・原作ではあまり触れられない生命帰還
・娘には弱い父親
ドフラミンゴを気絶させ、ドレスローザを乗っ取ろうとしたあの日の記憶を消させてもらい、乗ってきたであろう船に目が覚めたとき違和感が無いよう運んだ。
……それにしても色々と酷かった。
「元気を出せ、我が友ワポル……いや、今はエネルか。すべてはこの国のためにやってくれたことなのだから、お前が気にすることは無い」
「そうだがなぁ。それにしてもアレはひどいと思うのよ。……まったく、どちらが悪役か」
相手が家族と呼ぶような人たちを人質にとって要求飲ませて。
どっちが悪者かわかったもんじゃねーなぁ……。
「だが、我々は救われた。この国を代表して、エネルを送ってくれたドラムの王、ワポルには感謝せんとな?」
「はぁ……受け取っておこう。ワポルとして」
「あぁ、だから気にするな」
でも感謝されてるから自信を持とう。うん。
「そういえば、アレはなんだったのだ?」
「リク王、アレとは?」
「私があ奴に操られた後、巨大な口の様な雷が私を丸呑みにしたのは」
「あぁ、あれか。……私はな? 実はバクバクの実の能力者であり、ゴロゴロの実の能力者でもあるのだ」
「なんと!? ……ということは悪魔の実を二つ食べたのか!? ……よく生きているな……」
「まぁな。正確には違うが、そういうものだと思ってくれたらいい。そんな幽霊を見たような顔をするな。……バクバクの実は言ってしまえば食べたモノで身体を改造する能力。ゴロゴロの実は雷のロギアだ」
「……成るほどな。つまり身体の一部を口のあるモノに変え、雷に変え。それで私を丸呑みにしたと」
「概ねその通り。ご理解頂けたか?」
今のところフーシャ村近海の主を整形して作った、広範囲を喰らいつくす対集団の『
「……もしかしなくともお主相当強いんじゃね?」
「若しかしなくとも私は強いぞ? 海軍大将を軽くあしらう程度にはな! ヤハハハハハ!」
それはそうと、プライベートのリク王はめっちゃフランクなんよね(遠い目)
Ξ-Ξ-Ξ-Ξ
今度来るときは娘を連れてくるように、と念を押された。
連れて行きたいのは山々だけど、ワポルの子じゃないし。
血は繋がっていないとは言ったけど別に気にしてなかったな、あれ。
電伝虫のワープは控え、やつれた心を癒すために星を見ながら背中に生えたガルダの翼で海を飛び、女ヶ島へ帰る。
「生命帰還がこれほど便利なものとはな」
通常、腕が翼に変わるところ生命帰還を使えば背中から生やすことが出来るっていうのはありがたい。
人間の長所である二足歩行と両手が器用というのは中々惜しいメリットだ。
……バイオフィードバック云々なんて小難しい言葉があるけど、その辺はヒトヒトの実を食べたトナカイ君に任せよう。
「はぁああああーあ……」
国家転覆を回避するため動いたのが夜遅くだったから凄まじく眠い。
あと精神的に参ってしまってるから余計に。
だけども。
「空一面の快晴の星空の下……圧巻だな」
空に広がる星空を前に眠気なんてすぐに吹っ飛ぶ。
ま、癒されてすぐ眠くなってるわけだけど。
……あ、日の出。
闇夜に慣れた目にはすこし眩しいかな。
「それにしてもこの羽、いつみても綺麗な輝きをしている」
それ自体が発光してんじゃないの? というくらい太陽に反射して綺麗に光り輝いて。
流石っす、ガルダ先輩! 讃えられるべきとされた火の神アグニと間違えられただけの事はあるっす!
今年起こる、防がなきゃならない出来事は知り合いのそのまた知り合い、その奥さんの救出。
……はぁ、と深く息を吐きながら水平線から登る太陽を見て、唯一気の休まるアマゾン・リリーへ急いだ。
「エネル、貴方大丈夫? 凄い隈が出来ているけど……」
「あぁ、大丈夫だ。気にするな、単なる寝不足だ……少し休む」
「えぇ……無理はあまりしない方がいいわ」
「すまない、ありがとう」
九蛇城のバルコニーからダイナミック帰宅。
既に起きて鍛錬を始めていたマリーと出くわした。
最近、凄く良い女になってきてるから目が合わせにくい。
自動変換さんが強制的に相手の目を見るようにしてくれるから問題ないけど。
それでも自分は恥ずかしいわ!
そんなイイ女のマリーと一言二言交わして、眠っている娘の居る、自分と娘に宛がわれた部屋へ。
くぅくぅと寝息を立てるマリアの寝顔を見て癒されていたら、寝台に辿り着けずそのままダウン。
お父さん苦しい、といつの間にか自分が抱きしめて眠っていたらしい娘に叩かれて目が覚めた。
「もう! お父さんひどい!」
「……すまなかったマリア。お前が可愛かったから一緒に寝てしまったんだ。許してくれ」
「……むう」
おこなの? という程度に頬っぺたを膨らましているマリアが可愛い。
きっと目の中入れても痛くない。
頭を撫でたら機嫌が治ったらしい。
……で、ちょっと違和感。
「それにしても大きくなったような……。少し前まで私の膝まではなかったろう?」
「だって私もう七歳だもん。……お父さんに助けてもらって三年経ったもん」
「……あぁ、そうだな」
そうか。子供の成長は早いという事か。
お父さんって寂しいなぁ……。
「……ねぇ、お父さん。ちょっといい?」
「ん、どうした?」
「……私ね、悪魔の実の能力も使えるようになったんだ。今はまだ全然だけど、でもそれでも三つの覇気も使えるようになったし、弓矢だって百発百中なんだ!」
やっぱりマリアさん天賦の才をお持ちのようで。
例の
コレ、「ヒトヒトの実モデル神」とか名乗ってもおかしくないレベルの反則具合。
その能力の概要は、
簡単に言えば創造と破壊を司っている能力だ。
この能力を相手にしようと思うのなら理解するな、と近くに居れば助言させてもらう。
まぁ、今相手にしようとする相手に助言はしない。
マリア傷つけようとか考えようものなら、ケツに腕突っ込んで奥歯がたがた言わせちゃるけんのぉ……覚悟せぇよ…?
……ゴホン。
まぁ早速意味不明、理解不能で理不尽極まりないモノだと思っていい。
自分が使えばよかったのに……どうしてこんな厄介な能力を娘に上げたか。
娘可愛さにだよ! 過保護で悪いか!
一応、能力に驕り高ぶって助長した時には……育ての父として責任をもって止める。そのためにあの能力がある。
「だからお父さん! 私、お父さんについていきたいの!」
「連れていきたいが、……もう少しの間忙しい。だからできない。……今度また遊びに行こう。それで」
「うぅ…!! 違うの! ……おとうさんのばかぁ!」
マリアは部屋から飛び出していく。
ただ一人の父としてマリアの事が心配だから、と。
まだあの子に判れというのは早いんだろう。
傷つけでもしたらマリアの本当のお父さんとお母さんに申し訳ない。
でもね? これだけは絶対わかって欲しい。
お父さんに馬鹿って言っちゃダメだ。
あと、納得できないからってそんなとこ覇気込めて殴らないで(切実)
この後マリーに滅茶苦茶看病された。
>>ランブルボールなんてなかったんや…!
>>この後滅茶苦茶エネル顔。
逃げていったマリア。
マリア相手にお母さんしたいのにお姉ちゃんしちゃう次女のソニアお姉ちゃん。
そして遺憾なくエネルにその美人強度を発揮する末っ子のマリーお母さん。
そんな二人にハンカチ加えて嫉妬する長女のハンコック可愛い(確信)