リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!
汰月を助けるために天狐アヤダマを必要とする時雨達!
幼馴染として因縁に決着を付けるべく、自ら仮面ライダー氷雪となった雪音はテンコとなった夢華との激戦の末に勝利!夢華を元に戻すことに成功するのだった…」
⭐︎⭐︎⭐︎
夜御哉「完成したぞ!」
時雨「本当ですか!?」
凪桜「これって…巻物?」
貴真賀中央大学の理工学部特別研究室にて、夜御哉は意気揚々と完成した物を見せる。
夜御哉「うむ。巻物型の新型ドライバー…その名も“
完成したのは銀色を基調とした外見の巻物型のドライバー。中央には発見された阿修羅アヤダマが最初から固定されており、装着者から見て左側の芯が黒いダイヤル、右側の芯が黒いスイッチとなっている。その名も“三面ドライバー”。
時雨「あれ、最初からアヤダマが装填されているんですね」
夜御哉「ああ。これは阿修羅アヤダマの力を引き出す専用のドライバーだからね」
雪音「なるほど…」
時雨「じゃあ早速試してみよう」
夜御哉「そうだな。どんな感じになるか、見せてくれ」
時雨「いきますよ…!変身!」
シーン…
時雨「あ、あれ?えっと…変身!」
シーン…
時雨は阿修羅アヤダマを押し込むと、ダイヤルを回し、スイッチを押す。しかし、何も起きない。
再度同じ手順を踏むが、それでも何も起きない。
凪桜「時雨先輩、手順間違えてるんじゃない?」
時雨「ええっ!?」
夜御哉「い、いや、間違っていないはず…何故上手くいかないんだ…?」
咲穂「何でしょうね…?」
調「うーん…何か条件が足りないのかな」
雪音「もしかするとアヤダマの方に何かあるのかもしれませんね」
時雨「アヤダマの条件…もしかしたら認めてもらわないといけないとかですかね?」
夜御哉「その可能性もなくはないだろうが…」
時雨「だったら、出来ることをやりましょう!暫くドライバーを持ってみます!」
夜御哉「ああ。任せたぞ。どうしても上手くいかなかったら持ってきてくれ」
時雨「はい!」
時雨は三面ドライバーが起動出来ないのはアヤダマ側が理由ではないかと考え、暫く預かることにするのだった。
⭐︎⭐︎⭐︎
第弍拾漆話「友情の三者団結!」
時雨「とは言っても…一体どうしたら認めてくれるのかな…」
凪桜「キリンの時みたいに話せるわけじゃないし…」
雪音「根気強くやっていく必要がありそうですね」
貴真賀地区からの帰り道、時雨達は三面ドライバーを扱う条件について話し合う。
咲穂「まあ、分からないことは一度置いておくとして…楓山さんが桃原さんのアヤダマを回収してくれたお陰で、日島君を助けられるようになりましたね」
時雨「うん。だから…どこかで日島君を正気に戻すつもりなんだけど…」
調「今は治安維持委員会の皆さんと連絡を取り合ってる状況で……って、噂をしてたら。はい、霧宮です。……えっ?」
凪桜「調、何かあった?」
調「た、大変です!津久代の軍勢が、貴真賀に向かって来てるって…!」
時雨「えっ!?」
凪桜「まさか、私達を狙って…?」
思いもよらないニュースに時雨達が困惑していると、遠くから呼びかける声が。
夢華「あ、皆いた〜!!!」
雪音「夢華さん」
夢華「皆、マズいことになったよ!」
咲穂「な、何があったのですか?」
夢華「照羅巣に残っていた過激派の子達が一斉に貴真賀に向かってきてて…」
時雨「!…じゃあ、僕達を狙ったのじゃなくて…」
凪桜「また大激突し始める気ってわけか」
駆け付けた夢華の伝える情報から、漸く時雨達は状況を正しく理解する。
夢華「ごめん。止めようとしたんだけど…聞く耳持たずで…」
雪音「仕方ありませんよ。彼等にとってあなたは都合の良いリーダーだから言うことを聞いていただけで、暴徒と化した今の生徒達を御すことは不可能に近いです」
時雨「兎に角止めないと…って、降谷君から電話…?」
凪桜「既に嫌な予感が…」
落ち込む夢華を宥める雪音だったが、そんな中で今度は賢昇から連絡が来る。
賢昇『よう、今お前どこいる?』
時雨「た、貴真賀ですけど…」
賢昇『ああ、それなら丁度良いか。今そっちにウチの馬鹿どもが向かってんだ。俺も後から追うから、すまねえが止めといてくれねえか』
時雨「は、はい…」
調「その…時雨部長…」
時雨「佐乃緒も、こっち来てるって…」
咲穂「矢張りですか…」
リュウジン「…!どうやらあっちで騒ぎが起きてそうだぞ」
フラグ回収、と言うべきか案の定三校での乱闘騒ぎになることが確定してしまったが故に、時雨達の間に緊張感が走る。
そんな中、リュウジンの言葉で、騒ぎが既に起きていることを悟った時雨達は現場へ向かう。
凪桜「アレか」
調「見事に争ってる…」
咲穂「ですね…」
時雨「まずは彼等を止めよう!雪音ちゃん!リュウジンさん!」
リュウジン「ああ!いくぞ!」
雪音「そうですね」
《龍神!》《真打!》
《『真価覚醒!』》
《ユキオンナ!》
《装填!》
《インストール!》
「「変身!」」
《憑依装着!変化!
『画竜点睛!龍神ヨロイ!真!』》
《デンシソウチャク!ヘンゲ!
凍結Blizzard!ユキオンナヨロイ!》
時雨は雪音と共に争っているオンミョウトルーパー達の前に立つと、妖魔 龍神ヨロイ・真と氷雪 ユキオンナヨロイへの同時変身を果たす。
オンミョウY「仮面ライダー!?」
オンミョウB「一人見覚えないのが増えてる…?」
オンミョウR「邪魔すんなら痛い目に遭わしてやる!」
氷雪「期待の新星、といったところでしょうか。お相手して差し上げます」
妖魔「…いこう!」
妖魔と氷雪は飛び出すと、向かってくるオンミョウトルーパー達をいなしていく。
氷雪「時雨君!」
妖魔「うん。力を合わせていこう!」
「「はあああっ!!」」
オンミョウB「こ、凍った…!?」
オンミョウY「動けない…!」
オンミョウR「くそっ…!」
氷雪の合図に乗った妖魔は旋風を発生させ、氷雪の放つ冷気を乗せて放つことでオンミョウトルーパー達の下半身を一気に凍り付かせ、その動きを止める。
妖魔「よし、後はキリンさんの力で…」
氷雪「!時雨君!危ないです!」
妖魔「えっ?おっと…!?」
霊魂「……」
氷雪の声に後ろを見た妖魔は、後ろからレーザーブレードモードのアヤカシレーザーアタッカーで斬りかかってくる霊魂に気付くと、龍神之大砲剣を用いてその一撃を受け止める。
氷雪「時雨君、大丈夫で──きゃっ!」
妖魔「!雪音ちゃん!…あなたは…!」
オオガマ「ケッヒッヒッ…肉体の再生に時間がかかっちまったが…その間に随分と面白えことになってんなぁ」
妖魔「オオガマ…!」
妖魔の方に気を取られた氷雪を、突然伸びてきた舌が打ち据える。
その攻撃の主は暫く姿を見せていなかったオオガマだった。
霊魂「……」
妖魔「くっ…!」
オオガマ「ケヒヒッ!ぐあっ!!」
幽冥「お前の相手は俺だ」
妖魔が霊魂の攻撃を受けている隙に横から攻撃しようとするオオガマを、背後から二重の銃撃が襲う。
レーザーガンモードのアヤカシレーザーアタッカーとブラストモードのブンプクブラストフォンを携えた幽冥だった。
妖魔「降谷君!」
幽冥「妖魔!霊魂を助けんだろ!コイツは俺が相手しといてやる!今のうちにやっちまえ!」
氷雪「生徒の皆さんは私が抑えます!」
妖魔「!分かりました!凪桜ちゃん!」
凪桜「任せて」
妖魔「お願い!…はああああっ!!」
霊魂「……」
幽冥がオオガマを、氷雪がオンミョウトルーパー達を相手取ることになったことで余裕が出来た妖魔は、改めて霊魂と対峙する。
⭐︎⭐︎⭐︎
《インストール!》
霊魂「……」
妖魔「はっ!はあっ!はあー!…日島君の心を…取り戻す!」
霊魂がミズチ電子アヤダマを装填して放つ激流の弾丸を、妖魔は連続斬撃で完全に斬り払う。
妖魔「はっ!はあ!!」
霊魂「……!」
妖魔(連絡はお願いしているから…治安維持委員会の皆が来るまで時間を稼げば…!)
妖魔は霊魂と斬撃と銃撃の応酬を続けながら、治安維持委員会の到着を待つ。
《インストール!》
《スペシャルムーブ!》
氷雪「頭、冷やしましょうね」
《凍結スラッシュフィニッシュ!》
氷雪「はあーっ!!」
オンミョウY「わあああっ!?」
オンミョウB「しまった…」
オンミョウR「さ、さみぃ…!」
氷雪「ふぅ…」
氷雪はレーザーブレードモードのアヤカシレーザーアタッカーを振るって冷気を飛ばすと、オンミョウトルーパー達を凍り付かせる。
幽冥「オラオラオラオラァッ!」
オオガマ「野蛮だな…」
幽冥「はんっ!俺様は悪党だぜ?地獄府仕込みの俺の戦いを見せてやる!」
幽冥はアヤカシレーザーアタッカーによる連続斬撃を浴びせ、オオガマと激戦を繰り広げる。
愛菜「いました!」
克真「汰月委員長!」
由香里「遅れてすみません!」
妖魔「皆さん!」
霊魂「……!」
治安維持委員会の面々が駆け付けると、霊魂にも一瞬動揺が生まれる。
そして、それに続いてバスターズの面々が星海を連れてやって来る。
千瀬「お、タイミングバッチリって感じ!」
結佳「お届け物だよ」
圭佑「こっちっす!」
幽冥「お前等!」
星海「ありがとうございます!…日島さん!」
檮杌「ウォオオ…!」
妖魔「!檮杌…!それに他の四凶達も…!」
饕餮「グルル…!」
窮奇「ウェヒヒ…」
渾沌「ぐふぇあ…?」
星海「!」
克真「うわっ!?」
千瀬「おっと…」
近付こうとした星海達の行方を阻むように四凶が現れる。
窮奇「ウィヒヒ…!」
氷雪「させません!はあっ!」
窮奇「ウェヒッ!?」
星海を捕らえようとする窮奇だったが、飛び出した氷雪が窮奇を相手取る。
檮杌「ぐうぉぉ!」
饕餮「ガルル…!」
渾沌「ぐふぉ…?」
調「させない!凪桜ちゃん!」
凪桜「ああ!」
《ブラストモード!》
凪桜「はっ!」
檮杌「ぐうっ…」
《ラクーンモード!》
渾沌「ふぎゃっ!?」
千瀬「へっへーん!お仕置きだよー!」
結佳「あなた達の好きにはさせないよ」
圭佑「俺達が相手っすよ!」
饕餮「グギャ…!」
咲穂「そういうわけなので皆さん、行ってください」
調「ここは俺達が食い止めるんで!」
愛菜「行きましょう!」
由香里「分かりました!」
克真「オーライ!」
星海「恩に着ます!」
夢華「丁度良いの見ーっけ!さ、遊んであげるよ」
檮杌「グガルル…!」
檮杌、饕餮、渾沌に対して、凪桜、調、圭佑がブラストモードのブンプクブラストフォンで銃撃し、咲穂、結佳、千瀬がラクーンモードのブンプクブラストフォンを指揮して攻撃させることで妨害する。
そして、星海が妖魔と霊魂の元に向かっていくのを横目に、その辺に転がっていたオンミョウブラストチェンジャーを拾い上げた夢華も加勢する。
⭐︎⭐︎⭐︎
聖「…私も向かわねば…」
顔色は芳しくないものの、時雨達の元へ向かおうとする聖。
すると、その前に雹介が現れる。
雹介「やあ、藍羽聖先生。お久しぶりですね」
聖「!ヌラリヒョン…!」
現れた敵の首魁に、聖は表情を険しくする。
雹介「…いやあ、この戦乱を起こすことで果たしたかった私の目標も無事に果たされましてね。……あなたの教え子の命を懸けた作戦も…無駄に終わったわけです」
聖「…!お前が…白石君の命を語るなッ!!」
《第一段階解放》
聖「変身!」
《神格装着…ヘンゲ
System of Mythology.
神羅…Liberation.》
雹介の真黒の死を馬鹿にするような発言に、聖は怒りを露わに神羅へと変身し、殴りかかる。
雹介「おっと…あなたの相手は私ではありません。…こちらです」パチンッ
神羅「コイツは…!?」
両面宿儺「…ああ、憎いな。全て壊してやりたい。いや、哀しいな。全て消してやりたい」
雹介「これは両面宿儺。この街の人間達の悍ましい悪意によって生み出された存在…言うなれば呪いの塊…とでもいったところかな」
両面宿儺「ふん」
神羅「くっ…悪趣味な…!」
雹介が指を鳴らすと、神羅の前に黒い靄が集まり、両面宿儺が現れる。
両面宿儺の拳を受け止めた神羅は歯噛みしつつ、両面宿儺の相手に専念する。
⭐︎⭐︎⭐︎
妖魔「はあっ!!」
霊魂「……」
妖魔「はああっ!」
霊魂「……」
霊魂は妖魔の蹴りを受けて少し怯みつつも、横薙ぎの斬撃を後方へ跳んで回避する。
すると、そこへ星海達が到着する。
星海「日島さん!」
霊魂「…っ」
妖魔「皆さん!」
愛菜「治安維持委員会、全員集合です!」
星海達が駆け付け、霊魂は明らかに動きを止める。
そして、それを妖魔達は見逃さない。
妖魔「準備は良いですか?」
愛菜「はい!」
由香里「お願いします!」
克真「勿論!」
星海「日島さんを…助けましょう!」
妖魔「それじゃあ…斜馬さん、これ持っていてください」
星海「これは…分かりました!」
妖魔の問いに対し、力強く応える愛菜、由香里、克真…そして星海。
それを見て、妖魔は星海に汰月の妖之書を預け、自らも動き出す。
妖魔「よーし…!」
《鳳凰!》
《麒麟!》
《読取装填!》
霊魂「……」
妖魔「はっ!」
妖魔はまず鳳凰アヤダマと麒麟アヤダマを龍神之大砲剣へとスキャンし、霊魂の放つ斬撃を受け止めて龍神之大砲剣の一振りで距離を取る。
《天狐!》
《読取装填!》
霊魂「……」
妖魔「はあっ!」
霊魂「……」
《大蛇!》
《読取装填!四柱!一撃必殺!》
《四柱斬撃!》
霊魂「……!」
妖魔は四つのアヤダマの力が乗った斬撃を霊魂に叩き込み、そのまま力を流し込む。
すると、まず聖獣の力が霊魂の持つ感情干渉用アヤダマの力を封じ込め、続けて大蛇アヤダマが霊魂、そして星海の持つ妖之書に共鳴する。
妖魔「今です!」
星海「はい!」
克真「委員長…!」
由香里「戻って来てください!」
愛菜「元の…日島君に、戻って…!」
星海「日島さん…あなたが私にしてくれたように…今度は私があなたを助ける番!」
妖魔「…感じる、皆さんの思いを…これならきっと…!」
妖魔の背中に手を付いた星海、愛菜、克真、由香里の想いが妖魔を通じて霊魂に届けられる。そして、天狐アヤダマの力によって不思議な空間…汰月の精神世界が展開される。
汰月「……」
暗闇の中、ただ力無く項垂れる汰月。しかし、その元に一筋の光と、何人かの呼び声が響く。
汰月「…え?」
克真「汰月委員長!」
由香里「日島先輩!」
愛菜「日島君!」
星海「日島さん!」
汰月「皆…!」
光の差す方から手を伸ばす克真、由香里、愛菜…そして星海。俯いていた汰月は顔を上げると、その手に向かって必死に手を伸ばし…そして星海の手を掴む。すると、そんな汰月の腕を克真が、由香里が、愛菜が掴み取り、引っ張り上げる。
──次の瞬間、汰月の精神世界は掻き消え、元の世界へ戻る。
⭐︎⭐︎⭐︎
汰月「…!皆…」
時雨「戻ってます…!」
由香里「良かった…」
愛菜「やりましたね…」
克真「よっしゃーっ!!」
星海「お帰りなさい。日島さん」
汰月「皆…ありがとう。それに時雨。時雨が俺を止めてくれたんだよね?」
時雨「仲間として当たり前のことをしただけですよ」
汰月「……それでも、ありがとう」
時雨「それなら、どういたしまして…ですかね」
正気に戻った汰月の様子に、大喜びする治安維持委員会の面々と星海。
そして、汰月は時雨へ感謝の意を伝える。
オオガマ「あ?んだよ…シラけんなぁ…」
幽冥「おい!…ったく…けど、やったな」
汰月が元に戻った様子を見たオオガマは不機嫌そうに吐き捨てると、そのまま姿を消す。
それを一瞬追おうとしつつも、断念した幽冥は変身を解きながら時雨と汰月の元にやって来る。
窮奇「ウェヒヒヒ!!」
氷雪「っ…きゃあ!!」
時雨「!雪音ちゃん…!」
空間転移で姿を消し、背後に現れた窮奇に不意打ちされ、ダメージを負った氷雪に、時雨は駆け寄る。
時雨「後は僕達に任せて、休んでて。皆も!」
咲穂「そう…させてもらいましょう」
調「ですね…!」
凪桜「これ以上粘るのもキツかったからね」
檮杌「ウアァ…!」
渾沌「ごふぉお…?」
饕餮「ガグルアア!!」
撤退した凪桜達を追って寄ってきた四凶達と、時雨、汰月、賢昇の三人は対峙する。
賢昇「いくぞ!…時雨、汰月!」
時雨「!今…」
汰月「名前で呼んだ…」
賢昇「う、うるさい!なんだって良いだろ!ほら、いくぞ!」
汰月「…うん。分かった。いこう、時雨、賢昇」
時雨「…そうだね。僕達三人でなら…必ず勝てる!いこう!汰月君!賢昇君!」
時雨と汰月を初めて名前で呼んだ賢昇。二人に指摘されて照れた様子を見せるが、汰月も賢昇を、時雨も汰月と賢昇を名前で呼び、改めて並び立つ。
すると──
時雨「!三面ドライバーが…」
汰月「えっ?」
賢昇「俺達のドライバーとアヤダマに反応してる…?」
時雨「色が変わった…!」
時雨の持っていた三面ドライバーが突如光り輝きながら空へと舞い上がり、そこへ三人の妖之書、そして龍アヤダマ、大蛇アヤダマ、鬼アヤダマの三つのアヤダマの力が注ぎ込まれ、三面ドライバーは正面から見て右側から赤色、黄色、青色に塗り分けられ、納められた阿修羅アヤダマも上部が黄色、左下が青色、右下が赤色に変色する。
時雨「まずは…四凶を倒す!」
《三倍装填!》
《妖魔!》
三面ドライバーを身に付けた時雨は決意と共に阿修羅アヤダマを押し込み、左側の黒色のダイヤル“三部ダイヤル”を一回回す。
すると、時雨の足元に黄色の妖魔 龍ヨロイの顔を模った模様の陣が生み出される。
《霊魂!》
汰月「ん?…え、ちょ…何これ」
時雨が更に三部ダイヤルを回すと、今度は突然汰月が時雨の右斜め後ろに飛ばされ、その足元に青色の霊魂 大蛇ヨロイの顔を模った模様の陣が生み出される。
《幽冥!》
賢昇「汰月の奴…何やって──え?お、おい!出れねえんだが!?」
汰月の様子を怪訝な目で見ていた賢昇だったが、時雨が三部ダイヤルを回転させると、自身も時雨の左斜め後ろに飛ばされ、足元に展開した赤色の幽冥 鬼ヨロイの顔を模した陣の中に閉じ込められる。
そして、三つの陣が繋がり、巨大な三角形を作り出す。
渾沌「ぐふぉぉ…?」
饕餮「グルァ!?」
時雨「ん?えっ?二人とも何してるんだろ…。まあ良いや。…変身!」
《融合装着!変化!》
凪桜「!?時雨先輩、横!横!」
妖魔「えっ?うわあっ!?ちょ、ちょっと待ってください!?」
霊魂「と、止まれないんだよ…!」
幽冥「どうなって…!」
妖魔「うわあっ!?ぶつかる!」
時雨が右側のスイッチ“三妖スターター”を押し込んだ次の瞬間、汰月と賢昇は陣ごと時雨の横に来るように配置され、更には時雨達の身体はそれぞれ陣から放たれた光によって妖魔 龍ヨロイ、霊魂 大蛇ヨロイ、幽冥 鬼ヨロイへと変わる。
そして妖魔目掛けて霊魂と幽冥が突如飛来してくることとなり、三人は慌てる。
妖魔「…えっ?」
《
妖魔「これは…」
霊魂『もしかして…』
幽冥『なんつーか…』
「「「合体してるー!?」」」
あわやぶつかる、という所で思わず身を伏せた妖魔だったが、なんと霊魂、幽冥はそのまま下半身が腰布状のものに変化し、上半身もどこか装甲じみた外見に変化し、そして妖魔の胸部には三人のライダーの紋様…ライダーズクレストが刻まれた追加装甲が装着される。
妖魔の頭の右に霊魂、左に幽冥の頭がそのままくっ付き、両肩から背中にかけては霊魂、幽冥の胴体と両腕が伸びた、まさに三面六臂・三人のライダーの融合形態…妖魔 阿修羅ヨロイが爆誕する。
凪桜「時雨先輩達が…一つに…」
結佳「こんなことが起こるなんて…」
克真「マジかよ…」
夢華「うわぁ…なんか凄いことになってる…」
雪音「そ、そうですね…」
誕生した妖魔 阿修羅ヨロイを前に、仲間達も困惑する。
檮杌「うおおお!!」
妖魔「と、兎に角いこう!」
霊魂『ああ!』
幽冥『…仕方ねえな』
「「「はあああっ!!」」」
檮杌「うぐおおっ!」
凪桜「変な見た目だけど…強い」
妖魔は息を合わせてストレートパンチを叩き込み、檮杌を吹き飛ばす。
妖魔「おお…!これなら!」
幽冥『オラッ!』
妖魔「えっ!?うわっ!」
窮奇「ウェヒッ!?」
霊魂『はっ!』
妖魔「うわあっ!?」
渾沌「ぐふぉあっ!?」
妖魔「…す、好き勝手動かさないで…!」
霊魂『あ、ごめん』
幽冥『わりぃ』
幽冥側の意思によって放たれた荒々しい浴びせ蹴りで漱石枕流を振り上げていた窮奇を蹴り飛ばし、横からの醜類悪物による無軌道な射撃に霊魂側が素早いステップで反応して回避し、回し蹴りで渾沌を打ちのめす。
しかし、いきなり足を動かされた妖魔の苦情に二人は謝る。
檮杌「うおああっ!」
饕餮「グガッ!」
霊魂『させるか!』
幽冥『はっ!残念だったな!』
妖魔「ナイスだよ!はあっ!!」
檮杌「うぐおお!」
饕餮「グギャッ!」
檮杌は難訓で斬りかかり、饕餮は求不得苦で噛みつき攻撃を仕掛けるも、檮杌の斬撃は霊魂側の白刃取りで防がれ、饕餮の噛みつきは幽冥側に掴まれ受け止められる。
その隙を突いた妖魔は檮杌と饕餮への発勁によって二体を吹き飛ばす。
妖魔「よーし…!」
《妖魔!》
《分離之刻!》
妖魔「ん?…えっ!?なんか分離した…」
霊魂『どうなってるのこれ…』
幽冥『おい、時雨!後ろ見ろ後ろ!』
妖魔「えっ?うわあっ!」
檮杌「うがああっ!」
妖魔が三部ダイヤルを一度回して三妖スターターを押し込むと、妖魔 龍ヨロイが分離され、妖魔 阿修羅ヨロイの胸部にある妖魔のライダーズクレストが消え、霊魂と幽冥の意思が残る。
そして、背後から放たれた檮杌の斬撃に対して妖魔は妖之弓剣を用いて受け流し、檮杌と対峙する。
妖魔「はあっ!」
檮杌「うぐおっ…!」
霊魂『はっ!』
幽冥『ふんっ!』
饕餮「グルアアッ!?」
窮奇「ゲヒッ!?」
妖魔と檮杌の爆発すらも伴う激しい斬撃戦の横で、霊魂が操作して放つ右横蹴りが饕餮を蹴り飛ばし、幽冥の操作で放たれた左ストレートが窮奇を殴り飛ばす。
霊魂『…もしかして』
幽冥『あ?』
《霊魂!》
《分離之刻!》
霊魂「あ、やっぱりこういうことか」
幽冥『ふっ!…おい!何で俺置いてくんだよ!』
霊魂「は!…試してみたくて」
霊魂が試しに三面ドライバーを先程の妖魔同様に操作すると、霊魂 大蛇ヨロイが分離され、妖魔 阿修羅ヨロイから霊魂のライダーズクレストも消える。
一人取り残された幽冥は霊魂共々四凶達に応戦しながら苦情を言う。
幽冥『だったら…』
《幽冥!》
《分離之刻!》
幽冥「よし!」
霊魂「え?お前まで出て来てどうするんだよ!」
妖魔「二人とも出て来ちゃったの!?じゃああそこには…」
妖魔
妖魔と霊魂の後を追うように分離された幽冥 鬼ヨロイ。
三人が見遣ると、そこには三つのライダーズクレスト全てが消え、立ち尽くしている妖魔 阿修羅ヨロイが。
檮杌「グオオウ!」
妖魔A「……」
檮杌「!?…グオアっ!」
妖魔「動いたぁ!?」
霊魂「誰が入ってるんだ…?」
幽冥「…ま、まぁ、アレだ。何にせよ味方なら気にする必要はねえ!」
動かなくなった妖魔 阿修羅ヨロイ目掛けて檮杌は爆発を伴う斬撃で攻撃する。しかし、次の瞬間突然動き出した妖魔 阿修羅ヨロイはその一撃を弾き返し、近付いて返しのストレートパンチをお見舞いする。
誰もいないはずなのに動いている阿修羅ヨロイに若干ビビりつつも、妖魔、霊魂、幽冥は残る窮奇、饕餮、渾沌と向き合う。
妖魔「今のうちに…」
霊魂「お前達を…」
幽冥「一気呵成でぶっ潰す!」
窮奇「ウェヒヒ!?」
渾沌「ぐふぉあ…?」
饕餮「ガウウ…!」
《一・撃・必・殺!》
妖魔 阿修羅ヨロイが檮杌を相手取っている隙に妖魔は妖之弓剣による斬撃を仕掛け、霊魂は妖之斧火縄で銃撃し、幽冥は妖之盾槍で刺突を放ってそれぞれ残る四凶達を追い詰めると、一斉に必殺技を発動させる。
妖魔「はあっ!」
《登竜剛撃!》
霊魂「ふっ!」
《蛇行剛撃!》
幽冥「だあっ!」
《鬼気剛撃!》
「「「うぐあああああっ!!」」」
三人が同時に放った跳び蹴りによってそれぞれ蹴り飛ばされた四凶達は爆散する。
檮杌「うおくっ…」
妖魔A「……」
《全員!》
《集合之刻!》
妖魔「えっ?うわああっ!?」
霊魂「なっ…!?」
幽冥「今度は何だ!?」
我武者羅に攻撃してくる檮杌を押し除けた妖魔 阿修羅ヨロイは三面ドライバーを操作し、それによって妖魔、霊魂、幽冥は呼び戻される。
妖魔「戻らされた…」
霊魂『まあ良いか』
幽冥『このまま決めるぞ!』
妖魔「うん!」
《一・撃・必・殺!》
檮杌「…うぉぉおおおッ!!」
《三位剛撃!》
「「「はあああーっ!!」」」
檮杌「っ…く…ぬぐああああっ!!」
妖魔は三面ドライバーの三妖スターターを二連続で押し込み、その右拳に黄色、青色、赤色の三色のオーラを纏わせ、ストレートパンチを放ち、檮杌の放つ難訓による斬撃とぶつかり合う。
やがて妖魔の攻撃が打ち勝ち、檮杌を思い切り殴り飛ばすと、檮杌は全身から火花を散らし、やがて爆散する。即ち、四凶を全員討伐した瞬間だった。
妖魔「勝てたー!!」
霊魂『やったな』
妖魔「おっと!?」
幽冥『よっしゃ!』
妖魔「うわっ!…だから二人とも、勝手に動かさないでってば〜!!」
勝利にはしゃぐ霊魂と幽冥によって身体を勝手に動かされた妖魔は、声高にツッコミを入れるのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
神羅「ふっ!…!?」
両面宿儺「はっ!」
神羅「ぐああっ!……手強いな…!」
神羅の蹴りを、黒い靄となって避けた両面宿儺は胸の前で組まれた手から闇の波動を放ち神羅を苦戦させる。
神羅「反撃の隙は…ッ…限界か…!」
両面宿儺「感じるぞ…お前の痛み。伝わるぞ…お前の苦しみ。……解放してやろう。捻り潰してやろう」
神羅「…っ…ぐああああっ!!!」
なんとか起死回生の手を探る神羅だったが、神羅の力の副作用により体が悲鳴を上げ始めたことで動きが鈍った瞬間に両面宿儺から闇のエネルギー弾を炸裂させられ、変身解除に追い込まれる。
両面宿儺「ああ、憎い…いや、哀しい」
聖「……っ!」
⭐︎⭐︎⭐︎
次回!仮面ライダー妖魔は!
聖「両面宿儺、という敵と戦ったんだ」
リュウジン「危険極まりない化け物だ」
「緊急総会を開始します」
争いを止めるために──
雪音「私達仮面ライダーが、対処します」
賢昇「…黙ってぶっ潰されとけ」
汰月「邪魔は…させない」
聖「あなたを止める」
時雨「譲れないってことが一つあります」
──仮面ライダー達が立ち向かう!
時雨「共に力を合わせて未来を切り拓く…これは、そのための力です!…あなた達の野望は…ここで僕達が止めます!」
第弍拾捌話「戦乱決着を目指して」
日曜午後9時!
第二十七話をご覧いただき、ありがとうございます!
今回は妖魔の新たな強化フォームにして、霊魂、幽冥との融合形態である阿修羅ヨロイが登場することとなりました!
今までにありそうでなかった阿修羅スタイルのてんこ盛りフォームとなっておりますが…設定の方が今までで一番ややこしいことになって大変でした(笑)
阿修羅ヨロイも登場し、次回はいよいよ学園争乱編クライマックスとなります!
時雨達がいかに大きな悪意に立ち向かうのか、是非ともお見逃しなく!
さて、今回の変身ポーズ講座は満を辞して4号ライダーたる暗夜となります!
(阿修羅ヨロイは例によってあんまり違いがないので省略します。精々アヤダマを持って装填するところがなくなったのと、ドライバーの操作方法が変わったくらいなので…)
①電子アヤダマを左手で持って顔の左横に持ってきます。(丁度時雨と対称になるようなイメージで、持ち方も雪音ではなく時雨達と同じ)
②そのまま電子アヤダマを起動して電書ドライバーに装填します。
③右手に持った闇夜月を居合のように左腰から右上に向けて振るいます。(右手が空いている時は刀を持たずに同様の動作)
④ 変身!の掛け声をあげて右手で電書ドライバーの画面右側の部分を左側に一度動かしてから、再度右側に戻します。
…という手順となっております!お付き合いいただきありがとうございます!