リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!
汰月を助けるべく戦いを挑む時雨!無事に作戦を成功させ、汰月を取り戻すことに成功する!
そして…時雨、汰月、賢昇の三人の絆が、新たな力である阿修羅ヨロイを生み出したのだった!
…一方、聖は謎の強敵・両面宿儺に敗北してしまい…」
⭐︎⭐︎⭐︎
第弍拾捌話「戦乱決着を目指して」
聖「うっ…」
時雨「あっ、藍羽先生!?どうしたんですか!?」
凪桜「一体誰に…」
這々の体で聖が歴史研究部まで戻って来ると、既に戻ってきていた時雨達が心配して駆け寄る。
聖「いやぁ、ちょっと危険な相手との戦闘になってしまってね…。私も衰えたものだよ」
そう言って聖は苦笑いするが、五人はちっとも笑っていなかった。
時雨「先生が負けるなんて…」
雪音「一体何があったんです?」
聖「…両面宿儺、という敵と戦ったんだ」
リュウジン「両面宿儺だと!?」
凪桜「知ってるの?」
聖が自らが負けたのは両面宿儺という敵だったと伝えると、リュウジンは目の色を変えて警戒感を露わにする。
リュウジン「…1000年以上前、一度だけ現れたことがある。我も直接は知らんのだが…両面宿儺はこの国に強い怨みを抱いた悪しき陰陽師達の呪術によって生み出され、多くの人々の命を奪い、多数の陰陽師達の犠牲の末に倒すことが出来たという危険極まりない化け物だ」
時雨「そんな危ない存在が…!?」
リュウジンから両面宿儺について話を聞いた時雨達はあまりの危険性に絶句する。
しかし、その成り立ちから咲穂は一つの疑問を挙げる。
咲穂「…ですが、そんなの一体どうやって誕生させたのでしょう…」
聖「…恐らく、この争乱を利用して生んだのだろう。…ヌラリヒョンが言っていたんだ、この争いを生み出した目的は達成したと」
リュウジン「…成る程、争い合う人々の互いに対する悪意や、こんな状況への不安といった負の感情を集めたのか…。感情を操れ、妖術の達人たるヌラリヒョンだからこそ取れた手法というわけか」
調「…そんな危ないの、どうすれば…」
凪桜「大丈夫だよ。時雨先輩達は新しい力も手に入れた。阿修羅ヨロイなら勝てるはず」
時雨「うん。相手が悪意を束ねた存在だっていうなら…もしかしたら相性もいいかもしれないしね。僕達の力の本質は…きっと、僕達自身の互いを想う“絆”の力だから」
聖とリュウジンは両面宿儺の生み出された背景について推察する。
それを聞いた調は不安を抱くも、凪桜が阿修羅ヨロイの力があると答えて励まし、時雨も三面ドライバーを取り出して見ながら賛同する。
⭐︎⭐︎⭐︎
汰月「……元気出しなよ」
朔「……出るわけないだろう…何やってるんだ俺は…」
愛菜「し、仕方ないじゃないですか!精神操作ですよ!?ズルみたいなものです!」
汰月が妖之書を取り戻したことで連鎖的に洗脳が解けた朔は、自身が津久代高校を参戦させてしまったことを激しく後悔する。
しかし、朔自身の意思ではなかったために、周りから励まされる。
汰月「…朔。今大切なのは反省や後悔することよりも…この状況を打破するために全力を尽くすこと、じゃない?」
朔「!……そうだな。お前の言う通りだ。…改めて、俺も協力する」
由香里「しかし…照羅巣はさておき佐乃緒は協力してくれるとは思えませんが…」
汰月「その点に関しては賢昇がなんとかするって言ってたけど。…それに、作戦があるから」
克真「…作戦?」
汰月「ああ」
朔に檄を飛ばした汰月は、事態解決に向けて策があるということを明かすのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
賢昇「…よし」
コンコン
賢昇は佐乃緒高校生徒会室の前へやって来ると、一呼吸してノックをする。
「…入れ」
賢昇「…よう」
拓矢「お前…よく俺の元にノコノコと出て来れたな」
賢昇「用があるからな。…単刀直入に言うぞ。こんな争いを止める。そのために…緊急総会を開け」
生徒会長の席に座る拓矢は、自身を裏切った相手である賢昇に対し嫌悪を露わにするが、賢昇は意にも介さず用件を伝える。
拓矢「…それを聞いて俺が素直に頷くとでも思ったか?」
賢昇「ああ。お前は頷くさ。…入ってくれ」
「…はぁ。やっぱりこうなるのね…」
拓矢「なっ…実衣姉!?」
実衣「こうして話すのは久しぶりね、拓矢」
賢昇の合図で生徒会室に入り、呆れた顔をするのは黒髪をポニーテールに纏めた、凛々しい雰囲気の女子だった。
彼女の姿を見て、拓矢は大きく焦る。
賢昇「ふっ、いやぁ…俺も驚いたぜ?何せこの“鬼の風紀委員長”の異名で知られる
拓矢「な、何故それを…!」
賢昇「俺達の情報網舐めんなってことだ。…頼んだぜ。アイツの目を覚ませるのはあんただけだ」
実衣「…分かったわ」
拓矢と実衣は幼馴染であった。そのことを調べて知った賢昇は実衣に頼んで対拓矢に呼び寄せていたのだ。
拓矢「…み、実衣姉…?」
実衣「…拓矢。あんたは馬鹿だしどうしようもない奴だけど…こんなことするような奴じゃなかったはずだよ。しっかりなさい!」パチン!
拓矢「っ!何する…ん…だ…って……あれ、俺なんで…あんなこと…。…そうだ、俺…この学校を、より良くしたいって…照羅巣や津久代に負けないくらい…良い学校にしたいって…そう思ってた…はずなのに…」
賢昇「…暴走させられた感情を上回る強い感情があれば、影響を解くことが出来る。…あの人の遺した情報通りだったわけか」
実衣は拓矢に痛烈なビンタを喰らわせ、それを受けた拓矢は、正気に帰る。
実衣「はぁ…。まあ良いわ。……あんたを止めてやれなかった私にも責任はあるから。一緒にこの騒動を終わらせるわよ」
拓矢「……分かった。…降谷」
賢昇「あ?」
拓矢「その……すまなかった」
賢昇「別に良い。…お前も自分の思いを弄ばれた被害者だからな…仕方ねえさ。それよりも、この馬鹿げた争いを終わらせるために…あんたの力を貸してくれ」
拓矢「…勿論だ」
実衣からの言葉もあり、正気を取り戻した拓矢は賢昇に謝罪し、共に事態解決に臨む意思表示する。
⭐︎⭐︎⭐︎
──翌日
凪桜「いよいよだね。時雨先輩」
時雨「うん。…今度こそ、この緊急総会で決着を付けよう」
汰月「…にしても、よく佐乃緒の生徒会長を説得出来たね」
賢昇「ま、アイツも必要以上に悪意を煽られてたわけだしな。秘策もあったってわけよ」
時雨「お二人のお陰で三校の全面同意が成立して、早速緊急総会を開けました。ありがとうございます」
汰月「…思いは一緒だからね」
賢昇「そういうこったな」
汰月が朔を、賢昇が拓矢を洗脳から解放したことで、その翌日には緊急総会を開くことに成功した時雨達は会場にやって来ていた。
そして時雨の礼に、二人は笑いながら応える。
時雨「……僕はこの緊急総会に合わせて市役所に向かって…。その後でヌラリヒョンの術を解くために麒麟アヤダマの力を利用した防災無線を流す」
汰月「そしてその間、敵の邪魔を防ぐために俺達がこの場所に残る」
賢昇「んで、“奴”が現れたら俺と汰月も時雨に加勢して…倒す。つーわけだから、手を貸してくれよ、氷雪」
雪音「ええ。勿論そのつもりです。席を外している間の留守は夢華さんが務めます」
時雨達が作戦を確認していると、そこに聖がやって来る。
聖「…私も戦うよ」
時雨「ダメですよ。先生、黄坂さんから聞きましたが、体の調子が悪いんですよね?」
聖「!… まさかそっちからバラされてしまうとは…」
戦おうとする聖に対し、あらかじめ澄香から話を聞いていた時雨は無理していることを看破し、参戦を咎める。
時雨「…先生が無茶したら止めるよう頼まれたんです。神話ドライバーは体への負担が大きく、特殊体質の藍羽先生でもずっと体を蝕まれ続けるって。三年前には一度瀕死の状態にまでなったんですよね?」
聖「……ああ。その通りだよ」
凪桜「…だったらやっぱり、藍羽先生には戦わせられない」
汰月「藍羽先生が傷付くのは俺達の本意じゃないし」
聖「……それでも、だよ」
時雨「!」
時雨達から参戦を止められ、それが心配故と分かっている聖だったが…それでも尚戦う意志を曲げない。
聖「…この戦い、きっとあの男も来る。教育者として…白石君の“先生”として…私が決着を付けなくてはならない相手なんだ。だから…」
時雨「……分かりました。なら、今回で最後です!今後は僕達が仮面ライダーとしてこの街を守っていきますから。ですから…今回だけ、力を貸してください」
聖「ああ。…そこまで心配されてたんじゃ、うっかり死んでなんていられないからね」
揺るぎない聖の意思を見た時雨は根負けし、今回で仮面ライダーから手を引くことを約束させると、聖の助力を乞う。
時雨「じゃあ僕は向かうから。…咲穂さんと調君も、よろしくね」
咲穂「ええ、お任せください」
調「準備はバッチリです!」
時雨「じゃあ…行ってきます」
最後に咲穂と調に後のことを任せて、時雨はツクモブースターで布留杜市役所へ向かう。
雪音「…もう始まる時間ですね。藍羽先生、私達も席に付きましょう」
聖「そうだね」
⭐︎⭐︎⭐︎
「では、緊急総会を開始します。議題は現在も続く照羅巣・佐乃緒・津久代の生徒間の諍いについてです。前回の総会でも議題と上がりましたが、前回はモノノケという怪人の乱入により途中閉会となりました──」
汰月「こっちは始まったよ。時雨」
賢昇「…俺達も…ここからが本番だからな」
緊急総会が始まり、汰月と賢昇は時雨に思いを馳せる。
時雨「そろそろ始まったかな。…それに、こっちも始まりみたいだね」
時雨はツクモブースターに乗って布留杜市役所を目指すが、その行手に餓鬼が大量に現れる。
時雨「リュウジンさん!」
リュウジン「おう!」
《龍!》
《装填!》
時雨「変身!」
《憑依装着!変化!
登竜大成!龍ヨロイ!》
ツクモブースターを駆りながら、時雨は妖魔 龍ヨロイへと変身する。
妖魔「はあああっ!!」
妖魔は華麗なハンドル捌きで餓鬼達を蹴散らしていく。
妖魔「リュウジンさん!一気にいきますよ!」
リュウジン「ああ!」
「「リュウジンブースター起動!」」
急ブレーキからハンドルを切ることで後輪を用いて餓鬼達を薙ぎ倒した妖魔は、リュウジンの力を借りてリュウジンブースターを顕現させると、その圧倒的なパワーで餓鬼達を殲滅していく。
《一・撃・必・殺!》
妖魔「決めます!」
リュウジン「ああ!いけーッ!」
《登竜剛撃!》
妖魔「はあーっ!!」
妖魔はリュウジンブースターを用いて飛び回ると、妖書ドライバーを操作する。
そして、飛び降りてリュウジンブースターの口から放たれる雷のブレスに乗って威力を増した跳び蹴りを放つことで餓鬼達を一網打尽にする。
都黎「…晴河…時雨…!」
妖魔「昏時さん…!」
そして、市役所への道を進もうとした妖魔の前に、都黎が現れるのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
「では、決議を取ります。三校間での紛争行為、全ての停止、及び禁止について賛成の方は挙手を──」
バァン!
「!?」
決議のための挙手をしようというタイミングで、会場の扉が荒々しく開かれる。
オンミョウP1「悪いけど、その結論は待ってもらおうか」
オンミョウP2「手を上げろ」
オンミョウP3「怪我したくなかったら…抵抗しないでくださいね…」
「また!?」
「今度は何だ!」
「アイツ等誰だよ!?」
雪音「静粛に!」
現れたのは三人のオンミョウトルーパー(紫)だった。
前回に引き続き現れた乱入者に会場が騒然となる中、それを制したのは雪音だった。
雪音「彼等は…私達仮面ライダーが、対処します」
《ユキオンナ!》
賢昇「悪りぃがな、俺はお前等の命令なんぞ聞いてやるつもりはねえんだ。…黙ってぶっ潰されとけ」
《ギュウキ!》
汰月「邪魔は…させない」
《ミズチ!》
《インストール!》
「「「変身!」」」
《デンシソウチャク!ヘンゲ!》
《凍結Blizzard!ユキオンナヨロイ!》
《猛火Burning!ギュウキヨロイ!》
《激流Splash!ミズチヨロイ!》
オンミョウトルーパー(紫)達を前に、汰月は霊魂 ミズチヨロイへ、賢昇は幽冥ギュウキヨロイへ、雪音は氷雪 ユキオンナヨロイへとそれぞれ変身して立ち向かう。
⭐︎⭐︎⭐︎
一茶「さて…」
聖「どこへ向かおうというんですか?淀川先生」
一茶「…藍羽君」
講堂での戦いが幕を開けた頃、こそこそと外へ向かう一茶に気付いた聖は一茶を会場の廊下で問いただす。
一茶「……なら、まずは君からだ!」
《着火!》
《八咫烏!》
《餓者髑髏!》
《イグニッション!》
聖「……あなたを止める」
《第一段階解放》
聖「変身!」
一茶「変身」
《神格装着…ヘンゲ
System of Mythology.
神羅…Liberation.》
《焼却装着!ヘンゲ…
黒翼!白骨!仮面ライダー禍炎!》
対峙した聖と一茶はそれぞれ神羅と禍炎 八咫烏餓者髑髏ヨロイへと変身し、激突する。
神羅「一つ答えろ」
禍炎「何だね?」
神羅「あんたは何で…こんな事件を起こした」
禍炎「そんなことが知りたいのか?…教えてやろう。私はな…ずっとお前が憎かった…!」
神羅「…は?」
禍炎「私の方が…成績も優秀で、経験だってあった。なのに…お前が照羅巣の顧問に選ばれ、私が佐乃緒だと!?そんなの…納得出来るわけがあるか!?」
神羅「お前…そんな理由で今回のことに加担してたのか…?」
禍炎「…そんな理由?はっ!これだからエリート先生は──」
神羅「ふざけるなッ!!」
禍炎の語る身勝手な理由に、神羅は怒りを爆発させる。
神羅「…生徒は生徒だろ…?どの学校の先生だから偉い、どの学校の先生だからダメなんてこと、あるわけない!お前も教師なら!どんな生徒でもしっかり向き合えよ!生徒は…お前の名声を高める道具じゃない!」
禍炎「そんなのは…恵まれているから言えることだ!」
《鎌鼬!》
神羅「ふん!」
禍炎「!?ぐあっ!」
禍炎に対してその考えを断じると、逆上して鎌鼬アヤダマを焚書ドライバーに装填して加勢を呼ぼうとした禍炎に対し、神羅は素早く接近して渾身の拳を浴びせて阻止する。
神羅「恵まれてる?そうかもしれないな。…だとしても、あんたは教師として…いや、人として間違ってる!やってはいけないことをしたんだ!その罪は…償ってもらう!」
《第三段階解放》
禍炎「罪を犯してるのはお前だ!この私の正当な評価を妨げる…お前が罪人だろ!!」
《オーバーブースト!》
《Punishment.》
《禍炎カタストロフ!》
神羅「はあーっ!!」
禍炎「ふんッ!」
神羅「はーッ!!!」
禍炎「くっ…うぐああああ!!」
神羅は赤黒いエネルギーを右脚に纏わせて凄まじい勢いの跳び蹴りを、禍炎は橙色の炎を纏わせた横蹴りを同時に繰り出す。
そして、ぶつかり合いを制した神羅の一撃が禍炎を撃ち抜き、その鎧を引き剥がす。
一茶「何で…何で私は…お前に勝てないんだよ…!」
神羅「……さあな。このアヤダマは回収させてもらう。…ドライバーもな」
雹介「それは困りますねぇ」
散らばった八咫烏アヤダマと餓者髑髏アヤダマを回収しながら、焚書ドライバーも回収しようとした神羅だったが、そこに割って入ったのは雹介だった。
神羅「…ヌラリヒョン…!」
雹介「このドライバーはまだ利用価値がありますから…。ああ、彼は別に要らないのでお好きにどうぞ」
一茶「っ…おい、待てっ…待ってくれ…くそっ!」
神羅より先に焚書ドライバーを一茶の腰から剥ぎ取った雹介は一茶自身には一瞥もくれずに姿を消す。
一茶「何で…何で俺がァァァァ!!ふざけんなああ!!」
聖「……」
⭐︎⭐︎⭐︎
都黎「…晴河時雨…貴様を倒す」
《ヤギョウ!》
《インストール!》
都黎「変身」
《デンシソウチャク!ヘンゲ!
常闇Darkness…!ヤギョウヨロイ!》
妖魔の前に立ち塞がった都黎は暗夜 ヤギョウヨロイへと変身すると、妖魔目掛けて斬りかかる。
妖魔「はあっ!」
暗夜「ふん!」
妖魔「っ…」
暗夜「今更…そんな力が通用するか!はっ!」
妖魔「っうあ!」
暗夜の一太刀を剣状態の妖之弓剣で辛くも受け止めた妖魔だったが、その隙に暗夜の放つ前蹴りによって後退させられる。
妖魔「それは…やってみなきゃ分かりません!」
《猫又!》
《俊敏鉤爪!猫又ヨロイ!》
妖魔「はあーっ!」
暗夜「ふん!…!躱した…」
妖魔「はあっ!」
暗夜「チッ…!」
地面を転がりながらも、妖之弓剣を地面に突き立てて停止した妖魔は猫又ヨロイへと姿を変え、素早く接近して爪による斬撃を放ち、暗夜が闇夜月を横薙ぎに振るって反撃に出ると機敏な動作で屈むことで回避し、すぐさま爪による一撃を入れる。
《俊敏剛撃!》
妖魔「はあああっ!!」
暗夜「くっ…ふんっ!」
《水勢怪力!河童ヨロイ!》
《弓之刻!》
妖魔「はあっ!」
暗夜「くっ…」
妖魔は高速移動で接近し、白色の機道を描く跳び回し蹴りを繰り出すが、暗夜はそれを何とか押し返す。
しかし、押し返されて着地すると同時に河童ヨロイへフォームチェンジした妖魔は張り手で暗夜を引き離し、地面に突き立てられていた妖之弓剣を引き抜いて弓状態に変え、胡瓜型の矢を連射する。
暗夜「面倒な…!」
《装填!一・撃・必・殺!》
《水勢射撃!》
妖魔「はああ…はーっ!!」
暗夜「む…くっ!」
連射で隙を作った妖魔は激流を帯びた特大の胡瓜矢を放つことで暗夜を押し留める。
《疾風神通!天狗ヨロイ!》
妖魔「はああっ!」
暗夜「ふんっ!はあっ!」
天狗ヨロイへとフォームチェンジした妖魔は飛行して素早く接近し、暗夜と激しい斬撃戦を演じる。
暗夜「ふん!」
妖魔「はあっ!」
《装填!一・撃・必・殺!》
妖魔「これで…はーっ!!」
《疾風剣撃!》
暗夜「無駄な足掻きを!」
暗夜の斬撃を後ろへ飛んで回避した妖魔は空中から神通力の刃を連続で飛ばして暗夜を攻撃する。
暗夜「ふん!」
《聖獣之書!》
妖魔「まだまだ…終わりません!」
《鳳凰!》
《聖獣装填!》
《聖獣装着!変化!
聖炎復活!鳳凰ヨロイ!》
妖魔「こんなところで…負けられませんから!」
妖魔は鳳凰ヨロイへとパワーアップすると、妖之流星刀を用いて暗夜と斬り結ぶ。
《アヤダマライズ!提灯御化!》
暗夜「お前を倒して…俺の強さを…存在意義を証明する!」
《アヤダマバースト!》
妖魔「僕達は…絶対にハッピーエンドに辿り着いてみせる!そう決めたんです!」
《火車!妖斬り!》
「「はあっ!」」
暗夜は左腕に生成された提灯型の火炎弾を投擲し、妖魔は火車の力を利用して炎でできた車輪型の斬撃を放つことで迎え撃つ。
妖魔「はあっ!!」
《唐傘御化!アヤダマライズ!》
暗夜「ふん!…お返しだ」
《アヤダマバースト!》
暗夜「はあっ!」
双方の攻撃が打ち消し合った直後、妖魔は聖なる炎の斬撃を放つが、暗夜はそれを唐傘状のエネルギーを展開して防ぎ、水流を纏った螺旋状の刺突攻撃を撃ち返す。
《雲外鏡!妖斬り!》
妖魔「はあっ!」
暗夜「…ふん。…!」
《『画竜点睛!龍神ヨロイ!真!』》
妖魔「はあああっ!!」
暗夜「ぐあっ!」
暗夜の攻撃に対し、妖魔は雲外鏡の力を用いて鏡型のバリアを展開して防ぐ。
そして、生じた煙の中から龍神ヨロイ・真となって飛び出し、大剣状態の龍神之大砲剣で重い斬撃を叩き込む。
暗夜「くっ…この!」
妖魔「効きません!そして…!」
《大砲之刻!》
妖魔「はあっ!」
暗夜「ぐああっ!」
暗夜の反撃を容易く氷の盾で防いだ妖魔は龍神之大砲剣を大砲状態へと変え、至近距離から痛烈な砲撃を喰らわせる。
暗夜「負けて…たまるか!」
《スペシャルムーブ!》
《常闇ストライクフィニッシュ!》
暗夜「はあっ!!」
妖魔「だったら…!」
《龍!》
《鳳凰!》
《読取装填!二柱!一撃必殺!》
妖魔「これで!はあっ!」
《二柱砲撃!》
暗夜「なっ…ぐあっ!」
暗夜は右脚に闇のエネルギーを纏わせると、そのまま跳び蹴りを放つ。
しかし、妖魔は手早く龍アヤダマと鳳凰アヤダマを龍神之大砲剣に読み取らせると、金色の龍と燃え盛る赤色の鳳凰型のエネルギー弾を放ち、龍型のエネルギー弾が暗夜の攻撃を妨害し、続けて鳳凰型のエネルギー弾が暗夜を撃ち抜いて地面へと叩きつける。
《一・撃・必・殺!》
暗夜「!」
妖魔「これで…終わりです!」
《『画竜剛撃!』》
妖魔「はあーっ!!!」
暗夜「くっ…ぬああああ!!」
妖魔は暗夜が撃墜された隙を突いて妖書ドライバーを操作し、右脚で雷、風、氷、水、光の力が渦巻く跳び蹴りを暗夜に叩き込む。
都黎「くっ…何故…俺は…勝てないんだ」
時雨「…昏時さん」
凪桜「そこまでだよ。都黎。…世模継の作戦は、私達が挫く」
都黎「凪桜…!」
変身解除された都黎は悔しさを剥き出しにするが、そこに現れた凪桜を見て俯く。
都黎「何故だ…何故…」
凪桜「それが分からないうちは…都黎にも、世模継にも未来はない」
時雨「…昏時さん。あなた達の境遇は、確かに辛いものだったかもしれません。きっと僕なんかが軽々しく理解出来るなんて言えることではないのかもしれません。…ですが、それは今生きる人々の幸せを踏み躙って良い理由にはならないんです。自分が不幸だから誰かを不幸にする、じゃなくて。自分も周りに負けないくらい幸せになる方が良いじゃないですか。一人で強くなる必要なんてないんです。周りの人達の手を取り合って、支え合えば、一人よりもずっとずっと、強くなれるって、僕はそう思ってます」
都黎「っ……俺は…お前達とは…違うんだ……!」
時雨の言葉に弱々しい反論を返した都黎はフラフラとその場を去っていく。
凪桜「都黎…」
時雨「…いつかきっと…分かり合えるよ。あの人もきっと、守りたい大切なものがあったから、そのために必死だっただけなんだって、そんな気がするんだ。…勿論、それで手段を間違えたら駄目だけど…本当に悪いのはそんな彼等を利用してこんな戦いを起こしたヌラリヒョンだし」
凪桜「…そうだね」
時雨「…行こう、凪桜ちゃん」
凪桜「うん!」
⭐︎⭐︎⭐︎
オンミョウP1「はああっ!!」
霊魂「ふっ!はあっ!」
オンミョウP1「っ…」
霊魂「悪いけど、射撃の腕では負けないよ」
霊魂は瑠璃子の変身するオンミョウトルーパー(紫)の銃撃をアヤカシレーザーアタッカーで相殺しつつ、逆に撃ち返す。
オンミョウP2「はあああっ!」
幽冥「ウラアアアッ!」
オンミョウP2「!」
幽冥「だあっ!」
オンミョウP2「うあっ!」
幽冥「…手加減はなしだ。この馬鹿馬鹿しい戦いを終わらせるためにもな!」
幽冥は玲の変身するオンミョウトルーパー(紫)が放った銃撃を斬り飛ばし、更に斬撃を叩き込んで吹き飛ばす。
オンミョウP3「申し訳ありませんが…ここで倒れてください!」
氷雪「…はっ!…こちらこそ申し訳ございませんが、そうもいかないんですよ。…信じる仲間のためにも…私達の夢のためにも…この戦いは終わらせます!はああっ!」
オンミョウP3「きゃああっ!」
氷雪は謝りながら放たれた双葉の変身したオンミョウトルーパー(紫)の銃撃を氷の盾で防ぐと、謝り返しながら氷の盾を無数の氷柱に変えて飛ばすことでダメージを与える。
霊魂「…もう君達の力は通用しない」
幽冥「はあっ!…さっさとケリ付けるぞ」
氷雪「終わりにするとしましょう」
《スペシャルムーブ!》
《激流シュートフィニッシュ!》
《猛火スラッシュフィニッシュ!》
《凍結ストライクフィニッシュ!》
「「はあっ!」」
氷雪「はっ!」
瑠璃子「っ…ここまで…!」
双葉「うぅ…ごめんなさい…都黎先輩…」
玲「…結局、俺達は勝てなかったか…」
霊魂は強烈な水流弾を、幽冥は燃え滾る炎の斬撃を、氷雪は氷の礫を纏わせた右脚による跳び蹴りをそれぞれオンミョウトルーパー(紫)の三人に叩き込み、変身を解除させる。
三人は悔しさを覗かせながらも、オンミョウブラストチェンジャーによる銃撃を地面に撃ち込んで目を眩まし、その場から退散する。
変身を解いた汰月達も深追いはせず、その場で待機し時雨の状況を思案する。
汰月「…時雨、こっちはひとまず片付いたよ」
賢昇「後はお前次第ってとこだな」
雪音「……時雨君…」
聖「そっちも片付いたみたいだね。…そうだ、日島君、降谷君。これを」
汰月「これって…」
賢昇「…分かった」
瑠璃子達を退けた汰月達に合流した聖は汰月と賢昇の二人に一茶から奪還した八咫烏アヤダマと餓者髑髏アヤダマをそれぞれ手渡す。
一方で、トラブルの発生があったことで互いへの悪意が高まり始めた生徒達が騒ぎ出す。
「おい!どーなってんだよ!」
「また照羅巣の策略か?」
「佐乃緒じゃねえのか?」
雪音「…やはり騒ぎのせいで落ち着きがなくなっていますね…」
聖「まあ、想定内ではあるからね。…ひとまずこっちは私達でなんとか抑えよう」
雪音「はい!」
⭐︎⭐︎⭐︎
凪桜「時雨先輩!あれ…」
時雨「ヌラリヒョン…!」
都黎を退け、凪桜と合流した時雨は共にツクモブースターへ乗って布留杜市役所を目指していた。そして、布留杜市役所前の広場までやってきたところで、進行先に雹介が現れる。
雹介「昏時君を退けたか。…まあ、彼が君に勝つのは無理だろうと思っていたよ」
時雨「…あなたの計画は…僕達が挫きます」
雹介「ふふっ…ははは!それは無理だね。…まあ良い、取り敢えず…ここは任せるとしよう」
雹介を前にツクモブースターを降りた時雨と凪桜。
雹介に対して時雨は己の覚悟をぶつけるが、雹介は気にせず余裕を崩さない。
そして、雹介が右手を上げるのと同時に黒い靄がどこからともなく飛来し、やがて両面宿儺の形を作る。
両面宿儺「…ああ、哀しいな。命を奪われし定めにあるのだから。…ああ、憎いな。幸せを手に入れようと足掻くなど許せんな」
時雨「あれが…両面宿儺…!」
リュウジン「感じるぞ…凄まじいまでの『悪意』を」
凪桜「時雨先輩。…準備は万端だって」
時雨「…分かった。ありがとね。…下がってて」
凪桜「…私は…私のやるべきことを…!」
凪桜から伝えられた言葉に頷くと、時雨は一歩前へと踏み出す。
そして、フォンモードのブンプクブラストフォンを取り出して構える。
時雨「あなたは今、命を奪われる定めと…幸せを手に入れようと足掻くのが許せないと、そう言いましたね?」
両面宿儺「そうだ。それこそがこの世の真理。そうだ。幸せなど求めるから人は誤るのだ」
時雨「もしかしたら…あなたの言う通りなのかもしれません。ですが…僕はそんなの、認めたくないんです!」
両面宿儺「…!」
時雨「僕は…特別な力を持っているわけでも、優れた素質を持っているわけでもありません。至って普通の、ただの高校生です。…けれど、僕には叶えたい夢が一つあります。
それは…皆が共に笑い合える世界です!僕はこの夢を…いつか必ず叶えてみせると決めました!だからこんなところで…皆が争い合って傷つけ合う状況が定めにあると言うのなら…そんな定め、僕がこの手で変えてみせます!
僕達の歩む道も、僕達がやりたいことも、全部僕達自身が決めていくんです!他の誰にも邪魔はさせません!…そして、三校の争い合う道も…ここで終わらせます!ここから先はぶつかり合うのではなく…共に力を合わせて未来を切り拓く…これは、そのための力です!…あなた達の野望は…ここで僕達が止めます!」
《三倍装填!》
両面宿儺と対峙すると、思いの丈を伝えた時雨は三面ドライバーを装着する。
《妖魔!》
《霊魂!》
汰月「おっと…来たね」
《幽冥!》
賢昇「俺達三人揃えば…一騎当千ってな」
汰月「三騎じゃないか?」
賢昇「細えこたあ気にすんなよ!合体すんだから一騎とも言えるだろ」
時雨「はは…。よし…いこう!」
汰月「ああ!」
賢昇「おう!」
召喚されるなり気の抜ける会話を始めた汰月と賢昇に、時雨は苦笑いしながらも号令を掛けて取り纏めると、同時に変身ポーズを取り、息を合わせて声を上げる。
「「「変身!」」」
《融合装着!変化!
三位一体!阿修羅ヨロイ!》
妖魔「結末は…絶対ハッピーエンドに決まりです!」
雹介「あれが…」
凪桜「よし、阿修羅ヨロイになれた」
三人は妖魔 阿修羅ヨロイへと変身し、両面宿儺に向かっていく。
「「「はあああ!」」」
両面宿儺「ふん!」
妖魔と両面宿儺は同時に右拳を突き出し、ぶつけ合わせる。
雹介「ふふふ…確かにその力は凄まじい。しかし…この街の人々の悪意の結集体である両面宿儺をそう簡単に倒せるとは思わないでいただきたい」
妖魔「はあっ!」
霊魂『はっ!』
幽冥『オラッ!』
両面宿儺「ふん!」
妖魔は六本の腕を駆使して猛攻を仕掛けるが、両面宿儺も負けじと痛烈な拳を放つ。
妖魔「っ…だったら!」
霊魂『コイツを使おう』
《火車!》
幽冥『良いな!』
《アヤダマ装填!一・撃・必・殺!》
妖魔「よーし…!」
《熱狂!アヤダマインパクト!》
妖魔「はああっ!」
両面宿儺「ぬうっ!…哀しいな。今の攻撃でも私は傷付いたままではいられないのだ…。憎いな。俺にこんな苦しみを味合わせる貴様等が」
妖魔「…!まだまだ!」
妖魔は霊魂側から受け取った火車アヤダマを三面ドライバーのアヤダマスロットに装填して炎を纏った車輪型のエネルギー弾を回し蹴りの動作に合わせて蹴り込み、確かにダメージを与えるが、ダメージを与えてもすぐさま回復する両面宿儺の厄介さに妖魔は驚きつつも継戦する。
雹介「ふふ…無駄な真似を」
妖魔「…それは、どうでしょうか」
雹介「何…?」
雹介の嘲笑に対して、妖魔は両面宿儺を抑え込みつつ自信を持って返す。
その時、街中のスピーカーが一斉に“ある音”を鳴らす。
〜♪
雹介「…これは…まさか!」
妖魔「来た!」
⭐︎⭐︎⭐︎
〜♪
「照羅巣の奴らが!…あれ?」
「ふざけるな!お前達が…ん?」
「どっちも潰して…え?」
雪音「…上手くいったみたいですね」
夢華「よーし!」
緊急総会の会場にも流れた“音”…それを聞いた者達は興奮ぶりが嘘のように落ち着き始める。
両面宿儺「っ…力が…!」
雹介「これは…麒麟の放つ聖なる音だと…何故…。晴河時雨はここにいるというのに…!」
妖魔「確かに、僕はここにいます。でも…僕は一人じゃない。僕には…信じられる仲間がいる!」
雹介は弱っていく両面宿儺を見て流れる音が麒麟の放つ聖なる音だと確信するが、持ち主であるはずの時雨=妖魔が目の前にいるために困惑する。
しかし、そんな雹介に対して妖魔は啖呵を切る。
その頃、貴真賀中央大学の一室にいたのは咲穂と調、そして夜御哉の三人だった。
咲穂「街全体に広がったみたいです」
調「やった!」
夜御哉「よくやったぞ!…よし、これで後は両面宿儺を倒すのみだ」
フォンモードのブンプクブラストフォンに麒麟アヤダマをセットし、そこから聖なる音を流していたのは調と咲穂。そして夜御哉の協力によってそれを貴真賀中央大学の設備を用いて布留杜市全域へと広げることでヌラリヒョンの精神操作の影響を解除したのだった。
妖魔「…この街は貴真賀中央大学が中心となっています。だから…市役所だけじゃなく大学からも放送が可能なんですよ」
雹介「仲間…か。面白い。ならどこまで出来るか、見せてもらおう」フッ
霊魂『消えた…。けど、作戦は成功だ』
幽冥『だな。アイツは後でシメるとして…まずは奴を倒すぞ!』
妖魔「うん!」
妖魔の種明かしに、雹介は一杯食わされたことを認め、姿を消す。
両面宿儺「っあああああ!!」
妖魔「はあああっ!!」
両面宿儺「よくも…よくもよくも!悪意こそが人の本質!人の業だ!それをこんな…驕りおって!」
霊魂『驕ってるのは…』
幽冥『お前の方だ!』
悪意の力による支援を受けられなくなった両面宿儺は狂乱状態となりながら殴りかかり、妖魔もそれに応戦する。
両面宿儺「黙れ黙れ黙れ!!」
妖魔「っ…凄い剣幕…!」
霊魂『面倒だ』
幽冥『自棄起こしやがって!それならこれだ!》
《雲外鏡!》
《アヤダマ装填!一・撃・必・殺!》
妖魔「これでなんとか…!」
《白日!アヤダマインパクト!》
両面宿儺のやけっぱちで放つ闇のエネルギー弾の連射を前に妖魔は接近を阻害されるが、幽冥側から受け取った雲外鏡アヤダマを用いて巨大な鏡型のバリアを展開し、その攻撃を防ぐ。
雪音「…皆様、こちらの映像をご覧ください」
「あれは…」
「仮面ライダー…?」
「なんか、混ざってね?」
「確かに、三校のライダーが…一つになってる…?」
「何と戦ってんだ?」
夢華「皆をおかしくした原因はあるモノノケの術だったの!」
雪音「皆さんが争っている間にも、彼等は必死にこの街を守ろうと戦っているんです!」
夢華「私達も踊らされたりしないで…この危機を乗り越えようよ!私達が一丸にならなきゃ…きっと乗り越えられない!」
朔「今は俺達が争う時じゃない。そうだろう?」
拓矢「我々は間違えた!けれども…間違いを修正出来るのが人間だろう!?今こそ学校の違いなんて超えて、力を合わせよう!」
緊急総会の会場では、雪音や夢華、朔に拓矢が口々に争いを止めて一致団結するよう促す。
「「「はああっ!」」」
両面宿儺「ぐわあっ!…なんだ…なんなのだその力は…!」
妖魔「この力は、僕達が哀しみや憎しみの連鎖から抜け出して…」
霊魂『互いを信じ合って手を取り合い…』
幽冥『新しい未来を切り拓くための…』
「「「三校が一致団結して共に戦う、その象徴の力です!(だ!)」」」
両面宿儺を強烈なストレートパンチを繰り出して吹き飛ばした妖魔に、両面宿儺はその力の根源は何かと問う。
その問いに、妖魔は強く答えて拳を構える。
「「「頑張れー!仮面ライダー!」」」
「!?」
「あれって津久代の…?」
星海「頑張ってください!仮面ライダー!」
亜実「頑張って!仮面ライダー!」
凪桜のブンプクブラストフォンを通じて妖魔の戦いの様子を映像として見ていた会場の人々。
すると、治安維持委員会の三人が声を張り上げ、仮面ライダーに声援を送り始め、続けて星海、津久代の前生徒会長である亜実が声援を送る。
「「「頑張れ!仮面ライダー!」」」
鴫原「頑張ってください!仮面ライダー!」
「今度は佐乃緒の…!?」
希「頑張って、仮面ライダー!」
弘毅「頑張れ!仮面ライダー!」
智由「頑張ってください!仮面ライダー!」
透「頑張るんだ!仮面ライダー!」
「照羅巣まで…!?」
バスターズの面々、かつてバスターズに依頼を解決してもらった鴫原、更には照羅巣の学級委員長である希、風紀委員長の弘毅、保健委員長の智由、前生徒会長の透までもが声を上げ、声援を送る。
拓矢「頑張れー!仮面ライダー!!」
実衣「頑張って…仮面ライダー!」
朔「頑張れッ!仮面ライダー!」
雪音「頑張ってください!仮面ライダー!」
夢華「頑張って!仮面ライダー!」
聖「頑張れ!仮面ライダー!」
佐乃緒生徒会長の拓矢と前風紀委員長の実衣、津久代生徒会長の朔、そして雪音と夢華、聖。次々と声を上げて仮面ライダーに声援を送る生徒達の姿を見た周りの生徒達も、次第に声を上げ始める。
「が、頑張れ!仮面ライダー!」
「そうだ!頑張れー!仮面ライダー!」
「頑張れ!仮面ライダー!」
「頑張れって!仮面ライダー!」
「頑張ってください!仮面ライダー!」
やがて声援は大きな渦となり、会場を飲み込む。そして──
⭐︎⭐︎⭐︎
「「「はああーっ!!」」」
両面宿儺「っ…力が増している…!?いや、我が力が減衰している…?」
霊魂『教えてあげるよ、正解はどっちも、だ!』
幽冥『喰らえ!これが俺達の一致団結パワーだ!』
妖魔「皆の応援が…僕達に力をくれる!悪意に負けない希望になるんです!」
妖魔の痛烈な一撃を受けた両面宿儺は妖魔の強化と自身の弱体化を感じ、錯乱するが、三人は思いの丈をぶつける。
妖魔「今度はこれです!」
《一・撃・必・殺!》
《妖魔!》
《妖魔剛撃!》
妖魔「はあっ!!」
両面宿儺「ぐああっ!」
妖魔は三妖スターターを一度押し込んでから三部ダイヤルを一度回すと、剣状態の妖之弓剣から稲妻の斬撃を飛ばして両面宿儺を攻撃する。
霊魂『今度は俺の力だ』
妖魔「分かった!」
《一・撃・必・殺!》
《妖魔!》
《霊魂!》
《霊魂剛撃!》
霊魂「はあーっ!!」
両面宿儺「くっ…こんな…ぐああ!」
霊魂の力を受け取った妖魔は銃状態の妖之斧火縄を構え、一時的に主導権を霊魂に移譲しつつ、強烈な鉄砲水を放って両面宿儺を撃ち抜く。
幽冥『よーし!俺の番だ!』
妖魔「だったら…!」
《一・撃・必・殺!》
《妖魔!》
《霊魂!》
《幽冥!》
《幽冥剛撃!》
幽冥「どりゃあーっ!!」
両面宿儺「ぐぬあああっ!!」
畳みかけるように幽冥の力を受け取った妖魔は槍状態の妖之盾槍を構え、今度は一時的に幽冥に主導権を移譲し、燃え盛る金棒のようになった妖之盾槍を振り下ろして両面宿儺をぶっ飛ばす。
「「時雨」」
妖魔「?」
霊魂『これ』
幽冥『使ってくれ』
妖魔「これは…白石さんの…分かった!…白石さん、力貸してください」
霊魂と幽冥から八咫烏アヤダマと餓者髑髏アヤダマを受け取った妖魔は大剣状態の龍神之大砲剣を取り出して構える。
《八咫烏!》
《餓者髑髏!》
《読取装填!二柱!一撃必殺!》
「「「はあーっ!!!!」」」
《二柱斬撃!》
両面宿儺「ふんっ…!!」
「「「はあああああっ!!!!」」」
────頑張れ、仮面ライダー
妖魔「!今…」
霊魂『…っ』
幽冥『!…』
「「「はあーっ!!!」」」
両面宿儺「ぐうあああっ!!」
妖魔は白色と黒色のオーラを纏った龍神之大砲剣による斬撃を両面宿儺へと叩き込み、押し合う。その刹那、かつて布留杜を護ろうと戦い続けた今は亡き“仮面ライダー”の声を聴き、背中を押された三人は勢いを増して橙色の炎を纏った龍神之大砲剣による斬撃を叩き込み、両面宿儺を追い詰める。
《一・撃・必・殺!》
妖魔「…エピローグといこうか!」
《妖魔!》
霊魂『俺達が平穏を守り抜く!』
《霊魂!》
幽冥『豪華絢爛に決めてやる!』
《幽冥!》
妖魔「いこう!」
霊魂『ああ!』
幽冥『おう!』
《全員!》
妖魔は三面ドライバーの三妖スターターを押し込むと、三部ダイヤルを四回回して全員分の力を選択し、深く構えて三妖スターターを力強く押し込む。
妖魔「これで終わらせる!」
《三位連撃!》
「「「はああ…はあああーッッッ!!!」」」
両面宿儺「っ…くっ…哀しいな…まさか勝てぬとは…。憎いな…認めがたしその力…!グヌァァァァァ!!」
妖魔が跳び上がると同時に、その周囲を取り囲むように妖魔 龍ヨロイ、霊魂 大蛇ヨロイ、幽冥 鬼ヨロイの幻影が展開し、妖魔の幻影と重なり合うことで右脚に稲妻が迸り、霊魂の幻影と重なり合うことで右脚に水流が纏われ、幽冥の幻影と重なり合うことで右脚に火炎が噴き出す。
そして、妖魔は三属性の力を帯びた右脚による跳び蹴りを放ち、両面宿儺へと叩き込む。
両面宿儺は闇のエネルギーバリアで防ごうとするが、微かに抵抗した後に打ち破られ、そのままその胴を貫かれ呪詛を吐きながら爆散する。
妖魔「…はぁ…はぁ…勝った!」
霊魂『よしっ!』
幽冥『おっしゃあああ!!』
「やったー!」
「うおおおおお!」
「仮面ライダーが勝った!!」
雪音「…もう、大丈夫みたいですね」
夢華「凄いなぁ…晴っち達は。……流石だよ」
聖「はは…よくやってくれた。…ありがとう、晴河君、日島君、降谷君」
妖魔達はその場で喜び、その様を映像を通して見ていた緊急総会の会場の生徒達は共に苦難を退けた喜びを分かち合う。
汰月「ありがとう、二人がいたから勝てた」
時雨「いえいえ、そんな。感謝するのは僕も一緒ですから!」
賢昇「フッ…もっと感謝しろよ〜?」
汰月「図々しいんだよお前は」
賢昇「んだと!?」
時雨「ははは…二人とも、程々にね…」
凪桜「……時雨先輩」
時雨「凪桜ちゃん。…お疲れ」
凪桜「うん。時雨先輩もお疲れ様」
いつものように軽口を叩き合っている汰月と賢昇を見て時雨が苦笑いしていると、中継を切った凪桜が労いに来る。
凪桜「終わった…のかな」
時雨「…どうなんだろうね。…まだまだやることはいっぱいあるような気もするけど…それでも良かった」
凪桜「そうだね…」
⭐︎⭐︎⭐︎
透「──以上を持ちまして、答辞とさせていただきます。卒業生代表、杏林透」
パチパチパチ…!
緊急総会…そして両面宿儺との決戦から一週間後、照羅巣高校では卒業式が執り行われていた。
透が答辞を読み上げると、拍手が体育館に響く。
そして卒業式もつつがなく終了し、時雨がなんとなく校内に残り校庭の桜を眺めていると、そこに透がやって来る。
透「おや、奇遇だね」
時雨「杏林先輩。卒業おめでとうございます」
透「ありがとう。…そんなに長い付き合いではなかったけれど、君には世話になった。ありがとう」
時雨「いえいえ、杏林先輩が力を貸してくれたお陰でもありますから」
透「…役に立てたなら何よりだよ。さて、そうだ、君に一つお願いしたいことがあるんだ」
時雨「…?」
透「楓山と桃原の二人を支えてあげてほしいんだ。…頼めるかい?」
時雨「!…勿論です。二人とも…大切な友達ですから!」
透「そうか。…ありがとう。最後に君と話せて良かったよ」
透からの「頼み事」を時雨が快諾すると、透は満足そうに頷いてその場を去っていくのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
汰月「卒業おめでとうございます」
朔「…頼りないかもしれないですけど、後は俺達に任せてください」
亜実「頼りなくなんてないよ。皆は私の自慢の後輩なんだから!だから…津久代を宜しくね〜」
汰月「はい」
朔「三年間、お疲れ様でした!」
亜実「じゃ、またね〜」
津久代高校では汰月と朔が亜美を見送り、決意を新たにしていた…。
実衣「もう…泣かないの…」
拓矢「だってぇ…」
実衣「失敗はちゃんと取り返せば良いのよ。しっかりやりなさい」
拓矢「…分かった。頑張るよ、俺」
実衣「あ、降谷君」
賢昇「どしたんすか?」
実衣「拓矢のこと、よろしくね。ちょっとおバカだったりするけど…根は良い子だからさ」
賢昇「…りょーかいっす。先輩には世話になりましたしね」
実衣「なら良かった」
佐乃緒高校では実衣を送り出す際に感極まって泣き始めてしまった拓矢を実衣が呆れながら宥め、そんな彼のことを賢昇に託していく。
⭐︎⭐︎⭐︎
『ねえ、知ってる?』
『何が?』
『この間の騒動、モノノケって奴らのせいらしいよ』
…とあるチャットアプリでの一つの会話。
新たな不穏の種は、すぐそこへ迫っていた……。
⭐︎⭐︎⭐︎
次回!仮面ライダー妖魔!
時雨「最近咲穂さんの様子が変?」
調「やっぱり俺何かしちゃったんだ〜!!」
聖「様子を見に行こうじゃないか」
調「部活を辞めたりしないでください!」
咲穂の歴史研究部脱退!?
時雨「幸せな夢の世界…」
汰月「…ネタは上がってるんだ。さっさと吐いたらどうだ?」
賢昇「へいお待ち!野菜炒め定食!」
夢の世界から抜け出せ!
時雨「夢は目覚めるからこそ、価値があるんです」
第弍拾玖話「頭脳明晰な彼女の秘めた夢」
日曜午後9時!
第二十八話をご覧いただきありがとうございます!
遂に学園紛争編も完結となります!
人々の悪意によって生み出された両面宿儺を人々の仮面ライダーを応援する気持ちや、人々が手を取り合い繋がる気持ちを背負った阿修羅ヨロイが倒す、という展開を描き切ることが出来てよかったです。
次回以降の新章は「イザナミ」編となります!
イザナミ、という存在がいかにして物語に関わることとなるのか、是非ともお見逃しなく!
今回の変身ポーズ講座は禍炎(真黒)となります!
①右手で炎呪之御札を取り出し、顔の右横に構え、左手で八咫烏アヤダマと餓者髑髏アヤダマを持って顔の左横に構えます。
②焚書ドライバーの前面に翳します。
③左手の親指で八咫烏アヤダマと餓者髑髏アヤダマを順に起動します。
④そのまま八咫烏アヤダマを右の、餓者髑髏アヤダマを左のスロットに装填します。
⑤炎呪之御札を持った右手を斜めに傾けて変身!の掛け声を上げます。
⑥右手で炎呪之御札を差し込みます。
…という手順となっております!
お付き合いいただきありがとうございます!