ブライト博士と学園都市   作:架空柿

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 のーこめ


平凡とは脅威の裏側に

 翌朝、ブライトはアビドスに向かうため、自治区の道を歩いていると、セリカに出会った。

「うっ……な、何っ……!?」

「そーんなに私のこと嫌かい?」

 セリカは明らかに不機嫌そうな、軽蔑する目をブライトを見つめ、そそくさと何処かへと早歩きで去ってしまった。ブライトは頭を掻きながら、セリカが学校に向かっていないことを不審に思う。

「…………『Dクラス』」

 機械にそっと呟くと、装置から一人の男性が出現した。徹夜で改良した結果が成功し、ブライトは心の中で喜びながら、その男性に首飾りを付けさせると、男性の顔つきが変化した。

「じゃ、よろしく~」

「任せたまえ」

 男性……もとい、二人目のブライトはセリカの後を追いかけ、一人目は学校へと向かった。

 

「いらっしゃいませ! 柴関ラーメンです!」

 某所に存在するとされるラーメン屋、セリカはそこでバイトに励んでいた。いつも通り繁盛している店内には例の二人目も客として来ていたが、セリカはそいつに対しても普通に接していた。首飾りを見て、一人目を思い出してはいたようだが。

 そして、一つの扉の開音が響き渡る。

「いらっしゃいませ! 柴関ラーメンで……わわっ!」

「あの~☆ 五人なんですけど~!」

「……いや、もう既に私はいるから四人追加だ」

 来店した四人は不思議そうな目を、セリカは憎悪の目を一人目ブライトに向ける。すると二人目は急に立ち上がり、一人目へと近づくと、首飾りを渡して倒れた。

「『終了 Dクラス』」

 装置に戻っていく男性を見ながら、皆一様に困惑を見せたが、「後で説明する」というブライトの一言で治まった。

「というか、どうしてここを!?」

「うへ~やっぱここだと思った。それに、先生が何故か知っててくれたし」

「すまないね、ちょっとスパイを送ってしまった」

「……意味分かんない」

 セリカが頭を抱えていると、セリカの後ろから直立二足歩行の柴犬が声をかけてきた。

「アビドスの生徒さんか。セリカちゃん、おしゃべりはそれぐらいにして、注文受けてくれな」

「あ、うう……はい、大将。それでは、広い席にあんないします……こちらへどうぞ……」

 セリカは耳を倒しながら、五人を席へと案内する。先程ブライトが食べていた席は五人で食べるには狭く、適していないため、そこへは案内されることはなかった。

 席に案内されると、ブライトは何処からかパイプ椅子を取り出し、一番奥に座った。

「なんか取り合いが起きそうだったから平等にね」

「セリカちゃん、バイトのユニフォーム、とっても可愛いです!」

「いやー、セリカちゃんってそっち系か、ユニフォームでバイト決めちゃうタイプ?」

「私なんて白衣しか選択肢無かったのに!」

「ち、ち、ち、違うって! 関係ないし! こ、ここは行きつけのお店だったし……」

 五人と一人のちょっとしたじゃれあい。それを遠くから柴犬が微笑ましく眺めていた。それから順々に注文をしていき、ブライトもヤサイマシマシニンニクアブラカラメと注文したところで、一つの話題が上がった。それはお金問題である。以前からノノミから奢ってもらっていたようだが、それは先生としてどうなのかという自問に苦しみ、渋々ブライトは立ち上がった。

「私が……払う…………よ」

「お~、先生太っ腹~!」

 ブライトは懐からいつの間にかあった大人のカードを取り出した。

 

「いやぁ~! ゴチでしたー、先生!」

「御馳走様でした」

「うん、お陰様でお腹いっぱい」

「私の懐は腹ペコだけどね」

 とはいいつつ、一番値段割合が高いのは自分自身である。なんと五十パーセントをブライトの食事が占めていた。

「早く出てって! 二度と来ないで! 仕事の邪魔だから!」

「お、反抗期かな?」

「うっさい!」

「あ、あはは……セリカちゃん、また明日ね……」

「ホント嫌い! 皆死んじゃえー!」

 ブライトはセリカの言葉に、そんなことができない自分を使ってからかおうとしたが、あまりにも虚しくなったため止めた。

 

 その日の深夜、ブライトはアビドスの四人に呼び出されたため学校にいた。理由はセリカが消えたためとのこと。ブライトは自身の権限を用いて、ホシノを護衛にしてセントラルネットワークにアクセスして調べた。

「んー、これは……」

「どう? 何か分かった?」

「……多分ヘルメット野郎達による誘拐と見ていいと思う」

「成る程ね~……取り敢えず皆に伝えよう」

 二人は対策委員会の教室へと向かう。

 到着し、入室してから、ブライトは三人にセリカの現在位置を見せる。

「ここは……砂漠化が進んでいる市街地の端の方ですね?」

「住民もいないし、廃墟になったエリア……治安が維持できなくて、チンピラばかりが集まってる場所だね」

「そ。だから私はヘルメット団による誘拐だと睨んでいる」

 ブライトの言葉に四人は静かに視線を落とす。そしてそれと同時にヘルメットヘルメット団へと怒りとセリカへの心配を覚え、武器を手に取った。

「それじゃ、行ってみよ~!」

「出発!」

 

 ブライト達は砂漠をたまたま見つけた自動車で走っている。走っていると、視界に砂漠を走るトラックが入ってきた。スピードは自動車の方が速く、着実にトラックへと追い付こうとするなか、窓から身を乗り出したシロコが投げたグレネードによってトラックは爆発四散した。

「セリカちゃん発見! 生存確認しました!」

「……あっ、アヤネちゃん!?」

「こちらも確認した、半泣きのセリカ発見!」

「刺さる人には刺さるやつ!」

「なにぃー!? うちの可愛いセリカちゃんが泣いてたぢと! そんなに寂しかったの? ママが悪かったわ、ごめんねー!」

 ブライトやホシノ達によるからかいに、セリカは少し怒るが、表情は変わらずに泣いていた。

「て、ていうか何で先生まで!? どうやってここまで……いやその自動車はどこで!?」

「……伊達に研究者じゃない」

「意味分かんない!」

「うへ、元気そうじゃーん? 無事確保完了~」

良かった……セリカちゃん……私、セリカちゃんに何かあったんじゃないかって……」

「アヤネちゃん……」

「まだ油断は禁物。グレネードとサポートでトラックは制圧したけど、まだここは敵陣のど真ん中だから」

「『生きている銃』」

 ブライトは装置に囁き、一丁の短機関銃を手に持つと、周囲に向けて威嚇射撃をした。

「野郎どもー! 反撃だぁ!」

 ブライトの号令で射撃が一斉に始まった。その場は一瞬で鉛弾と何かの歯が飛び交う戦場と化し、中には改造戦車さえもあった。しかし、そんなものブライトとアビドスの敵ではなく、あっさりと敵の鎮圧は終わった。




 少し短めですがここまで。ちょっと963の関係でDクラスも出せるようにしちゃいました。まあ……なんかキヴォトスの人には神秘で使い物にならなそう
 というか地の文割り込ませずれぇ……頑張ります

登場SCP
Arcibi
SCP-127 - 生きている銃
2008
http://scp-jp.wikidot.com/scp-127
CC BY-SA 3.0

会話について

  • もう少しブライトの台詞を増やして欲しい
  • このまま
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