ワンピースをテンプレで生きる   作:楯樰

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テンプレその五
・雑食この上ない悪政王を仲間に
・原作者公認の悪魔の実の同時使用
・圧倒的カリスマ


公式チートな国王

 娘と別れるのがこんなに辛いものだったとは…っ!

 

 うぅ……!

 

 だが、あの子のことを思えばこその決断だった! そう思う事にするっ!

 

 ……三姉妹には女ヶ島への客人という扱いをお願いしたから、将来あの島から出るってことになっても問題が起きることは無いはずだけども……。

 

 ただ、お母さんって呼ばれてたマリーが空回りしないかが心配。

 

 今度行ったときちゃんこ鍋を食べてたら叱らないと(使命感)

 

 短い時間だったが、マリアと戯れていたことがみな懐かしい。

 

 寂寥感が半端でない。

 

「…………心地よいものだったな……」

 

 感慨深い時間だった。

 

 ……よし、元気出していこう。

 

 これから一年の間に起きる不幸な事件を起こさないようしていくのだ。

 

 うん。

 

 ……だけどちょっとその前に。

 

 

 

「ヤハハハハ! とんだ悪政を敷いているようだな!」

 

「誰だ貴様は!」

 

「んん、私か? ……我はカミなりっ! それ以上でもそれ以下でもない!」

 

「衛兵は! 衛兵は何処へ行った! ――チェス! クロマリーモ! ドルトンはっ…!」

 

「残念だが、この城の人間には眠ってもらっている。ドラム王国現国王ワポル! ……早速だが貴様の身体、有効活用させてもらおう」

 

「ひっ! や、やめろ! 俺様に触るな!」

 

 神経を伝う電気信号程の雷で頭の中の制御を乗っ取る。

 

 金を食べさせて全身の神経を金に置き換えて、電気の出力を間違えても大丈夫なように作り替える。

 

 手に入れたアルミナ、ガラスを食べさせて神経の周辺を薄くコーティング、内臓の造りも金に作り替えていく。

 

「さて、仕上げだ」

 

 神経を流れる電気信号程度の雷に変わり、体を乗っ取る。

 

「……成功だナ」

 

 むむむ、まだ喋り方がぎこちなかった。

 

「アー、あーいーイー……よし。慣れた。マハハハハハ!」

 

 まさか本当に服扱いになるとは思わなかったけど。……まぁ、念には念を。保険かけとこう。

 

「私自身を食べさせ……」

 

 顎だけを残して自分自身を食べさせ、動きにくい身体を、エネルの体をベースに『人体の黄金比』と称されるような身体へ変えていく。

 

 知識をみてまさかー、と思っていたけど出来ちゃうとは。

 

 これで自分はバクバクとゴロゴロの実の能力者になれた。

 

 ……見聞色で分かったことだがバクバクの実の能力は鍛えれば、口径摂取したモノを時間の概念が無い亜空間に蓄え、自由に操ることができるらしい。

 

 ただし食べたモノを覚えていないと取り出すことが出来なくなるし、能力を鍛えてなければ時間がたったモノを取り出すのに時間がかかる。

 

 ちょっとした雷の応用で完全記憶能力が備わっている自分(エネル)に隙は無かったな。

 

 ワポルがこれに気づいてたら原作でルフィたちにやられることは無かったろうに。

 

 というかヤミヤミより凄い気がするんですが。……いや、バクバクの実がチート過ぎるのか(白目)

 

 後はこのイケメンな顔に似合わない顎の成形だけど……狼を食べて腕から生やして顎を食べさせよう。

 

「さて、さっさと済ませようか」

 

 

 

 Ξ-Ξ-Ξ-Ξ

 

 

 

 気が付いたら私は冷たい床に横になっていた。

 

 他の兵士たちも同じようで何があったのかわからないという表情をしている。

 

 ……あんな王でも仕えるべき相手。様子を見に行かなければ……。

 

 

 

 ――だが、それは違う意味で裏切られた。

 

 

 

「ワポル、さま?」

 

「――どうした、ドルトン」

 

「い、いえ……お姿がお変わりの様で……」

 

「ああ、その事か。――少し、能力で変わってみたのだが……可笑しなところがあるか?」

 

 

 

 ――違った。……まずあの体が、二頭身のような体が違う。

 

 背は高く、顔もまた小さく。だらしなかった青い髪は綺麗に一つに纏めて、清潔に。威厳の欠片も感じなかったホワイトウォーキーのマントが似合っている。

 

 ――その出で立ちは、人体の黄金比ではないかとすら……!

 

 だが、それよりも決定的に違う部分がある…。

 

 ――……なによりも、身体からにじみ出る威圧感が! 雰囲気が! オーラが違ったッ!

 

 ――先代の、私が仕えたドラム王国国王をしのぐカリスマすら感じる…ッ!

 

 今のお姿こそ正しく王。王の中の王っ!

 

 ――この王こそ我が仕えるべきお方…!

 

 私は、感動のあまり体が勝手に動いたのだろうか。跪き、あのワポルに、いやワポル様へ敬礼をしていた。

 

 

 

「急にどうした」

 

「い、いえッ! 改めて、我が王への忠誠を誓っただけですッ!」

 

「ふむ……そうか。すまないな、今まで。私は愚かだった。王として恥ずべき行いばかりしてきた。――かつての己が恨めしい」

 

「……!」

 

 

 

 誰なんだ、この人は! まるで別人ではないか!

 

 だが、別人ではないことは確か! 今や嘗ての面影が見られるのは――いや、それすら美しく整形されているが、あのブリキで覆われた口元がその証!

 

 ……だが、私が眠っている間に何があった…? 何がこの方をここまで変えた…!?

 

 

 

「一体何が、……兵士全員の意識が途絶えたあの間に一体何があったのですか!」

 

「……何もない」

 

「な!? そんなわけが」

 

「いや、何もなかった。――まぁ、だが敢えて言うのならば」

 

 

 

 ――それは転んで頭を打ったのだ。

 

 

 

 そういって、ワポル様は「マハハハ」と穏やかに笑って答えられた。

 

 

 

 それからというものの、ワポル様は変わられた。

 

 まず手始めにと、悪政の種であったチェスとクロマリーモの二人を連れ、悪政を敷いていた事を民の元まで行き、地に額をつけて詫びた。

 

 ――どんな罰でも受けよう。私はそれだけのことをしたのだから。

 

 と言われ、民の皆に殴られ蹴られる事を良しとし、許してもらうまで何度も何度も、来る日も来る日も頭を下げてらした。

 

 ……己の過ちを悔やみ涙を流して。何度も何度も。

 

 その姿に感化されたチェスとクロマリーモの二人も我が王の後ろに続き、地に頭を下げた。

 

 ワポル様はその二人への民たちの怒りもその身一つで受けられた。

 

 何度殴られたか。何度蹴られた事か。身体を鋼鉄で覆っているからこそ、命を刈り取る凶刃にも凶弾にも耐えることが出来たから良かったが、あの方が能力を持っていなければ死んでいた事も何度かあった。

 

 次第に我が王を許す者も増えていき、やがて王を殴り、蹴るのは最後の一人となった。

 

 

 

 ――その者が王を許すと言った後のことは鮮明に覚えている。

 

 

 

「――この国を変えよう。私が変えて見せよう。雪に閉ざされたこの国を。人の心まで閉ざされているこの国を、蘇らせて見せる」

 

 ――ドルトン、チェス、クロマーリモ。

 

「……そしてこの場にいる者達よ。それを我が愛する、我が民たちへの贖罪とさせてくれ」

 

 

 

 誰かが挙げた声は伝染しやがて一つの大きな声に。

 

 ……私はその光景にこの国の明るい未来を見たのだ。

 

 

 




>>ただし、主人公がワポルそのものとして。
>>映画、エピソードオブチョッパー参照。
>>青髪マイルドけものどの。
え、テンプレじゃない…だと…!?

ちなみにこれは原作をこねくり回すスタイルです。
原作「らめぇ、らめなのぉおお!」

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