦士長で再び現れたガーディアンを攻撃!」

 

 戦士長の放った槍が真っ直ぐガーディアンへ向かい、今度は砕けることはなかったが勢いを殺しきれず零士の頬を掠めるように通り過ぎる。

 

零士

LP2900→2700

 

「ガーディアンは手札が0枚の時、戦闘及び効果では破壊されない」

 

 ソリッドビジョンとはいえ自身の頬を掠めるた槍に内心びっくりしだが、冷静にガーディアンの効果を告げる。

 

「私はカード3枚伏せてターンエンド。」

 

(たく姉妹揃って初っ端から飛ばしてくるな。)

 

 現代遊戯王ではEX(エクストラ)カードが複数並ぶことなど当たり前だ。

 しかし、強力ではあるがその分消費が激しく盤面をひっくり返されるとそのまま劣勢になり敗北につながる。この時代は特に回収出来る手段が少ないため採用するのをためらう。

 だからこそ、消費の少ない上級モンスターや攻撃力の高い通常モンスターを使うものが多い。

 実際、挑んできた生徒の殆どが融合や儀式など殆ど使っていなかった。

 

(ガーディアンは破壊されないとしてもこのままでは削られるだけ、ならやることは決まってる)

 

「俺のターン、ドロー」

 

「俺はバレット&カートリッジを発動。俺はデッキから4枚墓地へ送り、デッキからカードを1枚ドローする。その後このカードはデッキトップに置き、次このカードをドローした時、手札には加えず墓地へ送られる」

 

 バレット&カートリッジ。作中の鬼柳京介が使用したアニメオリジナルカードだ。おろかな埋葬及び副葬が、実質手札消費なく複数枚分の効果を使えるパワーカードだ。

 現代遊戯王においてこんなカードが出たら全デッキに投入されるのは間違い無いだろう。そしてすぐに禁止にぶち込まれる。それか重い制限を課されるかだろう。

 デッキトップに戻る以外、特に制限はなく使えている。偶然とはいえ、このカードを手に入れたのは零士にとって運が良かった。

 零士は4枚選び墓地へ送り、デッキをシャッフルし1枚ドローする。

 引いたのは、

 

「俺は今引いたインフェルニティ・ミラージュを召喚する」

 

【インフェルニティ・ミラージュ】

星4 闇属性 悪魔族 ATK0

 

 霞のようにゆらめく半透明のモンスター。だがその攻撃力は0。

 周りで観戦している生徒達は動揺したり、笑い出すものもいるようだ。

 

 

 

[なぜ、攻撃力0のモンスターを召喚したんだ]

 

[どうやら、勝負を諦めたらしいな]

 

[所詮はイエローの生徒だ]

 

 

 

 などと周りから生徒達の声が聞こえる。特にブルーの生徒達からの嘲笑や嘲り、本当に絵に描いたようエリート達だな。

 

(そのイエローにしこたま負けてんだろうが)

 

「攻撃力0モンスターなぞ出して何をするつもりだ!」

 

 グロリアからも言われるが、その顔は警戒の色を示している。

 

「早まるなよ。ミラージュは手札0の時、自身を墓地へ送り、墓地からインフェルニティモンスター2体を特殊召喚する」

 

「来い。インフェルニティ・ジェネラル、インフェルニティ・デストロイヤー」

 

【インフェルニティ・ジェネラル】

星7 闇属性 悪魔族 ATK2700

 

【インフェルニティ・デストロイヤー】

星6 闇属性 悪魔族 ATK2300

 

「甘い!この瞬間、罠発動。アマゾネス拝謁の間」

 

「このカードの発動時、墓地のアマゾネスの剣士を手札に加える。さらに、相手が特殊召喚するたびにそのモンスターの攻撃力分のライフを回復する」

 

グロリア

LP3000→5700→8000

 

 零士の場に最上級と上級モンスターが一瞬で並ぶがグロリアはライフは初期値の倍となってしまう。

 

「墓地から罠、スキル・サクセサーを発動」

 

 この時代には珍しい墓地から使えるカードに観客やグロリアも驚いている。実際、この時代にはまだ数える程度しか数がなかったはず。

 

「スキル・サクセサーの効果により、このカードを除外して場のモンスター1体の攻撃力をエンドフェイズまで800ポイントアップする。俺はデストロイヤーを指定」

 

【インフェルニティ・デストロイヤー】

ATK2300→3100

 

「バトルだ!インフェルニティ・デストロイヤーでアマゾネス女帝を攻撃!」

 

「伏せカードに臆さず攻めて来るのは褒めてやる。だが舐めるな、罠発動。アマゾネスの弩弓隊。これにより貴様のモンスターは全て攻撃表示に変更させて攻撃力を500ポイントダウンさせる。そして貴様は全てのモンスターで攻撃しなければならない」

 

【インフェルニティ・デストロイヤー】

ATK3100→2600

 

【インフェルニティ・ジェネラル】

ATK2700→2200

 

【インフェルニティ・ガーディアン】

DEF1700→ATK1200→700

 

 デストロイヤーの攻撃力が女帝の攻撃力を下回ってしまった。攻撃宣言もおこなっているため止めることも出来ない。

 

「さらにもう1枚、罠発動。アマゾネスの急襲。このカードが存在する限り、アマゾネスモンスターとバトルしたモンスターはダメージ計算後、除外される」

 

 女帝に殴りかかったデストロイヤーはあっけなく切り伏せられる。

 

零士

LP2700→2500

 

「やられたな、仕方ない。ジェネラルとガーディアンをそれぞれアマゾネスの戦士長へ攻撃」

 

 攻撃力ではジェネラルの方が上だが、女帝の効果により破壊されず、急襲によりこちらのモンスターが除外されてしまう。

 

グロリア

LP8000→7700

 

零士

LP2500→1300

 

 零士の場はガラ空き、手札も0枚。グロリアにもダメージが通ったが、それも微々たるものでしかなかった。

 

(やはりもう少しリカバリー出来るカードを見繕うべきだな)

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 インフェルニティは手札が0枚の時に効果を発揮するものが多い。それは当然、息切れが激しいことを意味する。1枚のカードで大量展開が可能であるが、それを潰される又は展開後に潰されてしまえばもう何もできない。

 かといって中途半端なことをすれば、ロクな動きにならない。

 現代ではそれを解決するために、他シリーズを混ぜ欠点を補い、更なる展開をする猛者もいる。

 しかし、大好きな遊戯王の世界に来たんだ純粋なインフェルニティで戦い続けたい。

 勝つことはもちろんだが、勝つためだけに戦うのではなく楽しむために戦いたい。

 これだけは昔から変わらない、変えれない誰にも譲れない零士の信念である。

 




 後編も早く上がれるよう頑張ります。
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