ブライト博士と学園都市   作:架空柿

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 のーこめ


少女らよ、風紀を乱すな

 平和というものは実に脆すぎる。現に、たった今この世界基準での近場で爆発が発生したのだから。ブライトは少々頭を抱え、深く溜め息を吐き捨てた。

「市街地? まさか襲撃!?」

「ほんっとうにここら多いねそういうの」

「あはは……ええ、衝撃波の形状から恐らくC4の連鎖反応かと思われます。砲撃や爆撃ではないですね……もう少し確認してみます!」

 アヤネは自身が持っているデバイスで爆破地点を特定していく。その作業は手慣れているからか、素早く、正確であった。

「……爆発地点確認。市街地です!」

「具体的には?」

「それは……柴関ラーメンっ!?」

「……くっそ、やられた! 精神攻撃を兼ねた兵糧作戦か!? 向かおう」

 ブライトは生徒の声を聞かずに飛び出していった。信頼していたからだ。自身だけでなく、他の子も現場に行きたく思うことに。実際に、ブライトの後を追うようにアヤネを覗く、教室にいた生徒達も皆飛び出していった。

 現場は黒煙で満たされていた。何かが焼ける、ブライトに取っては日常だった嫌な匂い。

「……便利屋。本当に仕事選ばないんだな」

 煙の中、まるで巻き込まれたかのように汚れ、傷ついき、少し困惑している便利屋の面々に向け、ブライトは要注意団体に向けるような敵対の目を浴びせている。

「あんたたち……! よくもこんなひどいことを!」

 続くようにセリナが怒声を浴びせ、シロコとノノミは無言のまま、鋭い敵意を便利屋に向ける。

 大将の無事が確認されほんの僅か、須臾の間安心感が場を包んだかと思えば、ブライトらは各々の武器を構え、便利屋へと足を進める。便利屋は静かな談合を終えると、アルがアビドスらに口を開いた。

「そっ、そうよ! これで分かったでしょう、アビドスに先生! 私がどんなに悪党かを! さあ、いざ勝負! かかってきなさいよ!」

「私が一人残らず始末します、アル様」

 アルの啖呵を皮切りに、便利屋も銃を構える。

「覚悟はいい!?」

「久々な鎮圧並の戦闘になるかな。はは! 楽しみだ」

「お仕置きですよー!」

 そうして戦闘は始まった。前回と同じ傭兵が前菜として攻撃してこようとしてくるが、まるでそこにそこに来ることが予測されていたかのように、的確に銃弾が傭兵を薙ぎ倒していった。

 そして速やかに殿、便利屋との戦いに移った。相変わらず高い戦闘能力はブライトらを苦戦させる。爆発四散するライフル弾が飛び交い、中身の見えないバックが瓦礫ごと蹴散らさんとしてくる。恐怖が周囲に撒き散らされ、タンクが暴走機関車の如く銃を乱射してくる。

 しかし、久々の本格的戦闘に興奮したブライト、そして第三の自宅的場所を破壊されたアビドスの怒りを越えることはできず、ついに便利屋らは全員一時的戦闘不能となった。

「はあ……こいつら……! なんでこんなに……しぶと……」

「そりゃ、世話になってるところ破壊されりゃ」

 その時であった。新たな爆発音がブライト達を包み込む。一度のみならず何度も。どうやら便利屋はこの事態を把握していないらしく、困惑している。

「砲撃です! 三キロメートルの距離に多数の擲弾兵を確認! 五十ミリメートル迫撃砲です!」

「またー!?」

「五十ミリメートル迫撃砲といえば……」

「いえば?」

「兵力の所属、確認できました! ゲヘナの風紀委員会! 一個中隊の規模です!」

「風紀委員が戦車とな……もう慣れてきたよ」

 便利屋とブライトらの周囲を兵が囲んで行く。便利屋は風紀委員から逃れようとするが、迫撃砲をもろに食らってゆき、ダウンしていく。一方、風紀委員と呼ばれた者達はアビドスの面々には一切の興味も持たず、便利屋のみが視界にないよう。

「な、何っ? 風紀委員会が便利屋を捕まえに来たってこと?」

「こちらもろとも倒さんとしてたけどね」

「確かに。砲撃範囲内には私達もいた。あからさまにこっちを狙ったわけじゃないけど」

 この間にも兵と戦車はどんどんと増えてゆく。明らかに五人相手には過剰とも言えるぐらいには。

「冗談じゃないっての! 便利屋は私達の獲物なんだから! 何なの一体!」

「でもゲヘナの風紀委員会は他校の公認武力集団や、便利屋のような部活とは性質が異なります! 一歩間違えれば、政治的な紛争の火種になるかもしれません」

「というか風紀委員があんな風紀乱しちゃって良いの?」

「それもそうよ! あんな他人の家に土足で踏み入るようなこと! ホシノ先輩との連絡は!?」

「……取れません……普段ならここまで取れないことはまずないはずなのに……」

「この状況……私達はどうするべきでしょうか?」

 ノノミが問いを出すと、シンキングタイムかのような沈黙が流れた。早くしなければ獲物が取られる。かといってこれといった方法も思い浮かばない。財団でもたまにあったような状況。

「……風紀委員の妨害、するか? こうする間にも時間が減ってるし、稼いだ方がよくないか?」

「先生……!?」

「……はい、その通りです」

「だろ?」

「風紀委員会が私達の自治区で既に戦術的行動をしたということは、政治的紛争が生じるということ……きっと便利屋の皆さんが問題を起こしたことは事実です」

「ただ治外法権は認められていない。我々の領土の問題は我々で裁くべきだ。行こうか」

 そうして、もう一度武器は構えられた。ブライトに至っては武器を変更、ナーフ銃へと変更した。

 アビドスの臨戦体制への移行に勘づき、風紀委員らも銃口の先を向け始める。

 風紀委員の戦闘技術はよく鍛練されたものであり、治安維持組織としては上出来なものだ。しかし、相手もまた自身らの居場所を守るために毎日のように戦闘し、その上武器を実質的無力化してくるとくれば、少しずつ押されてゆく。そしてやがてには風紀委員の兵力は削れ、大将のイオリさえも陥落してしまった。アビドスの勝利だ。

 ブライトは戦闘を終えると、先程から見えていた、懐かしい顔のもとへと向かった。

「やあやあ、チナツ。まさかこんな形で再開するなんてね」

「そうですね……私も想定外でした。先生がそこにいらっしゃることを知った瞬間、勝ち目はないと判断して後退するべきでした……」

「そこまで評価してくれてんだ。うれし」

 そんな二人に割り込むように、ホログラムのアヤネが出現した。

「アビドス対策委員会の奥空アヤネです。所属をお願いします」

「それは……」

 いつの間にか来ていたイオリとチナツが少し言い淀んだ間に、新たな人物がホログラムで現れた。

「それは私から答えさせていただきます」

「あんたは確か……天雨アコだったか。やべえ服だな」

「余計なお世話です。それはともかく、今の状況について少し説明させていただきたいと思いたいと思いますが、よろしいでしょうか?」

 アコが場を進める度、イオリの挙動が不審になっていく。まるでやっちゃいけないことをやってしまったことを隠す子供のように。そして、その隠し事はあっさりと見透かされる

「イオリ。反省文のテンプレートは私の机の、左の引き出しにあります。ご存じですよね?」

 バツが悪そうに、イオリはその場から退いた。ブライトはアコの言い回しに少し感動し、今後の参考にしようかと考える。




三章早く読みたいけど時間ねえ……

yanyan1作
SCP-710-JP - タイムマシンリボルバー
2014
http://scp-jp.wikidot.com/scp-710-jp
CC BY-SA 3.0

Modern_Erasmus作
SCP-3108 - ナーフな銃
2017
http://scp-jp.wikidot.com/scp-3108
CC BY-SA 3.0

会話について

  • もう少しブライトの台詞を増やして欲しい
  • このまま
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