遊戯王GX 煉獄と共に   作:名無しの猫又

7 / 8
 今回のデュエルはアニメ通りの流れになります。すいません
 オリ主を活躍させると十代の出番がなくなり、かといって十代を活躍させるとアニメ通りの流れになってしまう。こっちを立てればあっちが立たなない。本当に難しい。


闇のゲームと遭遇

 

 

 

「ふぅ〜、こんなもんか」

 

 そう呟き零士は近くの椅子に腰をかける。今日は朝から自分の部屋を掃除中だ。先日の試験で昇格したことにより寮を移動することになった。

 この寮で生活した時間は長くはないが、立つ鳥跡を濁さずという言葉があるように。綺麗に掃除して出るのが礼儀だろう。

 掃除道具を片付け部屋の鍵を掛ける。鍵を返納しようと寮長の部屋に向かおうとした時、後ろから声を掛けられ振り返るとそこに居たのは三沢だ。

 

「流石だな。まさか先を越されるとは、目標が増えてしまったよ」

 

 苦笑いしながらこちらに話しかける。デュエルの腕も強く、勉強面も上位を取れる実力がある三沢は普通に考えればイエローの中でもブルーにいちばん近い存在だ。必然的に彼が1番早く昇格するものだと誰もが思っていただろう。

 

「はは、悪いな先にブルーへ上がらせてもらうよ」

 

「先に待っていたまえ、俺もすぐに追いつくさ」

 

 三沢と拳を突き合わし、別れの挨拶をし寮長のところへ向かう。

 鍵を返し、寮を出る頃にはイエロー寮のみんなが見送りに出てきていた。

 全員に向かって深く頭を下げて、ブルー寮は向けて移動する。

 

(しっかし、こんなに早くブルーへ上がれるとはな)

 

 ブルー寮に向かいながら、そんなことを考える。デュエルが好きだったからそれならと卒業後も就職が有利に働くのもあり、このデュエルアカデミアに入学した。

 先日、昇格したことを父親も母親に伝えると自分のことのように喜んでいた。

 しかし、昇格はいいことばかりではないだろう。今まで散々ブルーの生徒達に目の敵にされて、デュエルを挑まれ続けていた。同じブルー寮に住むことになるということはそれも増えるということだ。

 そう考えて憂鬱になりながら、気づけばブルー寮の前についていた。

 ブルー寮の前には寮長のクロノス教師が立っている。

 

「待っていターノ、セニョール黒薙。これがあなたの部屋の鍵なノーネ」

 

 クロノス教師から鍵を渡される、手元の鍵には部屋の番号が刻印されている。

 

「あなたは映えあるデュエルアカデミアのオベリスクブルーへ昇格しましターノ。この学園のエリートになったという自覚を持ち、日々努力をするノーネ」

 

 その後、食堂や浴場など様々な公共施設の場所を案内してもらい、クロノス教師と別れ、自分の部屋に荷物を置こうと向かう。

 鍵に刻印された番号を頼りに部屋を探し、ブルー寮の中を進んでいく。

 鍵の番号と同じ番号が記された扉へつき、鍵穴に鍵を差し込み回す。

 部屋の中に入ると圧巻だった。高級ホテルの一室を思わせる内装。家具など品質の高いものが多く使われている。イエロー寮も十分だったが、ここはそれ以上だ。

 いつまでも呆けていても仕方ないので、早速、荷解きを始める。

 元々、荷物自体は少ない方なのでさほど時間は掛からなかった。

 荷物の整理を終え時計を確認する。まだ昼飯時間には早く、このまま待っていても仕方ないので備え付けのシャワーを浴びる。

 すっきりしたとこで、一息つこうとベットに腰をかける。

 

 

 

 

 

 

 は!と気付くとすでに外はすっかり日が落ち、真っ暗になってしまった。

 やっちまった。昼飯も夕飯も食べ損ねてしまい、時計を見ればすでに10時をすぎてしまっている。今更、食堂へ行っても空いておらず、そもそも人もいないであろう。

 

「あったかな?……お!あったあった」

 

 近くに置いていた鞄を手に取り、中から取り出したのはドローパン。以前。試験前に食べて以来ハマっていて、キープしていたのが残っていたので何個か腹に収める。

 寝過ぎてしまいかえって目が覚めてしまった。今から何かしようと思っても夜も遅く、他の部屋の迷惑になってしまう。

 ふと、外を眺める。

 

「夜の散歩でもするか」

 

 運動がわりに散歩をしようと考え、行動に移す。戸締りをしっかりと確認し、夜の島の探索の始まりだ。

 

 

 

 

 デュエルアカデミアは火山のある大きな島を土台に作られている。

 都会で住んでいたものからしたら見るもの全てが新鮮な体験だ。

 零士もその1人であり、目に入ってくる自然がとても心地よい。

 懐中電灯を片手に夜道を歩いていると、何やら人影が見えてきた。その方向に光を照らすと十代に翔、隼人が何やら話し合っている。

 

「こんな夜中に何やってんだ?」

 

 3人に合流し話を聞くと、なんでも怪談話で盛り上がりそこで廃寮についての話を聞いたようだ。

 

「なんでもその廃寮で闇のゲームについて研究していたみたいだぜ。零士も見に行かないか?」

 

「廃寮か……、面白そうだな」

 

 ちょっとした散歩だけのつもりが、そんな話を聞かされると好奇心が刺激される。俄然、興味が湧いてきた。

 十代が先頭に立ち、ズンズンと進んでいく。その後ろに翔に隼人、最後尾に零士の順でついていく。

 しばらく進んでいくと苔や蔓に覆われ、人の気配など全く感じない廃寮へついた。

 

「ここが噂の廃寮か、それなりに雰囲気があるな」

 

 目の前にある廃寮を見て零士が呟く。

 

「ねぇ、アニキ。やっぱやめようよ」

 

 廃寮へ入ろうとするのやめるように翔が十代に懇願するが、十代は入る気マンマンだ。

 不意に近くの茂みから、バキッ!と何かが折れる音が鳴る。

 

「「でっ、でたああああああ!」」

 

 翔と隼人が突然の音に驚き恐怖で叫び声を上げる。十代は、誰だ!と音のなった方向に懐中電灯を向ける。

 

「貴方たちこんなところで何をしているよ⁉︎」

 

 茂みから現れたのは明日香だ。

 

「ここは何人もの生徒が行方不明になっていることで有名よ。学園からも立ち入りが禁止されていて、バレたら大変なことになるわよ」

 

 こちらへ呆れながら注意してくる。

 

「せっかく、こんな面白そうなとこがあるんだから探検したっていいじゃん」

 

 十代がそう返すが、真剣に聞きなさいと!と明日香は怒鳴ってくる。何やらいつもと様子がおかしい。

 

「そういう明日香はなんでこんなとこにいるんだ?たまたまここを通り過ぎた、なんてことはないよな」

 

 零士がそれとなく聞くと、明日香は困った顔をし何やら言い淀んでいる。

 そして、渋々といった様子で話し始める。

 

「ここで行方不明になった生徒の中に、私の兄さんがいるのよ。……一年前に突然いなくなって、今も見つかっていないのよ。いい!私は貴方達のことを心配して言ってるの。それでも行くなら好きにすればいいわ」

 

 そう言い放ち、明日香はその場を立ち去る。

 明日香の姿が完全に見えなくなったタイミングで零士は十代に尋ねる。

 

「で?どうするよこのまま帰るか?」

 

「いやせっかく来たんだ、中に入ろうぜ。もしかしたら明日香の兄さんのことについての手がかりが見つかるかもしれないし」

 

 4人は廃寮の中へと足を踏み出した。

 

 

 

 

 

 廃寮の中は、当たり前だがどこもかしこも埃だらけだ。

 近くに落ちていた本を拾い上げ、落ちていた先に視線を移すと、何やら奇妙な模様が描かれた場所があった。

 

「本当に闇のゲームについて調べていたのか?」

 

 見たこともない文字が書かれており、手に取った本を開いてみると、千年アイテムについてのことが書かれている。

 

「なぁ、これ見てくれ」

 

 何やら発見したのか、手に持っていた本を置き十代の方へ近づく。

 十代は古い写真立を持っていた。そこには、黒髪で長髪、爽やかなイケメン顔の生徒が写っていた。さらにその写真には、

 

《FUBUKI 10 JOIN》

 

 と書かれていた。

 

「これって、」

 

 そう言いかけた時、

 

-キャアアアアァァ‼︎-

 

 明日香の叫び声だ。帰ったんじゃなかったのかよ。声のした方へ十代達は走っていく。

 零士も後を追おうとようとした時、目の前を何か黒いものが横切っていく。

 薄暗くよく見えないが黒猫のような影だけが見えた。なんでこんなとこに猫がいるのかは疑問に思ったが明日香のこともある、十代達の後を追いかける。

 しかし途中で見失ってしまった。声や音も聞こえてこない。近くの部屋を手当たり次第に調べていくしかないようだ。

 どの部屋も当たり前だが使われた形跡もなくどこもかしこも物が散乱している状態だ。

 それを見つけたのは本当にたまたまだった。たまたま懐中電灯を照らした先にあった本の下敷きになっていた1枚のカード。

 拾い上げて確認すると、

 

「おい、マジかよ。なんでこのカードが存在してんだ」

 

 零士が拾ったカードは本来ならこんなところにあるはずのないカード。もっと厳重な封印が施されているはずのカード。

 

【地縛神 Ccapac Apu】

 

 ナスカの地上絵の1つ、巨人のカード。未来の話(5Ds)でシグナーとダークシグナーとの戦いで使われた地縛神の1枚。インフェルニティを使っている俺がこれを拾うことになるとは何やら運命じみたものを感じるが。

 このカードを元に戻して見なかったことにするか。だが下手にこんなカードをここへ置きっぱにして問題が起きれば取り返しがつかないだろう。そもそも何でここにあるだよ。

 どうするべきか1人で悩んでいると足を何やらペタペタと触ってくる感覚を感じ視線を向ける。

 丸みを帯びた黒い体に青い模様、大きさこそ膝ぐらい高さしかないが、そいつは確実に手に持っているカードと同じ姿をしていた。

 

「……地縛神 Ccapac Apu」

 

 咄嗟に距離を取り警戒する。相手が相手なだけに下手なことは出来ない。俺は特殊な力があるわけもなくある程度、先のことを知っているだけの学生である。

 こちらが警戒しているのを意に介さず、飛び退いたこちらに向き直り、近づいてくる。

 後一歩というところで止まり、両手を広げて停止する。

 何がしたいのかわからなかった。ひとまず、こちらに危害を加える気はないようだ。恐る恐ると人差し指で小さい地縛神を突く。

 

「……意外と柔らかいんだな」

 

 突かれても地縛神は一切動かず、何もしてこない。今度は広げた両腕の下に手を差し込み、両脇を持つようにして持ち上げる。

 持てるということは実体があるのだろうが重さは全く感じない。

 依然として地縛神は何もしてこない。とりあえず観察を始める。

 感触はプニプニして柔らかく、少しひんやりする。巨人がモデルなだけ、元々大きいのだろうが今は小さくなっており、デフォルメされたような姿だ。

 いろいろな角度からも見てるうち、うっかり逆さまにしてしまった。

 地縛神はパタパタと両手で暴れる。元の体勢に戻すと、こちらの手をペシペシと叩きこちらを指差す。

 流石に逆さまにしたのは嫌だったようだ。とりあえず、こいつは無害のようだ。

 

「地縛神 Ccapac Apu。う〜ん、長いな、呼びやすくアプでいいか?」

 

 地縛神はこちらに向かってサムズアップする。この呼び名でいいみたいだ。ひとまずアプを下ろす。

 下ろしたアプは零士の影に触れると吸い込まれるように消えた。

 

「わからんことが増えるな。とりあえず十代達を探すか」

 

 零士はその部屋を出て再び十代達の捜索を始める。

 しばらく探索していると、話し声が聞こえてくる。音のする方向を頼りに進んでいくと開けた場所についた。

 中心では十代と見たことのない大男がデュエルしており、近くには翔や隼人もいる。

 

「ふん、1人増えたか。だが貴様も闇のゲームによって呑み込まれるに過ぎん」

 

 大男もこっちに気付いたようだ。翔達に近づき現状を確認する。明日香の悲鳴を聞いてこの場所にやってきたら、あの男がいたそうだ。男はタイタンと名乗っており、闇のゲームを操るデュエリストらしい。さらにタイタンの手には千年アイテムの一つと思われる千年パズルを持っている。

 

「やばいっすよ、このままじゃアニキが負けちゃう」

 

 デュエルの方を見れば、迅雷の魔王ースカル・デーモンによって十代のフレアウイングマンが破壊されていた。

 

十代

LP1000→600

 

「ふはは。もう貴様は足腰の力が抜け、立ち上がることも出来まい」

 

 タイタンが十代に千年パズルをかざすと怪しく光り、苦しみその場にうずくまってしまう。

 

「あぁ、またアニキの体が消えていく」

 

 翔の悲痛な声に首を傾げる。翔はどうやら十代の身体が消えていくように見えているらしい。たが、零士には消えてるようには見えない。確認のため翔へと尋ねる。

 

「翔、十代のどこが消えたんだ?俺には消えたようには見えないんだが」

 

「え?アニキの左足が消えてるじゃないか」

 

「右腕が消えたんだな」

 

 翔と隼人で言っていることが違う。零士はもう一度、十代を見るが依然として身体のどこも消えていない。先ほどの千年パズルの光といい何かおかしい。

 そもそも千年パズルは武藤遊戯が所持していたはずだ。それをなぜこの男が持っている。武藤遊戯から奪った?いやありえない。

 武藤遊戯相手にして簡単に盗めるとは到底思えない。考えられることはただ一つだ。

 膝をついていた十代だがなんとか立ち上がり、デュエルを続行する。

 

「俺はダークカタパルターの効果発動、墓地に存在するカードを1枚除外することによって、相手フィールド上の魔法・罠カード1枚破壊することができる。俺はフェザーマンを除外し、フィールド魔法、万魔殿を破壊する。いけ、ホーリーシュート!」

 

 ダークカタパルターの背中から放たれた雷光がタイタンのフィールド魔法めがけて飛んでいく。フィールド魔法が破壊されてたことによって、元の景色へと戻っていく。岩山を削ったような場所で床には円形の穴や浅い溝が掘られている。

 

「小癪な真似を。これを見るがいい」

 

 タイタンが千年パズルをかざす。また怪しく光りだす。しかし十代は除外したカードをタイタンの千年パズルに向けて飛ばす。飛ばされたカードが千年パズルへと刺さる。

 

「わぁ、アニキの身体が元に戻った!」

 

「やはり偽物だったか」

 

 思っていた通りだと零士は頷く。偽物と聞いて翔達も驚く。

 

「そもそも翔と隼人で消える箇所が違っており、俺には消えたようには見えなかった。その時点でおかしい。それにタイタンの芝居かかった言い方。おそらくあいつはこちらに催眠術をかけていて、手足を消えたように錯覚させていたんだろう。いちいち千年アイテムが怪しく光るのも催眠術を掛けるためだろう」

 

 千年パズルが完全に壊れ、タイタンは大きく狼狽える。

 

「な、何を言っている。私は本当に闇のデュエリストなのだ」

 

 未だ本物の闇のデュエリストだとシラを切るようだ。

 

「なら千年アイテムが幾つあるか答えてみろよ」

 

 十代がタイタンへと問い詰める。言葉に詰まりながら、タイタンは七つあると答える。確か正解だ。

 

「ふふ、私は7つある千年パズルの1つを持つ闇のデュエリストなのだ」

 

「墓穴を掘ったな。確かに千年アイテムは7つあるが、千年パズルが7つあるわけじゃない」

 

 もはや言い逃れは出来まい。あとは十代がデュエルの決着をつければ終わりだ。

 

「ぬぅ〜、バレてしまっては仕方ない。この場は去るとしよう」

 

 懐から出した物を地面へと叩きつけ、そこから煙が巻き上がる。煙玉を使い逃げるようだ。

 

「待て!」

 

十代が追いかけようとした時。突然、地面が光り出す。その模様は千年アイテムに共通して描かれている目の模様であった。

 光りがだんだん強くなり、目を開けていられなくなる。

 気がつけば、先ほどいた場所ではなくなっていた。近くにいた翔や隼人もいない。タイタンと十代、そして零士がこの場に残っていた。

 

「タイタン、また性懲りも無く何をしたんだ!」

 

「ち、違う!私は何もやっていない」

 

 周囲を見渡しても何も存在してをらす、灰色の景色が広がるばかりだ。

 突然、不気味な呻き声が聞こえたと思ったら地面からスライムのような得体の知れないものが現れる。

 スライムはタイタンへと群がり、次々とその口の中へと入り込んでいく。タイタンも助けを呼ぶがすでに遅く、スライムに呑み込まれてしまった。

 そしてスライムの魔の手がこちらへと伸びてきた。

 

(クリクリ〜)

 

 スライムは十代へと群がるが、ハネクリボーが近づけまいと威嚇する。

 零士の方にもスライムは襲ってくる。

 

「零士!こっちによるんだ」

 

 十代に呼ばれるが、間に割り込むようにしてスライムが道を塞ぐ。

 すでに零士の周囲はスライムに囲まれた、タイタンのように呑み込まれかけた時だ。

 零士ももうダメかと諦めかけたが、一定の距離からスライムが近づいてこない。

 不思議に思い周囲を見渡すとアプが影から出てきており、両手を広げスライムに威嚇する。

 

「デュエルの続きだ。本当の闇のゲームを、そして決着が着くまでここからは逃げられぬ」

 

 スライムに飲まれたと思ったタイタンがデュエルを続行しようとする。先ほどと雰囲気がガラリと変わっている。

 

「十代!こっちはなんとか大丈夫そうだ、さっさとデュエルの決着をつけちまえ」

 

「わかった、任せろ。俺は死者転生を発動し、手札1枚を墓地へ送り、スパークマンを手札に加える。そして、スパークマンを守備表示で召喚。これでターンエンド」

 

 十代は守りを固めたか。あまり手札が芳しくなかったのか普通ならこのままだとジリ貧で負けてしまうだろうが十代は天性の引きの強さがある。どう転ぶかはまだわからない。

 タイタンにターンが渡るが既に万魔殿(パンディモニウム)ー悪魔の巣窟ーは破壊されている。それによりデーモン共通の維持コストを払わなくてはならない。

 

タイタン

LP1900→1400

 

「スカルデーモンでダークカタパルターへ攻撃、怒髪天昇撃」

 

 スカルデーモンの攻撃によりダークカタパルターが破壊される。ダメージこそないが破壊された際の衝撃が十代を襲う。十代が浴びた衝撃がこちらにも伝わってくる。

 実体がないはずのソリッドビジョンなのに感じるこの圧力。半信半疑だったが、本当に闇のゲームが存在していたとは。

 

「私は場にデスルークデーモンを召喚しカードを1枚ふせ、ターンエンド」

 

【デスルークデーモン】

星3 光属性 悪魔族 ATK1100

 

「俺のターン、ドロー」

 

「俺はスパークマンにスパークガンを装備する。このカードは場のモンスター表示形式を3回まで変更できる。」

 

「なるほど、その効果で私のスカル・デーモンを破壊しようというのか。だかはたして成功するかな」

 

 スパークガンの効果を使えば守備力が1200しかないスカル・デーモンを突破できるだろう。しかしサイコロの目によって、2分の1の確率で無効にされてしまう。

 

「俺はスパークガンの効果を使わず、スパークマンを攻撃表示にしデスルークデーモンを攻撃。いけスパークフラッシュ」

 

 タイタン

LP1400→900

 

「そしてスパークガンでスパークマンを守備表示に変更してターンエンド」

 

「守りを固めたか。ならばお前のエンドフェイズ時、血の刻印を発動する」

 

 血の刻印。あれはデーモン系のライフコストをお互いに課すカードだ。しかも相手がこのターン、十代のライフを越える攻撃力を持つモンスターを召喚したら十代の敗北が決まってしまう。

 

「私のターン、血の刻印の効果を発動する。スカル・デーモンによる維持コストをお互いに払う」

 

タイタン

LP900→400

 

十代

LP600→100

 

「私はスカル・デーモンでスパークマンを攻撃。怒髪天昇撃」

 

 新たにモンスターは召喚されなかったか。そのことに零士は安堵する。だがこれで、次のドローによって命運が決まってしまう。

 

「さらにカードを1枚伏せ、二重魔法(ダブルマジック)を発動する。手札の魔法カードを墓地へ送り、相手の墓地の魔法カードを使用する。私が選択するのは非常食、そして先ほど伏せたカードを墓地へ送りライフを回復する」

 

タイタン

LP400→1400

 

 おそらくこれが最後のターンだろう。未だ足元のアプは周囲のスライムを威嚇し、襲ってこない。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 なにを引いた十代、

 

「E・HEROバブルマンは手札がこのカードのみの時、特殊召喚できる。さらにこのカードの召喚成功時、場に他のカードが存在しない時、デッキから2枚カードをドローできる」

 

【E・HERO バブルマン】

星4 水属性 戦士族 ATK800

 

(流石だな、あの引きの強さは十代ならではだ)

 

「そしてバブルマンが場にいる時、バブル・シャッフルを発動する。バブルマンとスカル・デーモンを守備表示に変更する」

 

 十代は勝負に出た、効果の対象になったことによりスカル・デーモンの効果が発動する。2分の1の確率で無効になってしまう。タイタンの近くに現れた1〜6の玉に火が灯りルーレットが始まる。

 吉と出るか凶と出るか、ルーレットの結果を全員静かに見守る。

 ルーレットの速度が徐々に遅くなり、2の玉に止まる。

 

「なんだと!」

 

【E・HERO バブルマン】

ATK800→DEF1200

 

【迅雷の魔王ースカル・デーモンー】

ATK2500→DEF1200

 

「バブルシャッフルの更なる効果、バブルマンを生贄に手札のE・HEROを特殊召喚する。現れろ、E・HERO エッジマン」

 

【E・HERO エッジマン】

星7 地属性 戦士族 ATK2600

 

「エッジマンは守備モンスターを攻撃した時、貫通ダメージを与える。いけ!エッジマン、パワーエッジアタック!」

 

 エッジマンはスカル・デーモンに突っ込みラリアット気味に殴る。殴られたスカル・デーモンはひび割れるように亀裂が入り爆発する。

 

「ぐぉぉぉー!」

 

タイタン

LP1400→0

 

 決着がつくとタイタンが苦しみだし、周囲を囲んでいたスライムが覆い尽くすようにタイタンに群がる。

 

「や、やめろ。た助け」

 

 こちらに助けを求めるが、開いた口の中にもスライムが入り込んでいく。もうどうすることもできない。

 

(クリクリ〜)

 

 十代の近くにいたハネクリボーが声を上げる。その方向を見れば、先ほどまでなかった光の裂け目が見える。おそらくそこへ向かって走れということだろう。

 足元にいるアプを脇に抱え、

 

「十代!急げ、あの光まで走るんだ!」

 

 2人とも無我夢中で走る。突然、浮遊感に襲われて、気がつけば裂け目から放り出される。

 

「大丈夫すか、アニキ!」

 

「零士も大丈夫なんだな?」

 

 裂け目から放り出され十代の下敷きになったが、親指を立てサムズアップする。いつのまにかハネクリボーも抱えていたアプも消えている。

 お互いに立ち上がり異常がないか確認していた時、裂け目からバチバチと音を立て周囲を吸い込み始める。

 

「伏せろ!」

 

 咄嗟に十代が叫ぶ。全員地面にしがみつく、吸い込まれまいと耐えていると、明日香の入った棺が動き出す。十代と協力し、なんとか吸い込まれないように掴む。

 やがて裂け目が収縮し、パンという破裂音と共に消える。

 

「みんな、大丈夫か?」

 

 零士は全員に視線を向ける。今のところ全員無事なようだ。明日香も無事なようで棺から引っ張り出しこの場を離れる。

 廃寮を出た後、近くの木に明日香の身体をもたれかかさせる。

 

「ん〜、ここは、いったい」

 

 気を失っていた明日香が目を覚ます。

 

「へへ、気がついたみたいだな。安心しろよ明日香、お前を襲った奴は逃げたぜ」

 

 そう言い、十代は1枚のカードと写真を明日香に渡す。

 

「これは!兄さん!間違いない、このサインの書き方は兄さんのものよ」

 

「ごめんな、これしか見つからなかったんだ。」

 

「すまんが、俺の方はなにも見つからなかった」

 

 明日香は驚いたようにこちらを見る。そして何か言おうとしたが、

 

「って!ヤッベェ、もうこんな時間だ。急いで戻らなくちゃ。じゃあな、明日香」

 

 すでに日が昇り始め明るくなっている。十代達は急いで寮へと戻っていく。

 

「立てるか?立てるなら明日香も急いだ方がいいぞ。休みの日とはいえ、深夜徘徊だ。なにを言われるかわからんからな」

 

 明日香に告げ、零士と明日香もそれぞれ急いで寮へと戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 零士達の背中が小さくなっていくのを廃寮から出てきた黒猫が静かに眺めてかげの中に消えていく。

 

 

 

 

 

 




 コカパクアプはとある人が書いてるアモ⚪︎スの日常のようなイメージです。最初は出すつもりはなかったんですが、後々便利かなと思い、出しました。
 ちなみに次の話は結構、時間がかかりそうです。気長に待ってもらえたら嬉しいです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。