一度地に墜ちた天馬は、再び翼を広げ、青空を駆ける。   作:桐山たかふみ

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アビドス1章、開始ッッッ!!


アビドス対策委員会編
助けを求める声


 

 早朝を告げる鳥の囁きが、開けていた窓から流れ込んでくると同時に、暖かい陽の光が室内をぱあっと照らしていく。

それは、休憩室に敷かれていた布団をも照らして…

「……んう、もう朝かぁ…」

 室内に寝ていた、とある一人の人間の眠りを覚まさせるのには丁度いいものだった。

 

 ▲

 

「ふあぁ…」

 この眠そうにしながら目を覚ました男の名は、星矢。天馬星座の星矢とも呼ばれていた時の方が長かったものの、何の因果かやって来たこの世界では「先生」として呼ばれることになり、聖闘士と同時にその義務を果たそうとしている。

 

 一週間。

この世界にやって来て、早一週間。星矢は先生として、あらゆる生徒や市民の悩みを解決しており、その名は既にSNSを通じて各地に広まっていた。そしてその名が広まるにつれて、様々な生徒からの助けを求めるメッセージ…も、数は多くないが届き始めるようになっていた。

 

 これは良いことだと、星矢は思う。

超法規的権限を持つ組織で、今は行方不明の連邦生徒会長が残していった、そんな得体の知れない組織だったシャーレ。

 だがこのような組織の活動が知られていけば、得体の知れない不気味な組織という認識は次第に無くなっていくであろうし、イメージも良くなっていく、そうすれば活動もしやすくなる上、動きやすくなるかもしれない。

 

 そんなこんなで、今日も寄せられてきたメッセージや仕事に対応しようとしていたところで、シッテムの箱を起動する。

ちょっとの間をおいて、頼れる秘書の声が聞こえてくる。

 

「おはようございます!先生!」

「おう!おはようアロナ!!」

 

 もうこの挨拶も何度交わしただろう。と思うほどに日常となってきたこの朝のやり取りを済まして、アロナからの報告を軽い朝食を食べながら聞く。

 

「ここ数日間、シャーレに関する噂がたくさん広まってるみたいで、それに伴って助けを求めるメッセージや手紙も届いています。とても良い傾向ですね!私達の活躍が、始まる…というより、広まっているということですから!」

 

 そこまでは嬉しそうな表情を浮かべて喋っていたアロナだったが、その次の言葉を言おうとした際に少し表情を困っているようなものに変えて、話を続ける。

 

「ですがその中に…ちょっと不穏な、こんな手紙がありまして、これは先生に一度読んでもらった方が良いかなと…。」

 

 そう言った後、アロナは既にその手紙は机の上に置いてある、と言われたため机に手を伸ばしてその手紙を手に取る。

シャーレに寄せられてくるのは基本的にはメッセージの方が圧倒的に多いため、手紙は珍しい。その手紙やメッセージには全てアロナが一度目を通しているのだが、そのアロナが自分に見てもらった方が良いという手紙とは、果たして何なのか…

 

 そんな疑問のような想いを抱きながら、封を開けて手紙を開く。手紙は直筆で書かれており、その綺麗な字体で書かれた手紙には何か、書いた本人の強い想いが籠もっているように感じる。そして手紙には、次のように書かれていた。

 

 

 

連邦捜査部の先生へ

 

こんにちは、私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。

今回どうしても先生にお願いしたいことがありまして、

こうしてお手紙を書きました。

 

単刀直入に言いますと、今、私たちの学校は追い詰められています。

それも、地域の暴力組織によってです。

こうなってしまった事情は、かなり複雑ですが……。

どうやら私達の学校の校舎が狙われているようです。

今はどうにか食い止めていますが、そろそろ弾薬や備品が底を突いてしまいます。

このままでは暴力組織に、学校を占拠されてしまいそうな状況

です。

 

そんな折、連邦生徒会の新たな組織である連邦捜査部シャーレに、先生が着任されたと伺いました。

ニュースで見聞きした程度ではありますが、連邦生徒会長の失踪に伴い、連邦生徒会もD.U.も混乱に陥っていると存じます。

そういった大変な状況であるとは認識しているのですが、その上でお願いです。

 

このままでは、私たちの学校が無くなってしまいます。

私たちだけではもう、守り続けることはできません。

先生、どうか私たちのお力になっていただけませんか?

 

               アビドス高等学校

 

 

 …救援要請、それが一番似合うような、苦しい状況にあるため、どうか助けて欲しい。そんな内容だった。恐らく藁にも縋る気持ちでこの手紙を書いたのだろう。それ以外にはもうどうしようもない、手段がないと、これが最後の僅かな希望だと言う、これを送ってきた奥空アヤネ…の意思が表れているように感じて。

 

 そもそも星矢にはアビドスという地域の知識が一切無かった。ここ1週間はD.U.での問題解決に尽力していたせいか、他の地域がどのようになっているのか、どこに何があるのかの知識を入れる暇が無かったのだ。

 

「アロナ、アビドスってどんな地域なんだ?」

そう聞くと、アロナはう〜んとうねった後に、整理がついたのかアビドスの説明をしてくれる。

 

「昔はこのキヴォトスでも有数の、とても大きい自治区だったんですけど…気候の変化で厳しい状況になっていると聞きました。」

「…ちなみに、どれくらいのデカさなんだ?」

「街のど真ん中で道に迷って遭難する人がいるくらいだそうです!!」

「マジか…」

 

 まさか街の真ん中で遭難する程の大きさとは。

流石にそこまで大きいか?と軽い気持ちで聞いてみたら、予想外の回答が返ってきたため、表情にも驚きが出てしまったのか、その反応を見たアロナは

 

「あ、あはは…まさか、そんなことあるんでしょうか…?いくらなんでも街のど真ん中で遭難だなんて……流石にちょっとした誇張だと思いますが…」

と、付け足しておいてくれた。まさかそんなことはあるまいと。

 

 

「それにしても学園が暴力組織に攻撃されているなんて……ただ事ではなさそうですが……。一体、何があったんでしょうか?」

 

 疑問を抱くアロナ。それは当然だろう、そうなってしまった事情がわからないため、こちらからはアビドスの状況など一切分かるはずもない。ただ助けてくれと、そう書いてあるのみ。

この手紙を見て、純粋な気持ちで助けに行けるものなど、そう多くないだろう。普通の人なら助けに行かない。…「普通の人」なら。…だが残念ながら、星矢は普通の人ではなかった。

 

「…アロナ、シャーレの鍵、閉めれるか?」

「…!ということは、出発ですか!かしこまりました!すぐに出発しましょう、先生!!」

 

 すぐさま告げられた、出発の合図。

あまりに早い判断に、アロナも流石大人の…とばかりに星矢の方をキラキラした目で見ている。

当の本人はと言うと、そんな目で見られているとは知らずに、密かに想いを心の内で燃やしていた。

 

「必ず、助けてやるからな…!」

 

 誰にも聞こえない声で、一人決意を呟いて。

 

 星矢はシャーレを旅立ち、初めて他学園の地に向かう。

これからが、本当の物語(ブルーアーカイブ)の始まりである。

 

 

 

 

 




 始まった〜!!
いや〜ようやく始められましたよ対策委員会編。なんとかアニメに追い付きたいと思うんですがこの調子だと無理ですかね、それにしてもやっぱ1週間投稿になっちゃいますね…申し訳ありません。

 そして原作の先生同様、碌な準備もせずに出発した星矢。
どうなるのかな〜…

パヴァーヌかエデン、どっちを先に見たい?

  • パヴァーヌ編(2章は後で)
  • エデン条約(やるならフルで4章まで)
  • 普通にパヴァーヌ1章→エデン条約フル
  • アビドスの後にミニストとか挟んでほしい
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