リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!
突如として起こった照羅巣高校と佐乃緒高校の全面衝突!
時雨、汰月、賢昇はその対応に追われることとなる!
そんな中、状況を打開すべく時雨達歴史研究部は生徒会長たる雪音の救出に向かう。
そして汰月は自校へ戻る道すがら、オオガマに襲われ、星海の正体を教えられるのだった──」
⭐︎⭐︎⭐︎
幽冥「ん?くっ…!」
上空から突っ込んでくる「何か」を幽冥はアヤカシレーザーアタッカーで受け止め、その姿を確認する。
幽冥「…!オイ、テメェ…随分な登場の仕方だな」
禍炎「…フッ」
幽冥は着地した「何か」…仮面ライダー禍炎 八咫烏餓者髑髏ヨロイと対峙すると、アヤカシレーザーアタッカーで斬りかかる。
幽冥「はっ!」
禍炎「おっと…案外容赦ないんだね」
幽冥「テメェのことは霊魂からもう聞いた。…淀川、テメェ一体何考えてやがる」
禍炎「おいおい降谷、教師に向かってなんて口の聞き方だ?…教育指導が必要そうだな」
オンミョウY「くっ、一回逃げるぞ!」
オンミョウR「巻き込まれたらヤバそうだな…」
幽冥「ハアアッ!」
佐乃緒の教師である一茶が禍炎の正体だと聞かされていた幽冥は、怒りを露わにして向かっていく。
そして、その様を見たオンミョウトルーパー達はそそくさと逃亡する。
⭐︎⭐︎⭐︎
第拾玖話「強敵進化!?アイツの覚悟!」
幽冥「はあああっ!!」
禍炎「くっ…」
幽冥「その姿で…下衆なことばっか言ってんじゃねえ!」
禍炎「調子に乗るなよ、ガキが」
《陰摩羅鬼!》
《イグニッション!召喚!陰摩羅鬼!》
幽冥は苛烈な斬撃で禍炎を追い詰めるが、本性を露わにした禍炎はオンモラキを呼び出して嗾ける。
オンモラキ「ふん」
幽冥「チッ…めんどくせぇ!」
禍炎「はっ!」
幽冥「だけどな…全っ然!足りねえなァ!」
《ガン!レーザータイム!》
幽冥「オラオラオラッ!」
オンモラキと禍炎の攻撃を何とか防ぐ幽冥だったが、怒りを燃やしてアヤカシレーザーアタッカーをレーザーガンモードに変えて連射することで形成逆転に持ち込む。
幽冥「さあ!猪突猛進でぶちかますぞ!」
禍炎「くっ…勢いだけのガキが…!」
幽冥「どうした?そんなもんかよ!」
《インストール!》
《スペシャルムーブ!》
《猛火シュートフィニッシュ!》
オンモラキ「ぐぬああっ!!」
禍炎「くっ…!?」
《猛火ストライクフィニッシュ!》
幽冥「気炎万丈!それが俺の強さだァァァッ!」
禍炎「ぐああっ!」
幽冥はアヤカシレーザーアタッカーから強烈な火炎放射を行うことでオンモラキを焼き尽くしつつ、広がった炎で禍炎を牽制して動きを止めると、次の瞬間、炎の壁を突き破って現れた幽冥がバクレツブースターから炎を噴き出しながら跳び蹴りを叩き込み、禍炎を吹き飛ばして変身解除に追い込む。
一茶「…チッ」
幽冥「ふん、口程にもない奴が」
舌打ちを残して退散する一茶。その様に鼻を鳴らしながら変身を解いた賢昇は、その場は一旦帰るのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「そろそろ学校に戻れそうだね」
雪音「皆さんありがとうございます」
咲穂「いえいえ」
調「俺達が助けたくて助けただけですし」
凪桜「うん。雪音先輩も私達の仲間」
雪音「皆さん…」
感謝の言葉を告げる雪音に対し、仲間なのだから当然だと返す歴史研究部の面々に、雪音は感激した様子を見せる。
そして、そんなやりとりをしているうちに照羅巣高校へと戻ってくるが、事件はそこで起きた。
咲穂「ではまた明日」
調「また明日です!」
時雨「うん、また明日ね」
雪音「気を付けて下校してくださいね」
凪桜「二人は帰らないの?」
時雨「うん。もう少し残って今回のことについて対策しようかなって」
雪音「杏林先輩もいらっしゃるみたいですしね」
凪桜「成る程…なら、私も残るよ」
咲穂と調が帰宅していったのを見届けた時雨と雪音が帰る気配を見せないので、凪桜は二人にその意図を問い、二人がまだ残るつもりでいることを知ると、自身も残ると告げる。
その時だった、事件が起きたのは。
咲穂「きゃーっ!」
「「「!」」」
時雨「今の声…」
凪桜「咲穂先輩の声だった」
雪音「向かいましょう」
先程別れたはずの咲穂の鋭い悲鳴に、三人は慌ててそちらの方へ向かう。
駆け付けた三人の目に飛び込んだのは、照羅巣高校からそれほど離れていない場所でオンミョウトルーパー(赤)三人に襲われている咲穂と、そんな咲穂を庇うように前に立つ調の姿だった。
時雨「咲穂さん!調君!」
咲穂「時雨君!」
調「時雨部長!」
オンミョウR「あ?仮面ライダーのお出ましかよ」
オンミョウR「チッ…仲間を一人ずつ潰す作戦だったのによ…!」
時雨「…!そんなことさせません!」
オンミョウR「撤収するぞ!」
オンミョウR「撤収だ!」
凪桜「待てッ!…!」
時雨「凪桜ちゃん、向こうが引いたなら深追いは止めよう。それよりもまずは二人だよ」
凪桜「……分かった」
時雨を見るや不利を悟ったオンミョウトルーパー(赤)達は退散していき、激昂した凪桜はその後を追って追撃しようとするが、時雨に制される。
時雨「一体何が…」
調「俺達にもよく分かってなくて…」
咲穂「帰ろうとしてたらいきなり出てきたんです。…恐らく、敵である照羅巣高校の最大の戦力である時雨君を警戒していたのでしょう。だからこそ、その仲間である私達を狙った…ということだと思います」
時雨「……」
想像以上に実害を持って立ち塞がる現状に、時雨は絶句する。
調「…つまり、俺達は一人になったら…襲われるってこと…だよね」
咲穂「…そうなりますね」
凪桜「それだけじゃない。雪音先輩も同じだ。そもそもが自宅をモノノケに制圧されてる。家に帰したところで同じことの繰り返しになってしまう…」
時雨「そうだね。…だから対策を練ろうと思ってたけど、まさか皆まで危険に巻き込まれるなんて…」
雪音「…ここは一先ず学校へ戻りましょう。学校ならば、藍羽先生もいらっしゃいますし」
時雨「そうだね。…そうしよう」
暗い雰囲気の中、学校へと戻っていく五人。自分達の身に現実的な危険が迫っているのだから無理もないだろう。
⭐︎⭐︎⭐︎
雪音「取り敢えず、家族には自宅に帰らないよう伝えておきました。幸い、私の両親は多忙で今も海外にいますので影響は少ないのですが…使用人達は今回巻き込まれましたし、別の街にある別荘に分散させて避難させました」
時雨「となると後は雪音ちゃんだね」
凪桜「けどどうする?雪音先輩どころか私達も時雨先輩と離れるといつ襲われるかも分からない状況だ」
調「確かに…」
咲穂「…そう、ですね」
聖「中々厄介なことになったものだね…」
歴史研究部の部室に集まった五人は雪音の家のことは解決したと聞きつつも、自分達が直面する問題は依然として残っていることに頭を抱える。
時雨「…一つだけ、解決策があるんだ」
凪桜「?」
時雨「ここで合宿する…っていうのはどうかなって」
咲穂「合宿…その手がありましたか」
調「それってここに泊まるってことですよね?許可降りるのかな…」
雪音「ふふっ、霧宮君、私が誰かお忘れですか?」
凪桜「そうか、雪音先輩は生徒会長だし、藍羽先生もいるから許可なら取れる」
時雨「うん。どうかな」
時雨はこの状況を打開するための策として歴史研究部のある旧部室棟での寝泊まりを提案し、生徒会長の雪音と教師である聖の協力があるなら不可能な話ではないと語る。
聖「…それが一番良さそうだね。話は私が通しておこう。それと、緊急総会についてだけど、三日後の開催が決まったよ」
時雨「となるとそれまでの辛抱だね」
凪桜「うん。…けど、合宿か。こんな時に何だけど、ちょっとワクワクしてきたかも」
調「あっ、それ俺も!」
咲穂「実は…私もです」
雪音「ふふっ、皆さんもでしたか。私もこういうことは初めてなので…少しだけ楽しみです」
時雨「うん。…僕も楽しみになってきた。合宿って、物語的には大定番だしね」
聖「良いことだよ。こんな時だからこそ、明るい気持ちを忘れちゃいけない。心が折れたら何も出来ないからね」
「合宿」という非日常的なイベントに心を躍らせる五人に、非常時だからこそ楽しむ心を忘れないことが大切だと聖は説く。
聖「幸い部屋は沢山ある。今日はもう寝て、明日に備えよう」
「「「「「はい!」」」」」
⭐︎⭐︎⭐︎
──三日後
時雨「…いよいよ、緊急総会だね」
雪音「ええ、少し緊張しますが…皆さんが一緒にいてくれるお陰で少しは安心です。……それにしても、夢華さんは一体何でこんな真似を…」
汰月「時雨」
賢昇「そろそろ時間だな」
時雨「お二人とも!…じゃあ僕は向こうで見てますから、頑張ってください!」
雪音「…ええ、任せてください」
緊急総会当日、貴真賀中央ホールにやって来た時雨と雪音は緊張を分かち合う。そして、時雨は雪音に後を託すと迎えに来た汰月と賢昇と共にその場を離れる。
汰月「それにしても、佐乃緒の生徒会長がわざわざ出向いて来るなんてね」
時雨「こんなことを引き起こしたくらいですし、てっきり抵抗するかと思いましたが…」
賢昇「…そうだな。俺も力尽くで引き摺り出すことまで想定してたが…梨林の野郎、すんなりとここまで来やがった。それに…淀川の奴も」
ホールの舞台に設置された佐乃緒代表の席に座る拓矢と一茶に賢昇は厳しい視線を送りつつ、すんなり出て来たことを訝る。
一方舞台では中間にある津久代代表の席に朔と津久代担当の女性教師が、照羅巣代表の席に雪音と聖が座り、緊急総会の幕開けを告げる。
「では、緊急総会を開始します。今回このような会を開くに至ったのは、皆様ご存知でしょうが、照羅巣高校と佐乃緒高校の間で抗争状態となっていることです。
学生同士、それも系列校同士で争うなど言語道断。それに、この街にいるモノノケという超常的存在の力を利用したテクノロジーが使用されているとの情報も入っています」
いよいよ始まった緊急総会。津久代の教師は淡々と司会進行する。
「この由々しき事態の収束を図るべく、この紛争行為の発端となった宣戦布告の書状を無効とする決議を取ります。各校の生徒会長。賛成の方は挙手をお願いします」
津久代の教師が呼びかけると、雪音、朔は手を挙げ、拓矢だけが微動だにしない。
「賛成2、反対1の決議により、宣戦布告の書状は無効化することと決まりました。それでは皆様──」
拓矢は動かないが、多数決で結果は出ている。そのため、この争乱もこれで一先ず落ち着く、時雨達がそう考えた時、そんな様子を少し離れた所から伺ってい夢華は、薄い笑いを浮かべ、告げる。
夢華「そっか。そうだよね。…でも、この物語はそう簡単には終わらないし…終わらせない。こんなのは序の口で、本番は…ここからなんだからさ」
夢華の独り言の直後、爆発音と共にホールの扉が吹っ飛ぶ。
会場の全員が驚き、そちらの方へと目を向ける。…そして、そこに現れたのは四体の異形だった。共通しているのは身体の各所に巻き付けられた引きちぎれた鎖。
一体は棘の生えた虎のような姿に、鋭い猪の牙が特徴的な鉈を持つ異形。
一体は毛深い犬のようにも熊のようにも見える見た目に、胸にはぐちゃぐちゃに絡まった金色のリングが貼り付いており、右腕には巨大な
一体は歪んで曲がった角を持ち、顔付きは怒り狂う人間のようなものであり、右腕には鋭い牙の生えた口だけの頭が生えている異形。
一体は薄汚れた翼が生え、ハリネズミと虎が混じり合ったかのような見た目に、大鎌を持った異形。
時雨「なっ…あれは…!?」
汰月「モノノケ…なのか…?」
賢昇「またわけ分かんねえの出してきやがって!お前等!早く逃げろ!」
突如として現れた異形に会場がパニックになる中、時雨達の前に気配もなく一人の男…布田雹介が現れる。
時雨「!?急に現れた…!」
リュウジン「こいつ…ただの人間じゃないぞ」
雹介「お初にお目にかかる、仮面ライダー諸君。私は布田雹介。その真名は…ヌラリヒョンだ」
時雨「ヌラリヒョンって…」
汰月「しかもコイツ…皆には見えてない…!」
賢昇「何なんだよ…!」
雹介「気配を消すのは得意でね。…さて、これが何か知りたそうだから挨拶がてら教えてあげようと思ってね。
「「「!」」」
汰月「なら…お前が白石さんを…」
時雨「あんな目に遭わせたんですか…?」
賢昇「…っ答えろ!」
雹介「ああ、裏切り者のゴミクズにもう用はないからね」
意気揚々と四凶について説明する雹介は、真黒の命が失われたことすらなんでもない、取るに足らない出来事であるかのように告げる。
時雨「……絶対に許しませんよ!」
《鳳凰!》
汰月「…ああ、お前みたいな奴…存在しちゃいけない」
《ミズチ!》
賢昇「……完全同意だこんちくしょう!」
《ギュウキ!》
《聖獣装填!》
《インストール!》
「「「変身っ!」」」
《聖獣装着!変化!》
《デンシソウチャク!ヘンゲ!》
《聖炎復活!鳳凰ヨロイ!》
《激流Splash!ミズチヨロイ!》
《猛火Burning!ギュウキヨロイ!》
妖魔「皆は避難誘導をお願い」
霊魂「…そういうことだから、任せたよ」
幽冥「そっちも頼んだぞ!」
凪桜「了解」
克真「任せといて!」
結佳「…分かってる」
妖魔「はああっ!」
霊魂「ふっ!」
幽冥「オラァッ!」
雹介「…見せてもらうよ、君達の運命を」
真黒の死を嘲笑う雹介に怒りが頂点に達した三人は一斉に妖魔 鳳凰ヨロイ、霊魂 ミズチヨロイ、幽冥 ギュウキヨロイへと変身し、それぞれの仲間に避難誘導を任せると、自分達は四凶へ向かっていく。
妖魔は棘付きの鉈を持った虎…檮杌と、大鎌を持ったハリネズミと虎のキメラ…窮奇を相手取り、霊魂は右腕に弩弓の付いた毛深い犬にも熊にも見える存在…渾沌に立ち向かい、幽冥は右腕に口だけの頭を付けた角付き…饕餮と対峙する。
しかし、その隙に雹介をぬらりと姿を消すのだった…。
そんな混乱の最中、声を張り上げたのは一茶だった。
一茶「皆さん!見てください!これは照羅巣の悪辣な罠です!佐乃緒の主要人物を緊急総会を利用して倒そうとしているのです!」
雪音「なっ!」
聖「事実無根なことを言うのはやめていただきたい。…皆さん、彼の言ってることは信じてはいけません!今は何よりも自分の身を守るために避難を!」
一茶はこの状況を利用して照羅巣高校サイドを陥れようとし、その醜さに事情を知る者たちは絶句する。
妖魔「なっ…」
霊魂「嘘だろ…!」
幽冥「あのヤロ…!」
妖魔「……兎に角、まずはあの四凶をなんとかしないとです!」
一茶の蛮行に意識を持ってかれかけた三人だったが、再度目の前の戦いに集中しだす。
霊魂「はあっ!」
饕餮「グルル…ガアッ!」
霊魂「なっ!?ぐああっ!」
饕餮に銃撃した霊魂だったが、右腕についた口“
オオガマ「とんだ体たらくだな霊魂!俺様と遊ぼうぜ!」
霊魂「!オオガマ…!?何でお前が…!」
オオガマ「あんなので倒せたとでも?おめでてえな?それよりも良いのか?大切な“お姫様”がどうなっちまっても」
星海「皆さん!逃げてください!!」
霊魂「…今度こそ、お前は俺が倒す!!」
現れたのは霊魂が倒したはずのオオガマだった。霊魂は驚きつつも、避難誘導をしている星海を狙うと暗に告げるオオガマに対して一瞬で沸点に達した怒りに任せて突撃し、そのまま会場を離れる。
妖魔「!日島君!?」
幽冥「仕方ねえ…あっちは霊魂に任せて、俺達で何とかすんぞ!」
妖魔「…分かりました!」
霊魂の動向を気にしつつも、妖魔と幽冥は四凶の相手に専念する。
妖魔「はっ!はあっ!」
檮杌「ぬうっ…」
窮奇「ヒヒッ…!」
妖魔「!?うわあっ!」
妖魔は檮杌に妖之流星刀による斬撃を浴びせて距離を取るも、直後に窮奇の持つ大鎌“
妖魔「ええっ!?ってて…一瞬でここまで…!」
雪音「時雨君!大丈夫なのですか!?」
幽冥「妖魔!?妙な力持ってやがんな…!」
妖魔「僕は大丈夫。雪音ちゃんに怪我は?」
雪音「私も大丈夫です」
空間転移させられて吹き飛ばされた妖魔だったが、心配する雪音に無事を伝え、逆に雪音の無事を確認する。
妖魔「なら良かった。あれ?…藍羽先生は?」
雪音「淀川先生と梨林会長がどさくさ紛れに逃走したようでして…その後を追ってます」
妖魔「先生が!?…大丈夫かな」
雪音「何か策がある様子でしたよ」
妖魔「…ならいっか」
禍炎への変身を可能とする一茶を単身で追跡しているという聖を妖魔は心配しつつも、雪音の言葉もありその策を信じることにする。
幽冥「おい妖魔!ボサっとしてないで戻ってこい!」
妖魔「あ、はい!ごめんなさい!…雪音ちゃんは早く逃げて!」
雪音「わ、分かりました!」
そのやり取りの間、一人で四凶を相手取っていた幽冥はキレ気味に妖魔を呼び付け、妖魔も雪音を逃しつつそれに応えて駆け付けようとした、その時だった。
「ふん」
妖魔「うわあっ!…あなたは」
都黎「…ふん」
突如として横から現れ、機械的な日本刀…闇夜月によって斬撃を浴びせようとしてきたのは…学ランに身を包んで装いを新たにした都黎だった。
⭐︎⭐︎⭐︎
妖魔「はっ!」
都黎「……」
幽冥「アレは…暗夜丸…!っと!この!」
突如として現れた都黎の攻撃を妖之流星刀で受け止めつつ弾き返した妖魔は、その姿に驚く。
妖魔「何のつもりですか」
都黎「…この世界の真理を、お前は知っているか?」
妖魔「え?」
都黎「…良いか、この世界は力が全てだ。強き者が弱き者を踏み躙り、貪り喰らう…そういうものだ」
妖魔「何の話ですか…?」
都黎「…つまり、力無き…弱者に何をする資格も…権利もないということだ」
幽冥「アイツ…一体何言ってやがんだ?」
唐突に現れて自論を語り出す都黎に困惑を見せる妖魔。
すると、都黎は微かな沈黙の末、懐から電書ドライバーを取り出す。
妖魔「電書ドライバー…!?」
幽冥「!なんで持ってやがんだよ…!」
都黎「証明しに来た、俺の…正しさを」
《ヤギョウ!》
妖魔「電子アヤダマ…!」
《インストール!》
都黎「…変身」
《デンシソウチャク!ヘンゲ!
常闇Darkness…!ヤギョウヨロイ!》
幽冥「仮面ライダーに…なった…!」
暗夜「俺は仮面ライダー暗夜。…この刃の前に…散れ」
都黎は右手に闇夜月を構えたまま左手で紫色のヤギョウ電子アヤダマを取り出して起動すると、電書ドライバーに装填し、電書ドライバーを操作する。
すると、その身体は闇のオーラに包まれ、その中を斬撃のエフェクトが幾重にも走り、銀色の素体の上から切り払われた闇が変化した装甲が装着される。
姿を現したのは紫色を基調としてメカニカルな侍と鬼が混じったような見た目の戦士。
左肩から背中にかけて紫色の布を纏ったその姿は浪人を思わせる。
その左の複眼は黒色の眼帯のようなものになっており、右の複眼は緑色の妖しい光を放っている仮面ライダー
⭐︎⭐︎⭐︎
暗夜「この刃の前に…散れ」
妖魔「仮面ライダー…暗夜…!」
暗夜「…どうした?こい」
妖魔「…はああっ!!」
暗夜の挑発に、妖魔は妖之流星刀を振るって攻撃を仕掛ける。しかし、その一撃は暗夜の身体を捉えることはない。暗夜が軽く体を捻って回避したからだ。
暗夜「甘い太刀筋だ」
妖魔「はっ!はあっ!はあああっ!」
暗夜「無駄だな。…その程度か」
妖魔は三連続で斬撃を放つが、全て見切られてしまい、一撃目は軽く身体を反らすことで躱され、二撃目はステップで避けられ、三撃目は闇夜月に弾かれてしまう。
妖魔「強い…!」
暗夜「そうさ、俺は強い。そしてお前は弱い…だから、お前は俺に踏み躙られる…こうしてな!」
妖魔「くっ、うっ…っああ!」
暗夜の手強さに妖魔が緊張感を抱くと、暗夜は妖魔の弱さを指摘しつつ連続で斬撃を繰り出し、妖魔を舞台の奥まで吹き飛ばす。
妖魔「だったら…これで!」
《装填!一・撃・必・殺!》
《聖炎閃撃!》
妖魔「はああっ!!」
暗夜「……」
妖魔は鳳凰アヤダマを妖之流星刀に装填し、背中に炎の翼を展開すると一気に距離を詰めて灼熱の一太刀を暗夜に向けて放つ。
しかし、その渾身の斬撃は空を切る。
暗夜の身体が闇に呑まれ消えてしまったからだ。
妖魔「!?消えた…」
暗夜「こっちだ」
妖魔「!なっ──」
《秘剣・暗黒剣舞!》
暗夜「ふん」
妖魔「うああっ!!」
闇に包まれて妖魔の横から現れた暗夜は動揺した妖魔の胴に闇夜月の刀身を押し当て、そのまま闇のオーラを纏った一閃を放ち妖魔にダメージを与える。
暗夜「弱いな。…終わりにしてやろう」
《スペシャルムーブ!》
妖魔「…!!」
《常闇ストライクフィニッシュ!》
暗夜「はっ!はあっ!ふん!」
妖魔「…っ…!身動きが…!」
暗夜「はああっ!」
妖魔「っああああっ!!」
暗夜の一撃に大ダメージを負った妖魔に対し暗夜は電書ドライバーを操作すると、闇のオーラを纏わせた右脚で二連続の回し蹴りを叩き込み、更に横蹴りで突き離しつつ身動きを封じると、斬撃状のエフェクトが付与された跳び回し蹴りで妖魔を蹴り抜き、変身解除に追い込む。
時雨「っく…!」
暗夜「弱いな、弱すぎる。まあ、だからお前は仮面ライダーになれたとも言えるがな」
時雨「!どういう意味ですか…!」
暗夜「お前があの日仮面ライダーになったのは偶然でも運命でもないということだ。全て我々の計画のうち…厄介な“妖魔”を封殺するために選ばれて、
時雨「…!?何の話ですか!」
暗夜「偉大な力を持つ先代妖魔…ヌラリヒョン様はその存在を強く警戒した。だが、計画には三人の仮面ライダーが必要だったからな。だから…お前は選ばれた。大した力もない、最低条件をクリアしただけの…“凡人”のお前がな」
時雨「…先代妖魔…?」
変身解除された時雨を蔑むように言葉を重ねる暗夜。その言葉の意味を理解しきれていない時雨が疑問をぶつける前に、動き出す者がいた。
幽冥「妖魔!…チッ、仕方ねえ!退け!」
暗夜「ふん」
幽冥「他の連中は避難したみてえだな…こっちも退くぞ!」
時雨「降谷君!」
幽冥「ふん!」
幽冥は目の前にいた檮杌と窮奇に斬撃を浴びせて怯ませると、バクレツブースターによる加速で暗夜に攻撃を仕掛けつつ時雨の元に駆け付け、バクレツブースターから煙幕を吐き出すことで姿を眩まし、煙が晴れた頃には時雨共々その場を離れていた。
暗夜「…まあ良い。計画は順調だ」
⭐︎⭐︎⭐︎
霊魂「はあああっ!!」
オオガマ「全然!効かねえなぁ!?オラッ!」
霊魂「くっ…うあっ!」
ホールの駐車場に場所を移して続いていた霊魂とオオガマの対決だが、霊魂の銃撃をオオガマはヒラリと躱し、煽りつつ舌を伸ばしての攻撃で霊魂を打ち据える。
霊魂「前より…強い…!というか何で生きてるんだ…!」
オオガマ「あ?お前あれしきで俺様が死ぬとか信じてたのか!?笑えちまうぜ!俺様はなぁ、再生力が自慢なんだよ。攻撃される度、この肉体は強くなる。お前は半端な攻撃で俺をせっせと強くしただけ!」
霊魂「半端な攻撃…」
激戦の影響で既に体力を消費していた霊魂はオオガマの煽りの言葉を聞きつつも、既にジリ貧に陥っていた。
オオガマ「それより良いのか?あんまりトロいと…あのバケモン女を攫っちまうぜ?別に手足の一本や二本無くたって構わねえんだ。あの女がいれば良いからな」
霊魂「…!」(中途半端な攻撃じゃ奴を倒せない。となると考え得る限りの最大火力を確実に叩き込むしかない…)
オオガマの言葉に怒りを覚えつつも、霊魂は冷静に勝ち筋を探る。
そして、ある作戦に思い立つと、オオガマを鋭く見据える。
霊魂「…これしかないか」
《ブレード!レーザータイム!》
オオガマ「あんだって?」
霊魂「星海は…俺が絶対に守る!」
《大蛇!》
《インストール!》
《スペシャルムーブ!》
霊魂「はああ!」
《蛇行スラッシュフィニッシュ!》
オオガマ「あ?んなの無駄だっつうのに──」
霊魂「ああああっ!!」
オオガマ「!?くっ…」
霊魂「はあああっ!!」
霊魂は大蛇アヤダマをレーザーブレードモードのアヤカシレーザーアタッカーに装填すると、蛇型のエネルギーを刀身に巻き付けたアヤカシレーザーアタッカーを構えてオオガマに突撃し、舌による攻撃を受けつつも無視してその刀身をオオガマに突き立て、更にそのまま壁に打ち付ける。
オオガマ「テメッ…!」
《ガン!レーザータイム!》
オオガマ「!?」
霊魂「…消し飛べ!」
《スペシャルムーブ!》
オオガマ「くっ…放せ…っ!」
霊魂「…終わりじゃないぞ…!」
《スペシャルムーブ!》
オオガマ「!?二重必殺技だと…!」
霊魂「はああああっ!!」
《蛇行シュートフィニッシュ!》
《激流ストライクフィニッシュ!》
オオガマ「ぬっ…ぐあああっ!!」
霊魂はアヤカシレーザーアタッカーの刀身をオオガマに突き立てたままレーザーガンモードに切り替え、続けて必殺技を発動し、更に電書ドライバーを操作することで二重に必殺技を発動する。
凄まじいエネルギーの奔流がオオガマに流し込まれ、その肉体は大爆発を起こす。
霊魂「はぁ…はぁ…行かな…きゃ…」
オオガマの動きを封じるためにその体を縫い付けていた霊魂は爆発に巻き込まれ、満身創痍になりながらも時雨達の元へ向かおうとするが、力尽きて変身解除して倒れ込んでしまう。
汰月「…星海…皆……」
雹介「……」ニヤリ
倒れこんで動けなくなった汰月を陰から見ていた雹介はその顔に悪い笑みを浮かべる…。
⭐︎⭐︎⭐︎
一茶「さて…私も加勢しますかね…変身」
《仮面ライダー禍炎!》
時は少し遡り、妖魔と幽冥が激戦を繰り広げていた頃、会場の外へ逃走し、拓矢と別れた一茶は妖魔達を襲撃すべく禍炎 八咫烏餓者髑髏ヨロイへと変身して会場に戻ろうとするが、その前に立ち塞がる者が一人。
禍炎「おや?」
聖「…あなたの思い通りにはさせない」
禍炎「ふっ、これはこれは…大当たりじゃないか」
禍炎の前に現れた聖は険しい表情を浮かべながら禍炎を睨み、そして徐に懐からある物を取り出す。それは、焚書ドライバーに似ているものの、その見た目はボロボロになった古い本の上から無骨な機械が装着され、正面にモニターが設置されている。本部分は燻んだ金色、機械部分は銀色。左側のアヤダマ装填部は塞がれているほか、炎の意匠はないなど、幾らか差異のあるデバイスだ。
そして、聖は強い覚悟を思わせる顔付きで
聖「…覚悟してもらおう」
⭐︎⭐︎⭐︎
次回!仮面ライダー妖魔!
聖「そうやって他者を利用するだけのアンタに…俺も、俺の生徒達も負けない」
一茶「俺の方が優れてると証明してやるッ!」
聖vs一茶、教師対決!
時雨「僕は凡人だから妖魔になれた、そうなるよう仕向けたって」
時雨「日島君が心配ですもんね」
賢昇「嘘…だろ…」
時雨「な、何で…何で僕を…?」
悩める時雨達を襲う更なる試練…!?
第弐拾話「止められない戦乱…混沌加速!?」
日曜午後9時!
第十九話をご覧いただきましてありがとうございます!
今回は遂に、都黎が仮面ライダーとなりました!
暗夜丸、改め仮面ライダー暗夜の活躍を是非ともお楽しみに!
当面の目標は暗夜丸の方が暗夜よりいいな、みたいに思われないよう、暗夜丸の良さを引き継ぎつつ、よりカッコよく見せれたらいいと思います。
そして、四凶の本格登場や時雨達とヌラリヒョンの邂逅に汰月のピンチ…と盛りだくさんな内容となりました。ラストには藍羽先生が…!?
というところで終わりましたので、そちらも是非お楽しみに!