ブライト博士と学園都市   作:架空柿

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のーこめ


機怪蛇は理解されるのか

 遥か先の水平線まで続く砂。ブライトはアビドス砂漠を歩いていた。手には先程大量に購入したペットボトルを入れており、一分一本のペースでなくなっている。水分は汗となり、高速で飛ばされてしまう。

 目的地は枯れたオアシス。かつてそこでは砂祭りというものが開催されていたようだが、今はそのような痕跡は見られない。そんなオアシスがブライトの視界の下方より見えてきた。しかしそこに現れたのは干からびた砂のクレーターではなく、まさに砂漠のオアシスと呼ばれるに相応しい水の塊だった。ブライトはオアシスの岸へと歩みを進める。

「……やっぱ便利だねぇ」

 ブライトは水が溢れ続ける水筒を手に取る。手に持った重量ではおよそ半分ほどしか入っていないように思える。しかしながらいくら傾けようともその重量は変わらない。

 綺麗なオアシス、そこにかつての干からびた砂漠など存在しておらず活気さえもが聞こえてきそうだった。全ては対策委員会の皆にサプライズを贈るため。そして、皆の元気にさせるためにも。

 そんな時、地面が揺れた。地震なんてものではない。何かが地面の下を這っているような、それがブライトへと近づいてきている感覚がした。

「……『ヒトに影響のない恣意的な指向性重力』」

 装置から小さなヤモリが現れる。当然ながらヤモリは巨大すぎる振動に驚いてしまう。その瞬間、ヤモリから半径七メートルの砂が空へと昇り始めた。砂に浮遊性が与えられたのではない、そのヤモリが持つ重力変更によるものなのだ。砂が離れ、振動の主犯が姿を現した。白く巨大な機械の体は蛇の体を成しており、頭部は蛇ではなくどちらかど言えば鯨の化物のようであった。頭部の上には生徒と同じようなヘイローが浮かび上がっており、その異常性はブライトは痛感している。

「はっは! 久しぶりの仕事だなぁ!」

 ブライトは興奮した。久しぶりに見る野生の以上存在に。そして、大物に。

 大蛇は露出された瞬間は処理に少しだけ動きを止めていたが、その迅速な処理はすでに終わり口に光を集めていた。間違いなく大技が来ると予感したブライトは装置に口を近づけ、開いた。その瞬間大蛇は光をブライトに向けて直線状に放出し、ブライトを貫かんとする。その余りにも高い温度を身に纏ったブライトは、なんと傷ひとつなく佇んでいた。そのそばには錨のような巨大な装置が置かれていた。

「へぇ……効くのか。現実錨(これ)

 周囲に漂う未知の空気……謂わば神秘がその装置周辺に限っては存在していない。ヒューム値を指定数値へと強制的に固定させる装置が神秘を調整させているのだ。

 蛇は装置を疎く思い破壊を決意した。決めてから行動は早かった。何発ものミサイルを首に発射し、装置へと向けた。ミサイルには一切の神秘も異常も見られない、正真正銘普通のミサイルだった。そのため装置はミサイルを遮ることができずに破壊されるかのように思われた。ブライトはミサイルに発砲したが当たらずただ発砲音のみが鳴り響いたのみだ。ただ、それだけで十分だった。重力の向きが変化する。ミサイルの侵攻方向とは逆に、そして地へとミサイルが落ちる。幸運も関与した出来事だが、蛇の拘束には有効だ。それに加え、ミサイルは地に伏された蛇に全て命中した。堪らず蛇は強力な重力の中、なんとか地の中へと潜っていった。




ビナー……トカゲに負けたのか……

当場SCP
訳者不明
Proxtown作
SCP-109 - 無限水筒
(原)SCP-109 - Infinite Canteen
http://scp-jp.wikidot.com/scp-109
(原)http://scp-wiki.wikidot.com/scp-109
2013年訳
2008年作
CC BY-SA 3.0

gnmaee訳
Aelanna作
SCP-1136 - 恣意的な指向性重力
(原)SCP-1136 - Subjective Directional Gravity
http://scp-jp.wikidot.com/scp-1136
(原)http://scp-wiki.wikidot.com/scp-1136
2015訳
2011作
CC BY-SA 3.0

会話について

  • もう少しブライトの台詞を増やして欲しい
  • このまま
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