一度地に墜ちた天馬は、再び翼を広げ、青空を駆ける。   作:桐山たかふみ

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 遅くなって申し訳ありません!!
 3.5周年……恐るべき相手……!
ちなみに2天井しました。ホシノを強化出来て満足です。
誰か装備図をくれ……


奪還作戦〜後編〜

「支援を頼む! アロナ!」

「はい! アロナにお任せを!」

 

 戦闘に突入する前に、星矢がそう一声発すると、シッテムの箱が青く光り輝き、そして対策委員会全員のヘイローが少しノイズが奔ったかと思うと、ヘイローの色が少し青みがかったものになり、接続が完了される。

 

「うへ〜……まだちょーっと慣れないね。」

「ん、でもこれで戦いやすくなった。」

「やってやるんだから……!」

「これまでの事も、全て許しません……!」

「私達の大切なセリカちゃんに手を出したからには〜、ただじゃおきませんよ〜☆」

 

 各々が戦う意志を固め、闘志を燃え上がらせているところだったのだが。

 

「なんだ? ホシノ。」

 

 触れられていなかった「自分」という戦力。もちろん星矢は戦う気は当然あったのだが、彼女達がどう自分を扱うのか。そのことについて何か言おうとして、ホシノが口を開く。

 

「先生は、無理をしない程度にお願いね。うへ、こう言っておかないと先生って突っ込んで行っちゃいそうだからさ〜。」

「わかった、出来る限り無理はしないように──する。」

 

 思えば、今までの戦いはほとんどが身体に、心に、小宇宙

に無理を利かして、命を猛烈に燃やし尽くすような戦いばかりしていたのだ。

 今は、違う。自分はこの世界では守られる側に回っていて、尚且つそんな戦い方をしてしまえば、本当に命が持たない。上手くみんなを頼りつつ、やれるところは自分でこなせる様にしていかないとな……。

 

「じゃ、悪い子達にお仕置きして帰ろっか〜!」

「「「やってやりましょう!」」」

 

 ▲

 

 戦闘が始まったと同時に、シロコが飛び出していく。それを援護するようにホシノが前衛に出て、セリカが中ほどに、ノノミが後衛に布陣する。星矢はセリカとノノミのちょうど間くらいの位置に自然と置かれており、いざとなったら二人が庇えるような、そんな感じを出している。アヤネはドローンで援護しつつ、全体の戦況や情報を伝えてくれる。

 

「まずは普通のヘルメット団だね〜。」

「この程度なら……!」

 

 と言って、シロコがドローンを起動し、そのまま離陸させる。離陸した二機のドローンは、相手との間合いを少し詰めたかと思うと、ボシュッという音を鳴らして、小型のミサイルを数十発、こちらに向かってきているヘルメット団に向けて撃ち放つ。

 

「まずっ、よけ──っ!」

 

 先頭に立っていたヘルメット団員は後ろにいる者達に呼びかけて、自分も回避行動を取ろうとしたのだが、誘導式だったミサイルは回避行動を取ったその団員と、それすら出来なかったものをまとめて捕捉。瞬間、ドドン。と音が周囲を鳴らし、煙が砂を帯びて舞い上がる。煙の後を見ると数名のヘルメット団が意識を失っていた。

 

「……シロコ、このドローンはどこで手に入れたんだ?」

「拾ってきた。」

「拾ってきた威力じゃないだろこれ……。」

 

 普通にこんなものがそこらに落っこちているのか、キヴォトス怖い。

 

「てめぇ、よくも先輩を──っ!」

「横がお留守だよ〜っと。」

 

 シロコへアサルトライフルを乱射しながら突っ込んできた一人は、ホシノにショットガンの一撃を至近距離から叩き込まれて、そのままダウンする。その次に飛んできた銃弾を盾で防ぎつつ、距離をジリジリと詰めていきまた一人。

 

「これでもっ!」

 

 そう言って手榴弾を投げようとした一人は、セリカに手に握っていた手榴弾を撃ち抜かれてそのまま爆散した。

 

「よしっ! ざまあみなさいっ!」

 鬱憤を晴らすようにセリカが叫ぶ。

戦況は悪くない。今のところは押し切られることもなく、逆に押し込んでいる。弾薬の補給などもアヤネが足りなくなったと思ったところにちょうど投下してくれているので、まだまだ戦えそうだ。

 

「へ、ヘリはどうした!?」

「最初の攻撃で、すでに破壊されているか支障を来しているものしかありません!」

「ぐ…………」

 

 対峙するヘルメット団の間にも、動揺が広がっていく。

そんな中で、何かの駆動音が、砂の混じった音を奏でながら近づいてくる。

 

「この音は……!」

「戦車だね〜。これは骨が折れそうだ〜……。」

「そんな……」

 

「い、一度引け! 戦車が戦っている間に立て直すんだ!」

 

 かなり損耗していたからなのか、ヘルメット団は一度引いていく。引いていくヘルメット団と入れ替わるような形で戦車が前へ前へと出てくる。

 

「ちょっと厄介だね〜……。」

「でも倒せない相手じゃない。」

「出来る限り時間を掛けずに倒すわよ!」

 

 そう意気込んでいるみんなに、星矢は声を掛ける。

 

「みんな、ここは俺に一つ手伝わさせてくれねぇか?」

 

 ▲

 

「い、良いけど……何をする気なの?」

セリカが疑問をぶつけてくる。

 

「戦車をどうにか出来るかも、と思ってな。上手く行けばこれで壊してしまえるかもしれないんだが……どうだ?」

「それって、先生が危険を犯す……というわけでは無いんですよね?」

 

 ノノミが心配そうな顔をして、こちらを覗いてくる。それに対して微笑みながら、口を開く。

「大丈夫だ、そんな危険なことはしねぇよ。」

「ならいいのですが……。」

 

 既に前衛のシロコとホシノが戦車と交戦している。が、シロコのドローンの攻撃でさえかすり傷程度、ホシノのショットガンも同じ様に傷こそ付けているが、僅か数mm程度の傷で根本的な撃破には繋がらなさそうだ。

 

「シロコ! ホシノ! 足止めを頼めるか!」

「先生……。分かった。」

「頼まれちゃうよ〜!」

 

 足止めをお願いすると、二人共心よく承諾。ダメージを与えるよりも、最小限の攻撃で意識を引く方針に切り替え、回避を主とした戦闘法で戦車の気を引いている。避け切れなさそうな弾はホシノが盾で弾き、シロコは俊敏な身のこなしで避け、出来る限り時間を稼いでくれている。

 

「俺も応えねぇとな……っ!」

 そう言った側から、星矢の身体から何か蒼い靄が漂い始める。どこか神秘的な、そんな靄を纏っていく星矢。

 

「せ、先生!?」

「これは……」

 

 セリカは驚き、ノノミは考えに頭を浸す。

 一度目はよくわからなかった、気が付けば先生の前にいたヘルメット団が吹き飛んでいた。その時も同じ様にこんな靄が……。これは一体、なんなのでしょう。

 そんなノノミの目の前で、星矢はその身を更に蒼く、光り輝かせていく。

 

「燃えろ……俺の小宇宙よ……!」

どんどんと身体中に染み渡るように広がっていく小宇宙。それに従って軽くなる身体、そして胸の辺りに広がる不快感。

「奇跡を、起こせ……!」

 高まっていく不快感をしまい込み、小宇宙が燃焼し切った時、星矢の拳から溢れんばかりに蒼く、まるで彗星のような輝きが放たれる。

 

「ペガサス彗星拳!!!」

 

 一瞬にして放たれたそれは、戦車の前面装甲に直撃。凄まじい轟音が鳴り響いたとかと思うと、受けた部分の装甲はまるで巨大な砲弾でも当てられたかのように凹んでいた。

 

「わっ、すっご……。」

「っ……今だみんな! 畳み掛けろ!」

 

 その一声を受けて、一瞬止まっていた対策委員会が再び動き出す。主に凹んだ部分に集中して攻撃を仕掛け、更に凹んでいく装甲。そして耐えきれなくなったのか、搭乗員達が外へ飛び出して逃げようとする、が。

 

「逃さないわよ……!」

 

 セリカの正確な射撃によって、軽々と撃ち抜かれて砂の地面に倒れ込む搭乗員達。これでヘルメット団は周りに居なくなり、あるのは砂と意識を失った者達だけだ。

 

「戻るぞ!」

「殿はおじさんとノノミちゃんに任せて〜」

 

 対策委員会は、そうして戦場から離脱して行ったのだった。

 

 

 ▲

 

 

「ふぅ……」

「つ、着いた〜」

「うへ〜、全身砂だらけだよ〜。」

 

 対策委員会は、校舎(居場所)に辿り着いた。ホシノが言うように、全身を砂まみれにして、所々に銃弾の痕を刻みながら、それでも戻って来た。アヤネが駆け寄ってきて、みんなの服をタオルで拭いてくれる。

 

「いや〜ありがとね、アヤネちゃん。」

「私に出来ることなら、なんだってやってみせます!」

 

 そんなやり取りをしている内に、ふとセリカの方を見ると、今にも倒れそうな程に体制を崩しかけていた。ので、直ぐ様に手で身体を支える。何か小言を言われるかと構えていたが、何の言葉も飛んでこないため、どうしたことかと顔を見てみると。

 

「……」

「寝てる……?」

「ありゃ、セリカちゃんが寝ちゃってるね〜」

「もう朝ですからね〜、色々ありましたし……。」

「とりあえず、保健室に運びましょう!」

 

 アヤネの一声で、セリカを保健室のベッドまで運んで、そこに寝かせる。運んだ後、みんなは事後処理、特にアヤネは真剣な表情をしながら保健室を出ていった。

 

 というわけで、今保健室にいるのは星矢と、寝ているセリカの二人っきりだ。星矢はセリカが目覚めるまで、ベッドの隣の椅子に座って待っている。それから数十分が経った後にセリカが目を覚ました。

 

 目覚めたセリカは、まだ少し夢の中にいるのか、辺りを完全に開ききっていない目で確認しながら、すぐ横にいる者の存在に気付く。

 

「先生──?」

「セリカ、大丈夫か? どこか悪いところとかは?」

「ない。なんとか無事よ。」

 

 その一言に安堵した表情を浮かべて、星矢は良かった、と呟く。これで何かの後遺症でも残っていたら、悔やんでも悔やみきれなかったから。

 

 そんな星矢を見て、セリカは爆風のせいで言えなかった言葉を、今ようやく、顔を見て、目を見て告げる。

 

「その──先生。最初はほんとに疑ってたの……アビドスに関わってくる大人はみーんな、腹黒くて、私達を利用しようとするやつらばっかり。」

「でも、先生は違った。私達のために動いてくれたし、何より──散々色んな事を言った私を助けてくれた。」

「だから……その……あ、ありがとう!」

 

 顔を少し赤らめて、セリカは感謝の言葉を告げた。

 

「それじゃ、俺もこれで晴れて対策委員会の仲間でいいんだな?」

「あっと、それは──ううん、そう! 先生も対策委員会の大事な仲間よ!」

 

 ようやく仲間として、全員から受け入れられた。だがこれは始まり。彼女達の仲間として、これからは共に歩んでいく。大事な一歩を踏み出したことを、星矢はその嬉しさを、心の中でしっかりと噛み締めた。

 

 

 ■

 

 アビドス砂漠にて。

ヘルメット団の兵器はほとんどが破壊されて、ただの鉄屑と化している。その鉄屑と化した装甲の一片を、興味深そうに見つめる、全身が黒く、スーツを来た不気味としか言いようがない者がいる。

 

「ほう──これが彼の者の神秘ですか、ですがこの世界のものとは根本的に違うようですね。」

 

 淡々と、川が流れるように言葉を発する黒き者。

 

「これを使えば、何かに使えるでしょうか。折角ですから持ち帰って、分析してみることにしましょう。」

 

 その言葉を発した途端、大きく凹んだ装甲がいきなり現れた暗闇に飲まれて消えた。そして彼もまた暗闇に入っていく。彼が全身を飲まれたと同時に、暗闇は姿を消し、辺りは再びただの砂漠と化した。

 

 

「失敗したのか──ふん、使えん奴等だ。兵器まで供与してやったというのに。」

 

 夜のビルの一角で、そう愚痴を漏らす機械の男がいる。と言っても、愚痴というよりは失望に近いような、期待外れと言った語り口だった。

 

「確実に潰せるだけの支援はした筈だが──なぜ?」

「彼がいるからです。」

 

 部屋の扉をノックもせずに開けて、一人の男が入ってくる。黒いスーツを着こなした黒い者。先にいた方が何か言おうとすると、手で待て。とジェスチャーされ、口を一旦噤む。

 

「シャーレの先生がいるのです、アビドスには。」

「シャーレの先生──ああ、連邦生徒会に新しく出来たとかいうシャーレか。それで? そのシャーレの先生がどうしたのだ?」

「彼の力には、未知数なところが数多く見受けられます。此度のことも、それが原因ではないでしょうか。」

「ふむ──で、その手に持っているものはなんだ?」

 

 淡々と告げる黒い者。しかしその手に何かが握られているのに気付いた機械の男は、それが如何なるものかと問う。

 

「これですか、これは彼が放った神秘の残り滓です。」

「──なんだと、先生とやらは神秘を放つと? 外からやってきたのに?」

「外からやってきたからこそ、使えるのでしょう。これは貴方にあげようと持ってきたのですが──」

「よし分かった、貰おう。我らは協力関係だものな。」

「感謝します。では。」

 

 と言って、扉から出ていく黒い者。その後ろ姿を見ながら、彼は心中の想いを吐露する。

 

「まったく──わけがわからんやつだ。」

 

 

 

 ■

 

 

「ぐえっ」

「かっ」

「おごっ」

 

 夜の砂漠。ヘルメット団は再起するために散らばったメンバーを再び招集しているところだったのだが。いきなり現れた正体不明の敵に襲われ、交戦すらままならない。次々と仲間が倒されていき、逃げようにも移動手段は既に潰されているらしく、纏めておいた場所からは黒煙が立ち昇っている。

 

「クソ──お前らは、なんなんだ──!」

「これで最後ー?」

「そうね、意識があるのは最後よ。」

「い、いいんでしょうか──こんなに派手にやってしまって……」

「まあ、良いんじゃない? 上からの命令だし。」

 

 制圧され、膝をつく団員の一人の前で四人が話している。

彼女達は話しを終えると、その内の一人、黒い角と赤い髪、コートを纏った者が前に歩み出て来て、足で手を踏み躙られる。

 

「ぐっ──」

「上からの指令で、貴方達はもうアビドスに関わらなくていいって。つまり──」

「クビ……ってことか。」

「そういうこと。後は私達が引き受けるから、とっとと去りなさい。」

「……」

「おっと、まだやる気ー?」

「それは止めといた方が良いよ、状況分かってるでしょ。」

 

 踏まれていない方の手で銃に手を伸ばそうとすると、小柄で白髪、挑発的な笑みを浮かべる一人と黒い角と赤い瞳を持つ冷静そうな一人に銃を向けられつつ、言葉で止めさせようとしてくる。

 

「──そうだな、手を引く。それでいいんだな?」

「ええ、物分りがいいわね。」

 

 足が手から離され、その痛みで顔を少し歪ませながら、ヘルメット団員は彼女達に問う。

 

「ちなみにお前達の名前を、最後に聞かせてくれないか?」

「私達の名前ね、良いわよ。よーく覚えときなさい。」

 

 

 

「私達は便利屋68、なんでも請け負う便利屋よ。」

 

 




 3週間ぶりにこんにちはー!!!
いや、ブルーアーカイブ3.5周年。凄かったですよね、シロコ・テラーの実装にホシおじ臨戦実装。アリウス水着のインパクトが完全に吹っ飛んで行きましたよ。しかもメインストーリーも更新だ!! えっ月曜から!!! 水曜じゃないの!? 

 とまあ、ブルーアーカイブが更に盛り上がる中、この小説は一切進んでおりませんでした。最近一切書かなくなってきていて、これも1週間執筆中のまんまなこともありました。
ですが! これからは1週間投稿をしたい! なにより夏休みですし皆さんの楽しみを増やしたい! んで小説書く習慣を付ける! これをモットーにやってきます。

 ぶっちゃけ今書きたいのはテラーの方のメインヒロインのことなんですが、それはPixivの方で発散するので問題なし。こっちでは星矢の幻想を垂れ流して行きます。あー早くエデン条約行きたい。最終編にも行きたい。でもカルバノグとパヴァーヌ、百鬼夜行もアビドス3章も行きたいけどどうしよう……まあなんとかなるやろ。

 と言うわけでみなさん、また次回の投稿まで楽しいブルアカライフをお送りください、そしてほんの合間で、チラ見でも良いんでこの小説をお願いします!

パヴァーヌかエデン、どっちを先に見たい?

  • パヴァーヌ編(2章は後で)
  • エデン条約(やるならフルで4章まで)
  • 普通にパヴァーヌ1章→エデン条約フル
  • アビドスの後にミニストとか挟んでほしい
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