一度地に墜ちた天馬は、再び翼を広げ、青空を駆ける。   作:桐山たかふみ

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始まっちゃいましたよ、これ。
自分が見たいもの見るために、始まっちゃいましたねぇ。

やってみたかったんですよ、クロスオーバー。絶対楽しいし。ぶっちゃけ楽しいです。……考えてるのはね
この話ではとくに動きはありません。次の話から星矢の個性、味を出していこうと思います。

というわけで、ここからスタートです!!
一応あらすじの方で注意はしておいたので、もうこれ以上書く必要はないでしょう。

…皆さんの小宇宙が、どうか燃えますように。 
 

 
 


プロローグ
崩壊、そして……


 

声が、聞こえる。

 

「し、死んではダメ! 星矢ッ!! 地上では姉さんが待っているのよ……死なないで……あなたを愛する人のためにも生きて!! お願い星矢……生きて──ッ!!」

 

 聞き慣れた、優しくて思いやりのある、まるで女神のような慈愛に満ちた声が、今は悲鳴に近い形で耳朶を叩く。

 

 彼女の手が、肩に当たっている。

 けれど、その手の温もりが、どんどんと遠ざかっていくように感じて。

 

 胸の方からドクドクと、温かいものが零れていく。

 零れていけばいくほど、体が冷たくなっていく。

 

 俺は……どうなったんだ……

 ハーデスの剣を、アテナ(沙織さん)の身代わりになって、ハーデスに一発入れて……それで……

 

 何もわからない。分かるのは、自分が確実に死に向かっているということだけ。

 

 もう声すらも聞こえなくなった時、体が妙な浮遊感に覆われる。まるで嘆きの壁からエリシオンへと向かう道中の、恐ろしい圧力で押し潰されそうになったあの空間のような、そんな力のうねりに巻き込まれて……

 

 靄がかかったように薄れ行く意識の中、別の声が呼びかけてくるのを最後に聞いて、俺は意識を失った。

 

 ────────────────────────────

 

 どこからか、声が聞こえる。

 

 

……我々は望む、七つの嘆き(なげき)を。

    

……我々は覚えている、ジェリコの古則(こそく)を。

 

 

 

 

 その声が聞こえた、直後だった。

 

 再び、声が聞こえる。

意識を失う直前に聞こえた、あの声。

 

「……私のミスでした。私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況。結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るなんて……」

 

 

 声が聞こえた方向に目を向けると、そこには人が座っていた。

 女の人……なのだろう。見た目を見るに、自分と然程歳の差はあるように思えない。

 ここは列車の中なのだろう、自分も座っているのだろうか。

 

 そして、彼女が着ているのはどこかの制服だろうか、だがその白い制服には、胸の辺りに朱色の花が咲いており、赤い花弁が今も音を立ててぽとり、またぽとりと地面に落ちていく。

 

 息もどこか乱れ、言葉もなんとか平常を装って、普段通りの喋り方を無理にしているような感じがした。

 ……今にも血を吐いて倒れてしまいそうな、そんな傷、そんな状況にも関わらず、彼女はまた言葉を紡ぎ出す。

 まるで、これが最後に残す言葉かのように。

 

「きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません。何もしなくとも、あなたなら、同じ状況で、同じ選択をするでしょう。ですから、先生。あなたなら、このねじれて歪んだ終着点とは、また別の結末を……」

 

 そんなことを言われても……俺は先生なんて、そんな大層な柄じゃないし、そもそもあんたは……

 そう問おうとしても、口が開かない。

 

「だから先生、どうか……」

 

 その声と、もう一つ、聞き慣れた声が、まるで時空を超えたかのように耳に響く。

 

「星矢……星矢……! 生きるのですよ……生きていれば、命があれば、また私達は出会えます……! 聖闘士として、愛と正義を心に持って、人を助けるのですよ……星矢……」

 

 ああ、分かってるよ。沙織さん。

 俺は、地上の愛と正義を守るため戦う、アテナの聖闘士なんだから。

 だから、心配しないで、待っていてくれ……。

 

 また、意識が暗転する。次は、現実か、それとも異次元か……

 

 それとも、これも全て眠り神(ヒュプノス)が見せた永遠の眠り、永遠の夢なのか…

それなら、自分が目覚めることは…

暗転していく意識の中、一筋の光が輝くのを見た。

…夢は、覚めるようだ。

 


 

 

「…い。」

 

…声が聞こえる。

 

「……先生、起きてください。」

 

先生…?誰のことだろう…少なくとも俺ではな…

 

「…起きてください!!星矢先生!!」

 

 ……!?!?

いきなり自分の名前が出てきたものだから、驚いて飛び起きる。

…どうやら自分はソファーの上で寝てしまっていたようだ。

ぼんやりと、何か夢を見ていたようだが、まるで霧がかかったように、何も思い出せない。

 

「少々待っていてくださいと言いましたのに、お疲れだったみたいですね。なかなか起きないほど熟睡されるとは。……夢でも見られていたようですね。ちゃんと目を覚まして、集中してください。」

「ま、待ってくれ、あんたは誰なんだ…それに、俺が先生って一体どういう…」

「…まずは、軽く私の自己紹介から始めましょうか。そしてそれから、今の状況をお伝えしましょう…先生の質問にも答えますので。」

 

 そう言って、軽く質問を流された後、白い髪色をした、ロングヘアーで眼鏡をかけ、大人びた雰囲気を纏っている彼女は自己紹介をする。

 

「私は七神(なながみ)リン、学園都市「キヴォトス」の連邦生徒会の幹部です。そしてあなたは私達が呼び出した先生…その前に先生がどういう事かお聞きでしたよね、その名の通り、生徒を教え助け、支えることが仕事です。」

「俺が、先生…」

「…いきなりこのような事を言われては、混乱なされますよね、このような状況になってしまったことは申し訳無く思いますが、今はとりあえず私についてきてください。…先生にしか出来ないことがありますので。」

 

 そこで一つ間を置いて、彼女…七神リンは切り出す。

 

「……学園都市の命運をかけた大事なこと……とでも言っておきましょう。」

 

そう言われてしまえば、ついていく他ない。

…自分の肩に全ての命運が乗っている、と言われてしまえば。

 


 

 

 彼女、七神リンに着いていく。

 

エレベーターに共に乗り、エレベーターは音を立てて下へと動き始める。

 

 

「キヴォトスへようこそ、先生。キヴォトスは数千の学園が集まって出来ている学園都市です。これから先生が働くところでもありますが…先生のいらっしゃった場所とは違う所が多いでしょうし、慣れるのは時間がかかるかもしれません…でも先生なら、きっと心配は要らないでしょう。あの連邦生徒会長がお選びになった方ですからね。……それは後で、ゆっかり解説するとして。」

 

 

 そう話す彼女の言葉を耳で聞きながら、エレベーターから外の景色を見る。

 

 確かに都市だ。自分が見たこと無い程の、大きな都市。

ビルが乱立し、道路、また橋も各地に蜘蛛の巣のように張り巡らされている。

近未来。何処かで聞いたその言葉が、この都市にはぴったりと当てはまるように感じた。

少なくとも自分が昔いた施設や、聖域(サンクチュアリ)とは大きく文明のレベルがかけ離れた場所だと分かる。

 

 

 そうこうしている内に、エレベーターが動きを止めて音を鳴らし、目的の階に着いたことを知らせてくれる。

だが、ドアが開いた瞬間に、隣りに居た七神リンの表情が明らかに機嫌が悪そうなものに変わっていく。

小さくはぁとため息をついて、彼女はドアから足を踏み出していく。着いてきてくださいと言われているので、星矢も着いていく。

 

 降りた階は受付のようなところであったが、妙にざわついており、人気があることを見なくともその声が知らせてくれている。

 そして、星矢はその声の中心部分にいる4人の姿を目にする。

 こちらが目にした所で、向こうも気付いたようで、近づいて来て、主に七神リンの方に視線を向けて、なにやら不満があるような口調でリンを問いただしている。

 

「ちょっと待って!代行!見つけた…待ってたわよ!連邦生徒会長を呼んできて!……うん、隣の…大人…?の人は?」

「首席行政官、お待ちしておりました。」

「連邦生徒会長にに会いに来ました。風紀委員長が、現在の状況について納得の行く回答を要求されています。」

 

 三者三様に、問いかけてくる。いずれも聞いていると

「連邦生徒会長と会わせろ」

そういった意味を含んでいる。

連邦生徒会長とはなんなんだ…と、星矢は聞きたくなる気持ちが湧いてくるも、そこはぐっと抑えて、話を聞いておくことにした。

 

「はぁ…面倒な人達に捕まってしまいましたね。」

 

そう若干嫌な気持ちを漏らしつつ、七神リンが口を開く。

 

「こんにちは、各学園からわざわざここまで訪問してくださった生徒会、風紀委員会、その他時間を持て余している皆さん。こんな暇そ…大事な方々がここに訪れた理由はよくわかっています。今、学園都市で起きている混乱の責任を問うため…でしょう?」

 

 すこし言葉に毒が入っていたような感じもしたが、大体彼女らの聞きたいことと合致していたようで、先頭に立っていた青色のような、紫色のような髪をした彼女が、

「そこまで分かっているなら……」

と言った後に続いて、4人それぞれが混乱の状況を語っていく。

 

 先頭に立って問いかけてきた彼女曰く、数千の学園が混乱に陥り、この間なんかはうちの学園の風力発電がシャットダウンしたこと。

 

 次に眼鏡を掛け、髪を肩辺りで二束に結っている彼女曰く、連邦矯正局で停学中の生徒たちが一部脱走したとの情報があったということ。

 

 その次の銀髪をした、正義感の強そうな彼女からは、登校中に不良たちが自分たちの学園の生徒を襲う頻度が高くなり、治安維持が困難になっていること。

 

 最後に口を開いた3人と比べると少し大柄で、大きな黒い羽が生えている彼女曰く、

戦車やヘリコプターや、出所がわからない兵器、武器の不法流通が異常な数値で増加しており、正常な学園生活に支障が生じてしまうとの訴えが。

 

 これを聞いていて、星矢の頭には?が浮かんだ。

(ちょっと待て…なんだ?風力発電ってのはよくわからないが、矯正局…ってとこから生徒が脱走…それに加えて登校中に生徒が襲われる…?戦車にヘリコプターの不法流通…!?なんだなんだ、どういうことなんだ!!この世界!!…しかもこの4人もよーく見てみたら全員銃を持ってる…俺が知る限り子供達が銃を持ってるところなんか見たこと無いぞ…どうなってんだ…?)

 

そんな星矢の思考も他所に、彼女らによる問いたては続く。

 

「……」

「こんな状況で連邦生徒会長は何をしているの?どうして何週間も姿を見せないの?今すぐ会わせて!」

 

そう強い口調で今すぐ会わせろと迫る彼女に、七神リンが、こう告げる。少し、間を置いて。 

 

「……連邦生徒会長は今、席におりません。正確に申しますと、行方不明になりました。」

「………え!?」

「……!!」

「やはりあの噂は…」

 三者三様の驚き、驚愕と確信が入り混じった反応をする。

 

 その間にも星矢は更に思考を深める。

 連邦生徒会長とは何か、行方不明と言われてここまでの反応をとる…ということは、居なければ、それこそ破滅に向かってしまうような、重大人物。それが居なくなった時に自分は来た。ますます何の因果で自分がここに来たかがわからなくなってくる。

 

 思考の海から意識を戻して、周りを見渡すと、全員がこちらを向いている。

驚愕と、意外なものを見るような表情で。

「…なっ、なんだ?」

「…ですから、先生が私達にとって重要な役目を果たせると、先程まで説明していたのですが…」

「…俺が?」

「ちょっと待って!そういえばこの先生はいったいどなた?どうしてここにいるの?」

「キヴォトスではない、外部から来た方のようですが…やはり先生でしたか。」

 

 疑問を返してもらえる暇もなく、2人が先生のことについて問いかける。

それに対して七神リンが答える。

「はい、こちらの星矢先生はこれからキヴォトスの先生として働く方であり、連邦生徒会長が特別に指名した人物です。」

 

 それを聞いた1人が

「行方不明になった連邦生徒会長が指名…?ますますこんがらがってきたじゃないの……。」

と、混乱しないように、誰に向けた訳でもなく喋っている。

 

 良い機会なので、挨拶をしておこう。

丁度説明もされたことだし。

と思ったため、星矢は4人に対して挨拶をする。

「これからここで先生をやる…星矢だ。みんな、よろしくな」

これに対して真っ先に反応したのは、先程こんがらかけていた子だった。

 

「こ、こんにちは、先生。私はミレニアムサイエンススクールの……い、いや、挨拶なんて今はどうでもよくて…!」

そんな慌てようのためか、リンに「そのうるさい方は…」と言われてしまう始末。挨拶を出来ずに話を続けられそうだと感じたのか、話に割って入るように挨拶をする。

 

「だ、誰がうるさいって!?わ、私は早瀬ユウカ!覚えておいてください、先生!」

「あぁ、よろしくな。」

 

 お互いに挨拶を交わしたのを確認してから、リンが説明を再開する。

「……先生は元々、連邦生徒会長が立ち上げた、ある部活の担当顧問としてこちらに来ることになりました。」

「…どんな部活なんだ?」

「連邦捜査部「シャーレ」。なぜこれだけの権限を持つ機関を連邦生徒会長が作ったのかはわかりませんが…」

 

 「シャーレ」。

 単なる部活ではなく、一種の超法規的機関であり、連邦組織のため、キヴォトスに存在するすべての学園の生徒を際限なく加入させることも可能で、おまけに各学園の自治区内での無制限戦闘が可能だという。本当に傍から見たらあまりにも権限が強大すぎて何のための機関なのかわからないだろう。設立に連邦生徒会長が関わっているためなんとか機関としてなっているのか…?

 

「シャーレの部室はここから約30km離れた外郭地区にあります。今はほとんど何もない建物ですが、連邦生徒会長の命令で、そこの地下で「とあるもの」を持ち込んでいます。先生をそこにお連れしなければいけないのですが…」

と、そこで言葉を切って、少し待つ。

 

 すると、足元からホログラムが映し出されて桃色の髪を持ち、尻尾をゆらゆらとさせている女の子が姿を見せる。

 

「モモカ、シャーレの部室に直行するヘリが必要なんだけど…」

「シャーレの部室?……ああ、外郭地区の?そこ、今大騒ぎだけど?」

「大騒ぎ………?」

「矯正局を脱出した停学中の生徒達が騒ぎを起こしたの。そこは今戦場になってるよ。」

「うん……?」

「連邦生徒会に恨みを抱いてる不良達中心に、辺り一帯を焼け野原にしてるみたい。巡航戦車までどっかから持ち出してきたみたいだよ?」

「……。」

「まあでも、もうとっくにぐちゃぐちゃな場所なんだから、別に大したことな…あっ、先輩、お昼ご飯のデリバリー来たから、また連絡するね〜!プツッ」

「……。」

 

 明らかに眼鏡を触る手が、ぷるぷると震えている。

 

「…大丈夫か?」

「……だ、大丈夫です。……少々問題が発生しましたが、大したことではありません。」

 そう言った後、リンは集まっていた早瀬ユウカを含む4人に視線を向ける。それに気付いた4人が何やら怪しみだす。

 

「……?」

「な、何?どうして私達を見つめてるの?」

「ちょうどここに各学園を代表する、立派で偉そうな人達がいるので、私は心強いです。」

「………えっ?」

「キヴォトスの正常化のため、暇を持て余した皆さんの力が今、切実に必要です。行きましょう。」

「ちょ、ちょっと待って!?ど、どこに行くのよ!」

 

 言い終えた後、リンが歩き始める。

そして、リンに引っ張られるような形で全員が動き出す。

何も言われていないが、着いていく他になさそうなので皆が着いていく。

もちろん、星矢も共に着いていく。

 

 

 天馬星座の星矢…としてではなく「先生」としての星矢の長い物語が、ここから始まろうとしていた…。

 

 

 




 いや〜大変ですね
ではこれからドキドキ♡キヴォトスでの透き通る青春生活が始ま………るとでも思ったか???
 ええ、タダでキヴォトスにやって来たわけではありませんとも。し〜〜〜〜っかりと、苦しむ要素は作っております。
インビジブルソード胸に突き刺さってたからね、ハーデスの力には勝てないよね。

 というわけで始まりました、聖闘士星矢×ブルーアーカイブ。
完結まで描けるのか、またどこまで書くのかはまだまだ未定ながら、書きたい所は山程あります。

青銅聖衣を纏ってビナーと格闘戦してる星矢見てぇな〜!
黄金聖衣を纏ってサオリと共にベアおば撃ち抜きてぇな〜!
神聖衣を纏ってプレナパテスと戦わせてぇな〜!!!

 ここ3つは必ず書きたい所です。
逆にパヴァーヌ、カルバノグはどう星矢の活躍場所作ろうかな〜と悩み中。こうして欲しいとかあれば応えるかも…
そもそもそこまで行けるか怪しいんですけどね、そこのあなた。

更新は不定期になりますが、何卒よろしくお願いします。
最後に一言。
 君は小宇宙を感じたことがあるか!!



パヴァーヌかエデン、どっちを先に見たい?

  • パヴァーヌ編(2章は後で)
  • エデン条約(やるならフルで4章まで)
  • 普通にパヴァーヌ1章→エデン条約フル
  • アビドスの後にミニストとか挟んでほしい
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