ワンピースをテンプレで生きる   作:楯樰

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テンプレその一
・ゴルゴン三姉妹救出


完全犯罪の幕挙げと幕引き

 さて、強引に学んだ六式をマスターしたのだけど。

 

「それにしてもなんだ、この穢れた汚物は」

 

 今自分の足元には、頭にアンテナを生やした人間()がいた。

 

 そして銃を海軍の皆様に突きつけられているというこの状況。

 

 えー海の上飛んでたら、喧嘩売られて買っただけなんですけどー(棒)

 

 気づかれずに感電させて連絡用の電伝虫諸共気絶させただけなんですけどー(棒)

 

「貴様世界貴族を相手に汚物などと……!」

 

 わお。世界貴族()でしたのね。

 

「世の中、真実が常に優しいとは限らない。……時には嘘が優しさになる時もある。――世界貴族なんていないッ!」(キリッ

 

「「「「貴様は馬鹿かァーーーッ!!!」」」」

 

 何という息の合った総スカン。悲しいかな。

 

「でもそれが現実。……受け入れて、天竜人の格好をした此奴の身ぐるみ剥ごうではないか!」

 

「「「「あ」」」」

 

 ぽぽいのぽーいと着ていた宇宙服(笑)を脱がして中の汚物を海に投げ込む。

 

 発砲される前に海軍の方々には気絶、世界貴族を護衛していたという記憶を失くしてもらうことにした。

 

 

 

 ――ゴミ掃除をした後ってなんて清々しいのでしょう!

 

 

 

 Ξ-Ξ-Ξ-Ξ

 

 

 

 天竜人をついカッとなって処理した。反省もしていなければ後悔もしていないのだけれど。

 

 

 

 ――そんなゴミ掃除から五ヶ月が過ぎた。

 

 

 

 今はまだ天竜人行方不明、というニュースしか流れていないが何れ自分の事が海軍、世界政府に知れ渡るだろう。

 

 不思議な事に、「ワンピースの世界における歴史」が頭の中にあるのだ。

 

 ココヤシ村にナミとノジコを連れている元海兵の方を見ることが出来た。

 

 つまり、原作の始まる17年前だという事がわかっている。

 

 となるとだ。

 

「アマゾンリリーの姫たちを救うか」

 

 丁度同時期なのだ。三姉妹が奴隷になる時代と。

 

 

 

 海軍の掲げる正義なんてものは所詮まがい物。

 

 真の正義とは悪の様なもの。

 

 自分勝手で独りよがり。多数決の様なものなのだ。

 

 勝ち組のまたの名を正義であり、負け組がまた悪であり。

 

 

 

 故に利己的。故に同義。

 

 

 

 ――ならばこそ、なればこそ!

 

 

 

 万人が持つ、大衆の正義とはなんぞや?

 

 世界には不変として男と女が居る。

 

 そして大きく違いのある男と女に共通して存在する正義に「美」がある。

 

 醜を美と見る者も居るがそれもまた美である。

 

 個人個人の美意識というものに違いは有るために、小さなくくりとして美は正義成り得ない。

 

 むしろ争いを生む悪だ。

 

 だが、大きなくくりで見れば、他者多様の美意識でもって「美しい」と思う事に悪などない。

 

 美、という言葉は正しく正義と悪を内包するもの。

 

 人間の、否動物の本能と言って良い。

 

 

 

 本能こそが、「大局的正義」と言える。

 

 そして本能の一つには性欲も含むのだ。

 

 

 

 男子は特に、性欲に生きる者もいるだろう!

 

 すなわちエロスッ! 性欲――!

 

 

 

 貧乳巨乳、幼女に熟女。

 

 男が女体に抱くフェチズムに重きを占めるのは、そう、胸だ。

 

 

 

 おっぱいだ!

 

 

 

 そして爺婆が孫を可愛がるように。

 

 父母が息子娘を可愛がるように!

 

 子供が犬猫の小動物を可愛いと思うようにッ!

 

 

 

 可愛いという感情もまた「大局的正義」ッッ!!

 

 

 

 つまり男が女体に抱く正義とは!

 

 万人に理解される正義とは!

 

 

 

 おっぱいに可愛いこそ、世における絶対正義なのである――!

 

 

 

 Ξ-Ξ-Ξ-Ξ

 

 

 

 それは唐突だった。

 

 嗚呼、きっとこのまま誰かの手に売られてしまい、一生誰かに追従して生きなければならないのかと諦めていた。

 

 先ほど舞台の上に立ち、醜悪な身体を揺らして多額の金を入札した天竜人に三姉妹そろって買われて、道具のように扱われ死ぬのだと理解した。

 

 

 

 ――……理解したというのに。

 

 

 

「ヤハハハハ! ……ふむ、大丈夫か?」

 

「……」

 

 

 

 ――なんだ、この光景は。

 

 ……なんだ、この救いは。

 

 

 

 醜悪な心を持った者達は皆、泡を吹いて倒れている。

 

 それは内面外面変わらず、醜悪限りない天竜人も同じように。

 

 むしろ泡すら吹かず、死んでいるのではないかとさえ思われた。

 

 ……そして目の前には神々しい光を携えた男の人が居る。

 

 歳は同じくらいの少年だというのに、同じ少年には見えなかった。

 

 

 

 ――瞳は全てを悟り、確固たる道を見定めていた。

 

 

 

 これが所以だろう。

 

 

 

「呆けるな返事をしろ、少女たち」

 

「「「はっ!?」」」

 

 

 

 ――私が、私たちが見惚れてしまったのは。

 

 

 

「早く逃げるぞ。(じき)、海軍が来る。……天竜人を気絶させたのだ。祖国へ帰る前に問題者として処理されるわけにはいくまい」

 

 

 

 私たち三姉妹は捕えられていた他の奴隷たちと共に、床に開けられた穴を通って外に逃げた。

 

 私は抱えられ、姉様とソニアは担がれて。

 

 

 

 気が付いた時には別れの時が来ていた。

 

 

 

 Ξ-Ξ-Ξ-Ξ

 

 

 

 場所はヤルキマン・マングローブで構成されたシャボンディ諸島の13番グローブ。シャッキ―のぼったくりBARで女店主、そして近隣に住んでいた先々々代九蛇の皇帝と話している。

 

 いやぁ、お年を召しているとはいえ――眼福ですっ!

 

 ニョン婆ことグロリオーサさんは……うん。なんも言えねぇ!

 

「それでは、私は失礼する」

 

「ええ。ちゃんと送り届けるわ」

 

「……すまニャかった」

 

 未来のおっぱいはちゃんと救った。

 

 加えて今は幼女じゃあないか。

 

 許すまじ、天竜人。

 

 ……あぁ、そういやまだ手に入れてないのか。

 

「ね、名無しの権兵衛の貴方はこれからどうするの?」

 

「……彼女ら、自衛のためには能力が必要だろう? 悪魔の実を手に入れてくる」

 

「ふ~ん……海賊ってわけじゃなさそうだけれど。どこに行くの?」

 

「済まないが言えない。……すぐ戻る」

 

 電子を撒いてレーダーにすれば簡単に見つかるだろ(適当)

 

 ……マリージョアにいた人間全員痺れさせて、目標の悪魔の実を含めて20個を拝借成功。

 

 見聞色からのサーチ&デストロイ余裕でした。

 

 それぞれ対応する悪魔の実を上げた三姉妹以外の方――海賊除く――も、祖国へ送ってくれるらしいので任せることにしてこの場から立ち去る。

 

 さて、一番グローブの方が騒がしいが何かあったのか?

 

 うん、知らんな!(すっとぼけ)

 

 

 




>>からの惚れられる
此処までテンプレ。

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