ワンピースをテンプレで生きる   作:楯樰

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テンプレその壱九
・原作キャラと友達になる
・堂々と天竜人を罵倒


親馬鹿二人に爺馬鹿一人

「えっと、私はアラバスタの王女ネフェルタリ・ビビって言います。10歳です」

 

「私はドラムこうじょ? のマリアです。一個下の9歳です。……えー、大きい貴女は?」

 

「しらほしです。その、あまりお友達とか作ったことないのでどうすれば……」

 

「手を出して」

 

「? こう、ですか?」

 

 マリアの身長では見上げるくらい大きいしらほし姫に手を伸ばす。

 

 しらほし姫が出した手を握って、マリアはにんまりと笑った。

 

「はい、握手! これで友だちになれたよ!」

 

「そ、そうですか?」

 

「うん!」

 

「あ、わ、私も! レベッカっていうの!」

 

 ……えぇ子や……マリアえぇ子や……

 

 お父さん嬉しいで! ほかの子たちも可愛いいなぁ!

 

 ……それぞれ年の近い娘、孫が居るとのことなので連れてこようという話になっていたのでマリージョアに連れてきた。

 

 王族という立場、必然的にしがらみとなる友達という存在は中々作れない。

 

 でも小っちゃい子供たちに友達が居ないっていうのはとてもじゃないが見ていられない。

 

 別の国の王族と友達に、というのも色々と問題はあるだろうがアラバスタを除けば、お隣の国というほど近いわけでもないので問題は無いだろう、と思う……。思いたい。

 

 ……将来、国単位の友好関係に発展することかもしれない、というのが建前でリク王は城で住むようになった娘夫婦のお孫さんを連れてきたらしい。

 

 ……にしても可愛いなぁ……。

 

「口元がニヤけていますな、ワポル殿」

 

「……おっと」

 

 ニヤニヤとコブラさん笑ってるけどさ。

 

 自分も娘の姿を見てニヤニヤしてるんでしょう? えぇ?

 

「前回の世界会議であのような演説をしたワポルも娘には弱いか……」

 

「……アレは自分の目指す理想の王を言ったまでだ。というよりも、私の事を言う二人も人の事は言えないと思うが?」

 

「「……おっと」」

 

「お三方は仲がよろしいのですね……」

 

「まぁ、皆親馬鹿なのだ。……すまないな、人族の王が馬鹿で」

 

「「誰がバカだ!」」

 

「喧嘩するほど仲がいいと言いますからね……ふふふ」

 

 むさ苦しい男三人に交じっている女性が一人。

 

 場違いの様に居るが、そこらの王よりも胆の座っている魚人島王妃のオトヒメさん。

 

 ……旦那さんはぎっくり腰で来れなかったとか、なんとか。

 

 今度行くことがあったら治してあげよう(提案)

 

「それで、……お聞きしたいことがあったのですが……どうして魚人族の世界会議への参加に賛同してくださったので?」

 

「ワポルに賛同してくれと頼まれたからな」

 

「うむ、同じく」

 

 丸投げしやがったな、あの二人。

 

「……ではワポルさまはどうして」

 

「……私は子を大切にしろとは言ったが、反対しているとは言っていないが?」

 

「!? 何故、貴方がそれを……!?」

 

 シーッ! と唇に指をあてて口を塞ぐ。

 

 ……人妻に何やってるの、自分(困惑)

 

 ネプチューン王にバレタラコロサレルヨ?

 

「アレは私の仮の姿だ。くれぐれも内密に。……しらほし姫には特に内緒で頼む」

 

「は、はい。それは勿論……――あ! そうです! そうでした! ……ワポルさま、船大工のトムとタイガーの件、有難う御座いました。トムが礼を言いたいと言っておりましたので一度あちらのお姿で魚人島にいらして下さい」

 

「了解した。いずれあの二人にも顔を見せなければと思っていたところだ……と、どうしたマリア」

 

「……お父さん、オトヒメさんに何をしているの?」

 

 疚しい気持ちは無かったけど、気分は浮気現場を見られた夫の心境。

 

 ニッコリ笑顔が怖いよ(ガクブル)

 

「心配するな。向こうの姿で少々面識があったのだ。……それで少し話していただけだ」

 

「そう。……流石に他の人の奥さんに手を出すのは宜しくないと思うので、やめてくださいね皇帝ワポル。では控室で世界会議が終わるまで私はビビたちと遊んでいますので」

 

「……なんで他人行儀なのだ……」

 

 何時の間にそんな怖い笑顔が出来るようになったん(震え声)

 

 ……とてとて、と駆けていった娘にお父さんビビったよ。

 

 

 

 ビビだけに(ドヤ顔)

 

 

 

 あかん、コブラ王に睨まれた。

 

「中々、強かなお嬢さんですね……あと、私は夫一筋なので」

 

「オトヒメも娘の冗談に乗らないでくれ……頭が痛い」

 

 あぁ、オトヒメさんに笑われた。

 

「こいつめ、海賊女帝にその妹たちという偉く美人の嫁をもらったくせに」

 

「加えて人妻にも手を出そうとは……罪深き奴よ」

 

「……いい加減怒ってもいいだろう? ん?」

 

 

 

 このあと滅茶苦茶喧嘩した。

 

 

 

 Ξ-Ξ-Ξ-Ξ

 

 

 

 イルシアの王が発言の許可を取り、おもむろに一枚の写真を提示する。

 

南の海(サウス・ブルー)のセントウレアの国が革命家ドラゴンの手によって滅亡した。――前回申したように、奴の率いる革命軍が何時我々の国へ押し入ってくるか判らない……。何れ、我々世界政府の巨大な敵になるだろうことは必至だろう」

 

「イルシアの王よ。セントウレアで革命が起き、滅亡したのは国民が王に不満があったからだ。……違うか?」

 

「ドラムのワポルの言う通りだ。……だが、国民は国に所属する者達。国の決定には素直に従えばいいではないか?」

 

「……はぁ。だから私は前回の世界会議で言ったではないか。王も国民も同じ人間だと。我らと同じようにモノを考える事が出来、国民は我らの事を見ていると。そして一度自分たちの在り方を省みては、と私は提案したはずだぞ。そもそも国が正しくあるのなら、革命軍に目を付けられることは無いと思うのだが……」

 

「何故、我々統治者が被支配者である国民のご機嫌伺いをしなければならない! ……バカばかしい」

 

「……セントウレアといえば、前回、私が自らを法で縛ったと言ったとき『乱心したか』と一笑していたが。……革命軍に滅亡されたというならあの国と王には滅ぼされるだけの理由があったのだろう? 国民が充足した生活をしていれば、統治者である王に何の不満も抱くものではないと思うのだが?」

 

「――!」

 

 半年前のマリージョアから奴隷が一人残らず消えたという事件についてただの報告に近い論議も終えた。

 

 まぁ、奴隷については居なくなってくれた方が良いという共通認識だ。

 

 中にはそうは思わない王も居るだろうが……。 ……恐らくあの皇帝の仕業なので何も言わなかった。

 

 ドルトンにバラしたな、と怒られてしまったしな。

 

 ……それにしても嗚呼なんと不毛なことか、話にならない。他国の王も革命軍の危険性を訴えるだけで誰もが対策案を考えようとしない。

 

 見ろ、ワポルの顔を。退屈そうで面倒臭そうな顔を。

 

 ……四方の海最弱の東の海に生まれたという魚人と人間が共存する街。其処を初めとして、魚人や人魚たちの地上への移民を行いたいと言う、歴史上初参加となった魚人島代表のオトヒメの話のほうがよほど興味深い。よほど有意義だ。

 

 そしてなによりも未来がある。

 

 夢と嗤ったものが多かった。世界会議(レヴェリー)というこの場で言う者が居なかったが、魚類の癖にと内心で嘲笑い、蔑みの表情を浮かべている者も居た。

 

 ……コブラもまた私と同じ思いなのだろう。

 

 些細な事ですら戦争の引き金となるこの場で、仮面を被る者が多いのも仕方がない事だろう。だが、それでは何も発展しないのだ。

 

 会議は踊るまま何も進まない。

 

 良い意味で変わり果てた国の大恩人ワポルと、遠い地に住まうコブラの心持ちに似通ったものを感じなければ、このような不毛な会議に出る必要はないというのに。

 

「――……流石、言う事が違いますなドラム帝国の皇帝ワポルは」

 

「――はて、それはどういう意味で」

 

 ワポルの斜め前にいた王が口を開いた。

 

 ワポルの問いに覇気は感じない。だが、空気が死んだように感じた。

 

「どういう意味? ――本当に分からないのか? 世界政府を創った偉大なる20人の王。その偉大なる王たちが残した国――『王国』という名と存在にあやかり、我々もまた『王国』と名乗っているのではないか! ――だが、貴方は! 政府加盟国にありながらドラム王国から医療大国へと変え、今度は『帝国』と名乗り、自らも王ではなく『皇帝』と名乗っている! ……しかもだ。半年ほど前だったか、海賊女帝を妻に迎えたそうじゃないか。幾ら王下七武海と言えど相手は海賊。海賊を妻にするとは、王としての自覚はお有りか!? しかも血の繋がらない市井の子供を――」

 

 流石に言い過ぎだろう。滅多に表情に出さないが、血の繋がらないはずの娘を心の底から愛し、その愛故にあの三人を妻に娶ったあのワポルが黙っていない。

 

 

 

「黙れ」

 

 

 

 ――と、思っていたら案の定黙っていなかった。

 

 あの皇帝は視線と言葉と共に発する覇王色の覇気でその王を気絶しない程度に黙らせていた。

 

 

 

 ……自国を帝国という名に変え、皇帝と名乗るようになった理由は聞いた。

 

『第一皇妃となったボア・ハンコックはアマゾン・リリーの女帝を兼ねている。その夫である自分が王というのは如何なものか』

 

 という理由がワポルが皇帝と名乗るようになった理由だ。

 

 ――名を変えればアマゾン・リリーを守る王下七武海の『海賊女帝』という立場に影響が出るため、ボア・ハンコックの名はそのままにしなければならない、という事も実はあった。

 

 とはいえ『王国』を『帝国』と変え、『国王』が『皇帝』と名乗れば面倒な事が起きることはわかっていたことだ。まぁ、それは自分たちが没した後……後の海賊女帝と関係の薄くなる二国の因果関係明確に見せるため、と考えての事なのかはハッキリとわからないが。

 

 

 

「はぁ……」

 

 沈黙を破ったのは沈黙を作ったワポルの吐く息だった。

 

 深く重い溜息だった。

 

「――お前のような王に私の考えが解るわけが無いだろう。古いしきたりであるとか、国名ごときを気にするお前たち――天竜人と同じく、国民を人とも思わない奴らに言っても無駄だと、今分かった」

 

 丁度私とコブラ、オトヒメを除いた王たちを気絶させないギリギリで重圧が掛かっている。

 

 そして、

 

「まぁ、私が皇帝と名乗る理由が知りたいのなら教えてやろう。まず、――何故に天竜人(ゴミ)共の祖先が見捨てた『王国』と『王』を、私たちの国と私が名乗らなければならない」

 

 ……とんでもない爆弾が落とされた。

 

 ゴミってあーた。

 

 え、お前そんなこと言ってなかったくね?

 

 わしはどうなってもしらんぞ?

 

 

 




>>そんな娘の成長を見守る親馬鹿。
>>世界会議の中心でゴミと叫ぶ。
残念だけどこれもまたテンプレなのよね(吐息)

↓ちょっと感想返し↓

>>訓練中のボディタッチ(意味深)の回数について&主人公(ゲス)
初め1200とかいう数字が出てた。20割ってなかったんや。
で、30周目は239回しか抜かしてないので59回ですね。
主人公ゲスいね(遠い目)
連行されるときはク○吉と同じセリフを吐いて行くと思われ。

>>モドモドとモサモサの実が逆
わざとです。
あと、見聞色の達人が詳しく調べたので出来ることの幅が広がってます(にっこり)

>>九尾について
タマモカワイイデス
上り幅広すぎてワロエない。宝具もヤバすぎてゲームバランス崩れる。
まぁ、エロ狐でも賢母(自称)でも良いよね!
可愛いは正g(ry

>>ドフラミンゴ関連
モネとベビー5は欲しいよね。
外道には外道をという意味で外道メッシュを復活させるか否かで迷う。
多分、出たとしても何時かしようと思う夜話かな(暗黒微笑)

>>エ□エ□の実
安直すぎるのもアレなので、ちょっと捻って出てくるかと。
何れ書く夜話で。

>>フラグの粉砕☆玉砕☆大喝采
きっと大丈夫だろ(震え声)

>>テンプレ
テンプレを敢えて外れていくというテンプレ!(白目)

>>数々の応援
有難う御座います。
感想評価がガソリンになってます。
でも息抜き作品が山田かつてない沢山の方々に見られていて微妙な心境。
毎日更新は切らしたくないから、さくしゃがんばりゅの(死んだ魚の目)

それでは、次回もよろしくお願いします。

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