注意
このSSは微量の聖園ミカ曇らせ(当社比)が含まれます。脳が破壊される可能性が考えられますので、脳を破壊されても構わない人だけご視聴下さい。

1 / 1
元ティーパーティーホスト 聖園ミカの日常

聖園ミカはやめろ!!

 

裏切り者には罰を!!

 

聖園裁判への判決に断固反対!!

 

 

出てけ!出てけ!聖園はとっとと出てけ!!

魔女を裁判しろ!悪魔に罰を!!

 

 

エデン条約が締結され、キヴォトス未曾有の危機は去った。しかし、同時にたくさんのものを失った。

 

これは、トリニティの日常。トリニティのティーパーティー…正しくは"元"ティーパーティーの聖園ミカは罪を背負った。

多く人々を恐怖に陥れ、傷付けてしまった。彼女を悪魔と罵り、学園からの追放を叫び抗議のデモを起こしてしまう感情も理解出来なくはない。

 

 

わっぴー!

 

 

ミカからのモモトーク…?

 

 

先生、授業が終わったから正門で待ってるね

 

 

あぁ、日々の忙しさでミカと約束していたのを忘れていた。今日はミカとショッピングモールに行く約束をしていたんだった。

 

 

あ!先生!来てくれたんだね!

 

 

ごめんね、ミカ。少し遅れちゃった。

 

 

うんん、私も今来たところだよ

じゃあ、ショッピングに行こ?ずっと行きたかったお店があるんだ〜!

 

 

(ミカ、元気そうで良かった。ここのところ、体調が優れないってナギサから聞いていたから心配したけど…元気そうだ。)

 

 

ミカ、最初は買い物にする?

 

 

う〜ん…ちょっとお腹空いちゃったし、カフェに行ってからショッピングしてもいい?

 

 

勿論!実は私も、少しお腹が減っていたんだ。

 

 

それじゃ、ずっと気になってたカフェがあるからそこに行ってもい〜い?

 

 

うん!

 

 

 

-移動-

 

 

 

この時間帯だと、並んじゃうかもしれないかなって思ったけど…空いていて良かった☆

ねね、先生…なに頼もっか?

 

 

そうだねぇ…

 

 

(あっ…カップル向けのパフェ。先生と一緒に食べたいな。でも…)

 

 

じゃあ、私はコーヒーとチーズケーキにしようかな?

 

 

わーお☆

ブラックコーヒーって大人だね、先生。私も頼みたいの決まったから、店員さん呼んじゃおっか!

 

 

はい、お伺い致します。オーダーでしょうか?

 

 

は、はい!

ブラックアイボリーとチーズケーキを1つずつ下さい!

 

 

お飲み物の方、ガムシロップとミルクはお付け致しますか?

 

 

大丈夫です!

それと、このシルバニードルズとパ…じゃなくってこのショートケーキを1つずつ下さい……

 

 

こちらのお飲み物もミルクは宜しいですか?

 

 

あ、ミルクは大丈夫です!

 

 

かしこまりました。それでは、少々お待ち下さいませ。

 

 

はーい☆

(あーあ…結局、頼めなかったなぁ…)

 

 

ミカ、良かったの?

 

 

えっ…?

 

 

飲み物、紅茶だったよね…?ストレートだと苦いんじゃない?

 

 

あっ…それは、大丈夫だよ!いつも、ミルクは入れてないし

(吃驚した…先生に見抜かれたのかと思った)

 

 

ねね、先生。飲み物とお菓子が来るまで、これしよ?

ゲームブックっていうらしいの。せんせ、一緒にやろうよ!

 

 

いいよ

 

 

やった〜☆

 

 

 

___

______

_________

 

 

 

ふぅ…こんなにゆっくりと出来たのは何時ぶりだろうか?

ここ最近は、ずっとシャーレに籠りっぱなしだったし。デスクとトイレ、たまにシャワーを行き来するのの繰り返しだったなぁ。

今日はミカとの買い物が終わったら、夜は何もないし…帰ったら寝ようかな?明日が休日で良かった。ゆっくり寝られる。

 

 

あ、先生。

そろそろ、買い物行かないと遅くなっちゃう

 

 

ん?あぁ…そうだね、お会計は済ませておいたから準備が出来たら出ようか。

 

 

あれ?もう、お会計してたの?

 

 

うん、追加注文とかしなさそうだったから先に会計しちゃった。

もしかして、不味かったかな?

 

 

うんん、そんなことないよ!

でも、私の食べた分くらいは出したいから…お金渡すね。

 

 

ミカ、今日は私の奢りだよ

 

 

で、でも…

 

 

ミカ、私がミカの何歳歳上だと思っているんだい?これくらいは出せるよ。それに、折角の"デート"なんだから…これくらいはね?

 

 

(ズルいよ…そんなこと言われたら、割り勘できないじゃん。先生はいつもそうやって…)

 

ありがと、せんせ☆

それじゃあ、お言葉に甘えるね!

 

 

うん

もう、出れそう?

 

 

大丈夫だよ!

 

 

それじゃあ、行こっか?

 

 

 

___

______

_________

 

 

 

それで、今日の買い物ってなにかな?

 

 

んーとね。

ほら、エデン条約のごたごたで私物が色々と"失くなっちゃった"から。だから、その中でも急ぎで欲しいのを買おうかなって思って

 

 

なるほど

となると、体操着とか水着かな?

 

 

うん、トリニティってちょっと遠いけど温水プールの施設あるから…

それで、水泳の授業の成績が良くないと季節関係なく補習があるんだ。

 

 

そっか、それじゃあ…一応買っておかないとだね。後は、必要そうなものはあるかな?

 

 

うーん…後は大丈夫だと思うよ☆

体操着と水着以外は取り寄せられるものばかりだから、ネットで注文しようかなって思ってるの。

 

 

そっか、もうインターネットで何でも買える時代なんだねぇ…

 

 

あはは☆

先生、おじさんみたい☆でも、確かに便利だよね〜

 

 

そういえば、ミカ。

 

 

ん?どうしたの、せんせ

 

 

採寸とか試着みたいなのはしたりするの?

 

 

う〜ん、それは大丈夫だと思うよ。サイズとかは大体分かるし

 

 

じゃあ、おおよそのサイズのものを買うだけで買い物自体は終わりかな?

 

 

うん!

じゃあ、買ってくるね〜☆

 

 

会計付近に居るから、決めたら来るんだよ?

 

 

う〜ん!

 

 

ふぅ、これでなんとかミカが"失くしたもの"は戻ってきそうだな。ただ、ミカを取り巻く状況は芳しくない。いや…日増しに悪化の一途を辿っている。

どうすれば、穏便にミカが元の日常を送れるようにできるだろうか?デモを繰り返すのは同じくティーパーティーのセイアを支持する一派が多い…というか、扇動している。

 

彼女たちの怒りは分からなくもない。彼女たちからすれば、自分たちが支持する人が同じティーパーティーの手引きで危険な目にあっただけでなく、"彼女たちが"知り得る情報量ではずっと植物状態だったんだ。不安だったのだろう。それに対して…当のミカは自分たちの支持するセイアを植物状態にしておいて、嗤っている。許せない。そう感じても仕方がない。ただでさえ、不安定な時期なのだ。

彼女たちの怒りは、幾らセイアが宥めても中々鎮まりそうにない。本来ならば、この学園都市という地域において…大人は過干渉すべきではない。そして、誰よりも彼女たちがそれを望まないだろう。

 

が、しかし…同時にまだ若い彼女たちに政治という生贄の儀式をさせてやるつもりも毛頭ない。もし、彼女たちがそれをしてしまえば…歪んだ正義感が芽生えてしまい、事ある事に排斥と追放を繰り返す地獄が……このトリニティに生まれかねない。

もう、"悪魔"は要らないのだ。少なくとも、彼女たちが進んで"悪魔"になろうとする事だけは何としてでも止めなくてはいけない。

このキヴォトスは…まだ、生贄という真実が存在しない政治をこれ以上穢してはいけない。

……やるしかない。

これは、"私達"大人が招いた結果だ。ならば、"大人"が起こした問題は"大人"が責任を持って解決すべきだ。

 

 

せんせ…先生!

どうしたの?どこか具合でも悪いの?

 

 

あ、あぁ…ごめんね。

ちょっと、考えごとしてたんだ。

 

 

そうなの?

 

 

うん、次の限定カイテンジャーフィギュアのお金をどうやって捻出しようか考えてたんだ。でも、中々…難しくってね。

 

 

高いの?

 

 

そうだね…普通だったら、ちょっと貯金すればお金を貯めれたんだけど……最近出費が激しくってさ

 

 

ふ〜ん

あ、せんせ!体操着と水着見つけれたよ!

 

 

あ、もう見つかったの?

じゃあ、会計に行こうか。

 

 

うん!

すみません、会計お願いしま〜す!

 

 

はい、承ります。

お会計は1万円になります。

 

 

カードでお願いします!

 

 

ピピーッ!

 

 

カードが限度額のようです。他の方法で決済なさいますか?

 

 

あ…えっと……

 

 

あ、すみません。

このカードで支払って貰えますか?

 

 

せ、せんせ?

 

 

かしこまりました。

 

 

ピピッ!わっぴ〜!

 

 

はい、お会計完了です。

ありがとうございました、またのお越しをお待ちしております。

 

 

よし、会計できたね。

ミカ、他に買うのを忘れたものはない?

 

 

うんん、ないよ。

それより、先生…支払い大丈夫だったの?買いたいものがあったんじゃないの?

 

 

大丈夫、これくらいは私に任せて。これは、いつも頑張っているミカへのプレゼントだと思って。

 

 

プレゼント…?

ありがとう、せんせ。嬉しい

 

 

なら、良かったよ。

それじゃ、帰ろうか。

 

 

うん!

 

 

 

___

______

_________

 

 

 

ミカ、見送りはここまでで大丈夫?

うん、大丈夫だよ!

 

 

それじゃ、おやすみ。ミカ

 

 

うん、おやすみなさい。

あ!せんせ…

 

 

ん?どうしたの?

 

 

その…次にトリニティ来るのっていつ?

 

 

明後日来るよ。実は、今日だけじゃトリニティでの仕事が終わらなかったから来るつもりなんだ。

 

 

へ〜そうなんだ…。

じゃあ、また明後日逢いに行くね。

 

 

うん、じゃあ…また明後日だね

 

 

うん、また明後日☆

 

 

 

___

______

_________

 

 

 

さて、彼女たちが待っている。行かないと

 

 

それにしても、相変わらず酷いなぁ……

トリニティの塀にも貼られてる…。

 

"聖園ミカはやめろ!!"か…。こっちは、"裏切り者には罰を!!"か。そして、"聖園裁判への判決に断固反対!!"…ね。あぁ、これは酷い…"出てけ!出てけ!聖園はとっとと出てけ!!"。"魔女を裁判しろ!悪魔に罰を!!"か…本当に野蛮で無責任だ。

 

 

けれど、こんな状況を作ったのは…"私達"大人だ。ベアトリーチェが介入してしまったのは、私が赴任する以前だったからどうする事もできない。しかし、彼女の存在を認知させてから…ここまで好き勝手にさせてしまったのは私の力不足ゆえだ。

 

 

守らなくちゃいけない。

もう、誰も加害者にしてはいけない。連鎖をここで断ち切らないと___

 

 

あら、先生…遅くまでミカさんのお守りお疲れ様です。

 

 

ナギサ…ごめんね、ちょっと遅刻しちゃったかな?

 

 

誤差ですので、問題ありません。

それで、ティーパーティーの私と…救護騎士団のミネさんに、シスターフッドのサクラコさん、そして…正義実現委員会の委員長であるツルギさんを呼んでなんのお話でしょうか?

 

 

あぁ、皆…こんな遅くに来てくれてありがとう。

 

 

いいえ…先生がこのような時間を敢えて指定して呼び出すということは、かなり機密で重要なことなのでしょう。致し方ありません。

 

 

ありがとう、サクラコ。

それで、話なのだけれど…。結論から言えば、ミカ…正確にはまだティーパーティーに所属している聖園ミカに関する話だ。

 

 

ミカ様ですか?

 

 

うん。

ミカを取り巻く状況は非常に悪い。確かに、彼女は大きな罪を犯した。そして、贖うべきだろう。

だけれども、大衆は…トリニティは贖い始めた彼女を糾弾して孤立させている。これ以上、ミカが目の前で孤立していくのは見過ごせない。彼女は人前でこそ気丈に振る舞っているけれど、心根は決して強くない。普通の女の子なんだ。

そんな子を、たとえ罪を犯したとは言え…追い込み虐げるのを放置はできない。いや、先生としてしたくないんだ。

 

本当なら、シャーレに謹慎の名目で遠ざけたかったんだけど…それをやったら、目に見えて贔屓していると問題になりかねない。

だから、トリニティ内部でどうにか収めたいんだ。

 

 

確かに、ミカ様を取り巻く状況は目に余るものがあるのは事実です。

しかし、同じティーパーティーである百合園セイア様を半ば植物状態にしたのもまた事実。

 

 

だから、こうなって当然だとシスターフッドは言うのですか!?

 

 

ミネ、サクラコはそんなつもりで言ったんじゃないよ。

ツルギ、実際…デモを起こしている人間たちは問題になっていないのかな?

 

 

はい、問題になっています。当初は、ティーパーティーなどへの小規模な抗議でしたが…今となってはトリニティの治安を悪化させる存在に成りつつあります。

これ以上肥大化する前に鎮めないと…一般の生徒にも危険が及ぶかもしれません。

 

 

ティーパーティーでは、問題になってるのかな?

 

 

そうですね…問題にはなっています。しかし、ハッキリ言ってティーパーティーは現在、非常に不安定な状態にあります。ミカさんの率いる一派とセイアさんを支持する一派が度々揉め事を起こしていまして…セイアさんの一派が度々抗議を扇動しているのです。

 

 

(内ゲバか…)

 

 

ただ、その口調だとセイア個人とセイアを支持する一派の動きは関係ないと受け取れるけど…その解釈で間違っていないかな?

 

 

はい、そのような解釈で間違いありません。

そして、セイアさんを支持する一派…サンクトゥス分派の反パテル派の動きは日増しに激化しています。ミカさんが率いるパテル派はくだんの件によって崩壊の危機に瀕しています。

 

 

まぁ…表立って、ミカを擁護すれば袋叩きにあうよね。

 

 

そうの通りです。

結局、表立ってミカさんを擁護した方々は…やはりクラスや部活動などで浮いてしまっています。

 

 

そうか…やっぱり。

本当は、私自ら助けたかったんだ。けれども、私が表立って動けば…複雑に絡み合ったこの状況を悪化させかねない。

 

だから、お願いだ。

ミカを守れとまでは言わない。けど、行き過ぎた批判…誹謗中傷だけは止めさせて欲しい。

 

 

勿論です。

これ以上は少々行き過ぎています。しかし、ミカさんを救うための具体的な算段がないのもまた事実です。先生、何かいい考えはないでしょうか?

 

 

うん、ある程度は対策を考えてきているよ。

 

 

本当ですか?

 

 

うん。

まずは、サクラコ含めて…シスターフッドにミカとミカを支持しているパテル派?だっけ?を頼みたいんだ。

 

 

分かりました。お任せください、先生。

 

 

それと、ミネには救護騎士団を率いてデモを起こしている子達に"救護"の手を差し伸べて欲しいんだ。

これ以上は、彼女たちの精神衛生上も悪いと思う。

 

 

確かに、ここ最近の抗議活動は度を越してます!やはり、救護が必要のようですね!

 

 

そして、ツルギには正義実現委員会を率いてミネと共にデモの監視と場合によっては鎮圧を任せたい。

 

 

分かりました、先生。

 

 

最後に、ナギサ。

 

 

はい。

 

 

ミカがティーパーティーに残れるように、ナギサの支持する子達とミカを支持していた子達への根回しをお願いしたいんだ。場合によっては、シスターフッドと共に彼女たちを守って欲しい。

 

 

分かりました。

相変わらず、先生の指示はとても素早く…的確ですね。

 

 

まぁ…最悪を考えれば、生徒1人の命がかかっているかもしれない事案を放置することはできないしね。

学園都市という性質上…あまり、大人が学園の政治に関わるべきではないんだろうけど……。どうしても、見過ごせなくてね。

 

 

ふふっ…お優しいですね。

 

 

先生が居なければ、私達がこうして足並みを揃えて何かに取り組むことはなかったかもしれません。やはり、先生という存在は私達にとってなくてはならないものですね。

 

 

そう言ってくれると、嬉しいよ。

 

 

 

___

______

_________

 

 

ガヤガヤ

 

 

はーい!バディを組んでください!2人1組で作ってね〜!

 

 

ねーねー!一緒に組もう!

若葉さん、ペアになろうよ!

 

 

あっ…

 

 

ヒソヒソ

 

ひとりぼっちでいい気味ね

 

 

すみません…先に約束していた人が居るんです。

 

 

えー!

 

 

ミカ様、よろしければ…わ、私と組みませんか?

 

 

え?私?

 

 

はい…良かったら…ですが。

 

 

うん、よろしくねヒナタちゃん!

 

 

 

___

______

_________

 

 

それで、ミカの様子はどうだった?

 

 

はい、最初はうかない顔をしていましたが…笑顔とまでは行きませんでしたが、少しは良くなったかと思います!

 

 

ありがとうね、ヒナタ。

それと…ごめんね。わざわざ、ヒナタの立場を悪化させかねないような行動をさせて。

 

 

いえ、気にしないで下さい!先生が生徒を想う気持ちに少しでも応えたいので!

 

 

優しいね、ヒナタは。

今後も、ミカのことを頼むね。本当はずっと見守っていたいんだけれど…私も毎日ミカの傍に居られるわけじゃないから。

 

 

お任せください。少しでも、先生の負担を減らせるように私も背負いますので!

 

 

そうだ、今度お礼がしたいから…空いてる日とかあったら教えて欲しいな。

 

 

 

___

______

_________

 

 

 

君には失望したよ

 

 

ミカ

 

 

え……?

 

 

ッ……!

はぁ…はぁ…ハーハー

夢…せんせ……うぅ…もうやだよぉ……

せんせ…

 

 

これは、ミカの日常。今は、トリニティ総合学園のパテル寮の屋根裏部屋に住んでいる。埃っぽい煎餅布団から目覚める。ミカに支給された布団は所々から綿が飛び出ているほどに年季が入った(ボロボロの)布団である。

トリニティのティーパーティーとして華やかな生活から一転して、今では並程度の生活すらも許されない環境に身を置かれていた。いっそ、ヴァルキューレの囚人として囚われていた方がマシだと思えるほどに追い込まれていた。

 

そんな彼女を唯一支えるのは、先生こと"シャーレ"の先生だ。キヴォトスを大混乱に陥れた罪人でありながら、今もなお…一人の生徒として常に気にかけてくれる"彼"は彼女の支えであった。

しかし、支えとは体のいい方弁で…その実は依存に過ぎない。トリニティの陰湿な虐めに今も耐えているのは、"先生"が自分の"王子様"であると信じて止まないからである。自分が死を覚悟した時に、その命をとして守ってくれた先生。あまつさえ、「私のお姫様になにをするの」と格別の扱いを受けたように感じた彼女には先生に縋り続けるしかない。

 

だからこそ、彼女が最も恐れているのは……先生からの失望である。

もし、先生に嫌われたら?

もし、先生に拒絶されたら?

きっと、生きていけない。恐らく、絶望するだろう。だから、先生に嫌われたくないし…先生ともっと一緒に居て安心したい。先生と一緒にいる限り、トリニティでの日々を忘れられる。逃げられる。

 

そんな子供ゆえの感覚が、先生への依存を強め…先生を失うことの恐怖に縛られる。

皮肉な話だ。先生がミカのためを思って、ミカを取り巻く状況を改善させようとするほどに…ミカは依存し、ミカを虐める周囲は「先生から寵愛を受ける生徒」として一層あたりが強くなる。なぜ、問題児の彼女ばかり目をかけられて…被害者に等しい私たちや自分だって頑張ってる私たちをもっと見てくれないんだと。

 

 

 

エデン条約の不協和音は序曲に過ぎなかったのかもしれない。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。