一度地に墜ちた天馬は、再び翼を広げ、青空を駆ける。   作:桐山たかふみ

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なぁに、たった二週間だ。
一月空くよりかはマシであろう(震え声)

ホントに一月空けちゃったじゃん!
どうすんのよ! ねえ!!

前書きで言ってもあれなんで、後書きに回すね。


騒がしき来訪者

 

「先生、朝ですよ!」

「あ、朝か……。」

 

 聞き慣れた声が耳朶を叩き、星矢は目を覚ます。

何時の間にか寝てしまっていたようで、部屋のふわふわとしたソファに横たわっている。誰かが運んでくれたのだろうか。

 

「アロナ、みんなはどこに?」

「え〜とですね、いつもの部屋に皆さん集まっているようです。」

 

 ならすることは決まっている。起き上がってソファから足を下ろし、靴底でトントン、と地面を叩く。何も違和感がないのを確認すると、シッテムの箱を持って歩き出す。ふと気になったことが思い浮かんだので、足を止めてまた一つアロナに質問をする。

 

「なあアロナ、昨日のセリカの居場所が分かったのは……」

「はい! 連邦生徒会のセントラルシステムにアクセスして、割り出しました! きょ、許可は取ってないのでバレたらリンさんにお説教ですが……。」

「説教くらい、セリカを失うことと比べたら軽いもんだ。ありがとな、アロナ。」

「先生……!」

 

 再び星矢は歩み出す。夢と希望を守るために、紡いでゆくために。

 

 

 ▲

 

「あ! 先生来たわよ!」

「先生、昨日はお疲れ〜。良く寝れた〜?」

「ふふ☆」

「先生の身体、けっこうがっしりしてた。」

「おはようございます! 先生!」

 

 ガララッと音を立てて、部屋のドアを開けるとそこには既に対策委員会の五人が集まっており、みな思い思いに声を掛けてきた。それに声を一つ一つ返しながら、星矢はテーブルの側に空いている席に座る。座ったところで、アヤネが声を上げた。

 

「それでは先生も来たことですし、これよりアビドス対策委員会の定例会議を始めます!!」

 

 そう宣言するアヤネを尻目に、他のみんなを見てみると、一応会議と言うこともあってか、少し真面目な顔をしている。

 

「なぁ……この会議って毎日してるのか?」

小声で近くにいたノノミに聞くと、声量を合わせてノノミが返してくれる。

「はい、毎日、どんな些細なことでも報告してるんです〜☆」

「なるほど……」

 

「今日は先生もいらっしゃるので、真面目な議論が出来ると思うのですが……。」

「は〜い☆」

「ん。」

「……普段が不真面目みたいに聞こえるんだけど。」

「うへ、先生よろしくね〜」

「おう、よろしくな。」

 

 

 少しの間を空けて、アヤネが声を発する。

 

「今回の議題ですが……私達アビドスにとって最も重要な課題、「学校の負債をどう返済するか」について、具体的な話し合いをしようと思います。」

 

 負債。その言葉が飛び出た途端に、他の四人の顔が更に真面目なものへと切り替わる。アビドス対策委員会にとって最も重要な、深刻な課題。おちゃらけた雰囲気で臨んで良いものではないと言うことは委員会の皆なら周知の事実だ。

 

「……では、ご意見のある方は、挙手を。」

 

 こんな雰囲気だ、誰も手を挙げないか──と思っていたんだが。

 

「はい! はい!」

 

 勢い良く手を挙げて、更に声まで挙げている者がいる。横目にその方向を見ると、椅子から立ち上がって机に片手を付けて挙手しているセリカの姿が目に映った。

 

(俺がセリカの立場なら……そうしてただろうな。)

 

「はい、一年生の黒見さん」

「あのさ……名字呼びなの? なんかいきなりであれだし、ぎこちなくない?」

「セ、セリカちゃん……で、でもせっかくの会議なんだし……。」

「いいんじゃな〜い? ちょっといつもと違う感じで。今日は先生もいるしね〜。」

「他の人を交えてやるのは、初めて。」

「ですよね、委員会っぽくてイイと思いま〜す☆」

 

 星矢がそんな想いに耽る間も、どんどんと話は進んでいく。お硬い感じに少し違和感を持ったセリカが、ホシノやノノミにするすると言い包められていく。先輩達がそう言うなら……と困惑しながらも結局納得したセリカが、自分が言おうとしていたことをハッと思い出したらしく、挙手時の勢いを取り戻して叫びに近い声量で話し始める。

 

「とにかく! 対策委員会の会計担当としては、今現在我が校の財政状態は破産寸前としか言いようがないわ! このままじゃ「廃校」だよ! みんなわかってるよね!?」

「まぁね〜。」

 

 ホシノの緩い返しを受け流しつつ、セリカは勢いそのままに話し続ける。その語りは、彼女の想いも乗せているような情熱的なものだった。

 

「毎月の返済額は、利息だけで788万円! 私達も頑張って稼いでるけど、正直利息の返済だけでも手一杯なの。これまで通りの……やり方じゃ到底返し切れない、つまり埒が明かないってこと! 何かここらで、どーんとでっかく一発狙わないと!」

「でっかく……って、例えばどうやって?」

 

 疑問を投げ掛けるアヤネ。それに対してセリカは自分の鞄を何やらガサゴソと探り、やがてその中からピラリと一枚のチラシを出して、それを皆に見せる。

 

「これよこれ! 街で配ってたチラシ!」

「これは……!?」

「どれどれ……「ゲルマニウム麦飯石ブレスレットであなたも一攫千金」ねぇ……?」

 

 そのホシノの言葉を聞いた他の皆は、それがどう言う物なのかを即座に理解したのだが、セリカはそのまま話し続けた。

 

「この前、説明会に連れて行ってもらって──」

「「「……」」」

 

 ちょっと経って、誰も話さないことに違和感を感じたのかセリカは皆に問い掛ける。

 

「ちょ、ちょっとみんな、どうしたの?」

「却下ー。」

「えーっ!? 何で? どうして!」

「セリカちゃん……それ、マルチ商法だから……」

「儲かるわけない。」

「へっ!?」

「そもそも──」

 

 そこからセリカは、ノノミやホシノ、アヤネに色々言われ、しかも自分が騙されていたという事に気付くと、落胆して、声もくぐもってしまった。ノノミに慰められて、なんとかの回復は見せたようだが。

 

 ちなみに今の話は流石に星矢でも良くない話だとは理解できた。ゲルマニウム──の時点でうん? とはなっていたが、嬉々として話すセリカの為に何も言わなかったし周りもそうしていたので特に言及することはなかった。

 

「えっと、そ、それでは黒見さんからの意見はこの辺で……次に意見のある方は……。」

「はい! はーい!」

 

 次に手を挙げたのは、この中で最年長のホシノだった。一番まともな提案を出来そうと、星矢は思っている。

(一番長くアビドスに居るホシノのことだ、まともな案を出しそうだ……!)

 

 そんな星矢の期待とは裏腹に、挙手した委員長を指名したアヤネの表情は、どこか不安そうな顔が見えた気がした。

指名されたホシノは、えっへん、と腰に手を当てて、自慢げにしながら、語り始めた。

 

「我が校の最大の問題は、全校生徒がここにいる数人だけってことなんだよね〜。生徒の数=学校の力。トリニティやゲヘナみたいに生徒数を桁違いに増やせば、毎月のお金もかなり稼げるはずだからね〜。」

「そ、そうなんですか……?」

「そういうこと〜! だから生徒の数を増やさないとね〜、まずはそこからかな〜、そうすれば議員も輩出できるし連邦生徒会での発言権も与えられるしね。」

「鋭い指摘……ですが、どうやって増やすんですか? 第一、呼び掛けたとしても転入生も来ないと思うんですが……。」

 

 アヤネがその手段についてどうやるのか、と問うている。そんな簡単に増やせるものなら増やせているし、それが出来ていないからこの現状なのだ。誰もが次のホシノの言葉を待っていた……それに対し、ホシノはいつも通りのふにゃっとした声色で、解決策を授けた。

 

「簡単だよー、他校のスクールバスを拉致ればオッケー!」

「……は、はいぃ!?」

 

 驚くアヤネ、興味深そうに話を聞くシロコ、わぁ☆と言っているノノミ、呆れと驚きを浮かべながらホシノを見つめるセリカ、そして明らかに動揺している星矢。この五人の反応を尻目に、ホシノは具体的な方法を次々と語っていく。

 

「登校中のスクールバスをジャックして、うちの学校への転入学書類にハンコを押さないとバスから降りれないようにするのー。うへー、これで生徒数がグンと増えること間違いなーし!」

「それ、興味深いね。ターゲットはどこにする? トリニティ? それともゲヘナ? ミレニアム? どこにするかで、やり方を変える必要があるかも。」

「お? えーっと……うーん、……そうだなぁ、トリニティ? いや、ゲヘナにしよーっと!」

「ちょ、ちょっと待ってください! そんな方法で転校なんてありなんですか!? それに、他校の風紀委員が黙っていませんよ……。」

 

 ホシノとシロコが拉致案で盛り上がる一方で、アヤネは冷静に意見を述べる。そんな事をすれば各学園との関係はもちろんのこと、武力で劣るアビドスには各校の風紀委員を相手にするのはかなり厳しい。転入によるメリットよりもデメリットの方があまりに大きすぎるのだ。

 

「うへ〜、やっぱそうだよね〜?」

「やっぱそうだよね〜、じゃないですよ、ホシノ先輩……。もっと真面目に会議に臨んでいただかないと……。」

 

(ほ、ホシノってこんな感じなのか……? ふわっとしてそうな感じだと思ったんだが、お、思ったより血気盛んな提案をしてきたな……。)

 

 そんな形で、各々が考える中、1人声を上げる者がいる。

 

「良い考えがある。」

「……はい、2年の砂狼シロコさん……。」

「銀行を襲うの。」

「──はいぃ!?」

「ちょ!?」

「うへ〜」

「わぁー☆」

「……ほへ?」

 

 突如飛び出してきた銀行強盗の案。あまりにぶっ飛んでいる言葉に、思わず全員が驚きを隠せない。

 

「簡単かつ確実な方法、ターゲットも選定済み。市街地にある第一中央銀行。金庫の位置、警備員の動線、現金輸送車の走行ルートは事前に把握しておいたから。5分で一億は稼げる。はい、覆面も準備しておいた。」

 

 そう言ってシロコは鞄から5人分の覆面を取り出した。色とりどりの覆面の目の部分の上には、ピンク、青、緑、赤と黄色、それぞれに1から5までの数字が縫い付けてあり、それがシロコの手作りだと言うことを主張している。

 

「うわ〜、これシロコちゃんの手作り〜?」

「い、何時の間にこんなものまで……。」

「わぁ、見てください! レスラーみたいです〜!」

「いや〜いいねぇ、人生一発で決めないと。ねぇ、セリカちゃん?」

 

 早速身に付けてみるノノミ、そして割と乗り気な口振りでセリカに賛同を求めに近付いていくホシノ。

 

「んなわけあるかー! 却下! 却下ー!!」

「そっ、そうですっ! いくらなんでも、犯罪はいけません!」

「さ、流石に犯罪は良くないと思うぞ……?」

「……」

 

 見事に他3人に否定の色を示され、明らかにシロコの顔がふくれていく。逆に許されると思っていたのだろうか。

 

「そんなふくれっ面をしてもダメなものはダメです! シロコ先輩!!」

「……ん。」

 

「は、はぁ……みなさん、もう少しまともな提案をしていただかないと……。」

「あのー! はい! 次は私が。」

「はい……2年の十六夜ノノミさん、犯罪と詐欺は抜きでご意見をお願いします……。」

 

 ノノミが挙手すると、もはやアヤネは疲労困憊と言った形で、もうこれ以上ぶっ飛んだ提案はしないでくれとばかりに2つ抜きでとお願いしている。

 

「はい! 犯罪でもマルチ商法でもない、とってもクリーンかつ確実な方法があります! アイドルです! スクールアイドルです!」

「あ、アイドル……ですか?」

「そうです! アニメで見たんですけど、学校を復興する定番の方法はアイドルです! 私達全員がアイドルとしてデビューすれば……!」

「却下。」

「あら、これもダメなんですか?」

 

 今までのマルチ商法、拉致、銀行強盗のそれに比べれば、一番リスクが少ない方法な筈なのだが、ホシノがその提案を蹴る。それにセリカが疑問を問う。

 

「なんで? ホシノ先輩なら、一部のマニアに大受けしそうなのに。」

「うへ、こんな貧相な身体に興奮する人なんて、人としてダメでしょ〜。ないわ〜、ないない。」

 

 腕をひらひらとさせながら、答えるホシノ。それに少し落ち込んでいるノノミ。

 

「そんな……決めポーズまで考えたのに……。」

「水着少女団のクリスティーナで〜す♧」

「どういうことよ……。何が「で〜す♧」よ! というか、なんなの「水着少女団」って! だっさい!」

 

 考えていた決めポーズを披露するノノミ、それに反応しつつも困惑していたかと思いきや、いきなりツッコミ始めるセリカ。当のノノミは「え〜、徹夜で考えたのに……。」と残念がっている。

 

「あのう……議論が進まないんですけど、そろそろ結論を……。」

「じゃ、先生に決めてもらったらいいんじゃな〜い?」

「俺がか……?」

「ちょ、ちょっと待ってください! なんでそう言い切れるんですか!?」

「そうだよ〜。さあ先生、どれにする〜?」

「まさかアイドルをやれなんて言わないよね?」

「アイドルで☆お願いします♧」

「……(スッ)」

 

 いきなりやってきた役目。それに対して星矢は考えを張り巡らせる。

 困ったな……銀行強盗か、他校の生徒の拉致か、アイドルか……。アイドルが一番良さそうなんだが、さっきからシロコの視線が……それにノノミの笑顔の圧に、セリカとアヤネの視線……。うーん、ここはやっぱり……。

 

「じゃあ、アイドルで行くことにするぞ! みんな良いか?」

「ほ、本気ですか!?」

「よ〜し決まり〜!」

「楽しそうです〜☆」

「ほ、ホントにこれでいいの?」

「うへ、良いんじゃない?」

「計画は大胆なほどいい、でしょ、アヤネ?」

「……い……。」

「──い?」

 

 みんな乗り気そうだな……、あれ、アヤネの表情が……。

 

「良いわけないじゃないですかぁ!!」

 

 ガシャンとアヤネがちゃぶ台をひっくり返して、怒りを露わにする。ちゃぶ台……と言うよりテーブルに乗っていた物がバラバラになって床に散らばる。

 

「出たー! アヤネちゃんのちゃぶ台返しー!」

「きゃあー! アヤネちゃんが怒りました! 非常事態です

!」

「うへ〜キレのある返しが出来る子に育ってくれたねぇ、ママは嬉しいよーん。」

「……ホシノ?」

「誰がママですか! ちゃんと真面目にやってください! いっつもふざけてばっかり! 銀行強盗とかマルチ商法とかそんなことばっかり言って!」

 

 みんなアヤネが本気で怒っているのを感じとったのか、シロコもセリカも気まずそうな顔をしている。いや、確かにその2つはダメだと思うが……。

 

……そこから全員、アヤネにがっつり説教された。

 

 ▲

 

「いやぁ〜、悪かったってば、アヤネちゃーん。ラーメン奢ってあげるからさ、ねっ?」

「怒ってませんから……。」

 

 あの後、俺たちは柴関ラーメンに来ていた。丁度昼飯の時間には良かったので、そこでアヤネの機嫌を直そうと言うわけだ。後ろではノノミがアヤネの口を拭いて、アヤネが赤ちゃんじゃないですからっ、と言っている。あっ、シロコからチャーシュー貰った。美味いんだよなここのチャーシュー。

 

 不意に戸がガラッと開く音がしたので、そちらの方を見る。入って来たのは帽子を被り、紫色の髪と瞳を持ち、両手で銃を抱いている少女だった。既にセリカが対応に向かっている。

 何やら言葉を交わしたようで、一度外に出たと思ったら、他の3人が続々と店内に入って来た。コートに身を包み、不敵な笑みを浮かべている親玉らしき者、その直ぐ側にいる小柄で鞄を持っている少女、そして白と黒の髪をしていて、一番周囲を観察している子。何か喋っていることから、恐らくこの4人は何かしらの集団なのだろう。

 隣のテーブル席に座り、注文をする4人。何かセリカが驚いたかと思ったら、紫髪の少女が何かに詫びるように、不意に大声を上げ始めた。

 

「ごっ、ごめんなさい、貧乏ですみません!! お金がなくてすみません!! いいえ、お金がないのは首が無いのも同じ! 生きる資格なんてないんです! 虫けらにも劣る存在なのです! 生きててすみません……!」

 

 こんな感じで、すごい自分の事を卑下するような言葉を大声で喋っていたので、彼女の横に座っていた冷静そうな子が何か呟いていた。と思ったら今度はセリカが声を上げた。

 

「そんな! お金がないのは罪じゃないよ! 頑張って!!」

「へ? ……はい!」

「お金は天下の回りもの、って言うでしょ! まだ学生だし、なんとかお金を掻き集めて食べに来てくれたんでしょ! そういうのが大事なんだよ!」

 

 そう言った後、セリカは厨房から呼ばれ、一度その場を去っていった。4人は何やら喋っていたみたいだが、ここからではそれは聞こえない。未だアヤネのご機嫌取りが続いているからな。やがてセリカが戻って来て、ドンっとテーブルにラーメンを置く。そのラーメンはどう見ても超大盛りで、4人で食べる量を遥かに凌駕していた。驚く4人、そして厨房を見ると笑顔で大将が

「手元が狂っちまったんだ、気にしないでくれ。」

と言っている。セリカも気にしないでごゆっくりどうぞー! と残して他の客のところに向かっていった。

 

 4人は少し話し合った後、箸を手に取ってまるで富士山のようにそびえ立つそのラーメンを切り崩して、各々ズズズーっと啜る。口にした瞬間、全員の表情が何かに気付いたように明るくなった。お、おいしいっ、と言っている先程の紫髪の子の声が聞こえる。小柄な子のラーメンに対する称賛が聞こえたかと思うと、ノノミがスッと身を乗り出して、

「でしょう、でしょう? 美味しいでしょう?」

 と聞いていた。聞かれた子は隣の席の……。と答えてはいなかったが、ノノミは畳みかけるようにそのまま柴関のラーメンを称賛する発言をする。

 

「ここのラーメンは本当に最高なんです。遠くからわざわざ来る人もいるんですから。」

 やっべ、ラーメン伸びてる。

「ええ、わかるわ。色んなところで色んなものを食べてきたけど、このレベルのラーメンはなかなかお目にかかれないもの。」

「えへへ……私達、ここの常連なんです。他の学校の皆さんに食べて頂けるなんて、なんか嬉しいです……。」

 

 とまあ、そんな形でお互いにラーメンについて盛り上がっていたわけなのだが。

 カヨコ、それにムツキは今自分達の隣に居るのがアビドスの生徒と気付いたみたいだが、アル本人は気づいておらず、談笑して仲を深めている始末。意気投合までしていて、とてもこの後襲撃を掛けるとは誰も思えない程に和気あいあいと話し合っていた。

 

(……連中の制服……)

(あれ、ホントだ。アルちゃんは気付いてないみたいだけど……)

(どうする? 知らせる?)

(……面白いからそのままにしとこ。)

 

 結局、ムツキのいたずら心によって喋っている内にアルに知らされることは無かった。

 

 ▲

 

「それじゃあ、気を付けてね!」

「お仕事、上手くいきますように!」

「あなた達も、学校の復興、頑張ってね! 私も応援してるから! じゃあね!」

 

 と言ってアビドス対策委員会のメンバーはゲヘナの4人組と別れた。

 

「良い人達でしたね〜☆」

「お金に困ってるところとか、ちょっと私達と被るところがありましたね。」

「うへ〜、一杯のかけそばならぬ、一杯のラーメンだね〜。」

「先生、何か考え事?」

「……いや、ちょっとぼーっとしてただけだ。」

「ん、なら良かった。」

 

(さっきの子達……何かおかしくないか。便利屋68とか名乗っていたな……学生が便利屋なんてやっていいものなのか、それにゲヘナからアビドスに来たのにも何かしら事情があるんじゃないか……。アロナ、頼めるか?)

(分かりました! 先生! 便利屋68さんのことについて出来るだけ調べてきます!)

(頼んだ、アロナ。)

(はい! アロナにお任せを!!)

 

 

 


 

「ふう……良い人達だったわね。」

「……。」

「……。」

 

 例のことを知らせるか、とカヨコがムツキとアイコンタクトを取る。今ならいいでしょ☆とばかりにムツキがジェスチャーまで付けてきたので、カヨコは口を開く。

 

「……社長。あの子達の制服、気づいた?」

「えっ? 制服? 何が?」

 

 まさか本当に気づいていなかったどころか、なんとも思っていなかったのか、とカヨコが息を吐くと、代わりにムツキが真実を告げる。

 

「アビドスだよ、あいつら。」

「……な」

 

 驚愕のあまり、アルは白目を剥いて、言葉を詰まらせたか、と思うと、叫んだ。

 

「なななな、なっ、何ですって─────!!!???」

 

 そんなアルの叫び声が、辺りに響き渡ったのだった。

 

 




み、みんな〜……周年お疲れ様。
お目当ての子は引けた? 

↑これは1月前の後書きです、時間がズレています。
はい、お久しぶりです。毎回これ言ってる気がすんなおい。これを書き始めたのは7月の25、そしてそこから1月、そして1週間。その間、3.5周年は過ぎ去り、新イベが始まる始末。どうにもこうにも遅れたにしても、これ以上の遅れは許されないと思って、なんとか出来ました。そして過去一長いです。

 3.5周年の実装キャラ、ほんとビックリしましたねぇ。
そしてその後の無料100連は無事に天井、泣く泣くヒヨリを見送りました。ミサキが来たら引きますよ、ええ。
 そして新イベですよ! レッドウィンターとかいうギャグ寄りなところとなんかシリアスそうな玄龍門の交流会ってことで、軽〜い気持ちで見たら、え……なにこれ。むっちゃ歴史ドラマじゃん、何これ大河ドラマ? すごいドロドロしてるし、しっかりシリアス、キサキやカイも出てきてなんだか続きそう〜! 

 そんな本編の話をしつつ、この作品を更新していけたら、そう思います。なんか1話毎に文体や雰囲気が変わってる気がしますが、後でテコ入れしたいなぁ……(不確かな羨望)
 また次回をお楽しみに〜

パヴァーヌかエデン、どっちを先に見たい?

  • パヴァーヌ編(2章は後で)
  • エデン条約(やるならフルで4章まで)
  • 普通にパヴァーヌ1章→エデン条約フル
  • アビドスの後にミニストとか挟んでほしい
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