仮面ライダー妖魔   作:玲音考人

3 / 70
皆様どうも、玲音考人です。
さて、先週始まりました仮面ライダー妖魔ですが、楽しんでいただけましたでしょうか?
少しでも印象に残る作品となっていましたら嬉しいところでございます。
そういえば、第一話の投稿を受け、友人にリュウジンのCVイメージを聞いたところ、関智一さんと言われたので、公式イメージCVは関さんということにしておきますw
え?ウィ○パー?パーカー○ースト?な、ナンノコトカナー…


第弍話「雨天疾走!最初の依頼!」

 

リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!

 

照羅巣高校の二年生・晴河時雨は後輩の暁凪桜と共に訪れた古書店で妖書ドライバーを入手!

 

時雨は現れたリュウジンというモノノケからヒーローになるように言われ、街で暴れるアマノジャク相手に仮面ライダー妖魔へ変身して撃破する!

 

その後、生徒会長の楓山雪音により設立された歴史研究部の部長に任命されるのだった!」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

第弍話「雨天疾走!最初の依頼!」

 

時雨「今日から歴史研究部の活動スタートか…」

 

凪桜「頑張ろう。時雨先輩」

 

時雨「旧部室棟、存在は知ってたけど思ったより綺麗だね」

 

リュウジン「ここが我の新たな根城か!」

 

時雨「リュウジンさんだけの場所ではないですけどね」

 

凪桜「…聞いた話じゃ3年ほど前に使われなくなったらしいけど…割と綺麗。こんな設備を使わずに放置するなんて勿体ない」

 

時雨「確かに…まあでも、校舎からは少し離れてるからね…。その辺の事情もあるのかも」

 

凪桜「それはありえるね。…とはいえ、逆をいえばそのお陰で私達はこの設備を占有出来るわけだ」

 

時雨「そうだね…今は使ってる部もないし。こういうの、物語的にはワクワクするよね。…さて、入ろっか」

 

リュウジン「そうだな、中が気になる!」

 

 雪音によって時雨と凪桜が歴史研究部に入れられた翌日、時雨と凪桜、そして何故か着いて来たリュウジンは照羅巣高校の旧部室棟にやって来ていた。

 現在使われている部室棟が建てられたことで使われなくなったものの、そこまで劣化しているわけではないため、丸ごと歴史研究部の部室として割り当てられたのだ。

 

 二人と一匹は旧部室棟の中に入ると、一先ず一番手前にあった教室を選んで入る。

 

時雨「…さて、そろそろ顧問の先生が来てくれるみたいだけど…」

 

???「私を呼んだかな?」

 

時雨「え?」

 

凪桜「あなたは…」

 

 時雨が時計を見て独り言ちると、それに答える声と共に戸が開く。そこから顔を見せたのは少しボサボサ黒髪で、あまり覇気の感じられないスーツ姿の男だった。大きめの段ボール箱を抱えて来た男は机の上にその箱を置く。

 

時雨「もしかして、 藍羽(あいば)先生が顧問の先生なんですか?」

 

???「よいしょっと…その通り、正解だよ晴河君。…おや、暁君とは挨拶してなかったね、失礼。私は藍羽(ひじり)。…普段は貴真賀(たかまが)中央大学から派遣されて週に二度、この照羅巣高校で歴史を教えているんだ」

 

凪桜「そんな人が何でうちの学校で部活の顧問まで…?」

 

聖「……ここの生徒会たっての希望でね。元々私は大学の方で歴史を研究しているんだけど…同時に“布留杜総合委員会”の照羅巣担当なのさ」

 

時雨「布留杜総合委員会…それって確か照羅巣、津久代、佐乃緒の三校から代表者…つまり生徒会がそれぞれ出席してこの布留杜学園を運営していくための組織ですよね」

 

聖「その通り。…まあ、それぞれ三校から出て来る代表者は生徒会なんだけども、三校それぞれには担当している教師もいて、照羅巣におけるそれが私ということだね」

 

凪桜「成る程」

 

聖「まあ、そんなわけだから今日からよろしくね。“仮面ライダー”君」

 

「「仮面ライダー??」」

 

 聖の自己紹介と、事情説明が終わったタイミングで飛び出した謎の単語に、時雨と凪桜は声を重ねて反応する。

 

聖「君のことさ、晴河君。モノノケと戦う戦士…その噂は既に佐乃緒地区の方では広まっていてね。それ以前にもモノノケと戦う戦士の存在が貴真賀地区にも観測されていた。そして、それがいつしか“仮面ライダー”と呼ばれるようになったのさ」

 

時雨「じゃあ僕は“仮面ライダー妖魔”ってことですか?」

 

聖「そうなるね。…さて、初日となる今日だけど…活動方針に関しては君達に一任する。楓山君から頼まれている内容をどうこなすかは君達が考えてやってみてくれ」

 

凪桜「…なら、藍羽先生は何を?」

 

聖「こう見えても私は歴史については詳しい自信があってね。主に知識面でのサポートをする。後は…まあ大人の力が必要になる場面とかだね。歴史以外でも答えられることなら答えるよ」

 

時雨「…分かりました。ありがとうございます」

 

リュウジン「…っておーい!何で我を放っておくんだ!触れろよ!我について!」

 

聖「ああ、君がリュウジン様か。妖魔の力の守り手。君にも興味はあるけれど…生憎今は忙しいんでね」

 

時雨「驚きもしないんですね」

 

聖「まあ、慣れてるからね」

 

リュウジン「……まあ良い」

 

聖「さて、挨拶も済んだし、私は大学に戻ってやらなきゃならない事務作業が溜まってるんで今日はこれで失礼するよ。そうそう、その箱の中にはノートパソコンとプリンターが入ってるから上手く活用してね。

…ああ。それと、ここの部屋はどの部屋をどんな風に使うかは完全自由だ。校則に違反するような使い方や、社会通念的に問題のある使い方をしなければ何に使っても良い。ただし管理は自己責任だから気を付けてね」

 

 そう言い残すと、聖はその場を立ち去っていく。

 

時雨「……さて、何しよっか」

 

凪桜「まずは仲間集めしよう。規定人数のこともあるけど、確かに色々と調査するには二人じゃ人手不足になる」

 

リュウジン「三人だろ!」

 

時雨「確かに。二人じゃちょっと心許ないもんね。物語的にも最初に仲間集めは鉄板だし。となると部活動掲示板にポスターでも貼ろうか」

 

リュウジン「三人だろって!」

 

凪桜「それは良いかも。…けど、本格的なポスターを作るには時間が掛かる。だから取り敢えずは必要な要点だけ纏めたポスターを用意するのが良いかも」

 

リュウジン「なんで無視するんだ!」

 

時雨「えっと…リュウジンさんは出て来たら大騒動になっちゃいますよ。照羅巣高校の生徒でもないですし。そもそも数え方人なんですか?匹じゃなくて?」

 

リュウジン「トカゲじゃないんだぞ!人格だってあるんだから人だろ!」

 

時雨「そ、そうなんですね…。……まあ、それはさておきポスターはそれでいこっか。そしたら…ここをこうして…よし、出来た!」

 

 凪桜の意見を受けて時雨は紙にマジックペンで簡潔に

 

⭐︎歴史研究部部員募集中⭐︎

 

興味のある方は旧部室棟にお越しください。

 

最近何か不思議な事件があったという方は是非ご相談ください!

 

 …と書かれたポスターを作る。

 

時雨「どうかな?」

 

リュウジン「悪くないな」

 

凪桜「良いと思う。早速貼りに行こう」

 

時雨「だね」

 

リュウジン「我は?」

 

凪桜「さっき時雨先輩が言った通り、リュウジンが行ったら騒ぎになる。ここでお留守番してて」

 

リュウジン「残念だが…仕方ない」

 

 そんなわけで時雨と凪桜の二人は校舎へ戻り、部活動掲示板へとやって来る。

 

時雨「えっと…空いてる場所は…この辺が良いかな」

 

凪桜「そうだね。ただでさえウチのは突貫で作ったからどうしても見劣りする。この世は優勝劣敗弱肉強食。となると、少しでも目立たさせる努力が必要」

 

時雨「そうだね…来ると良いけど」

 

 二人がそんな会話をしていると、二人に声を掛ける者が。

 

???「あの…」

 

時雨「あ、ごめんなさい。邪魔でしたか?」

 

???「い、いえ。そういうわけでは…。…そこに不思議な事件があったら相談してくれって書いてあるので…」

 

時雨「?…もしかして、何かご依頼ですか?」

 

???「えっと…はい」

 

 二人に話しかけてきたのは栗色の髪をセミロングにしている淑やかさを感じる顔付きの女子だった。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

???「私は2年B組の霞流(かすばた)咲穂(さきほ)です。お二人に相談したいことがありまして…」

 

時雨(霞流咲穂…どこかで聞いたような。まあ、同じ学年だし普通か)

 

 二人に相談を持ちかけた女子の名は霞流咲穂だった。咲穂は眉尻を下げると、二人に自身の困り事を打ち明ける。

 そして、咲穂の名にどこか聞き覚えのあった時雨だったが、そこまでおかしなことではないと判断し、話に集中する。

 

咲穂「実は最近家の近くだけで雨が降るってことが相次いでるんです」

 

時雨「霞流さんの家の近くだけで…?」

 

凪桜「それは不思議だな…」

 

時雨「えっと、いつ頃から?」

 

咲穂「…大体一週間くらい前から毎日。時間はまちまちなんですが…雨が降る時、決まって不気味な歌が聞こえて、怪物を見かけたという話もちらほらと出ていまして」

 

時雨「…分かった。調べてみるよ」

 

咲穂「あ、ありがとうございます…。何が原因なのかも全く分からなくて困ってて…」

 

凪桜「そんなことが起これば藁をも掴む思いで私達を頼るのも当然だ。…行こう、時雨先輩」

 

時雨「だね」

 

 時雨は調査することを決めると、早速咲穂の案内で咲穂の家までやって来る。すると、咲穂の証言通りその周囲一帯にだけ雨雲が立ち込め、雨が降っていた。

 

咲穂「最近は洗濯物も外で乾かせなかったり、湿度が上がってカビが生えそうになったりでこの辺りの家は苦労してて…。聞こえてくる歌も怖いですし…」

 

時雨「まあ、そりゃそうだよね…」

 

凪桜「…それって、今聞こえてきた…これ?」

 

『あ……めふ…ふ…』

 

「「!!」」

 

 三人が咲穂の家の方へとやって来ると聞こえてくる歌声。

 

咲穂「…こ、これです」

 

時雨「なんて言ってるんだろ…『あめあめふれふれ』…かな?」

 

凪桜「私にもそう聞こえた」

 

咲穂「確かに、いつも『あめあめふれふれ』のフレーズを繰り返してます」

 

時雨「そんな歌ひとつで雨が降るのもおかしいよね…。ということは………いた!」

 

???「あめあめふれふれ♪」

 

 時雨が辺りを見渡すと、咲穂の家の屋上に笠のような物を被ったモノノケの姿を発見する。

 

凪桜「やはりモノノケが絡んでいたか」

 

咲穂「か、怪物…あれがモノノケ…?」

 

時雨「あれは…『アメフリコゾウ』か。あの…」

 

アメフリコゾウ「なんだ?人間…何の用だ。オイラは今忙しい」

 

時雨「いや…雨を降らせている理由をお伺いしたくて…」

 

アメフリコゾウ「愚問だな。そんなの決まってる、この辺りに雨を降り続けさせることで洗濯は干せない、更にはカビが生えてきたりする!そんな風にこの辺りの人間の気分をジメッとさせることで更なる妖気を得て人類を支配して大雨帝国を作ってやるのだ!」

 

時雨「思ったより巨悪!?…って、いやいや、確かにずっと雨降らされると嫌ですけど、それだけで世界征服しようと思ったら凄く大変だと思いますよ?」

 

アメフリコゾウ「何だぁ?人間の癖にオイラに文句を言うってのか!どのみち見られたんだ…ここで消してやる!」

 

時雨「!リュウジンさん!」

 

リュウジン「おう!」

 

 アメフリコゾウを説得しようとした時雨だったが、話を聞かないアメフリコゾウは水流弾を放つ。しかし、そこにリュウジンが現れて水流弾を弾く。

 

咲穂「えっと…トカ…龍…ですかね?」

 

リュウジン「ふふふっ、お主見る目があるな!そう!我こそは偉大なるリュウジン様!偉いんだぞ!」

 

時雨「リュウジンさん。偉大と偉いは意味ほぼ同じです。というか、お留守番しててと言ったのに案の定着いてきてましたね」

 

リュウジン「ええいそんなのどうでも良いんだよ!そもそも我がいたお陰で助かったんだろう。さあ、あいつを倒すぞ!」

 

時雨「…そうですね。いきましょう!」

 

アメフリコゾウ「ああ?オイラとやるってのか?」

 

 時雨は妖書ドライバーを装着すると、アメフリコゾウの方を見遣りつつ龍アヤダマを取り出す。

 

《龍!》

《装填!》

 

時雨「変身!」

 

《憑依装着!変化!

 

登竜大成!龍ヨロイ!》

 

咲穂「!?あ、あれは…?晴河君が…」

 

凪桜「あれは仮面ライダー…妖魔。悪いモノノケと戦う正義のヒーロー」

 

 時雨は妖魔 龍ヨロイに変身し、剣状態の妖之弓剣を召喚しつつアメフリコゾウに斬りかかる。

 

妖魔「はあっ!」

 

アメフリコゾウ「痛っ!?人間如きが調子に乗りやがって…死ねえ!」

 

妖魔「口悪いですね!?おっとと…」

 

 アメフリコゾウは激昂し、水流弾を更に放つが、妖魔は何とか妖之弓剣で防御する。

 

妖魔「近付けない…!」

 

リュウジン『!そうだ時雨、妖之弓剣はその名の通り弓矢としても使える!』

 

妖魔「!…それなら……!こうか!」

 

《弓之刻!》

 

妖魔「弓になった!…よーし、はあっ!」

 

アメフリコゾウ「ぐあっ!?」

 

 妖之弓剣の刀身を展開し、柄の先端を引き出して弓状態へと変えると、峰側の穴の空いた刀身を持って構え、柄の先端を矢尻にして引く。

 放たれた黄色の矢はアメフリコゾウの放った水流弾を相殺しつつアメフリコゾウにもダメージを与えていく。

 

妖魔「よし…これなら」

 

???「ふん!」

 

妖魔「え!?うわっ!…だ、誰!?」

 

凪桜「あれは…」

 

 妖魔が追撃をしようと妖之弓剣を構えた瞬間、何者かが降って来て斬りつけてくる。咄嗟に妖之弓剣で受けたものの、蹌踉めいた妖魔は相手の正体について問う。

 

???「…俺は暗夜丸(あんやまる)。お前の力を試させてもらおうか」

 

妖魔「なっ…」

 

暗夜丸「さっさと行け」

 

アメフリコゾウ「なっ…チッ」

 

 全身は紫色と黒色を基調とし、左目は眼帯で隠れ、右目は緑色に輝く複眼になっており、武士と鬼の混じったような姿をした乱入者は暗夜丸と名乗り、アメフリコゾウを逃す。

 

妖魔「あ、待っ──危ない!?」

 

暗夜丸「お前の相手は…俺だ」

 

妖魔「くっ、今度は近接…」

 

 暗夜丸は手に持ったどこか機械的な日本刀を妖魔に向かって振り下ろす。

 妖魔も何とか妖之弓剣を使って捌こうとする。

 

暗夜丸「どうした?その程度か?」

 

妖魔「はあっ!」

 

暗夜丸「太刀筋が甘いな」

 

妖魔「ぐっ…」

 

凪桜「…!」

 

咲穂「晴河君!」

 

 妖魔は弓状態のまま斬撃を放つが、暗夜丸はそれを全て捌き、返しの斬撃を浴びせる。

 

暗夜丸「ふん」

 

《夜行流奥義!》

 

妖魔「手強い…。まともに戦うよりは…」

 

《装填!一・撃・必・殺!》

 

《秘剣・暗黒剣舞!》

 

《登竜射撃!》

 

暗夜丸「ふん!」

 

妖魔「はーっ!!」

 

 暗夜丸は不思議な日本刀の鍔を一回転させると、闇のオーラを纏った一閃を繰り出すが、それに合わせて妖魔は妖之弓剣から雷の矢を放ち、強引に相討ちに持ち込む。

 

暗夜丸「ふん、成る程な。今日はこのくらいにしておこう」

 

凪桜「……」

 

 暗夜丸は何かに納得する様子を見せると、一瞬だけ凪桜の方へ目を遣り、踵を返して去っていく。

 

 そして、裏路地までやってきた暗夜丸は鼻を鳴らすと変身を解く。

 

???「…奴はまだまだ未熟。センスも大してない。やはり見立ては正しかったか」

 

 変身を解いたことで元の姿に戻った髪を短く切り揃え、鋭い目付きが特徴的で、端正な顔立ちの男子は先程の戦闘を思い返してほくそ笑む。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

時雨「びっくりした…何だったんだろ…」

 

咲穂「晴河君お怪我は?」

 

時雨「大丈夫だよ」

 

凪桜「強敵だった…」

 

時雨「だね…。物語的には付きものとはいえ…何も本当に出て来なくても…」

 

咲穂「えっと、一体あれはどういうことなんですか?」

 

時雨「あー…そうだね。ちゃんと説明しないと」

 

 一先ず雨も止んだので学校まで戻っていた時雨達。先程の戦闘を振り返り、暗夜丸の強さに驚くが、その一方で状況が分からない咲穂は説明を求める。

 

咲穂「まあ、何となく分かっている範囲で推察しますと、あの怪物…モノノケ?には人間を敵対視している者と、リュウジンさんのように人間に味方する者がいて、人間に危害を加えようとするモノノケと戦ってるのが晴河君達歴史研究部、と。

そして、これまでなかったはずの部活が明らかに規定人数に足りない二人で作られているということは生徒会長の楓山さんが特例的に作ったと考えるのが自然でしょうか。つまり、楓山会長が何かしらの意図を持って仮面ライダーを制御するために用意した部活…という認識で合ってますかね?」

 

時雨「いや分析力凄いね!?正直そんな深いところまで現状について考えてなかったよ」

 

凪桜「だけど考えてみたら言われた通り」

 

時雨「だね…ってあ!そうか、思い出した!」

 

凪桜「?」

 

咲穂「どうされました?」

 

時雨「霞流さんって確か、一年の時から定期テストで毎回学年一位取ってる人だ…!」

 

凪桜「えっ」

 

咲穂「あら、ご存知でしたか?そうなんです。私、少しばかりお勉強が得意でして」

 

時雨「確か全部100点って聞いてますけど…」

 

凪桜「全部100点!?凄いな…私には到底無理だ」

 

咲穂「それほどのものではないですよ」

 

時雨「いや、充分凄いような…」

 

 咲穂から飛び出した発言に時雨は感心するが、咲穂は飽くまでも謙遜する。

 

時雨「って、もうこんな時間。アメフリコゾウは撃退したから暫くは来ないだろうし、今日は解散にしようか」

 

凪桜「それが良いかも」

 

咲穂「ですね。今日はありがとうございました」

 

時雨「いやいや、それが僕達の仕事だから」

 

 時間などもあり、時雨達は一度その場で解散し、帰宅することに。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

 翌朝、時雨と凪桜とリュウジンは昨日同様に咲穂の家へとやって来ていた。

 

時雨「今日こそ解決しよう」

 

凪桜「そうだね。早く解決してあげないと」

 

咲穂「お二人とも、ありがとうございます」

 

 とは言え、雨は降ってなかったため、三人は暫し咲穂の家で待機することに。咲穂の淹れてくれた珈琲を飲みながら待機していた。

 

リュウジン「成る程、珈琲というのは初めて飲んだが案外悪くないものだな…ゴホッゴホッ!」

 

時雨「うわっ!?」

 

 リュウジンは珈琲を勢いよく飲むが、咽せてしまい、咳き込むが、その拍子に電気が発生する。

 

リュウジン「すまんな」

 

時雨「今電気出ませんでした!?」

 

リュウジン「まあな。何せ龍とは古来より天候に深い関わりがある。中でも我は雷と親和性が高いのさ」

 

時雨「成る程…」

 

リュウジン「雷の来るタイミングだってわかるんだぞ」

 

凪桜「それは凄いな。…だが、よく考えてみるとそもそも雷とはどういうメカニズムで発生してるのかが分からないから何とも言えないな」

 

咲穂「…そもそも、雲というのは空気中にある水蒸気などが上空で集まり、それによって水の粒やそれが凍った氷の粒が塊となったもののことをいいます。そして、その氷の粒などがぶつかり合ったりすることで生じる静電気が、地面に向けて放電されるものこそ雷と呼ぶんです」

 

凪桜「成る程…じゃあリュウジンがそれを読めるのは電気の流れでも感知してるからか?」

 

リュウジン「さあ?我は天候に関する力を持っているからな。そうかもしれんが、それだけではないかもしれん」

 

時雨「天候…ってことはあのアメフリコゾウってモノノケと似たような能力ってことですか?」

 

リュウジン「一緒にするな!あんな雨降らせることしかできない奴なんか我の下位互換だ!」

 

時雨「そ、そうですか…」

 

咲穂「…そう言えばお二人は今部員探し中なのですか?」

 

時雨「まあ…うん。規定人数には足りてないし、人手不足だしね…」

 

リュウジン「…ん?この気配は…」

 

咲穂「成る程…。でしたら──」

 

ドシャアアア!!!

 

時雨「えっ!?」

 

凪桜「この音は…」

 

咲穂「…ここまでの大雨、今までになかったです…!」

 

 咲穂の言葉を遮るように突如して降り出した大雨に、三人は狼狽える。

 

凪桜「…!時雨先輩、大変だ。どうやらこの雨、昨日までと違って照羅巣地区全域に降ってるみたい」

 

時雨「!?この大雨が…照羅巣地区全体に…?」

 

咲穂「…晴河君、大変です!外に昨日のモノノケが…!」

 

時雨「!」

 

 凪桜からの情報を聞き、更には咲穂からアメフリコゾウの存在を聞いた時雨は飛び出してアメフリコゾウを見付ける。

 

アメフリコゾウ「昨日の人間か…待っていたぞ…!」

 

時雨「何でこんなことを…!」

 

アメフリコゾウ「決まっておろう…オイラが本気を出せばどうなるか、思い知らせてやるためさ…!」

 

時雨「…なら、止めます。こんな大雨が突然降れば、確実に被害が出ますから」

 

《龍!》

《装填!》

 

時雨「…変身!」

 

《憑依装着!変化!

 

登竜大成!龍ヨロイ!》

 

 時雨は妖魔 龍ヨロイへと変身し、アメフリコゾウに向き合う。

 

妖魔「はあっ!!」

 

アメフリコゾウ「はっはっはっ!」

 

妖魔「えっ…うわっ!」

 

 妖魔は妖之弓剣で一気に距離を詰めて斬撃を放つが、アメフリコゾウは意にも介さずに受け止め、張り手をかます。

 

アメフリコゾウ「喰らえ喰らえ喰らえ!!」

 

妖魔「くっ…!?昨日より…強い!」

 

 アメフリコゾウは蹌踉めいた妖魔目掛けて水流弾を放ち、妖魔はその威力が昨日よりも高くなっていることを感じ取る。

 

 そうしていると、雨の中向こうから歩いてくる影が。

 

妖魔「…あなたは……」

 

都黎「…俺は昏時(くれどき) 都黎(とうり)。…お前にはこっちの方が馴染みあるだろ」

 

 そう言うと都黎は機械的な日本刀…“闇夜月(やみよづき)”を取り出して構える。

 

妖魔「まさか…!」

 

 都黎は居合の構えを取り、闇夜月のトリガーを引きながら鍔部分を一回転させる。

 

都黎「…変幻」

 

《居合変化…!暗夜丸!》

 

 都黎は闇夜月を居合抜きするような動作の後、(きっさき)を前に向けつつトリガーを押す。すると、黒い闇が都黎の身体を包み込み、斬撃のエフェクトが走って闇が晴れると同時に暗夜丸の姿となって現れる。

 

暗夜丸「さあ…始めようか」

 

妖魔「向こうは強化されてるのに…!」

 

暗夜丸「どうした?」

 

アメフリコゾウ「加勢か…まあ良いだろう!」

 

妖魔「これ、どうしよう!?」

 

暗夜丸「ちょこまかと…ふん!」

 

アメフリコゾウ「オラァッ!」

 

妖魔「うわっ!?…っつつ……」

 

 妖魔は二人からの攻撃を妖之弓剣で受け止めつつ、応戦しようとするが、暗夜丸の放った斬撃とアメフリコゾウの放った張り手を受けて後方へと飛ばされてしまう。

 

凪桜「時雨先輩!」

 

咲穂「大丈夫ですか!?」

 

妖魔「ふ、二人とも危ないよ…」

 

 そんな会話を三人がしていると、そこにバイクの駆動音。

 思わずその場の全員がそちらの方を向く。

 

聖「お、いたいた」

 

妖魔「あ、藍羽先生?」

 

咲穂「あれは藍羽先生…」

 

凪桜「どうしてここに…」

 

聖「うん?行動予定、作っててくれたでしょ?あれ見て来たのさ」

 

妖魔「な、成る程…えっと、今取り込み中なんですけど…」

 

聖「あー、そうみたいだね。なら尚更ナイスタイミングなわけだ。…何せ、こいつは君の役に立つからね」

 

 そう言うと聖は乗って来たバイクを小突く。

 そうして見てみると、確かにその外見は黄色と黒色を基調とし、カウルの部分は提灯を模しており、その中に炎の瞳が輝いている。ボディには草履型のパーツ及び釜型のパーツが付いており、テールカウルには唐傘が付いているという奇抜な見た目であり、ただのバイクではなさそうだった。

 

妖魔「これって…」

 

聖「“ツクモブースター”。ツクモガミという物に取り憑くモノノケの一種でね。人懐こいよ」

 

妖魔「じゃあ…有り難く使わせてもらいます!」

 

暗夜丸「ふん…来い!」

 

アメフリコゾウ「オイラを長々と無視しやがって!!」

 

 妖魔はツクモブースターに乗り込むと、二人目掛けて走り出す。

 

妖魔「はあっ!!」

 

暗夜丸「何!?」

 

アメフリコゾウ「ぐほっ!」

 

妖魔「はああっ!」

 

暗夜丸「ちっ…厄介な」

 

凪桜「意外な才能だね…」

 

咲穂「晴河君バイクの運転上手ですね…」

 

聖「あれは凄いね。私には出来ないよ」

 

 妖魔はツクモブースターで一気に突っ込むと、急ブレーキをかけつつハンドルを回すことで回転しつつ後輪を浮かせ、その後輪で二人をまとめて殴る。そして続けて小回りして妖之弓剣による斬撃を二人に浴びせる。

 

アメフリコゾウ「くっ、くそぉ〜折角貯めてた妖気を取り込んでパワーアップしたのに…!」

 

暗夜丸「ふん。…なら、更にお望み通りパワーアップさせてやる」

 

アメフリコゾウ「!?う…うぐご…うぐぬあああっ!!!」

 

妖魔「な、何が…ってええ!?大きくなっちゃった…」

 

アメフリコゾウ「うごおおおお!!」

 

 アメフリコゾウは押され始めた現状に歯噛みするが、それを見た暗夜丸は五つの白いブランクアヤダマを打ち込み、アメフリコゾウは降り注ぐ雨を吸って巨大化し、水の怪物となる。

 

妖魔「だあっ!!…み、水の量が増えてる…!」

 

 アメフリコゾウの放った水塊によって吹き飛ばされた妖魔はその脅威を悟る。

 

妖魔「ここじゃマズい…。皆!取り敢えずここは逃げて!危ないから!」

 

凪桜「分かった!」

 

聖「そうしようか」

 

咲穂「なら私の家へ!」

 

聖「助かるよ、霞流さん」

 

 妖魔はこのままだと三人にも危害が及ぶと考え、避難するよう指示をし、自身は再度ツクモブースターに乗る。

 

咲穂「あ、晴河君」

 

妖魔「?」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

妖魔「くっ…これ、中々大変だね…!」

 

アメフリコゾウ「うがああーっ!!」

 

暗夜丸「ふん」

 

 妖魔はツクモブースターに乗って移動することで被害を抑える作戦に出ると、人気のない広場まで誘導していた。

 

妖魔「ここなら被害も少ないはず…うあああっ!!」

 

暗夜丸「もうおしまいか。早いな」

 

 妖魔は何とか広場までは来たものの、水塊が近くに落ちたことで流され、バイクごと転倒してしまう。

 

妖魔「うう…ここなら戦える、けど…どうやって倒そうか……」

 

リュウジン『それならば良い方法があるぞ。どうやらこのバイク、我の力と連動させられるようだ』

 

妖魔「ええっ!?何でですか?」

 

リュウジン『まあ、我は一応名の知れた存在。その力を研究している者がいたとしても不思議ではなかろうよ。心当たりもあるしな』

 

妖魔「そ、そうなんですね…なら、力を貸してください!」

 

リュウジン『任せろ!』

 

 妖魔の呼び掛けに応えたリュウジンが飛び出すと、巨大化し始める。

 そして、ツクモブースターの本体部分がリュウジンの背中に合体し、タイヤが二つに分かれてリュウジンの手足に装着され、ボディは鞍の如くリュウジンの背に合体し、カウルはバイザーのようになってリュウジンの頭部に、テールカウルはリュウジンの尾を延長するようにして合体することで完成したリュウジンブースターに乗ると、妖魔は空へと翔ける。

 

妖魔「うわああっ!?」

 

リュウジン「いくぞ!!」

 

妖魔「高い所苦手なんですけど…でも、やらなきゃ!」

 

 妖魔を乗せたリュウジンは空を駆け巡り、口から放つ光弾でアメフリコゾウを攻撃する。

 

妖魔「ただ攻撃してるだけじゃ決定打に欠ける…そうだ、ここは霞流さんの作戦を使わせてもらおう。リュウジンさん!」

 

リュウジン「任せろ!」

 

《弓之刻!》

 

妖魔「いきましょう!」

 

 妖魔とリュウジンは作戦を決めると、アメフリコゾウの胸元辺りから顔目掛けて雷の矢と電撃球を連射するが、それらは全て顔を外れていく。

 

暗夜丸「全く当たらんな……」

 

妖魔「リュウジンさん!急上昇お願いします!」

 

リュウジン「おう!」

 

暗夜丸「ちょこまか動いたところで無意味だ。消えろ」

 

アメフリコゾウ「うおおおぉぉん!!」

 

妖魔「……」

 

リュウジン「!来るぞ!」

 

妖魔「分かりました!急降下お願いします!!」

 

 妖魔はリュウジンに乗って突撃すると、急上昇し、それを追ってアメフリコゾウもその身を伸ばす。そして、何かを感じ取ったリュウジンの言葉を聞いた妖魔は合図を出し、そのまま急降下していく。

 

暗夜丸「…?一体何を……」

 

ゴロゴロゴロ…

 

暗夜丸「…!まさか!?」

 

ドオオォーーン!!!

 

暗夜丸「ぐっ……。これは…雷…!」

 

アメフリコゾウ「うぐおおおおっ!!!」

 

 妖魔達の様子を怪訝に思った暗夜丸が首を傾げると同時、空からは光の筋…即ち雷が降り落ち、アメフリコゾウを貫く。その衝撃に巻き込まれて地面に落下した暗夜丸は着地しつつも状況を悟る。

 

妖魔「…よし!決めましょう!」

 

リュウジン「おう!」

 

《一・撃・必・殺!》

 

《登竜剛撃!》

 

リュウジン「しっかり捕まってろよ」

 

妖魔「え?いや、ちょっ、僕高い所苦手って言ったじゃないですか!ジェットコースターはもっと無理ですよ!?」

 

リュウジン「喧しい!男ならば黙って戦え!いくぞ!!」

 

妖魔「今時そんな男女差別ってありませんよ〜!!じゃあ…え、エピローグといきましょう…!うあああああっ!!!」

 

 リュウジンのやろうとしてることを察した妖魔は止めようとするものの、制止は上手くいかず、リュウジンはそのまま雷を纏って妖魔諸共突撃し、アメフリコゾウを貫く。

 

リュウジン「うおおおっ!!」

 

アメフリコゾウ「うぐっ…ぐぬおおおおおおっ!!!」

 

暗夜丸「…今回はここまでか。想像以上ではあったが、問題ない。寧ろこの程度で簡単にやられるようでは逆に計画が狂うからな」

 

???「昏時都黎もご苦労なことだ」

 

 アメフリコゾウは爆散し、消滅する。それを見届けた暗夜丸は路地裏へと姿を消し、その姿を近くの建物の屋上から見て独り言ちる黒いフードを被った男はアメフリコゾウの残滓を浅葱色のアヤダマに変える。

 そして、妖魔は地面に降り立ち、それと同時にリュウジンも元に戻りながら妖書ドライバーに吸い込まれる。

 

妖魔「ふう…」

 

リュウジン『どうやら暗夜丸とかいう奴も撤退したようだな』

 

時雨「ですね。…あ、晴れてきた」

 

 リュウジンの言葉に返事をしつつ妖魔が変身を解くと、空が晴れ始めたことに気付く。

 

リュウジン「うむ。術者がいなくなったことで雨も止んだのだろう。一件落着だな」

 

凪桜「おーい、時雨先輩!」

 

咲穂「晴れた…ありがとうございます」

 

時雨「いやいや。…皆は怪我ない?」

 

咲穂「大丈夫です」

 

時雨「そうだ、僕も礼言わないと」

 

咲穂「?」

 

時雨「さっきの霞流さんのアイデアが役に立ったから勝てたんだ。だからありがとう」

 

咲穂「…いえいえそんな」

 

凪桜「咲穂先輩のアイデア?」

 

時雨「実はさっき、皆を逃す時に教えてくれたんだ」

 

咲穂『晴河君。雷の発生するメカニズムは覚えてますか?』

 

妖魔『う、うん』

 

咲穂『水は電気を通し易いですし、もしかしたら役に立つかもしれません。雲に向かって電気攻撃を撃てば、雷を早く落とさせることも出来るかもしれませんし…。参考になれば幸いです』

 

妖魔『ありがとう!』

 

 咲穂がアドバイスしてきた時のことを思い出しながら時雨は逆転の一手の舞台裏を語る。

 

リュウジン「この我の功績も大きいがな!」

 

時雨「そうですね。…ありがとうございました」

 

リュウジン「そうだろうそうだろう」

 

時雨「…そういえば藍羽先生は?」

 

凪桜「あの人なら仕事があるとか言って時雨先輩が戻って来る少し前に帰ったよ」

 

時雨「そっか…バイク返したかったんだけど」

 

凪桜「アレなら時雨先輩にあげるって」

 

時雨「え?」

 

 既に帰ったという聖に、ツクモブースターを返却しようと思っていた時雨だったが、凪桜の口から出て来た言葉に耳を疑う。

 

時雨「え?いや…嘘でしょ?」

 

咲穂「確かに言ってましたよ。何でも、仮面ライダーのためのバイクだから、と」

 

時雨「ええ…」

 

凪桜「まあ、貰えるものは貰っておこう。折角だし」

 

時雨「まあ…先生が良いならいっか…。一応部活の備品ってことになるのかな?」

 

 聖からの想定外のプレゼントに時雨は困惑しつつも、受け取ることに決める。

 

咲穂「では、また学校で」

 

時雨「うん、また」

 

凪桜「良ければ部室にも遊びに来て欲しい」

 

咲穂「良いんですか?」

 

時雨「是非来てよ。面倒じゃなければね」

 

 そんな会話を交わし、時雨は凪桜を後部座席に乗せてツクモブースターを発進させる。

 

凪桜「あ、時雨先輩」

 

時雨「どうしたの?」

 

凪桜「あそこ、虹が…。綺麗だ…」

 

時雨「ほんとだ。…こういう意味では、雨も悪くないよねぇ」

 

凪桜「うん」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

──翌日

 

アナウンサー『照羅巣地区全域に突如降った大雨は短時間で止み、ゲリラ豪雨にも該当しないこの振り方はあり得ないとのことで専門家は──』

 

凪桜「昨日のこと、ニュースになってるね」

 

時雨「だねえ……って!いつの間にテレビなんか置かれてるの!?」

 

凪桜「来たらあった」

 

時雨「あれ、なんか付いてる。…『情報収集に使ってね。藍羽聖』…先生か……」

 

 時雨と凪桜はテレビを見て昨日の事件に関しての世間の反応を知るが、その一方で何故か無かったはずのテレビが置かれていることに困惑する。

 

咲穂「…ここですか」

 

 咲穂は旧部室棟の前に訪れ、そこに停めてあるツクモブースターを眺めると、建物へと入る。

 

時雨「それにしても…部員を集めなきゃね…」

 

凪桜「確かに…どうしようか」

 

咲穂「それなら、私が立候補しましょうか?」

 

時雨「!霞流さん!?」

 

凪桜「咲穂先輩…?」

 

 時雨達が部員集めに悩んでいると、部室に咲穂が入り、部員に志願してくる。

 

時雨「っていうか…今部員にって…」

 

凪桜「本当に良いの?」

 

咲穂「ええ。是非私にも協力させてください」

 

時雨「…じゃあ、これからよろしく。霞流さん」

 

咲穂「宜しくね、二人とも」

 

 かくして、歴史研究部に新たに仲間が加わったのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

雪音「…成る程。報告ありがとうございます。流石は時雨君ですね。…まあ、この調子で頑張ってもらうとしましょう」

 

 雪音は電話による報告に頬を綻ばせる。すると、生徒会室に入って来る者が。

 

???「やっほー皆!今日も元気にやっていこー!…ってなーんだ、雪ちしかいないのかー。ざーんねん」

 

雪音「はぁ…。もう少しこの照羅巣高校の生徒会副会長として、自覚ある言動をお願いしますよ…夢華さん」

 

 勢い良く突入して来たのは照羅巣高校生徒会副会長、桃原(ももはら)夢華(ゆめか)だった。明るめでロングにした茶髪に少し着崩された制服、髪に付けた桃色のヘアゴムが特徴的な女子生徒である。

 そんな夢華は雪音に対してわざとらしく泣き真似をしてみせる。

 

夢華「え〜?雪ち冷た〜い!幼馴染の大親友で、一緒に生徒会選挙を勝ち抜いた仲じゃん!……それに、何やら悪巧みしてるっぽい雪ちが言えたことかなぁ?」

 

雪音「悪巧みという言い方は止めてほしいですね。…私は、飽くまでもこの学校の生徒を守るために行動しているのですから」

 

夢華「…そ。まあ精々お気に入りの晴っちに嫌われないようにね〜」

 

 夢華の言葉に、雪音は小さな声で「分かっていますよ、そんなこと」と返し、そっぽを向く。

 

夢華「そーいえばさ、最近この辺りで行方不明者が出てるらしいけどどうする?」

 

雪音「ああ、あれなら彼等に依頼しますよ。…どうも、モノノケが絡んでそうですから」

 

夢華「ふーん。けど、アレはウチだけの問題じゃないよー?…津久代も動き出してる」

 

雪音「とはいえ動かないわけにもいかないでしょう」

 

 雪音と夢華はとある一件について真剣な調子で軽く論議するのだった…。

 

 一方でその頃、布留杜市の地区の一つ「津久代地区」にある津久代高校にあるとある教室にある物が入った小包が届けられていた。その教室の扉に付いた札に書かれた文字は「治安維持委員会」。それは…治安維持委員会がここに拠点を置いていることの証左だった。

 その教室で小包を受け取ったのは日島汰月その人だった。

 

汰月「…漸くか」

 

 小包を開けると、そこに入っていたのは「妖書ドライバー」。しかし、その表紙にある文字は「妖魔」ではなく「霊魂」だった。

 

汰月「いよいよ俺達も本懐を果たす時が来たみたいだね。…愛菜、克真、由香里」

 

 汰月は青色のアヤダマを握り締めると、教室にいた三人の残りメンバーを見遣って意思を確認し、それに応えるように三人…おっとりした雰囲気の黒髪和風美人といった外見を持った二年生の女子である下山(しもやま)愛菜(まな)、気の強そうな自信に満ちた表情を浮かべた黒髪で短髪の一年生の男子である上野(うえの)克真(こくま)、温和そうな顔立ちに栗色のミディアムショートヘアの小柄な一年生である女子中江(なかえ)由香里(ゆかり)はそれぞれ頷くのだった。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

次回!仮面ライダー妖魔!

 

雪音「あなた方に依頼を持って来たのです」

 

「俺に出来ることがあるのなら、やらせてください!」

 

モノノケによる事件発生!

 

「もう一人の仮面、ライダー…?」

 

「俺は仮面ライダー霊魂」

 

青い蛇の仮面ライダー・霊魂登場!

 

第参話「路地迷宮ともう一人の仮面ライダー」

 

時雨「あなた達の思い通りになんてさせません!」

 

「逃がさないよ」

 

日曜午後9時!

 




第二話をご覧いただきありがとうございます!

第二話では主人公の新たな仲間に咲穂が加わり、主人公が生徒なら、ということで藍羽聖先生が登場!(ガッチャードの聖さんとは無関係…というか偶然の一致ですね)
更には主人公のバイク、ツクモブースターも登場しました!(こちらも当然ガッチャードの九十九さんは何も関係ございません。というかこんなに被るとは思いませんでした…)
さて、それともう一つ、忘れちゃいけないのが擬似ライダーのライバル枠…早い話がチェイス枠の昏時都黎/暗夜丸の登場ですね。
登場人物も一気に増えましたが、(最後に出て来た夢華のこともお忘れなく!)次回もよろしくお願いします!

設定等については新しく追加されたものはさておき、既存のものへの加筆は日曜の間に行い、更新する予定ですので、気が向いた時にでもご覧ください!

…おや、次回は何だか早速新ライダーの気配がしますね…。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。