リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!
雪音を救出した時雨達は身の安全を守るために歴史研究部の部室に泊まり込んで緊急総会に備える!
しかし、緊急総会にはかなりの強敵、四凶が現れて大暴れ!
更には都黎が仮面ライダーへと変身して妖魔に襲いかかるのだった…」
⭐︎⭐︎⭐︎
聖「…あなたの思い通りにはさせない」
禍炎「ふっ、これはこれは…大当たりじゃないか」
聖「…覚悟してもらおう」
《神話ドライバー!》
聖は手に持った謎のデバイス…改め
《第一段階解放》
聖「変身」
《神格装着…ヘンゲ
System of Mythology.
神羅…Liberation.》
聖が神祝之御札を神話ドライバーの前部に翳すと、足元に所々が欠け落ちた金色の陣が展開される。
そして、聖は神祝之御札を神話ドライバーに装填する。すると、足元の陣から神々しさを帯びた光が放たれ、やがて聖の体を神々しく輝く結晶に包み込む。次の瞬間、赤黒い稲妻が走って結晶が弾け飛び、中から新たな…しかし歴戦の戦士の姿が現れる。
その身は白色の神主の衣装を模したような装甲に包まれながらも、どこか燻んで汚れのある見た目になり、複眼は黒色の仮面ライダー
禍炎「ふ…ふふふ…!相見えたいと思っていたんだ!
神羅「…
禍炎「そうさ!お前を潰して…俺の方が優れてると証明してやるッ!」
神羅の存在すら知っていたような反応を見せる禍炎は、その邪で矮小な本性を剥き出しにしながら右拳を神羅に放つ。…が、その拳は神羅の左手に掴まれ、攻撃することは叶わない。
禍炎「…!?動かな…」
神羅「くだらない。…そんなことのために…皆を傷付けたのか…!生徒を利用したのか!」
禍炎「ッ──ぐあああっ!!」
禍炎の目標を聞いた神羅は怒りを露わにしてその野望を切り捨てると、返しの右拳をボディに叩き込み、禍炎を大きく吹き飛ばす。
禍炎「何だ…この強さ…!なら!」
《イグニッション!召喚!天邪鬼!水虎!》
禍炎「いけぇっ!」
たったの一撃でダメージを負った禍炎はアマノジャクとスイコを嗾けて神羅を対処させようとする。
神羅「…速攻で倒す。はっ!ふん!」
アマノジャク「ぬああっ!」
スイコ「ぐふああっ!」
神羅はアマノジャクを発勁で弾き飛ばし、スイコを前蹴りで突き放す。
禍炎「くっ…情けない奴等め…!」
神羅「そうやって他者を利用するだけのアンタに…俺も、俺の生徒達も負けない」
《第二段階解放》
禍炎は呼び出したモノノケ達が神羅に歯も立たなかったのを見て憤慨するが、その様に却って怒りを覚えた神羅は神祝之御札を神話ドライバーから抜き取り、神話ドライバーの前部に一度翳す。
すると、足元に金色の陣が展開されるが、変身時に展開されたものに比べると欠け落ちた部分が減っている。
《Judgment.》
神羅「はっ!ふん!」
アマノジャク「ぐああっ!!」
スイコ「ぐふっ!」
禍炎「っく…!」
神羅「…王手だ。はああっ!」
禍炎「ぐああああっ!!」
神羅は神話ドライバーに神祝之御札を装填すると、駆け出し、赤黒いオーラを纏わせた拳でアマノジャクとスイコに叩き込んで爆散させるが、その一撃から拡散した赤黒い衝撃波が禍炎を襲い、怯ませる。
そして、その隙を突いた神羅は素早く肉薄し、赤黒いエネルギーを纏わせた右拳で禍炎に渾身のストレートを叩き込む。
禍炎「っ…く…!」
神羅「……流石に衰えたかな…」
禍炎「覚えてろ…!」
神羅の一撃を受けて大ダメージこそ負ったものの、変身解除には届かなかった禍炎は、怨嗟の声を呟くとそのまま黒い羽根を散らせて姿を消す。
聖「っ…はぁ…はぁ……矢張り…今は長く持たないか…!」
禍炎が撤退したのを見届けて変身を解いた瞬間、聖は胸を押さえてうずくまるのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
第弐拾話「止められない戦乱…混沌加速!?」
智由「…これでよし…と」
時雨「いてて…」
智由「以前に怪我をしたらいつでもとは言いましたが、まさか本当にあなたの手当てをすることになろうとは思いませんでした」
時雨「…ありがとうございます、柚木さん」
窮地を脱した時雨は、照羅巣高校へ戻って智由の治療を受けていた。
智由「それにしても、あなたがすぐ連れて来てくれたおかげで大事にならないで済みました。ありがとうございます」
賢昇「別に、一応仲間だしな。…てか、随分と設備が整ってんだな」
智由「…この高校には名家の生徒も多く在籍しているので、その保護者からの財政補助等が多く宛てがわれているんです。何かあった時に救急の手当てが出来るように、という意味で。それに、これだけの設備が整ってる高校なんてそうはないので、医学の道を志す者にとってもここは憧れの高校とされています」
賢昇「成る程な…きっと、この抗争も、それが羨ましいとか、そんな些細なことから始まったんだよな…」
時雨「降谷君…」
時雨を連れて来て、照羅巣高校の保健室の設備を見ていた賢昇は、その立派さを褒める。
そして、それに対する智由の言葉から、賢昇はこの争いの本質はそんな大きなものではなかったはずだと述べる。
賢昇「…妖魔、まだ動けるか?」
時雨「はい。元々大した怪我ではないので。…日島君が心配ですもんね」
賢昇「……五行に一人で挑むなんて、かなり無茶な真似だからな」
時雨と賢昇は汰月の身を案じて、会場に戻るべく照羅巣高校を出ようとする。
暗夜『ただの凡人なんだよ、お前は』
時雨「……」
賢昇「おい、どうした、妖魔」
時雨「な、何でもないです!いきましょう!」
賢昇「だな」
先刻暗夜に言われたことが脳裏に浮かんだ時雨は一瞬考え込んでしまうが、賢昇にせっつかれて我に返り、ツクモブースターを発進させる。
⭐︎⭐︎⭐︎
賢昇「いねえな…」
時雨「確かにこっちに向かってましたよね…」
最早誰も残っていない会場にやって来た時雨と賢昇は汰月を探して回るが、見つけられないまま駐車場へとやって来る。
しかし、その先で、時雨はある物を見つける。
時雨「!これって…」
賢昇「何だ?」
時雨「日島君の大蛇アヤダマ…」
賢昇「!…じゃあ、ここにいたのは間違いないってわけか…。これは、火車アヤダマか」
時雨が見付けたのは汰月が所持しているはずの大蛇アヤダマ。
賢昇が汰月はここにいたことを確信していると、ふと近くに落ちていた火車アヤダマを発見する。
時雨「これは…日島君の妖之書…」
賢昇「…一体何が起こったってんだ…」
時雨は更に汰月の妖之書を発見し、明らかに尋常ではない事態が起きたと察した二人はここで何が起きたのかと考え、焦りを募らせる。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨(結局、どんなに探しても日島君を見付けることは出来なかった。電書ドライバーやブンプクブラストフォンも見付からなかったので、恐らくは日島君の元にあるのだろうけれど、僕達や治安維持委員会の皆でも連絡が付かず、日島君が今どこにいるのか、無事なのか、それは何も分からない状態となっていた。
そして…先日の騒動の影響で緊急総会の結論はお流れとなってしまい、状況は良くなる…どころか悪化の一途を辿っていた)
時雨はコッペパンを齧りつつも、浮かない表情で現状を振り返る。
調「…最近、争いがどんどん激化してるような…」
咲穂「…そうですね。緊急総会での結論も有耶無耶にされてしまいましたし…佐乃緒側の印象操作もあって余計に険悪になっているようです」
悪化する状況に、歴史研究部の面々、そして雪音は頭を悩ませる。
用意した朝食の減りも、心なしか遅くなっている。
聖「そうだ、昏時都黎が仮面ライダーになった件だけどね、夜御哉さん曰く恐らくは闇夜月の中にある夜行アヤダマの力を用いたのではないかとのことだよ」
咲穂「闇夜月…暗夜丸が使っていた刀ですよね」
聖「そう。…あれは元々、夜御哉さんが人の命を喰らう妖刀を安全に使えるように夜行アヤダマを組み込んで改良したものなんだ。暗夜丸への変身機能も、その結果生まれた副産物に過ぎない」
調「そうだったんですね…」
聖は都黎の暗夜への変身について夜御哉から得た情報を共有する。
聖「色々あって敵側の手に渡ってしまったのだけれど…」
神羅『待てっ!』
闇夜月が敵の手にある理由について、言葉を濁して説明しつつも、聖は神羅がどこかへと闇夜月を投擲する様を思い出す。
聖「それと、今生徒の一部が手にしてオンミョウトルーパーへの変身に用いているこれは、ブンプクブラストフォンのデータを基に開発していた廉価版の変身システム…オンミョウブラストチェンジャーというらしい。
量産化も視野に入れてたけど、手軽に力を手に入れられるというのは危険だと判断して凍結してたらしい。…恐らくは白石君がデータを渡していたのだろうね」
雪音「…正しく使えば技術は人々の暮らしを豊かにしますが…誤った使い方をすれば…」
電書ドライバーやヤギョウ電子アヤダマ、闇夜月、そしてオンミョウブラストチェンジャー…本来なら誰かを助けるために作られた代物が人々を傷付け、苦しめるために運用されている現状に、一同は胸を痛める。
そしてそんな中、時雨はポツリと呟く。
時雨「…先代妖魔」
凪桜「?…時雨先輩?」
時雨「…仮面ライダーに変身した昏時さんと戦った時、昏時さんが言ってたんだ。
僕は凡人だから妖魔になれた、そうなるよう仕向けたって」
凪桜「!」
都黎から投げかけられた言葉が、今も脳裏にリフレインする時雨は、そのことを仲間に打ち明ける。
そして、その疑問に対して最初にアンサーを出したのは雪音だった。
雪音「先代妖魔…一応聞いたことはあります。1000年以上前、平安時代に活躍したとされる伝説の陰陽師…だとか」
聖「私も伝承については聞いたことがあるよ。凄まじい力を持ったまさに最強の陰陽師だったとか」
リュウジン「…
時雨「リュウジンさん」
雪音は自身の知る情報を語り、続いて聖もその説明を補強する。
そして、リュウジンがある人物の名を呼ぶ。
リュウジン「…かつて、我が認めた男。奴はまさに天才と呼ぶに相応しい実力の持ち主だった。…当時、この世界に大いなる災いを齎そうとした悪神がいたのだが…その悪神に立ち向かい、勝利したのが雨辺晴朗…先代の妖魔だ」
時雨「そんな凄い人だったんですね…」
リュウジン「…当時は我ももっと強い力を発揮出来ていたからな。…それに…いや、何でもない」
時雨「……だから、僕を選んだ」
かつての英雄、先代妖魔である雨辺晴朗について聞いた妖魔は、都黎達が時雨を選んだ理由を悟る。
凪桜「し、時雨先ぱ──」
時雨「けど、何であれこんな状況を続けるわけにはいかないし、日島君を放置するわけにはいかないよね」
凪桜「!…そうだね。うん」
時雨「……」
時雨を心配した凪桜が声を上げるよりも先に、時雨は己を鼓舞して立ち上がる。それに凪桜は安堵するが、その陰で、時雨は少し辛そうな顔付きで一瞬だけ床に目を落とす。
調「!今バスターズの人達から連絡が来てて、照羅巣と佐乃緒の境で大規模な衝突が起きてるって…!」
時雨「!すぐに向かわないと…!」
調が報せた騒乱に、時雨は気持ちを切り替えて指示を出すと、全員で現場へ急行する。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「…これは酷いね…!」
オンミョウR「ウラアッ!」
オンミョウY「はっ!」
オンミョウR「この卑怯者どもが!」
オンミョウY「どうせお前達の吐いた下品な嘘のくせに…!」
駆け付けた時雨達が目にしたのは、池のほとりにある公園で、十数人単位のオンミョウトルーパー達が激突している様だった。
賢昇「来たか、妖魔」
時雨「降谷君!」
賢昇「今回は一人では流石にヤバそうでな…」
時雨「ですね…いきましょう」
時雨達は賢昇達バスターズと合流すると、その状況の酷さを感じる。
そして、時雨と賢昇は一歩前に出て並び立ち、乱闘を続けるオンミョウトルーパー達を見据える。
《麒麟!》
《聖獣装填!》
《ギュウキ!》
《インストール!》
「「変身!」」
《聖獣装着!変化!
麒麟ヨロイ!》
《デンシソウチャク!ヘンゲ!
ギュウキヨロイ!》
妖魔「皆さん!止めてください!」
幽冥「おいお前等!みっともねえ喧嘩続けてんじゃねえぞ!」
オンミョウR「うるせえっ!!」
オンミョウY「邪魔をしないでもらおうか!」
時雨は妖魔 麒麟ヨロイに、賢昇は幽冥 ギュウキヨロイへと変身し、オンミョウトルーパー達の元へ向かっていくが、そのリアクションは芳しくはなく、オンミョウトルーパー達からは抵抗を受けてしまう。
妖魔「全然話を聞いてくれませんね…!」
幽冥「アレ以来…コイツ等やけに頑固なんだよな…」
「邪魔は止めてもらおう」
「「!」」
妖魔「昏時さん…!」
幽冥「淀川…!」
聞く耳持たずといった様子のオンミョウトルーパー達の対応に苦心する妖魔と幽冥の前に、冷たい声を響かせながら都黎、そして共に一茶も現れる。
都黎「…ふん」
《ヤギョウ!》
《インストール!》
都黎「変身」
《デンシソウチャク!ヘンゲ!
常闇Darkness…!ヤギョウヨロイ!》
一茶「私も失礼するよ」
《着火!》
《八咫烏!》
《餓者髑髏!》
《イグニッション!》
一茶「変身!」
《焼却装着!ヘンゲ…
黒翼!白骨!仮面ライダー禍炎!》
現れた都黎は暗夜 ヤギョウヨロイへ、一茶は禍炎 八咫烏餓者髑髏ヨロイへと変身し、それぞれ妖魔と幽冥へと襲いかかる。
妖魔「っ…!どうすれば…!」
幽冥「厄介だな…!」
禍炎「ははは…!」
暗夜「…ふん」
妖魔は暗夜と、幽冥は禍炎と交戦するが、身動きを封じられる状況に二人はほぞを噛む。
聖「…仕方ないか」
凪桜「藍羽先生、危ない!」
妖魔「え?あ、藍羽先生!?何して…」
幽冥「おい!死にてえのか…って…」
聖「…私も戦わせてもらおうか」
妖魔「ドライバー…!?」
幽冥「ど、どういうことだ…?」
禍炎「ほーう…」
暗夜「……まさかアイツが…」
窮地に陥る妖魔と幽冥を助けるべく、聖は覚悟を決めて一歩前へと進み出ると、神話ドライバーを取り出し、装着する。その様子を見た妖魔と幽冥は当初引っ込むよう伝えようとしたが、それも忘れて思わず見入る。
妖魔「!あれって…」
凪桜『これ、藍羽先生から』
時雨『これは、藍羽先生の貸してくれたお札…』
リュウジン『これは…凄まじい力が込められた代物だな』
妖魔「……あの時の…」
《第一段階解放》
聖「変身」
《神格装着…ヘンゲ
System of Mythology.
神羅…Liberation.》
神羅「……いくぞ」
聖は神羅へと変身し、妖魔、幽冥と合流する。
妖魔「藍羽先生が…仮面ライダー!?」
幽冥「マジかよ…」
暗夜「やはり…始まりの仮面ライダーか…」
禍炎「彼の相手は…私が!」
神羅「かかってこい」
禍炎「はああっ!」
神羅への変身に妖魔や幽冥が驚愕する中、禍炎が神羅へと向かっていく。
そして、気を取り直した妖魔と幽冥は暗夜を相手取る。
妖魔「はああっ!」
幽冥「はっ!」
暗夜「二人がかりでなら勝てるとでも思ったのか?甘いな」
妖魔「!また消え──」
幽冥「どこ行っ──」
「「うあああっ!!」」
妖魔と幽冥は連携して妖之流星刀とブレードモードのアヤカシレーザーアタッカーによる斬撃を放つが、対する暗夜は妖魔の一撃を軽く避け、幽冥の一撃を闇夜月で防ぐ。
そして、一度闇に消え、背後から現れた暗夜の放つ返しの一閃で二人は纏めて斬り払われてしまう。
幽冥「…成る程、こりゃ確かに強えな」
妖魔「どうしましょう…」
幽冥「こうなりゃ戦略でいくぞ…試行錯誤だ!」
《ガン!レーザータイム!》
妖魔「…はい!」
一念発起した幽冥はレーザービームを連射して暗夜を牽制し、その隙に妖魔が接近する。
幽冥「オラオラオラァッ!」
暗夜「…無駄な足掻きを……。!」
《猫又!妖斬り!》
妖魔「はーッ!」
暗夜「…!っ…」
幽冥のレーザービームを闇夜月で弾いた暗夜だったが、その隙に妖魔が高速移動で接近し、妖之流星刀による斬撃を叩き込む。
幽冥「つまり、こういうことよ!」
妖魔「このままいきましょう!」
幽冥「おう!」
暗夜「…調子に乗るなよ」
《夜行流奥義!》
《魔剣・宵闇乱舞!》
暗夜「はっ!」
妖魔「!」
幽冥「上等…だ!」
「「はあっ!!」」
暗夜の放つ黒い斬撃波に対し、妖魔は斬撃を、幽冥は銃撃を同時に放つことで弾き飛ばし、事なきを得る。
神羅「はっ!はあっ!…こんな手駒で何とかしようとしても無駄だ」
禍炎「さあ?それはどうでしょう、ね!」
神羅「ふっ!」
神羅は禍炎が呼び出していたハクサンボウとテッソを軽く叩きのめしつつその行動に意味はないと非難するが、禍炎はのらりくらりと余裕そうな様子を見せる。
幽冥「…妖魔、俺が時間を稼ぐ。奇襲で一気に畳み掛けるぞ」ボソッ
妖魔「…!分かりました」
幽冥は妖魔に小声で作戦を伝えると、雲外鏡アヤダマを取り出す。
《雲外鏡!》
《インストール!》
暗夜「何をしようが無駄なこと…」
幽冥「闇に消えるなら…光で対抗する!」
《スペシャルムーブ!》
《白日シュートフィニッシュ!》
暗夜「!…光で移動を封じたか…!」
《聖音聖撃!》
妖魔「はあああっ!!」
暗夜「!」
暗夜が闇に消えて攻撃を回避するのを防ぐため、幽冥は雲外鏡アヤダマをアヤカシレーザーアタッカーに装填し、強力な光のビームを放つことで闇を照らし、その移動を封じる。
そして、暗夜が幽冥に気を取られ、かつ目を眩まされた一瞬の隙に必殺技を発動していた妖魔の跳び蹴りが暗夜に迫る。
妖魔「はああーっ!!」
暗夜「…!」
幽冥「決めろ!」
《チャージシュート!》
妖魔「うああああっ!!」
妖魔の放った跳び蹴りが暗夜に届く、その寸前で、青いレーザービームが妖魔の右横手から放たれ、突然の攻撃に対応出来なかった妖魔は吹き飛ばされてしまい、地面に転がる。
幽冥「!?な、今のは…──は?」
暗夜「来たか」
神羅「ふん!…何っ!?」
禍炎「ハハハッ!妖魔の奴…無様ですねぇ!」
妖魔「何が…起き…て……え?」
攻撃の主を見た幽冥、神羅、そして妖魔はあまりの驚きに混乱し、暗夜と禍炎は勝ち誇る。
果たして、その攻撃の主は──
妖魔「な、何で…何で僕を…?
霊魂「……」
──霊魂 ミズチヨロイだった…。
星海「……日島さん…どこに行っちゃったんだろ…」
克真「た、大変だよ!皆!」
愛菜「どうしましたー?」
由香里「委員長が見つかったんですか?」
克真「い、いや…そうじゃなくて…朔先輩が……照羅巣、佐乃緒両校に宣戦布告したって…」
汰月の身を案じる治安維持委員会の面々や星海。そこへ飛び込むようにやって来たのは克真だった。
一瞬、汰月が帰還したのかと期待したが、克真が告げた言葉は思いもよらない、そして最悪なものだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
妖魔「日島君…何で…!」
幽冥「おい霊魂…お前…!」
霊魂「……」
幽冥「なんか言えよッ!」
暗夜「無駄だ。コイツは我々の手駒となった。最早お前達の仲間の“日島汰月”ではない」
妖魔「そんな…」
幽冥「嘘…だろ…」
暗夜の突きつけてきた事実に、妖魔と幽冥の二人は絶望感を抱き、絶句してしまう。
暗夜「哀れだな。…楽にしてやろう」
《提灯御化!》
《アヤダマ!》
《アヤダマライズ!提灯御化!》
妖魔「日島君!戻ってください!」
幽冥「おい、しっかりしろよ!」
敵に堕ちてしまった霊魂の正気を取り戻そうと妖魔と幽冥は必死に声をかけ続けるが、霊魂がその呼びかけに応えることはない。
そして、その隙に暗夜は提灯御化アヤダマを電書ドライバーに装填し、左腕に提灯型のエネルギーを纏う。
咲穂「何がどうなって…!二人とも!マズいです!」
雪音「時雨君!降谷さん!危ないです!」
妖魔「え?」
幽冥「あ?」
《チャージタイム!》
暗夜「もう遅い。ふん…はああっ!!」
《アヤダマバースト!》
「「っあああああ!!!」」
完全に霊魂の方に気を取られていた妖魔と幽冥の二人は、咲穂と雪音の警告で暗夜の状態に気付くが、時既に遅く、暗夜の放った数多の火球が二人を襲い、爆発を起こして二人は変身解除される。
時雨「っ…!」
賢昇「くっ…!」
神羅「マズいな…悪いが、これ以上お前の相手は…してられない!」
《第三段階解放》
《Punishment.》
神羅「ふん!」
「「ぬあああっ!!」」
神羅「はあーっ!」
禍炎「!…くっ…ぐぬあああっ!!」
神羅は時雨と賢昇の窮地に気付くと、神祝之御札を神話ドライバーへ二度翳すことで、所々抜け落ちているものの、完璧に近くなった陣を展開する。そして、神祝之御札を神話ドライバーに再度装填し、右脚に赤黒いオーラを纏わせて回し蹴りを放つと、それを受けたハクサンボウとテッソは爆散する。立て続けに神羅は赤黒いオーラを迸らせ、弾丸の如き勢いでドリルキックを放ち、禍炎を蹴り抜いて変身解除に追い込む。
神羅「…ここは撤退するぞ!はっ!」
時雨「!」
賢昇「っ!」
霊魂「……」
暗夜「…ふん」
禍炎を撃破した神羅が赤黒いオーラを右手に纏わせて地面を殴ると、土煙が発生して時雨達の姿を包み込み、土煙が晴れた時、そこには誰も残っていなかった。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「…一体何がどうなってるんですか…!?」
賢昇「何でアイツ等なんかの味方してやがるんだ…!」
雪音「!…マズいことになりましたね」
賢昇「あ?んなの今更だろ」
雪音「ああ、いえ、そういうことではなく…どうやら、津久代が照羅巣と佐乃緒に宣戦布告したみたいなんです…!」
時雨「えっ!?それって…この戦いに参戦したってことだよね…?」
凪桜「…つまり、三つ巴になったってことか」
汰月の裏切りという緊急事態に直面し、時雨達が混乱する中、雪音の告げた情報は更なる追い討ちをかける。
津久代高校…中立を続けてきたはずの第三の高校が、ここにきて参戦したという報せは、騒動を早く鎮めようとする者達にとってバッドニュース以外の何物でもなかった。
聖「…日島君の話を聞く限り、椚田君はこんなことをするような人物ではないはず…何より日島君自身もおかしかった…」
時雨「何か理由が分かるんですか?」
聖「うん。恐らくは精神操作系の術式、それも恐ろしく強力かつ高度なものが用いられてるんじゃないかと睨んでる。確証はないけどね」
リュウジン「いや、そのせいで間違いないだろうな。あまりにも街に充満しすぎて我もすぐに気付かなかったが、どうも悪しき気が漂っている。特に、日島汰月の身からはより強く感じた…彼が妖之書の守護を受けて呪いの影響を受けにくいから、それを突破するために強力な術式をかけたのだろう」
聖の仮説を、リュウジンは補足して肯定する。
汰月の裏切りや津久代の方向転換、ひいてはこの騒乱は何らかの精神操作術によるものではないかと一同は結論付ける。
そんな話をしていると、雪音のスマホに着信が入り、それを見た雪音は顔を険しくする。
雪音「……杏林先輩からの連絡です。どうやら現在…津久代の生徒達がこちらに向かっているようです」
時雨「えっ!?」
賢昇「早速侵略ってわけか…」
時雨「と、兎に角行かないと!」
賢昇「だな」
聖「…なら、私も…うっ…」
時雨「藍羽先生!…無理しないでください。それに、藍羽先生にも聞きたいことはありますから。皆はここと、藍羽先生をお願い」
凪桜「分かった」
咲穂「お任せください」
調「が、頑張ります!」
雪音「…気を付けてくださいね」
時雨「…うん」
雪音から津久代生徒達が照羅巣方面へ向かっていると聞き、時雨と賢昇が向かおうとし、聖も着いて行こうとするが、胸を押さえて蹲ったために止められ、他のメンバーと共に残ることとなる。
部室棟を出た時雨と賢昇はツクモブースターへ搭乗し、現場へ急ぐ。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「あれみたいですね…!」
賢昇「ったく、仰々しいじゃねえか」
汰月「……」
時雨と賢昇が駆け付けると、前方から青色の戦士・オンミョウトルーパー(青)となった津久代生徒達と、それ等を率いる汰月が現れる。
賢昇「やってや…(アイツと戦って、大丈夫なのか?)っ…」
時雨「降谷君…ここは僕に任せてくれませんか」
賢昇「妖魔…いけんのかよ」
時雨「…はい」
汰月に対して対抗しようと電書ドライバーを取り出した賢昇だったが、相手が汰月であるが故に躊躇ってしまう。
しかし、その様子を見た時雨は自ら汰月との戦いに名乗り出ると、その瞳から賢昇は意志の強さを感じる。
賢昇「…分かった。……すまねえ」
時雨「良いんです。……これ以上、日島君に誰も傷付けてほしくない…それだけですから」
《聖獣之書!》
時雨「…だから、例え力尽くだとしても…あなたを止めます!」
《鳳凰!》
汰月「……」
《ミズチ!》
《聖獣装填!》
《インストール!》
時雨「…変身!」
汰月「変身」
《聖獣装着!変化!
聖炎復活!鳳凰ヨロイ!》
《デンシソウチャク!ヘンゲ!
激流Splash!ミズチヨロイ!》
霊魂「……」
妖魔「はっ!はあっ!はああっ!」
時雨は妖魔 鳳凰ヨロイへ、汰月は霊魂 ミズチヨロイへと変身し、互いに攻勢を取る。
霊魂はレーザーガンモードのアヤカシレーザーアタッカーを連射し、妖魔はそのレーザー弾を妖之流星刀で斬り捌くと、大きく跳躍し、斬りかかる──。
妖魔「はああっ!!」
⭐︎⭐︎⭐︎
次回!仮面ライダー妖魔!
時雨「絶対に、日島君を元に戻してみせます!」
汰月「……」
妖魔vs霊魂、対決の行方は──
リュウジン「こうなったら、幽世に向かうしかないかもな」
咲穂「幽世…?」
リュウジン「モノノケ達が本来住まう世界、とでも言おうか」
時雨「リュウジンさんの…本来の力?」
モノノケ達の世界へ突入!?
都黎「新たな…妖魔…!」
第弍拾壱話「龍神覚醒!手掛かりは幽世にあり!」
日曜午後9時!
第二十話をご覧いただきましてありがとうございます!
今回は藍羽先生の変身となりました!
前々から何かありそうな様子を見せてはいましたが…遂にその内容が明かされ始めたかと思います。
そしてどうやら彼は時雨達より前から仮面ライダーのようですが…その辺りに関しては今後描いていく予定ですので、是非ともお楽しみに!
次回は妖魔と霊魂の対決に、新たな妖魔=新形態の登場と盛りだくさんの内容となっております!是非ともお見逃しなく!