一度地に墜ちた天馬は、再び翼を広げ、青空を駆ける。   作:桐山たかふみ

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奪還作戦〜前編〜

「セリカちゃ〜ん……? いる〜?」

 何度もチャイムを鳴らしたけれど、扉が開く気配はない。

ドアにガチャリとスペアキーを差し込んで回し、セリカちゃんの部屋に入ります。

「……やっぱりおかしい。」

 いつもなら帰ってるはずなのに……モモトークの既読も付かない、こんなこと今まで無かった。焦燥感が胸をジリジリと焼いて行く中、ピロン。とスマホが鳴る。これはモモトークの通知音。何かと画面を見てみると、それは先生からのモモトーク。そこに書かれていたのは……。

 

「セリカが攫われたみたいだ、至急学校に来てくれ!」

 

 

 ▲

 

 

「……ふぅ。」

 

 あの後、部屋の掃除をみんなと共にして、各々解散となった。唯一セリカにも伝えておこうと、仲の良いアヤネがモモトークを送ったが、既読すらつかないため、セリカの家に向かっていった。

 

 そんなわけで、1日を終えようとしていたところだったが……。

 

「せ、先生!!」

「どうしたアロナ、そんな慌てて……」

 

 普段なら既に机に突っ伏しながら、何かしらの寝言を呟いるはずのアロナが、どこか慌てた様子で声をかけてくる。

どうしたんだと事を聞こうと問うと、アロナはそのままの勢いで、こう伝えてくれた。

 

「セリカさんが……セリカさんが、攫われました!」

「!? 何だと、セリカが攫われた? 誰に!!」

「わ、わかりませんが、恐らくヘルメット団かと……。」

「あいつら……!」

 

 学校を襲うに飽きたらず、生徒をも攫うとは。星矢は憤った。

 

「アロナ、今すぐみんなにメッセージを送れるか? それと今現在のセリカの位置の表示も頼む!」

「もちろん! 委細全て、アロナにお任せください!」

 

 静かに、されど熱く、星矢は意志を燃やす。

「必ず救い出すからな……待ってろ、セリカ……!」

 

 

 ▲

 

少し乱暴にドアが開けられる音が聞こえ、そちらを向くと。

「セリカが攫われたって聞いたから、来た。」

真っ先に来たのはシロコだった。急いで来たのか、髪は乱れていて、少し息が上がっている。

「シロコ! 他のみんなはどれくらいで……」

「もういるよ〜?」

「セリカちゃんを攫う人達には、お仕置きが必要みたいですね〜☆」

「先生! セリカちゃんは……セリカちゃんは……!」

 

 シロコが来たと同時か、少しの間を置いたのかは分からないが、ホシノにノノミ、アヤネも急いで駆け付けたようでドタバタと部屋の中に入ってくる。

 

「それじゃあ、セリカちゃん奪還のための会議を始めよ〜!」

「先生、セリカちゃんの居場所は……」

「セリカの位置は……ここだな、今も移動してるみたいで動いてるが……。」

 

 と言って、みんなにシッテムの箱に表示されている地図を見せる。アロナが頑張って表示してくれているので、精度は正確、しかも情報も伝わりやすい代物だ。アロナってすげぇんだな……。

 

「この場所は……砂漠化が特に進んでいる都市の端の地域ですね。」

「住民はほとんどいなくなって、廃墟になってるエリア……、治安が維持できなくて、チンピラばかりが集まっている場所だね。」

「以前の分析で、このエリアにカタカタヘルメット団の主力が集まっていると確認できた場所です。」

「っ……! ってことは……!」

全員が顔を合わせ、同じ考えに達する。

「帰宅途中のセリカちゃんを拉致して、自分達のアジトに連れてったってことか〜。」

「学校を襲うだけじゃ物足りなくて、人質を取って脅迫するってところかな。」

「考えていても仕方ありません! 早くセリカちゃんを……!」

「うん、助けに行こっか。」

 

 そのホシノの一言で、みんなの決意が固まる。なんとしてでもセリカを救い出すと。友人としても、対策委員会の一人としても。

 

「先生はどうする〜?」

 ホシノがふわっとした声で聞いてくる、一応聞いておこうかな〜と言う感じを出しつつ、こちらを見つめている。

「もちろん俺も行くさ、セリカじゃなくとも、目の前で誰かが危機に陥っていたら、手を差し伸べずに見捨てるわけには行かないからな。」

「うへ〜、先生かっこいい〜。」

 

 そんな言葉も交わしつつ、気付けばみんな、愛銃を握りしめていて、準備は万端のようだ。

 

「それじゃあみんな〜? セリカちゃんを助けにいくよ〜!」

 ホシノの声は、いつもよりはっきりと響き、どこか勇ましかったように聞こえた。

 

 

 ▲

 

 

「……ハッ!?」

 セリカは少し揺れる床の上で、目を覚ました。

「ここは……いや、あいつらにやられて……。」

倒れる直前の光景を記憶から引っ張り出して、今自分が置かれている状況を逆算して考える。

「この音……、電車?」

 少しだが揺れる車体、独特な駆動音と車輪の音から、セリカは自分が乗せられているのが電車だと勘付いた。

 

「外は──」

 微かながら漏れる光を見つけ、そこから外の世界を覗く。

そこに広がっていたのは──。

 

「なっ……、ここは、郊外の砂漠じゃない……!」

 外を見た途端、頭に浮かび上がる一文字。可能性でしかないが、もしかしたらあり得るかもしれない、そんな一文字。

「このままじゃ、私は……。」

 そこに囚われていたのがセリカじゃなくても、そんな想像をしてしまうだろう。敵の組織に囚われ、もし逃げ出せたとしても、この砂漠。視界も良好、おまけに自分は水も何も持っていないし、銃火器も無い為抵抗すら出来ない。

 そんな状況で、悪い事を考えるなと言う方が酷だ。

 

「このまま私、どこかに埋められちゃうのかな……。」

「誰にも知られず、対策委員会のみんなにも……。」

「連絡も出来なかったから、私もアビドスを捨てて行ったって思われるんだろうな……。」

 

 ポロポロと、普段のセリカならどんな状況でも吐かないような言葉が口から発せられる。その言葉の色には寂しさと悔しさが浮かんでいるようだ。

 

「そんなの……そんなの……。」

 また言葉を吐き出して、セリカは俯いていた顔をグッと上げると。

 

「そんなの──嫌だッ!」

「もっとみんなと一緒にいたい! こんなところで──こんなやつら相手に! 命なんかくれてやるもんか!」

 

 叫ぶ。自分がいる場所に戻るために。暗い気持ちを払う為に。そのままの勢いで、扉に体当りする。両手を括られているせいで一回体をぶつけるだけでも苦労する。でも諦めない。再びみんなに会うためなら、何度だって繰り返す。

 

 その想いが伝わったのか、外から爆破音のような音が聞こえてくる。衝撃が地面を揺らし、それに追随して電車も揺れる。両手が使えない状態では体制を崩すと大変なので、セリカは壁にもたれ掛かるのだが。

 

「うわっ!?」

乗っている車両の直ぐ側で爆発が起き、大きな音が響き渡る。同時に妙な浮遊感に身体が包まれたと思った刹那、全身が地面に叩きつけられる。車両は逆さまになってしまっていて、叩きつけられた所はちょうど出口になっているところだった。

 

「ちょうどいい……ここから!」

と、出ようとしたところで。そのドアがガシャンと音を立てて開いて、見慣れた先輩の顔がセリカの目の前に現れる。

 

「ん、涙目のセリカを発見した。」

「しっ、シロコ先輩!?」

「ありゃりゃ〜、寂しかったのセリカちゃ〜ん?」

「ちっ、ちがっ! バカ、ホシノ先輩のバカ!!」

「わぁ〜☆」

「よかったぁ……セリカちゃん……。」

 どんどんとやってくる皆。色んな言葉を掛けてくれるけど、みんな心配してくれてたみたいで、それで……。

 

「セリカ! 無事だったか!」

「先生……」

 先生もそこにいた。先生も来てくれたんだ。あんなに言っちゃったのに、なんで……。

「当たり前だろ。」

 それに答えるように、先生は言ってくれる。

「どんだけいろいろ言われても……セリカも、俺の生徒なんだ。だから、助けて上げないと。それに、助けなかったらシロコ達が悲しむしな。」

「ん、その場合は私たちだけで助けに行ってた。」

「シロコちゃんはす〜ぐ突っ込もうとするんだから〜。」

 

 ……普通なら、キヴォトスの外の人が態々戦地に出向かなくても良い筈なのに。ましてやこの人は先生なんだから、倒れたらそれこそ、連邦生徒会とか他の学園が大変な事になるのに。それでも、この先生は、私を……私達、アビドスを助けてくれるんだ。

 セリカは先生を見つめて、感謝の言葉を述べようとした。それに気付いた星矢も、セリカが何か言おうとしているのを察して、言葉を待っている。

 

「なんだ、セリ……」

 

 その瞬間、爆発が直ぐ側で巻き起こり、硝煙と火薬の匂いが砂と入り混じって巻き乱れる。

「危なっ……!?」

「ちょっと気を抜き過ぎてたね〜。二人共〜。」

 

 ホシノが盾とショットガンを構えながら、そう告げる。

「おじさん達、セリカちゃんを助けるために敵地に乗り込んじゃったんだ〜、だからここから包囲を突破して帰らないといけないわけ〜。」

「そのくらい、先生と私達なら楽勝。」

「相手の装備は……! 戦車やヘリ、そして野戦砲が確認できます!」

「なら、蹴散らして帰ろうか〜?」

「セリカ、はいこれ。」

「ありがとうシロコ先輩!」

 愛銃を手渡され、意気を燃やすセリカ。

それと同じく、星矢も戦闘に備えて、精神を研ぎ澄ましていく。

 

「それじゃあみんな〜! 私達の家に帰るよ〜!」

そう叫ぶホシノの声で、対策委員会は一斉に動き始めたのだった。

 

 

 

 

 

 




 3週間以上の更新未遂、腹を切ってもお詫びしきれないことにございます。
というわけでお久しぶりです、後書きで書くのもなんですが更新の期間を空けすぎました。このペースだと今年中にアビドス編が終わりません!!!
というわけで急いで行きたいんですが、ペースは1週間に1つ又は2つくらいで行きます。
エデン条約でいろいろしたいんですが、まずはアビドス、それにパヴァーヌが加わる可能性があるので……。まあ、聖闘士色を出しつつ頑張ります。

それでは、次の投稿までお待ちを〜!

パヴァーヌかエデン、どっちを先に見たい?

  • パヴァーヌ編(2章は後で)
  • エデン条約(やるならフルで4章まで)
  • 普通にパヴァーヌ1章→エデン条約フル
  • アビドスの後にミニストとか挟んでほしい
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