リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!
敵に回った汰月を止めるべく戦いを挑む時雨!しかし汰月を連れ戻すことは出来なかった…。
敵に対抗するため、リュウジンの真の力を得るべく時雨達は幽世へと向かい、龍神アヤダマを獲得する!
そして…妖魔 龍神ヨロイが爆誕する!」
⭐︎⭐︎⭐︎
《逆鱗解放!龍神ヨロイ!》
暗夜「新たな…妖魔…!」
妖魔「…はあっ!!」
暗夜「ぐっ…!何という力…!」
ウワン「ウオオオオン!!」
妖魔「!ふっ、はああっ!」
ウワン「グギャアア!!」
妖魔は一気に距離を詰めると、暗夜に重い拳を叩き付ける。そして、ウワンの口から放たれた強烈な咆哮をものともせず受け止めると、横蹴りで大ダメージを与える。
暗夜「馬鹿な…知性を失うほどの強力な魂壊の術を施しているのに力負けしているだと…!?」
妖魔「まだまだ…!ふっ!はああっ!!」
暗夜「くっ…」
ウワン「グゥッ!」
賢昇「俺の出る幕…なさそうだな」
妖魔は接近して回し蹴りを放つことで暗夜とウワンを怯ませる。
そして、その強さを目の当たりにした賢昇は自身の出番はなさそうだと呟く。
妖魔「これなら…いける!」
暗夜「…調子に乗るなよ!」
妖魔「は!はああ…はあーっ!!」
雪音「あれが…妖魔の真の力…」
暗夜「くっ…ならば」
妖魔に対して、闇から現れての不意討ちを仕掛けた暗夜だったが、硬い鱗によって防御姿勢すら取らずに防がれ、逆に刀身を掴まれて闇夜月を封じられ、連続のストレートパンチを浴びて吹き飛ばされる。
しかし、何かを思い付いた様子の暗夜は闇のゲートをウワンの頭上に開く。
賢昇「何だ?」
暗夜「何をしている。さっさと奴を始末しろ」
ウワン「!?グッ…うああ…うぐあああああっ!!!」
雪音「巨大化しましたか…!」
暗夜の開いた闇の中から大量のブランクのアヤダマが降り注ぎ、ウワンに吸収されていくと、ウワンは苦しみながら巨大化する。
ウワン「ウワアアアアンッ!!」
妖魔「うわっ!?凄い揺れ…!」
雪音「は、離れていても耳に来ますね…!」
賢昇「くっ…うるせぇ…!」
巨大化したウワンの口から放たれた特大の衝撃波が妖魔を襲い、直撃していない箇所にすら影響を及ぼす。その威力には流石の妖魔も若干怯む。
妖魔「なら…こうです!」
《猛龍之刻!
逆鱗抵触!龍神ヨロイ!猛龍!》
しかし、大して効いた様子も見せない妖魔は龍神アヤダマ上部にある逆鱗押陣を押し込む。
すると、胸部装甲と一体化していた龍の頭部分が顔に装着され、腕の爪は前面に押し出される。脚は折り畳まれ、脛にある龍の脚の爪を模した装甲が太腿の龍の脚のようになっていく。最後に腰から垂れ下がっていた龍の尾はうねり始め、脚部装甲の一部が先端に合体することで完全な状態となる。まさに怒れる龍の如き姿…妖魔 龍神ヨロイ・猛龍之刻へと姿を変えたのだった。
賢昇「マジか…」
雪音「す、凄いですね…」
妖魔「はあああっ!!」
ウワン「グオオオ…!」
妖魔は飛翔してウワンに接近すると、尾を打ちつけて怯ませる。
妖魔「はっ!はあっ!!」
ウワン「グギッ…!」
妖魔は更に爪による連撃を叩き込み、ウワンを追い詰めていく。
妖魔「エピローグと…いきますよ!」
《一・撃・必・殺!》
《逆鱗猛撃!》
妖魔「はああ…はあーッッ!!」
ウワン「うぐああああっ!」
龍神アヤダマ上部の逆鱗押陣を押し込んだ妖魔は口に稲妻のエネルギーを集めると、再度逆鱗押陣を押し込み、稲妻のエネルギーを束ねた状態でウワンに向けて一気に解放し、雷撃のブレスがウワンを貫く。
妖魔「後はあなただけです…!」
暗夜「…!」
龍神ヨロイに戻った妖魔は暗夜の前に立ち、緊張感がその場に漂う。
《一・撃・必・殺!》
《スペシャルムーブ!》
《逆鱗剛撃!》
《常闇ストライクフィニッシュ!》
妖魔「これで決めます!」
暗夜「負けて堪るか…!」
妖魔「はあーっ!!」
暗夜「くっ…!」
妖魔「はああ…うっ…これは…?っあああっ!!」
暗夜「ぐああっ!!」
妖魔は雷を纏わせた右脚で跳び蹴りを繰り出し、対する暗夜は闇のオーラを纏わせた高蹴りでその一撃を迎え撃ち、何とか耐えようとする。
拮抗しつつも、僅かに暗夜が押され始めるが、突如そこで妖魔の身体に黒い電流が走り、妖魔も苦しみ出す。
結局、激突の末暗夜は吹き飛ばされるが変身解除を免れ、妖魔も地面に落ちる。
賢昇「何だ…?」
雪音「一体何が…」
暗夜「くっ…撤退といくか」
賢昇と雪音は目の前の光景に困惑し、暗夜は這々の体で闇に身を包み撤退する。
妖魔「うっ…く…っああっ!!」
賢昇「おい、大丈夫か!?」
時雨「はぁ…はぁ…急に身体が痺れて…」
雪音「一体何がどうなっているのでしょう…」
リュウジン「これは…兎に角急いで戻ろう」
急に変身を解除し、苦しそうにする時雨を心配する賢昇と雪音だったが、リュウジンの提案で現世へ戻ることに。
⭐︎⭐︎⭐︎
第弐拾弍話「緊急参戦!?新たな刺客!」
時雨「……まさか、反動があるなんて…」
凪桜「時雨先輩…」
時雨「だ、大丈夫だって。もう元気になったし」
照羅巣高校の保健室のベッドに、時雨が寝かされていた。
心配そうにその顔を覗く凪桜を含め、その場の全員にリュウジンが事情を説明する。
賢昇「そんで?今回の件はどういうことなんだ?どう考えてもこのアヤダマが原因だろ」
リュウジン「…そうだな。間違いなく、龍神アヤダマの影響だろう」
雪音「しかし、そんな副作用があるとは思ってもいなかった…そんな様子ですね」
リュウジン「ああ。本来なら、龍神アヤダマを使ってもああはならない。あれは恐らく…神の力を強引に使おうとしたことで起きる反作用…といったところか」
リュウジンは真剣な様子で時雨の身に起きたことを語る。
咲穂「神の力を強引に使ったから…」
調「分かるような…分からないような」
賢昇「もうちょい分かりやすく説明してくれ」
リュウジン「その辺については聖、お主は詳しいのではないか?我の見たところではお主の使うその力…まさしく古の神の力だと思うが」
聖「!…バレちゃってましたか」
雪音「どういうことですか?」
リュウジンから水を向けられた聖は自身の使う神羅の力について説明する。
聖「私の使う神話ドライバーは、古の、名すらも碌に残っていない神の伝承を封じたものだったんだ。しかし、掠れて力が発揮出来なくなっていたその書を、夜御哉さんが外部からのアプローチをかけることで力を引き出せるようにした…それがこの神話ドライバーなんだよ」
凪桜「けど、それって神の力を強引に使ってることにならない?」
聖「うん。だから…これを使うってことは優れた陰陽師にとってでさえ、命懸けだった」
時雨「先生は大丈夫なんですか!?」
聖「まあね。私の場合、ちょっとした特殊体質でね。私は妖力の類の影響を極めて受けにくいんだ。故に、神話ドライバーの反作用すらも受けにくい。…まあ、裏技みたいなものだけど。
…兎に角、だからこそ、私は今もこうして生きているんだ」
神羅という危険な力を聖が扱えるわけを説明した聖に、その身を案じる時雨達は一安心する。
時雨「じゃあ…僕に起きてるのも…」
リュウジン「反作用だろうな。…しかし、本来なら起きるのがおかしいんだ。我が時雨を信じ、認めている以上、力を引き出せないはずがないんだがな。だからこそこの程度の反作用で済んでるとも言えるが……。
そもそも、さっきの戦闘では龍神の本来の力が引き出せていなかったしな」
賢昇「あれで万全じゃねえのかよ」
時雨の身に起きていることも神の力の反作用だとリュウジンは語り、本来の力を引き出せていなかったことに賢昇は驚く。
リュウジン「勿論。我の力はもっと凄いんだぞ。…は!もしかして時雨…」
時雨「は、はい…」
リュウジン「お前実は我のことを信頼していないとか!?」
時雨「そんなことないですよ!リュウジンさんのことはとっても頼りにしてます!」
リュウジン「そうかそうか…なら何でダメなんだ!?」
原因が分からず頭を悩ませる一同。そんな中、リュウジンは時雨に注意する。
リュウジン「まあ、原因が分かるまで極力使わないようにしよう。いくら軽めの反動といっても身体への負荷が大きいことに変わりはないからな」
凪桜「それが良い」
時雨「そう…ですね」
仲間達から龍神ヨロイの使用を控えるように言われ、それを受け入れた時雨だった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
その日の夜、賢昇は佐乃緒へと戻っていき、時雨は部室棟の外にあるベンチに座って空を眺めていた。
時雨「……」
凪桜「時雨先輩、こんな所にいた。身体冷やすから早く戻った方がいい」
時雨「凪桜ちゃん…。そうだね、ごめん」
凪桜「謝らなくてもいい」
時雨を心配して探しに来た凪桜に、返事し、時雨が戻ろうとしたところで凪桜が隣に腰掛けてくる。
時雨「凪桜ちゃんはどうして?」
凪桜「時雨先輩にも伝えとこうと思って。津久代の星海先輩について」
時雨「ああ。確か日島君が敵にされたから、今は田貫教授の所にいるんだっけ?」
凪桜「そうだったんだけど、狙われてることもあって当分は降谷賢昇の力も借りて幽世の地獄府で匿ってもらうことにしたんだって」
時雨「ああ、鍵貰ってたからね」
時雨に星海の現状について伝えに来た凪桜。それを聞いた時雨が理解したのを見ると、少しの間押し黙り、そして口を開く。
凪桜「……悩み、あるの?」
時雨「!」
そして放たれた問いに、時雨は暫しの逡巡の末…答える。
時雨「……うん。…雨辺晴朗さん…先代の妖魔は、この力もきっと使いこなしてたんだろうな…って」
凪桜「時雨先輩…それは──」
時雨「分かってるんだ。比べても仕方ないって。そもそも先代は1000年も前の人だしね」
凪桜「…私は時雨先輩を信じてる。それだけは…覚えておいて」
時雨「!……うん。ありがとう」
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「桃原さんからメッセージが届いた…?」
雪音「ええ…『照羅巣中央広場に、歴史研究部の皆と一緒に来てほしい』と」
凪桜「どう見ても罠だ」
咲穂「そんな気もしますね…」
調「…この騒動を起こした一人だもんね…」
聖「そうだね。…けど」
時雨「はい。行かないと、話が進みません。…物語的に言ったら、スルーできないイベントってところかな」
翌日の放課後、夢華から歴史研究部に向けてのメッセージが届けられる。
警戒していた面々だったが、無視も出来ないという理由で向かうことに。
時雨「……ここですね」
夢華「やっほー、雪ちに晴っち、それに歴史研究部の皆、よく来てくれたねー」
雪音「何のつもりですか、夢華さん」
こんな大惨事を起こしたとは思えないような呑気な発言に、雪音は厳しい表情でその真意を問いただす。
夢華「そんな怖い顔しないでよー。別に授業が止まってるとか、そんなわけじゃないんだしさー」
雪音「そういう問題ではありません。生徒間の不和を煽って争わせるなんて、何を考えているのですか?」
時雨「既に各校で負傷する生徒が現れてます。もうこんなことは止めましょう!」
夢華「無理かなぁ。悪いけど、私も譲れないんだ」
時雨と雪音の言葉にも飄々とした様子で返す夢華は、本題を切り出す。
夢華「でさ、今回呼んだのは、晴っちにも正式に他校との戦いに参加してもらおうと思って」
時雨「!そんなこと、出来ません」
夢華「そう?んー…なら仕方ないか。これ見れば、飼い慣らされてくれる?」パチンッ
夢華の提案を断る時雨に、少しだけ考えると、夢華は指を鳴らす。
すると、広場の奥から狐面を付けたオンミョウトルーパー(黄)とそれに捕えられた透が連れてこられる。
時雨「!?」
雪音「杏林先輩!」
聖「桃原君、これは…!」
透「すまない…下手を打ってしまったようでね…っ」
夢華「こそこそ嗅ぎ回ってたから捕まえてあげたの。引退して卒業間近なんだから大人しくしてれば良かったのにね」
雪音「夢華さん…!」
透を取り押さえていた夢華に、雪音は非難の声をあげる。
時雨「この狐面…まさか雪音ちゃんの家を襲撃したのも…?」
夢華「うん。私の仕業だよ」
時雨「どうしてそんなこと…二人は幼馴染の親友じゃないんですか!?」
夢華「そうだよ。…だから、なるべく傷付けないようにしたじゃん。雪ちを一日でも封じられれば、宣戦布告は行えるからね」
時雨「それで、学園同士の抗争が起こせるって、そう思ってたんですか?」
夢華「実際起こせたでしょ?…反人間連合様々だね。見せたげるよ、私の力。それで、安心して飼い犬になってね、晴っち」
時雨「アヤダマ…!」
雪音「…夢華さん…!」
夢華は何でもないことのように語ると、薄桃色の天狐アヤダマを取り出す。
《天狐!》
夢華「さーて、いくよー」
《天狐…》
凪桜「副会長がモノノケに…!」
咲穂「一体何が…」
時雨「……!」
テンコ「さあ、かかってきなよ」
オンミョウY「うう…」
オンミョウY「ああ…」
夢華は天狐アヤダマを起動し、自身の中に取り込むことで薄桃色を基調とした姿のモノノケ…テンコへと姿を変える。
そして、狐面の付いたオンミョウトルーパー(黄)達を操って時雨達に差し向ける。
時雨「うわっ!…ごめんなさい!」
聖「すまないが…ちょっと大人しくしててもらおうかな」
時雨と聖はオンミョウトルーパー(黄)達を突き飛ばしたり体術を駆使していなすことで距離を置くと、それぞれ妖書ドライバーと神話ドライバーを装着する。
聖「やるしかなさそうだ」
時雨「…はい!」
《龍!》
《第一段階解放》
《装填!》
「「変身!」」
《憑依装着!変化!
登竜大成!龍ヨロイ!》
《神格装着…ヘンゲ
System of Mythology.
神羅…Liberation.》
時雨と聖は戦う覚悟を固めると、妖魔 龍ヨロイと神羅へと同時変身する。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨と聖が交戦を開始した頃、津久代と佐乃緒の境目で、オンミョウトルーパー(青)とオンミョウトルーパー(赤)との戦いが起こっていた。
賢昇「またかよ…仕方ねえ!」
汰月「……」
それを止めに来た賢昇がギュウキ電子アヤダマを構えて向かって行こうとしたところで、その行手を汰月が塞ぐ。
賢昇「霊魂…お前」
汰月「……」
《ミズチ!》
賢昇「飽くまでも邪魔するってか…上等だ!」
《ギュウキ!》
《インストール!》
賢昇「変身!」
汰月「…変身」
《デンシソウチャク!ヘンゲ!》
《激流Splash!ミズチヨロイ!》
《猛火Burning!ギュウキヨロイ!》
幽冥「ダアアァッ!」
霊魂「……」
汰月は霊魂 ミズチヨロイへ、賢昇は幽冥 ギュウキヨロイへと変身すると、幽冥はレーザーブレードモードのアヤカシレーザーアタッカーを振り上げて斬りかかり、霊魂はレーザーガンモードのアヤカシレーザーアタッカーで迎え撃つ。
幽冥「効かねえ!効かねえ!効かねえなぁ!!」
霊魂「……」
幽冥「随分と沈黙寡言な感じになっちまったなぁ!…前は口を開けば減らず口ばっか垂れてやがった癖によ…!」
霊魂の放つビームを斬り捌きながら接近する幽冥は、霊魂に対して嫌味をぶつけながら猛攻を加える。
幽冥「もう終わりか!はああっ!!」
霊魂「……」
幽冥「!ぐっ…!」
幽冥の猛攻を受け切れず、霊魂がふらついた隙を突いてアヤカシレーザーアタッカーを振り上げた幽冥だったが、霊魂の不意を突く銃撃により、逆にダメージを受けてしまう。
幽冥「…この動き方、妖魔と戦った時は機械みてえな動きだったが、今は違う。こいつ霊魂の動きを再現してやがんのか…!」
霊魂「……」
幽冥「チッ…こうなったら一気に決着付けてやる!」
《スペシャルムーブ!》
霊魂「……」
《スペシャルムーブ!》
幽冥「はあああ…!」
《猛火ストライクフィニッシュ!》
霊魂「……」
《激流ストライクフィニッシュ!》
幽冥「はあーっ!!」
霊魂「……」
幽冥「はああ!!…つあっ!!」
霊魂「……っ」
霊魂と幽冥は同時に水流を纏わせた跳び蹴りと火炎を纏わせた跳び蹴りを繰り出してぶつけ合うが、拮抗の末に互いの攻撃が相殺し合った結果、どちらも後方に吹き飛ばされる。
幽冥「くっ…」
霊魂「……」
幽冥「おい待て!……クソッ…」
幽冥と戦った霊魂は、立ち上がると地面に向かってアヤカシレーザーアタッカーを撃ち込んで煙を立て、それに紛れて姿を消す。
⭐︎⭐︎⭐︎
神羅「はっ、ふっ!」
オンミョウY「うっ」
オンミョウY「なっ」
妖魔「はああっ!」
テンコ「えー、手加減してる?もしかして。本気出してくれないとつまんないなぁ」
神羅はオンミョウトルーパー(黄)達の攻撃を受け止めつつ、狐面を殴り砕いていく。
一方の妖魔はテンコ相手に向かっていくが、その手を軽く片手で受け止めたテンコは、煽るようなことを言う。
テンコ「えいっ!」
妖魔「っああっ!!」
テンコの爪の攻撃を受けた妖魔は吹き飛ばされ、地面を転がる。
リュウジン『何しているんだ時雨!しっかり戦わないとやられるぞ!』
凪桜「時雨先輩!負けないで!」
妖魔「っ…分かった!はああっ!」
テンコ「無理無理、そんなの当たりっこないよー」
妖魔「!?消えた…」
テンコ「えーいっ!」
妖魔「っああ!!」
リュウジンと凪桜からの叱咤を受けた妖魔は再度立ち上がると拳を振り上げてテンコに向かっていくが、その攻撃が当たる間際に、テンコの姿が
そして、妖魔の攻撃は空を切り、突如背後から現れたテンコの蹴りを喰らって再び地面を転がる。
妖魔「な、何が起きて…」
テンコ「ねえ、それ本気じゃないでしょ?どうしたら本気出してくれるかな…そうだ!この子達を紹介しよう!」
妖魔「…?」
テンコ「おいでー」
テンコが呑気にそう言って桃色の炎を放つと、妖魔達にとって見覚えしかないシルエットが桃色の炎の中から現れる。
現れたのは檮杌、渾沌、饕餮、窮奇。…緊急総会の日、会場を襲撃した四凶だった。
妖魔「四凶…!」
神羅「!厄介なのが来たな…」
妖魔「一体どういうつもりですか!?」
テンコ「どういうも何も、この子達は晴っちの将来の同僚だよ?つまり…照羅巣の戦力ってこと」
妖魔「…!」
現れた四凶を照羅巣の戦力などと言い始めるテンコに妖魔が絶句していると、テンコは更にとんでもないことを言い出す。
テンコ「まだ本気出してくれない感じ?…しょーがないなぁ、じゃあ…歴史研究部の子達を四凶達に襲ってもらおうか」
妖魔「なっ…」
テンコ「だってさ…別に晴っちの力さえ手に入ればどうでも良いし。ほら、行きな。あ、雪ちには手を出さないでね」
檮杌「ウゥ…」
窮奇「ヒヒッ…」
饕餮「む…」
渾沌「ウェァア…?」
神羅「くっ…生徒達をあまり傷付けるわけにもいかない…か!」
神羅は妖魔の援軍に向かおうとするが、嗾けられたオンミョウトルーパー(黄)相手に全力で攻撃するわけにもいかず、その対応に追われる。
妖魔「……こうなったら…やるしか…」
《龍神!》
神羅「!晴河君…まさか」
妖魔「…桃原さん。あなたに、皆は傷つけさせない!そのためにも、お望み通り本気で…相手します!」
テンコ「…!」
《装填!》
《憑依装着!変化!
逆鱗解放!龍神ヨロイ!》
神羅も動けない今、仲間を守るために覚悟を決めた妖魔は龍神ヨロイへとパワーアップを遂げる。
妖魔「はあああっ!!」
檮杌「ぬあっ!」
窮奇「ヒヒッ!?」
妖魔「はっ!!」
渾沌「ぐふぉ…?」
妖魔「はああっ!」
饕餮「ぐゥッ…」
妖魔は凪桜達の方へ向かっていた四凶の元に突撃すると、回し蹴りで檮杌と窮奇を蹴り飛ばし、続けて渾沌に重いボディストレートを叩き込み、饕餮を前蹴りで突き放す。
凪桜「これが龍神の力…」
窮奇「ヒヒヒ…!」
妖魔「!その手は通じません!!」
窮奇「ヒッ…!」
窮奇は大鎌“漱石枕流”を振るって空間を切り裂くが、一度受けた攻撃のために妖魔には見切られ、避けられた上でカウンターのストレートパンチを受ける。
檮杌「ぬうっ!」
妖魔「はああ…はっ!!」
渾沌「ぐふぇ…!?」
檮杌「ぬぐあっ!!」
渾沌「ぐふぁあ!!」
鉈“難訓”を振り上げて接近してくる檮杌に対し、妖魔はその一撃をものともせず受け止めた上でワンツーパンチを叩き込んで檮杌を殴り飛ばし、その後ろから渾沌が弩弓“
饕餮「グルル…ッ!」
妖魔「おっと…はあ!はあーっ!!」
饕餮「ぐがあっ!」
饕餮は妖魔目掛けて右腕に付いた口“求不得苦”で妖魔の放つ雷のオーラを喰らって雷を纏わせた噛みつきを繰り出そうとするが、妖魔に右腕を掴まれて防がれ、そのまま回し蹴り二連発を浴びて地面を転がされる。
テンコ「うわぁ…強いねー。ここまでは想定外かな。なら、私とも手合わせしてもらおうか」
妖魔「はっ!」
テンコ「ふふっ」
妖魔「!幻…」
妖魔の圧倒的な強さを前に四凶達は吹き飛ばされ、地面を転がってくる。そして、その様を見たテンコは自ら妖魔に攻撃を仕掛ける。
妖魔が拳でそれを迎え撃つと、拳は空を切り、テンコの姿は消えてしまう。
テンコ「こっちだよー!」
妖魔「くっ…」
テンコ「こっちこっち!」
妖魔「ふっ!」
神出鬼没なテンコの攻撃に妖魔は防戦一方となってしまう。
妖魔「こうなったら…!」
《一・撃・必・殺!》
テンコ「はあっ!」
妖魔「今!」
《逆鱗剛撃!》
妖魔「はああっ!!」
テンコ「!?っ!!」
妖魔「外した…?いや…」
テンコの攻撃を追うのではなく、迎え撃つことに決めた妖魔は右脚に稲妻を集めつつ攻撃を待ち、テンコの爪の一撃を受けた瞬間に稲妻を迸らせた回し蹴りを放つことでテンコを蹴り飛ばす。
テンコ「避けたはずなんだけどね…やるじゃん、晴っち。けど…その姿はめっちゃ強いけど…燃費に難ありって感じかな?」
妖魔「!っ…」
凪桜「時雨先輩!」
雪音「時雨君!」
テンコは攻撃の回避を試みたものの、微かに当たっていた妖魔の攻撃によって少なくないダメージを負う。
しかし、その一方で妖魔も反動のダメージが溜まったことで変身が解けてしまう。
テンコ「…ま、今回は撤退といくよ。杏林先輩も返したげる」
透「桃原…」
神羅「桃原君…」
テンコ「この状態で先生とやり合うのは避けたいしね。バイバーイ」
雪音「夢華さん!」
時雨「桃原さん!」
テンコは生徒達を戻した上で駆け付けてきた神羅に目をやると、透を解放させた上で、残った生徒達と共に桃色の炎に包まれて姿を消す。
時雨「……」
⭐︎⭐︎⭐︎
夢華「わ、急に現れないでよ。ビックリしたなぁ」
都黎「そうか。…妖魔にしてやられたようだな」
夢華「えー、リアクション薄ーい。っていうか、ねえ、晴っちがあんな強い力を持ってるって聞いてないんだけどー」
都黎「少し前に出て来たばかりだからな。情報共有が間に合わなかっただけだ」
夢華「…ホウレンソウって知ってる?」
都黎「?野菜だろ」
夢華「はぁ…」
その日の夜。すっかり暗くなった照羅巣高校の生徒会室で物思いに耽っていた夢華の背後に、闇の中から都黎が現れる。
その様子に驚きつつも、龍神ヨロイという未知の相手と戦う羽目になった夢華は都黎に苦情を言うが、ズレた回答に夢華は溜め息を吐く。
都黎「何に怒っているのか知らんが、こちらからも言いたいことがある」
夢華「何?」
都黎「お前、
夢華「ああ、そのこと。ごめんごめん。どうせ晴っちがあの子達を見捨てるわけないと思ってたからねー」
都黎「…ふん」
苦情に対し、苦情で返された夢華は、自身の意図を弁解する。
そして、悪くなった空気を誤魔化すように話を振る。
夢華「そんなことよりさー、計画進めるんでしょ?」
都黎「…ああ」
夢華「ちゃーんと壊してよね、この街を」
都黎「…案じなくとも、俺達…
夢華「なら良いけど」
二人がそんな会話をしていた頃、凪桜は旧部室棟の自室として使っている部屋にて、真黒の形見であるフォンモードのブンプクブラストフォンを握りしめていた。
凪桜「……」
⭐︎⭐︎⭐︎
次回!仮面ライダー妖魔!
聖「私に一つ案があるんだ」
時雨「白石さんの遺した情報を探すと」
澄香「あなたが今の先生の教え子の…」
真黒が遺した情報を追って…
聖「ヌラリヒョンの能力について…」
時雨「世模継学院高校…ってなんですかね?」
都黎「だからお前は弱い!」
時雨「僕は諦めない!前へ進んで、強くなる!」
辿り着く、隠された真実
時雨「う、嘘だよ…こんなの…」
第弍拾参話「深まる迷い…糸口模索」
日曜午後9時!
仮面ライダー妖魔をご覧いただきありがとうございます!
鳳凰/麒麟ヨロイに続く強力な力として龍神ヨロイを手に入れた時雨ですが…どうやらその力も一筋縄ではいかないようです。
神の力というものの重さ、そして時雨がリュウジンや時雨自身とどう向き合うのか、是非ともご注目いただけると嬉しいです。
そして一方では夢華はアヤダマを用いてモノノケの力を手にします…新たなスタイルの敵の出現も含めて混沌としていく状況が、どう動いていくか、どうぞお見逃しなく!