リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!
星出山に現れるというモノノケの調査に向かった歴史研究部!そこでテングと出会った時雨は事件を起こしているモノノケ・オンモラキを倒すために特訓をすることに!
禍炎によって封印が解かれたオンモラキに追い詰められる妖魔だったが、特訓を通じて絆を得たテングの力を借りて天狗ヨロイに変身!無事にオンモラキを倒すのだった…。
一方で賢昇は新たなアヤダマを入手したようで…?」
⭐︎⭐︎⭐︎
賢昇「そろそろ学園祭か…あ?」
禍炎「……お前の手に入れた雲外鏡アヤダマを渡してもらおう」
佐乃緒高校の敷地内を歩いていた賢昇の前に、禍炎が現れる。禍炎は雲外鏡アヤダマを渡すよう迫るが、賢昇はそれを一蹴する。
賢昇「お断りだな。…寧ろ!テメェを倒してそのアヤダマを頂いてやるよ」
《鬼!》
禍炎「…ふん」
《装填!》
賢昇「変身!」
《憑依装着!変化!
鬼気粉砕!鬼ヨロイ!》
幽冥「だあああっ!!」
禍炎「無意味な真似を…」
幽冥「おっとと…だったらァ!」
禍炎「ふん」
《陰摩羅鬼!》
《イグニッション!武装!陰摩羅鬼!》
賢昇は幽冥 鬼ヨロイに変身すると槍状態の妖之盾槍を振るうが、禍炎は柄を手で掴んで振り回し、距離を取る。
しかし、幽冥は諦めずに刺突を繰り出し、それに対して禍炎は陰摩羅鬼アヤダマを使用して菫色の鳥の意匠が入った弓“
幽冥「くっ…やってくれるじゃねえか。なら、早速試してみるかね、コイツの力を」
《雲外鏡!》
禍炎「!」
《装填!》
《憑依装着!変化!
矢によってダメージを受けた幽冥は禍炎の実力を賞賛しつつ、反撃のために雲外鏡アヤダマを起動して妖書ドライバーに装填、解放栞を引き下げて展開された表紙を折り畳む。
出現した瞳の付いた黒い鏡が鎧に変化して幽冥に装着される。頭部は黒色の縁に銀色の鏡面の鏡を模した飾りが付き、胸部装甲には黒縁銀色で楕円の鏡が取り付けられ、両肩にはそれよりも少し小ぶりな黒縁銀色の丸い鏡が取り付けられ、複眼は白色に輝く幽冥 雲外鏡ヨロイへと姿を変える。
幽冥「さーて!いくぜぇ!!」
禍炎「光線…成る程な。ふっ!」
《盾之刻!》
幽冥「効かねえ!」
幽冥は各所の鏡面から光線を放って禍炎を狙い、それを多少喰らいつつも飛行して回避した禍炎は魂魄之弓による射撃を続けるが、幽冥は妖之盾槍を盾状態に変化させてその矢を受け止める。
幽冥「さーて、一気呵成で畳み掛けるか!」
《装填!一・撃・必・殺!》
禍炎「…ほう」
幽冥「はあっ!」
《白日防撃!》
禍炎「……」
幽冥「………いや、何で攻撃してこねえんだよ」
幽冥は雲外鏡アヤダマを妖之盾槍に装填し、鏡状の防御フィールドを発生させて構えるが、禍炎は一向に攻撃しない。その様に痺れを切らした幽冥はその理由を問う。
禍炎「そんなカウンターしてくる気満々の攻撃に対してわざわざ手を出す馬鹿がいると思うのか、お前」
幽冥「あっ…」
禍炎「さて…効果時間は切れたようだな。お望み通り攻撃してやろう」
幽冥「やべっ…」
《ブースト!》
《禍炎デストロイ!》
禍炎「ふん」
幽冥「どわあああっ!!」
禍炎は幽冥の問いに対して呆れ半分といった様子で返答すると、幽冥の必殺技の効果時間が切れた途端に容赦なく炎呪之御札を翳し、魂魄之弓に妖気を溜め込んで空中目掛けて発射、分裂した矢の雨によって幽冥にダメージを与える。
禍炎「何だ、その程度か…つまらんな。興醒めした」
幽冥「!おい、待ちやがれ!…クソッ!」
禍炎は幽冥に対して冷たい言葉をぶつけると、そのまま飛び去る。それを受けた幽冥は怒りを顕にするが、その時には禍炎はもう空の彼方に消えていたのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
第玖話「学祭開幕!真実を見破れ!」
時雨「あ、凪桜ちゃん。どうしたの?」
凪桜「図書委員の方の出し物について話があるから時雨先輩を呼んで一緒に来てくれって」
時雨「ああ。そういうことね。分かった、ちょっと待っててね」
学年の違う時雨のいるクラスまでわざわざやって来た凪桜に、時雨はその理由を聞くとクラスメイトに事情を説明して合流する。
凪桜「時雨先輩のところは何を出すの?」
時雨「僕のクラスは焼きそば屋さんを出すことになったんだ。物語的にも定番!って感じだよね」
凪桜「そうなんだ。時雨先輩は調理?」
時雨「うん」
凪桜「時雨先輩の料理は美味しいし…楽しみにしておく」
時雨「味は普通だと思うけどね。…そうだ、凪桜ちゃんのクラスは何やるの?」
凪桜「私のところは和カフェをやることになった」
時雨「へぇ、和カフェ。良いね」
凪桜「私も接客で浴衣を着ることになってるんだけど…どうもああいう可愛い服は慣れない」
時雨「そっか。…なら、僕も行くよ、凪桜ちゃんのとこ。きっと凪桜ちゃんなら浴衣も似合うだろうしね」
凪桜「!?……あ、ありがとう」
時雨「?何か顔赤くない?」
凪桜「き、気のせい!」
時雨「???」
図書室へ向かう道中、時雨と凪桜はそれぞれのクラスの出し物について話し、その中で時雨は凪桜なら浴衣も似合うだろうと率直な感想を漏らすが、それを聞いた凪桜は照れてしまう。
⭐︎⭐︎⭐︎
賢昇「…たく…エライ目に遭ったぜ……」
千瀬「リーダー、こっぴどいやられっぷりだったもんね〜」
賢昇「うるせー!」
圭佑「次は勝てるっすよ、きっと」
賢昇「ったりめーだろうが。そう何度も負けてられるかよ」
結佳「取り敢えず戻ったら手当てしないとね」
賢昇「だな…ってて…」
???「あ、あのっ!」
賢昇「あ?」
禍炎にしてやられた賢昇はその様子を陰から見ていたバスターズの面々と共に校内に戻ろうとしていたが、そこを佐乃緒の男子生徒が話しかける。ネクタイの色は緑…一年生のようだ。
賢昇「お前は?」
???「お、俺は一年の
賢昇「…そうだが、何か用か?」
鴫原「その…あなた達に頼みたいことがあるんです!」
賢昇「…成る程?…良いぜ、話だけは聞いてやるよ」
突如現れた鴫原と名乗る一年生に依頼があると言われたバスターズ。アイコンタクトで話だけでも聞いてみようと決めると、空き教室へとやって来る。
賢昇「それで、お前の頼みってのは?」
鴫原「今度の布留杜学園祭を、守ってほしいんです」
賢昇「?どういうことだ?」
圭佑「心配しなくても、学園祭はやると思うっすけど」
鴫原の頼み、それは学園祭を守ってほしいというものだった。一体何から守れというのか、不思議に思うバスターズの面々は首を傾げる。
鴫原「それが…最近変な噂があって…」
賢昇「噂?」
鴫原「何でも…準備期間中に不可解な事故が何件も起きてて、それで…もしかしたら学園祭が中止になるかもって…」
結佳「……もしかしてこれのこと?」
鴫原の話を聞いてタブレットで何やら調べ物をしていた結佳は情報を見付けたのか、タブレットの画面を他の面々に見せる。
賢昇「これは…」
結佳「この一週間の間に、佐乃緒で起きてる学祭関連の事故。ボヤ騒ぎに飾りの落下、運送中の転倒事故、そういうのが六件は起きてるね」
鴫原「こ、これです!」
賢昇「成る程…確かに多いな。けど、不可解なってのは?」
結佳「…ふむ、確かに変だね。例えば最初の転倒事故。二人で大型の資材を運んでたみたいだけど、その二人がどっちも階段を踏み外して怪我してる。その後、二人とも口を揃えて階段は確かにあったはずだって。
後はボヤ、これは二件起きてて、どっちも複数人の生徒が火を消してるのを確認してるのにも関わらず起こってる。
で、飾りの落下。これも確かに釘で固定されてたはずの飾りが突然降ってきてて、そのパターンが四件も起きてる。しかも、何人か怪我人も出てるみたい」
賢昇「…単に釘とかが劣化してた可能性は?」
結佳「それはないね。佐乃緒の資材類は今年丁度買い替えの時期だから、経年劣化で事故が起きたとは考えにくい」
圭佑「また奇妙な話っすね」
千瀬「妙だねー。妙といえば…鴫原君はさぁ、何で学祭を守ってほしいの?」
鴫原「!」
千瀬「布留杜学園祭はこの街全体のイベント。そんな簡単に中止になんて出来ない。
それに、ウチ等一年にはさぁ、まだ二年もあるんだよ?来年だって再来年だってある。わざわざこんなとこ頼ってまで急ぐ必要、あるのかな?」
鴫原「そ、それは……」
賢昇「おい千瀬、その辺で──」
鴫原「すっ、好きな人と学園祭デートがしたいんですっ!」
賢昇「終わりに…って、へ?」
千瀬「おおー、成る程成る程?詳しく聞かせてよー」
鴫原「そ、その…小学生の時から好きだった子がいたんですけど、その子は照羅巣に通ってて…。照羅巣と佐乃緒は仲が悪いから普段は大手を振って会えなくて…学園祭の日だけはどっちの高校も干渉せずに互いに楽しむのが暗黙のルールだって聞いたので…その数少ないチャンスを失いたくなかったんです…。調べてたら、こういう不可思議な事件はバスターズさんに頼めば良いって出てきたので…」
賢昇「そ、そういうことかよ…。コホン、ならそうだな…依頼料は──」
千瀬「えー、楽しそうだしぃ、タダでいいじゃん!」
賢昇「はぁ!?」
千瀬「鴫原君の青春が依頼料代わりってことで!」
賢昇「何言ってんだ。そんなの何の足しにもならねえだろうが!大体俺だって今まで彼女出来たことないってのに…」
千瀬「それは賢ちゃん先輩が色々残念だからでしょ」
賢昇「うるせえやい!後、リーダーだ!!」
鴫原「えっと、その…どうすれば…」
千瀬「そういうわけだから、依頼料はなしでいいよ」
鴫原「えっ、良いんですか!?」
賢昇「あっ、おい!」
千瀬「良いの良いの。だって面白そうじゃん!」
賢昇「ったく…仕方ねえな」
鴫原「あっ、ありがとうございますっ!」
鴫原の事情とは、好きな子とのデートの機会を失いたくないとのことだった。その様を楽しむ千瀬の提案もあり、依頼料なしで受けることにした賢昇。鴫原は頭を何度も下げて感謝の意を示す。
賢昇「よし、やるとなったからには、しっかり調査してくぞ。結佳と千瀬は情報を集めてくれ。俺と圭佑…後は鴫原、お前も俺達と現場巡りするぞ」
結佳「了解」
千瀬「任せといて〜」
圭佑「よーし、張り切るっすよ!」
鴫原「がっ、頑張ります!」
賢昇はそれぞれに担当することを伝えると、自身も圭佑や鴫原と共に実際に事故のあった現場へ向かうのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
賢昇(暫く探してみたが…特に手掛かりになりそうなものはなく、結佳と千瀬も新しい情報は得られていなかった…)
鴫原「全然手掛かりありませんね…」
圭佑「やっぱりただの偶然なんすかね…」
鴫原「なら良いですけど…」
賢昇「そうだな…ん?あれは…ヤバい!」
「きゃっ…」
ガコンッ!
手掛かりがないことに徒労感を覚え始めていた三人。しかし、そんな中突如として準備中だった展示用の看板が外れて落ちてくる。咄嗟に動いた賢昇は落下先にいた女子生徒に飛び付き、看板から守る。
賢昇「怪我は?」
「だ、大丈夫です…」
賢昇「そうか…。この看板、ちょっと調べるぞ」
「あ、はい…」
女子生徒の無事を確認した賢昇はもしやと思い落ちてきた看板を調べる。
賢昇「…固定用の釘が何本か足りてねえな」
「え!?そ、そんなはずは…確かに昨日まではあったはずです…」
賢昇「……」
???「フフフ…」
賢昇「!」
圭佑「リーダー?どうしたんすか?」
賢昇「…気のせいか」
看板に明らかにおかしな点があることに気付いた賢昇。そんな彼を陰から眺める者が。賢昇がその視線に気付いて振り向くと、そこには誰もいなかった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
──文化祭当日
『皆様お待たせしました!只今より布留杜学園祭、開幕です!』
時雨「いよいよ今日だね」
凪桜「うん。私達の練習の成果を見せるとき」
咲穂「私達のステージは14時から。それまでは各自自由に過ごしたり、クラスのシフトに入ったりしていきましょう」
調「そうですね」
時雨「霞流さんの所はクイズ大会、霧宮君の所はお化け屋敷だっけ?」
咲穂「ええ、是非来てくださいね?」
調「あ、俺の所にも来てくれると…嬉しいです」
時雨「うん。僕と凪桜ちゃんはシフトの時間までまだあるから、一緒に行くよ」
凪桜「楽しみにしてる」
布留杜学園祭当日。集まった歴史研究部の面々のうち咲穂と調はそれぞれのクラスに戻り、時雨と凪桜は共に学園祭を巡り始める。
時雨「このクレープ…美味しいね!」
凪桜「…うん。甘くてふわふわ…」
────
時雨「う〜ん…分かった!答えはAです!」
咲穂「正解!おめでとうございます!」
凪桜「時雨先輩、凄い」
────
時雨「うわあああっ!?!?」
凪桜「先輩、落ち着いて、これは調だ」
調「ちょっ、ネタバラシしないで〜!」
クレープ屋、咲穂のクラスのクイズ大会、調のクラスのお化け屋敷など、様々な出し物を巡った時雨と凪桜。無事に学園祭を満喫していたのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
賢昇「遂に当日…か」
結佳「結局よく分からないことだらけだったね」
賢昇「防げる限りの事故は防いだがな」
鴫原「ありがとうございます!お陰で無事に学園祭が開催されました!」
千瀬「まあ、あんまり意味あったのかは分からないけどね〜」
賢昇「…そうだな」
鴫原「じゃあ、1時から照羅巣でライブを見る約束してるので、失礼します」
賢昇「おう。折角だからな、存分に楽しんでこい」
鴫原「はいっ!本当にありがとうございました!」
賢昇達は準備期間中、巡回して事故に繋がりかねないものを未然に防ぐなどの活動をしていたものの、結局その原因については分からないままだった。そこに釈然としない様子を見せる賢昇。
とはいえ、無事に開催されたのは事実のため、鴫原は約束していた相手のところへ向かう。
結佳「さて、依頼も終わったし、私達も学園祭巡ろうか」
賢昇「…いや、まだだ」
千瀬「え?」
賢昇「まだ終わっちゃいねえ。確実に裏にモノノケがいる。放置すれば学園祭も止まる可能性があるからな」
圭佑「確かに…なら、見付け出さないとっすね…」
結佳「因みに、モノノケがいるっていう根拠は?」
賢昇「勘だ」
千瀬「成る程…なら信じてみようかな」
圭佑「そうっすね、リーダーの勘は割と鋭いですし」
結佳「仕方ないね。私も乗るよ」
千瀬「じゃあ、もうひと頑張りといきますか!」
賢昇「ありがとな」
賢昇の言葉をキッカケに、バスターズの面々はモノノケがいる可能性が高いと判断し、調査を続行すると決める。
賢昇「さて、モノノケが出て来そうな場所だが…これには心当たりがある」
結佳「?どこ?」
賢昇「まあ、良いから着いてきてくれ」
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「凪桜ちゃん」
凪桜「あ、時雨先輩」
時雨「僕のシフトが終わったから見に来たんだけど…」
凪桜「私ももう終わるところ」
時雨「それが衣装?似合ってるね」
凪桜「うん、ありがとう」
時雨は時間が近付いてきたために凪桜のクラスまで迎えにくる。その際に凪桜の衣装について褒め、凪桜も照れた様子を見せながら礼を返す。
時雨「そろそろステージの時間だね」
凪桜「少し緊張してる」
調「俺も…」
咲穂「皆沢山練習してましたから、きっと大丈夫ですよ」
汰月「あ、時雨達。約束通り聞きにきたよ」
時雨「日島君!」
ステージの時間が近付き、体育館裏の勝手口前に集まった歴史研究部。すると、そこに汰月が現れる。
時雨「ステージまでは後40分くらいなのに、もう来てくれたんですか?」
汰月「まあ、早めに来て様子を見にこようと思ってね」
咲穂「それは、ありがとうございます」
雪音「皆さんお揃いですね」
凪桜「!生徒会長」
汰月「……この人が、照羅巣の…」
時雨「雪音さんも、来てくれたんですね!」
雪音「ええ。皆さんの折角の晴れ舞台ですから。…そして、あなたは…ああ、津久代の仮面ライダーである日島汰月さんですね。よろしくお願いします」
汰月「ご存知の通り、俺は日島汰月。生徒会長さん、よろしく」
雪音「わざわざこちらのステージを見にくるなんて、交流が深まってるみたいですね」
時雨「はい!一応、同盟関係なので」
雪音「はい?」
汰月「ああ、実は俺達は佐乃緒高校の仮面ライダーにアヤダマを奪うと宣告されてて、それに対抗するために歴史研究部と治安維持委員会で同盟を結んでいるんだ」
雪音「そう、でしたか…それは──」
禍炎「…妖魔、霊魂…お前達の相手になってやろう」
時雨「!禍炎…」
《河童!》
汰月「余計なお世話だね」
《大蛇!》
雪音「あれは…」
凪桜「仮面ライダー禍炎。モノノケ達の仲間の、強敵」
《装填!》
「「変身!」」
《憑依装着!》
《水勢怪力!河童ヨロイ!》
《蛇行咬合!大蛇ヨロイ!》
「「はああああっ!」」
雪音が時雨達に質問を投げかけようとしたその時、時雨達の前には禍炎 八咫烏餓者髑髏ヨロイが現れる。
妖魔「やあっ!」
禍炎「ふん」
霊魂「ふっ!」
禍炎「…どうした、その程度か?」
妖魔 河童ヨロイと霊魂 大蛇ヨロイ、そして禍炎との戦いは照羅巣高校敷地内の雑木林に舞台を移して続いていた。
妖魔の斬撃と霊魂の銃撃を受け止めた禍炎は余裕の様子で二人を煽る。
霊魂「舐めるな!」
妖魔「時間がありません、一気にいきますよ!」
禍炎「はっ!」
妖魔「くっ…まだまだ…!」
霊魂「はあっ!」
禍炎「効かんな」
霊魂「!」
妖魔と霊魂は次々に攻撃を加えるが、禍炎はそれを捌き切って対処する。
妖魔「だったら…」
《一・撃・必・殺!》
《水勢剛撃!》
妖魔「はああ…はっ!はあっ!」
禍炎「くっ……残念だったな」
霊魂「!あれでも駄目なのか…!?」
禍炎「ふん」
《ブースト!》
《禍炎デストロイ!》
禍炎「はっ!!」
妖魔「うあああっ!!」
妖魔の放った水を纏っての連続張り手が直撃した禍炎。吹き飛ばされて地面を転がるも、次の瞬間には何事もなかったかのように立ち上がると、右脚に橙色の炎を纏わせた回し蹴りを放って妖魔を蹴り飛ばす。
霊魂「!時雨!…これ以上付き合ってられないな…。こうなったら…これでいこう」ヒソヒソ
妖魔「…!分かりました」
禍炎「何を企もうが…お前達に勝ち目はない」
霊魂「それはどうかな!」
《斧之刻!》
霊魂「はああっ!!」
禍炎「そんな攻撃は通用しない」
霊魂「まだだっ!」
禍炎「…鬱陶しいな」
《オーバーブースト!》
《禍炎カタストロフ!》
禍炎「ふん」
霊魂「身動きが…っ」
禍炎「はああああっ!!」
霊魂「うぐああああっ!!……フッ、かかったな!」
禍炎「!」
《登竜大成!龍ヨロイ!》
妖魔「ツクモブースターさん!」
禍炎「…くっ」
霊魂は妖魔を助け起こして耳打ちすると、斧状態に変化させた妖之斧火縄で斬りかかるが、禍炎には通用せず、逆に地面から生えた巨大な白い骨の手に掴まれて身動きを封じられたところに、六枚の黒い翼を広げ、漆黒の太陽の如く天へと舞い上がった禍炎の放つ、左脚に橙色の炎を纏わせての跳び蹴りを受けて変身解除に追い込まれる。
しかし、その隙に龍ヨロイに姿を変えた妖魔が呼び出したツクモブースターによって禍炎は撥ね飛ばされる。
リュウジン『よし、いくぞ!リュウジンブースター、起動!』
《一・撃・必・殺!》
禍炎「!マズいな…」
《塗壁!》
《イグニッション!召喚!塗壁!》
妖魔「全力発射です!」
《登竜剛撃!》
禍炎「くっ──」
チュドオオォォンッッッ!!!
リュウジンブースターを起動した妖魔は、登場すると早速必殺技を発動し、危機感を覚えた禍炎は塗壁アヤダマを用いて壁の意匠のある大盾“
そして、リュウジンブースターの放った電撃砲の衝撃によって土煙が発生し、辺りを包み込む。
禍炎「……いない。…いずれにせよ、そろそろ頃合いかな」
⭐︎⭐︎⭐︎
何とか逃げてきた時雨達は、体育館に集まっていた。
時雨「はぁ、はぁ…何とか間に合った…」
凪桜「時雨先輩、急がないと」
咲穂「晴河君の分の楽器もセット完了してます」
調「合わせが出来なかったから、ぶっつけ本番になっちゃいますね…」
雪音「時雨君、さっきの件についてですが──」
時雨「あ、雪音さん、ごめんなさい。話は後で、もうステージの時間になっちゃうので」
雪音「あっ、時雨君!」
雪音は時雨に何かを尋ねようとするが、ステージの時間が迫っていた時雨は話も程々に慌てて体育館の舞台裏に駆け込んでいく。
夢華「ゆーきち!何やってんのこんなとこで」
雪音「夢華さん」
夢華「晴っち達のステージもう始まっちゃうよ。いつまで待たせるのさ。折角いいとこ取っといたんだから」
雪音「…そうですね。ごめんなさい。行きましょうか」
遅くなったために迎えにきた夢華と共に、釈然としない想いを抱えながらも雪音は体育館へ向かうのだった。
⭐︎⭐︎⭐︎
賢昇「ここだ」
結佳「ここって…何もないただの廃工場だけど」
千瀬「校内ですらないね」
賢昇「まあな。…そもそもがおかしかったんだ。中止させることが目的だとすると、モノノケの力でもっと派手にことを起こした方が手っ取り早い。なのにちまちまやって俺達が出てくる羽目になってる。…つまり、これは俺達を誘い出すための罠ってことだ。……着いて来てんだろ?出てこいよ」
???「!…バレてましたかぁ」
賢昇が推測を並べ、毅然と声を上げると、物陰からは白い狐の姿のモノノケが現れる。
そして現れた相手について調べるために賢昇は妖之書を向ける。
賢昇「お前は…ハクサンボウ、ね」
ハクサンボウ「お初にお目にかかりますねぇ。まあ、バレてしまいましたが…計画通り貴方は一人。他の仮面ライダー二人は助けに来れない」
賢昇「あいつ等の助けなんざ端から期待してねえよ」
ハクサンボウ「お陰で…貴方を確実に始末できる」
賢昇「はっ、ほざいてろ」
《鬼!》
《装填!》
賢昇「…変身!」
《憑依装着!変化!
鬼気粉砕!鬼ヨロイ!》
現れたハクサンボウの自信に対し、煽り返した賢昇は幽冥 鬼ヨロイに変身すると、槍状態の妖之盾槍を構える。
ハクサンボウ「さて…今回はあなたを潰すために、スペシャルなゲストをお招きしてるんですよぉ」
都黎「ふん」
幽冥「…成る程、そういうことか」
都黎「さて、お前の相手は俺達だ。…変幻」
《居合変化…!暗夜丸!》
ハクサンボウの背後から現れたのは都黎。その姿を見て幽冥は状況を察し、都黎は暗夜丸へと姿を変えると闇夜月の鋒を幽冥に向ける。
幽冥「2対1か…ヘッ、上等じゃねえか!逆境の方が燃えるってもんだからな!」
ハクサンボウ「フフフ…」
幽冥「だあっ!…なっ!?」
暗夜丸「ふっ!」
幽冥「ぐあっ!」
結佳「今のは…幻…!」
ハクサンボウの放った白いエネルギー弾を幽冥は妖之盾槍で弾こうとするが、エネルギー弾は触れた瞬間に雲散霧消し、幽冥が一瞬動揺した隙に接近していた暗夜丸が斬撃を浴びせる。
幽冥「…成る程な、こりゃあ厄介だ」
ハクサンボウ「さあ…あなたはこの攻撃に対応できますかねぇ?」
千瀬「多過ぎでしょ…」
圭佑「ど、どれが本物っすかあれ…!?」
幽冥「だったら…全部防ぐだけだ!」
《盾之刻!》
ハクサンボウ「フフッ!」
幽冥「はあっ!」
ハクサンボウは大量のエネルギー弾を見せて幽冥を煽るが、幽冥は妖之盾槍を盾状態に変えることで攻撃を受け止めようとする。
一方その頃、時雨達はステージに立っていた。
『続いては!9月に設立されたばかりだという歴史研究部のライブだ!』
時雨「皆さんこんにちは!歴史研究部の部長の晴河時雨です!」
凪桜「副部長の暁凪桜」
咲穂「霞流咲穂です」
調「霧宮調です…!」
時雨はベースを、凪桜はギターを、咲穂はキーボードを、調はドラムを演奏できるように構え、挨拶をしていくと時雨は曲名を紹介する。
時雨「それでは、聞いてください!“New Chapter”」
〜♪
時雨「〜♪どこまでも平凡で普通な日常、ある時変わって知らなかったステージへと進み出す」
歴史研究部は演奏を始め、まず時雨から口を開く。
そして、再び所変わって攻撃を受けた幽冥だったが…その全てを受け止めていた。
幽冥「ふん。…お前を相手するにはコイツが丁度良さそうだな。…いくぜ」
《雲外鏡!》
千瀬「あのアヤダマって…」
《装填!》
結佳「大丈夫かな…」
圭佑「き、きっとリーダーなら…」
《憑依装着!変化!
白日反射!雲外鏡ヨロイ!》
凪桜『〜♪知らなかったんだこんな時間がここにあるってこと』
幽冥「さあて、まずはその化けの皮を剥がしてやるよ。ふんっ!」
千瀬「眩しっ」
ハクサンボウ「おやおや…成る程、幻術を無効化するとは」
暗夜丸「…!これが雲外鏡アヤダマの力…」
咲穂『〜♪君たちと一緒だからこそ、見ることのできた景色をいつまでも大切にしていきたい』
幽冥は雲外鏡ヨロイへと姿を変えると、各所から光を放ち、その光を浴びたハクサンボウの放とうとしていた光弾は一つを残して消滅し、姿を隠していた暗夜丸もその姿を晒される。
幽冥「いくぜ!!」
ハクサンボウ「フフフ…そんな攻撃、通用しないですよぉ」
暗夜丸「ふん!」
調『〜♪臆病な気持ちも、みんなといれば不思議と消えるんだ』
幽冥「なら…コイツで勝負だ!」
《装填!一・撃・必・殺!》
咲穂・調『〜♪だから紡ぎたい』
ハクサンボウ「無意味ですねぇ…その技の弱点は把握してるのですよぉ?」
《白日防撃!》
時雨・凪桜『〜♪信じられる仲間たちと歩く』
幽冥「それはどうかな?要は衝撃を与えれば良いんだろ?なら…こうするだけだ!オラアアッ!」
『『『『〜♪この物語を』』』』
暗夜丸「!?くっ…」
幽冥「まだまだァッ!ドラアッ!」
ハクサンボウ「グボハアッ!!」
幽冥は雲外鏡アヤダマを妖之盾槍に装填する。その様を見たハクサンボウは弱点を指摘するが、幽冥はその指摘を鼻で笑い飛ばすと、突如として妖之盾槍で殴りかかる。
暗夜丸は闇夜月で防ぐも後退り、幽冥はその勢いのままハクサンボウを殴り付ける。
幽冥「これぞ!」
ハクサンボウ「ぐふっ!」
幽冥「まさしく!」
ハクサンボウ「ガハッ!」
幽冥「明鏡止水の!」
ハクサンボウ「うぐっ!」
幽冥「境地だァァァッ!!」
ハクサンボウ「うぐああっ!?!?」
『『『『〜♪みんな一緒なら、きっといけるはずNew Chapter!』』』』
結佳「いや、あれのどこが明鏡止水の境地なの…」
千瀬「どっちかっていうと正反対じゃん」
圭佑「か、カッケーっす!流石リーダー!」
幽冥「さあ!豪華絢爛に決めるぜ!はああああッ!!」
暗夜丸「マズいな…!」
《唐傘御化!》
《アヤダマ装填!》
ハクサンボウ「うぬあああああっ!!!」
《アヤダマ一閃!》
暗夜丸「…くっ…!」
幽冥がハクサンボウをタコ殴りにすることでダメージを蓄積して白く輝き出した妖之盾槍を構えると、白い極太の光線が放たれ、ハクサンボウを貫き、唐傘型のシールドを張って防御姿勢を取った暗夜丸をも吹き飛ばす。
幽冥「俺の勝ちだ!」
禍炎「少しは実力を上げたらしいな」
幽冥「!禍炎…テメェも俺がぶっ潰してやるよ」
禍炎「生憎、そんなに暇じゃなくてな」
幽冥「あっ!また逃げやがったか!」
千瀬「リーダーお疲れ〜」
圭佑「型破りなあの戦術…流石リーダーっす!!」
結佳「まあ、らしいっちゃらしいかな」
賢昇「そうだろうそうだろう。…よし!無事に依頼も達成したし、美味いもんでも食うか!」
千瀬「あっ!それだったら明日皆で学園祭グルメツアーしよーよ!」
圭佑「良いっすね!」
結佳「まあ…良いんじゃない?」
賢昇「よしっ、決まりだな!」
現れるなりハクサンボウの残滓を灰白色のアヤダマに変えた禍炎に幽冥は宣戦布告するが、禍炎はそれに対して軽く返すとと羽毛を飛び散らせて暗夜丸ごと撤退する。
そして、明日の予定を決めながら賢昇はワイワイと帰っていくのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「ありがとうございました!」
パチパチパチパチ…!
凪桜「やり切ったな…」
調「何とか最後まで弾けてよかったぁ…」
咲穂「皆さんお疲れ様です」
賢昇の決着が付いた頃、歴史研究部のステージも終幕し、四人は安堵する。
聖「どうですか?私の生徒達は」
夜御哉「良い演奏をするな。流石君の生徒だ」
聖「私は何もしてませんよ。彼等は自分達で進んでいけるだけの力を持ってますから。…そうだ、白石君はどうしてますか?」
夜御哉「ああ、相変わらず頑張ってるよ。今日は用事があったみたいで外しているがね」
聖「そうですか。彼にも聞いてもらいたかったんですけどね」
体育館後方では聖が夜御哉に自身の生徒の演奏の感想を聞き、その中で話題は真黒に移る。
その一方で観客席の最前列に座る雪音は、心ここに在らずという様子で、夢華から心配される。
夢華「雪ち…何か変だよ?集中できてなかったけど」
雪音「す、すみません…」
夢華「や、私に謝ることじゃないけどね。晴っち達の演奏とっても良かったから残念だっただけで」
雪音「問題ありません。何とか聞き漏らしなく聞きましたから。それにビデオも回させておりますし」
夢華「そ、そっか…」
雪音「…ただ……」
夢華「ただ?」
雪音「…いえ、何でもありません」(時雨君…あなたは……)
夢華「……そっか」
集中出来てなくても時雨達の演奏を聞き漏らさないという謎の器用さに夢華は若干引きつつも、雪音の言葉を聞こうとする。しかし、雪音は自身の言葉を語ることを止め、夢華はその様を神妙な面持ちで見るのだった…。
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次回!仮面ライダー妖魔!
夜御哉「やはり、禍炎を倒すためには『三人の協力』が必要不可欠なようだな…」
汰月「…ここで、あいつに勝とう」
時雨「…そうですね」
禍炎との決戦!?
禍炎「お前達三人が手を組むとはね」
賢昇「足引っ張ったら承知しねえからな」
三人で強敵・禍炎へ挑め!
第拾話「アイツは誰だ!?三者共闘!」
明かされる──禍炎の正体
時雨「あなたは…!?」
日曜午後9時!
第十話ご覧いただきましてありがとうございます。
今回は幽冥の新フォームお披露目です!
盾という仮面ライダーにおいて扱いにくすぎる武器をどう扱うか悩んだ末に生まれたのが、今回の盾で殴るスタイルとなっております。
結果的には賢昇のキャラにも合うしいっか…と思ってますけどね。
そして、更には学園祭も当日となり、時雨達歴史研究部のライブも開かれました!
劇中曲「New Chapter」は作詞経験も何もない作者がなんとなくで書いたものなので知識のある方からは「ん?」となる部分もあるかと思いますが、どうかお見逃しくだされば幸いです。
因みに二番以降も一応考えてはあります。機会があれば公開しようかなと思います。
因みに作曲は作詞以上に出来ないので曲自体はついておりません。申し訳ないです。
次回は三ライダーの共闘!?ということで、本家共々来週の投稿はお休みとなりますが、是非ともお見逃しなく!次回は11月10日となっております!(ガヴの放送日に一致してると思ってもらえれば…)