一度地に墜ちた天馬は、再び翼を広げ、青空を駆ける。   作:桐山たかふみ

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ユウカ〜…何もかも因数分解してくれ…



星矢の休日
冷酷?いいえ、おせっかいなだけです。


「ああ…ありがとさん、この子はすぐどこかへ行ってしまうからねぇ…」

 

 感謝の言葉を受け取って、そのままその場を立ち去る。

…あれから俺は、シャーレの名の下に様々なことをこなしていた。リンが言っていた面倒な仕事も一部、ほんの少しずつだが処理している。アロナの助けも経て、この世界のシステムや文化にも多少は慣れてきたと思う…。

 ちなみに今のお礼は犬を探し出してあげたことのお礼だ。

 

 そこからシャーレに戻って来て、再び仕事を何から片付けようかな…と思っていた、その時。執務室の扉が開いた音がした直後に、聞いたことのある声が執務室に響き渡る。

 

「先〜生〜?」

「…ユウカじゃないか、どうしたんだ?」

何かと思えば、先日のシャーレ奪還を手伝ってくれた、ミレニアムサイエンススクール所属、早瀬ユウカがどこか顔を歪めて、そこに立っていた。それにしてもなんだろう、こんないきなり来るなんて…

 

「どうしたんだじゃありませんよ!モモトーク、確認されましたか!?」

「もも……あっ、すまねぇ…見てなかった。」

 

 しまった。モモトークなるものの存在はアロナから言われていたものの、まったく開いていなかったことがここにきて仇になってしまった。ここは素直に一つ謝りを入れ、その内容を確認しておこう。

 

「ん〜と、弾丸の経費の支払い…こっちで支払うのか?これ。」

「…弾丸だってただじゃありませんから、支払うのは当然です。お仕事での経費扱いなので、連邦生徒会に請求すればシャーレに支払われるはずですから、その分をこちらにいただければなと…」

「…ユウカ、すまないがその請求…?ってのはどうやってやれば…?」

「…へ?ま、まさか先生…もしかしてこういう作業したことないんですか…?」

 

 そう、全くと言っていい程、こんな作業はしたことが無かったのでやり方なんぞ何もわからない。…ので、ここは正直にユウカに教えを乞おうと思う。仕方ない、これしか方法がないのだ。

 

「ユウカ…すまないがどうやればいいのか教えてくれないか…?この通りだから!」

「わわっ!?、そんなに頭を下げなくてもいいですから!私と一緒にやりましょう、ほら!ここに丁度持ってきた、ミレニアムで使われている見本の請求書がありますので!」

 

 そうして、ユウカと共に作業をすることになった…が、作業以外のことも進んでしまうことになるのを、星矢はまだ知らない…。

 

 


 

 ユウカと共に作業を進めていく。分からないことがあったり、手が止まっていると直ぐ様教えてくれて、こちらとしても凄く助かる。が、今まさにわからない所があって、手が止まっているのに…来てくれない。何事かとユウカの方を覗いてみると…領収書を見ていた。領収書…?あ、マズイ。

「何これ…?領収書…?…ってちょ、先生!!これってどうゆうことですか!!」

 

 やべ。見つかっちまった。とりあえず欲しいもの買ってったら、いつのまにか金額が膨れ上がっていっちゃったんだ…聖闘士だった頃には食べれなかったような食べ物とか男心くすぶる玩具…とにかく、いろんな物を買って、それを机の上に放置していたというわけだ。

 それをユウカに見つかってしまった。…この口ぶりからして多分問い詰められるんだろうな…

 

 

「先〜生〜?…なんなんですかこの出費は?こんなに大きな金額を一度に使うなんて、大人としてどうかと思いますよ?」

「…言う通り、どうかと思う…」

「それに…この買った商品を見ても、買い急ぐ必要があったとは思えないんですが…何か理由があるんですか?」

「これだけのお金を持つのが初めてで…つい勢いで買っちまったんだ…」

「お小遣いを貰って、パーッと使っちゃう子供じゃないんですから、計画的に使ってください!!大人なんですから!!」

「大人…俺が…そうか、そうなんだな。」

 

 そう言われてハッとする。今の自分の年齢なんか気にして無かったが、ユウカ達と比べてもあまり変わりないだろう。が、このキヴォトスに、あの熾烈な戦い(聖戦)のような戦いを経験している者が何人いるのだろうか。

 あの生死を何度も彷徨いながら、味方の屍を踏み越えて敵と戦い続けた、あの地獄のような戦いを、この世界のみんなにはさせてはいけない。それが起こるような事があれば…それは俺が止めるべき事だろうし、起きたなら直ぐに潰してやる。

あんなことは、あってはならない。それを止めるために、俺達聖闘士は、存在しているんだ。この世界に来た以上、常に、心に誓っておこう。

 

 

 

「せ、先生?何か深く考えこんでいたみたいですが…大丈夫ですか?」

 

 あまりにも深く考え込んでいたみたいで、ユウカが声を掛けてくれていることに今ようやく気付いた。

何も言葉を返さないのはまた変なので、声を返して…腹が減ったな、一緒にご飯でも行こうかと誘ってみるか…

 

「…大丈夫だ、ユウカ。何も問題はない…それよりユウカ?」

「はい?な、何でしょうか…先生?」

「…飯でも食いにいかね?」

「え、……行きましょう!!」

 

 一瞬戸惑ったというか、固まったように見えたが二つ返事で了承を貰って、俺達はシャーレの外のレストランに向かうことにした。丁度お昼時だったしな。

 


 

 ど、どうしよ〜!先生を手伝って作業してたら急に一緒にご飯に行くことになっちゃった…うう…もうちょっと考えて答えるべきだった…

 

 と考えているのは早瀬ユウカ。

昼食に付き合わされている…というより、領収書の件を誤魔化すような昼食の誘いだったが、ユウカはすぐさまOKを出した。そして今レストランにいる。

星矢は既に注文を済ませているが、ユウカはコーヒーを頼んだ程度で何も食べ物を注文していない。その事について星矢が言及しようとすれば

「わっ…私もその…最近気にしてるんですから!だから、その…」

と、言われてしまえばも〜う口出しは出来ない。

というわけで、料理が運ばれて来るまで二人は雑談をすることにした。

 

 始めに話を切り出したのは、ユウカからだった。

「先生?ここまで来て言うのもなんですが、シャーレには食堂がありますよね?そこで食べても良かったんじゃ…」

「食堂な…確かにあっちで食べても良かったんだが、ユウカと来るならどこか外がいいかなぁって思ったんだ。」

 

 ユウカと来るなら。この言葉が出てきた事により、ユウカの頭は若干のパニックに陥っていた。

(わ、私のために…!?いやいや、そんな…でも、先生ならもしかして…)

と勝手に考えている内に料理が運ばれて来たので、雑談は一旦ストップ。

 ちなみに星矢はレストランに来たのは食堂よりこっちの方が喜ぶかな?と言った考えのため、決してユウカが思っているような感情があるわけでもない。食堂で自炊も試してみたりもしているので、それを振る舞った方が良かったかもしれないのは後の祭り。

 

 

「ふう〜食った食った〜!!ユウカはどうだっ…いや、なんでもない。」

「途中で切らないでくれませんか!?私が何かしたみたいになっちゃいますよ!!」

 

 等と、軽い言葉を交わしながら、ユウカは星矢…先生のことを実はしっかり観察していた。

 

(先生…食べ方もそうだし、パッとお金を使っちゃうといい、何か大人と言うよりかは私達…みたい。まあ、完璧な大人なんか居ないから、私達で支えてあげないと…)

 

 勝手にそう思われている、星矢先生だった。

ちなみにその後、領収書の件についてはしっかり詰められたし、作業は詰められたせいで遅れたが、ユウカ曰く作業は完璧〜にこなせたらしく、どこか嬉しげな、軽い足取りでユウカは帰って行った。あと先生のお財布の管理者は星矢からユウカに移ってしまった。

 

 

 




ユウカと一緒にゲームしてぇな〜…

今回はちょっと内容軽めの日常回です。
メモロビを捻じ曲げて自分なりに調理した結果失敗してしまった気味ですが、どうぞ吟味してください。

 星矢はお金いっぱい持ったら使うタイプ。絶対そうに決まってるし後々姉さんに叱られてるイメージがある。

パヴァーヌかエデン、どっちを先に見たい?

  • パヴァーヌ編(2章は後で)
  • エデン条約(やるならフルで4章まで)
  • 普通にパヴァーヌ1章→エデン条約フル
  • アビドスの後にミニストとか挟んでほしい
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