これは、失った世界を取り戻す物語が始まる直前の、あり得たかもしれない、ほんの一片である。

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Duel Masters LOST ~追憶の水晶~LIAR SIDE~

 

 

「もう1時……」

 

「閉店か」

 

「帰ろっ、学校だよ明日も」

 

「だりーなー、世界終われよ」

 

 

深夜1時。新宿のファミレス。

 

そんなありきたりな、学生同士の会話を交わしながら、店を出た4人の少年少女が、それぞれ帰路につく。

 

 

「じゃーなー、ウィン」

 

「おう!またなー!」

 

主人公(斬札ウィン)に別れを告げ、少年は夜の街を歩いていく。深夜だというのに灯りであちこちが照らされた、この街を、どんどんと。

 

 

「いやー、しかし、さすがはウィンだな。久しぶりにやったって言うけれど、あんなに強いなんて」

 

 

どんどんと、ずんずんと。少年は街の奥、裏路地へと進んでいく。

 

『帰路』に、つく為に。

 

 

「……しかし、我ながら上手く『嘘』をつけたもんだ。関東グランプリ2位、だなんてね?」

 

 

少年は眼鏡を怪しく輝かせながら、鞄の中に閉まっていたデッキから、『デュエル・マスターズ』のカードを取り出す。

 

デュエル・マスターズ。

 

この年代の少年達なら1度は遊んだことのあるものが多い、カードゲームの玩具(おもちゃ)

 

 

「もう、この世界には『新宿』しかないってのに、笑わせるよね?」

 

 

……その、はずなのだ。

 

少年が取り出したカードは、『衒影(げんえい)精霊(せいれい) リアリテル/「この記憶(きおく)もロック完了(かんりょう)だね」』。

先程ファミレスで遊んでいた時には、デッキに入れていなかったカード。

 

そして、少年がカードを取り出せば、街の裏路地の行き止まりのその先に……いや、それまでは見えていなかった『壁』の、その先が見える。

 

 

 

 

……それは、廃墟だった。

 

先程の灯りで照らされた街がまるで『嘘』のように思えるかのような、『死の世界』。

 

いや、正確に言えばそこは単なる『死の世界』ではない。

 

空を見上げれば、翼を持つ巨大な竜が。瓦礫の影に目を凝らせば、異形の怪物が。

 

まるで、先程まで少年達が遊んでいた、デュエル・マスターズのカードに描かれているような怪物達が、『現実』の物として、世界に蔓延っている。

 

しかし、少年はそんな光景を気にも止めず『壁』の外へ足を踏み出していく。すると、少年の姿が、だんだんと機械のような姿へと、変わっていく。

 

そんな『少年』に目をつけたのか、どこからともなく現れた怪物……『混沌(こんとん)獅子(しし)デスライガー』が、『少年』に飛びかかり、食らいつこうと、した。

 

 

「邪魔」

 

だが、『混沌(こんとん)獅子(しし)デスライガー』は、『少年』が取り出したカードから現れた、妖しく眩い龍……『衒龍(げんりゅう)ブレイタン・ガイスト』によって、逆にあっさりと喰われてしまった。

 

そして『少年』が『衒龍(げんりゅう)ブレイタン・ガイスト』の背に乗ると、『衒龍(げんりゅう)ブレイタン・ガイスト』はその翼を広げ、闇に包まれた空へと舞い上がっていく。

 

「さぁて……見せてもらうよ、斬札ウィン。『この世界』での、君の物語を、特等席で」

 

『少年』は『壁』に包まれた街を見下ろしながら……そう、呟く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『少年』の名は、『サファイア・ペンダット』と、言った。

 

 

 

 

 

end?

 

 

 

 

 

 




デュエマLOSTがまだプロローグ相当の展開しかしてないのですが、「こういうラノベというかノベルゲーみたいな雰囲気めっちゃ好き!!!!!!」ってなったので二次創作してみました。

現在4話までしか公開されてない本編の中の、更に現状1話にしか出てない、名前も出てこないウィン君の友人の1人である眼鏡のキャラ。
ただ、現状本編の描写を踏まえると「この眼鏡、なんかおかしくない……?」ってなったので、与太話的な一発ネタとして勢いで書きました(こんなの情報が出揃ってないタイミングでしか書けないので)。

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