バチコに兄ちゃんいろよって思った次第です。

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(わけがない)


自分よりガチギレしているやつがいると冷静になる

 

騒動の後、13冠達は魔界塔に集っていた。

新13冠と雷皇バールを除く、着座した英傑達は皆一様に事態を重く見ていた。

議題はもちろん、先の不祥事ひいてはバルバトス・バチコ氏に対する非礼である。

魔谷大戦三英雄が一翼、悪魔たちから畏怖を込めて絶望と呼ばれる弓使いの家系。

彼ら弓使いがいれば戦局は一変するとも言われている。

だからこそ、事態は急を要し、こうして最低限の事後処理を済ませた後、集ったのだ。

確かに、騒動の折、様々な不和が起きてしまった。

13冠への疑念もあり、ましてやデルキラ様の席を廃するなど、今の魔界をさらなる混沌へ誘う大事かもしれない。

だが、それよりも目先の危機の回避こそが喫緊の課題であった。

 

三傑が一人、ベリアールが口火を切る。

「事態は急を要する。まずはバチコ殿に非礼を詫びねばならん。」

 

女傑レディ・レヴィが続く。

「しかし、今のバルバトス家に近づくことは実質不可能です。ましてや、バチコ氏への謝罪となると…」

 

「ああ、問題は彼だね…。」

同じく三傑が一人、サリバンが呟き、自身の正面に見えるそれに目を向けた。

 

13冠が介する卓の中心に突き刺さる大槍に目を向けた。

それは黒く無骨でそして雄大であった。

だが、彼らは知っている。

それは一見して大槍に見えるが、その実、矢であると。

彼らは知っているのだ、これを放ち、本来持つ絶大な破壊力を長卓に突き刺さる程度に留めさせる技量を持つ恐るべき悪魔のことを。

そして、大槍には本来ないはずの魔力で込められた文が刻まれていた。

 

“万死”

 

煌々と白く輝くそれは、大槍の漆黒と相まって妖しい存在感を放っていた。

また、この死を告げる大矢にはバルバトスの者たちが放ったであろう矢が浅く突き刺さっていた。

その数およそ十と少し。中程で折れているものもある。

まるで、矢で矢を止めるような、目眩がするような技術と、

その一切合切を振り払い突き進む力の権化。

刻まれた文字以上に、如実に事態を表すその大槍は、彼ら13冠に正しく事態の重さを理解させていた。

すなわち絶望であると。

 

一縷の望みをかけて、大槍に唯一深々と刺さった矢文を見たが、そこにはさらなる絶望が記されていた。

 

拝啓

 

 13冠の皆様におかれましては、件の騒動の折、対応に追われ

 ご多忙のこととお見受けいたします。

 しかし

 

 そんなことはどうでもよい。

 

 我々バルバトス家にとって重要なのはバチコの未来である。

 バチコが今回13冠に選ばれなかったのは本人の未熟さゆえ…

 異論を唱えるつもりはない

 しかし

 

 席が空いたからとその穴埋めにバチコが呼ばれるのは解せぬ

 

 魔王の大体とみなされる者の危険がお分かりか

 バチコはすべての重責を背負わされる立場におかれた

 その無礼も理解せず

 これ以上バチコを貴殿らのイス取りゲームで振り回すというのなら…

 

 それ即ち、バルバトスに弓引く行為と心得よ。

 

 加えて此度のバルバトス家の意向は“フルフル”“ゼパル”両雄も同意のもと、

 13冠へ表明するのもとする。

 バチコの進退はバルバトス家が決めるが、

 妹を虚仮にされたあやつの怒りは我らですら鎮められぬゆえ、

 心して返答を待つように。

 

敬具

 

「ガチギレだびゃぁ…」

 

 




勢いです。続きません。

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