リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!
星海と大蛇石を狙うオオガマが再び襲来する!
汰月は時雨と賢昇と共に立ち向かうが、新たな力を持つオオガマに敗北してしまう。
しかし、オオガマへの激しい怒りによって生み出された新たな力・激怒ヨロイに変身すると、オオガマを撃退する!しかし…激怒ヨロイの力は使うと暴走してしまう危険なものだった…。
そしてヤマタノオロチ、という言葉をキッカケとして、星海の記憶が目覚め…?」
⭐︎⭐︎⭐︎
星海「…私、思い出したんです。…自分の過去を」
汰月「…本当か?」
星海「はい。それに…もしかすると、ヤマタノオロチの力を引き出すのに、大蛇石は役立つかもしれません」
汰月「…どういうことなんだ?」
意外なところから転がり出てきた激怒ヨロイ制御のヒントに、全員が注目する。
そして、星海は蘇った自身の記憶を皆に説明する。
星海「一つずつ…順を追って説明します」
⭐︎⭐︎⭐︎
第参拾弍話「怒りさえも力に!感情爆発!!」
星海「…私の家は、元々裏社会を渡る呪術師の一族でした。以前オオガマが語っていたことも概ね事実です。…そして半年前、日島さん達と出会う直前、私の家は大蛇石の力を狙うオオガマによって襲撃されたんです」
汰月「さっき奴が言ってた話か」
星海「…はい。私の両親はオオガマに立ち向かいましたが…敵わず、オオガマのような凶悪なモノノケに大蛇石の力が渡らないよう、死の間際に私に託したんです。追い詰められた私は何とか逃げるためにその力を強引に引き出して…オオガマを退けました。…けれどその力はあまりにも強大だったために心身への負担が大きく、このままでは結局大蛇石を奪われると考えた私は、少し前に聞いた仮面ライダー霊魂の話を思い出して、なんとかこれを託そうと余力を振り絞って布留杜市に向かったのですが…」
愛菜「…津久代高校まで来たところで完全に力尽きてしまい、更にはショックで記憶までも失ってしまった…と」
時雨「それで記憶喪失で大蛇石を持った斜馬さんが汰月君達に保護されることになった…」
星海「そして…私達の一族が信仰していた神こそ、ヤマタノオロチ…大蛇石は元々、大蛇アヤダマと同じくヤマタノオロチの力の一部のはずです」
汰月「……そういう、ことだったんだな」
星海の話を聞き、汰月は星海との出会いの裏側にあった真実を知ることとなる。
そして同時に、大蛇石こそが激怒アヤダマの制御に役に立つ鍵となるかもしれない、そんな星海の意見の意味が分かる。
時雨「取り敢えず田貫教授に連絡したら、準備しておくから明日貴真賀中央大学に来てほしいって」
汰月「…分かった。ありがとう」
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「…じゃあ僕、貴真賀の方行ってくるね」
雪音「分かりました。…すみません、お手伝いできなくて」
時雨「いいのいいの。折角の修学旅行の準備なんだし、雪音ちゃんはそっちに集中して、最高の修学旅行にしてよ。…こっちは僕達で何とかしておくからさ」
雪音「はい。お任せください。…三校の関係改善を記念しての合同の修学旅行…必ずや成功させます」
時雨の助けになれないことを詫びる雪音だったが、そんな雪音を気遣い、時雨はこちらのことは気にせず、迫る修学旅行の準備に集中するように告げる。
時雨「うん、楽しみにしてる。そうだ、もしよかったら凪桜ちゃん達も手伝ってあげて」
凪桜「勿論。雪音会長の力になるよ」
咲穂「微力ですが私もお手伝いします」
調「あ、俺も手伝います!」
雪音「皆さん、ありがとうございます」
夢華「頼もしい限りだねー」
時雨は雪音の手伝いを歴史研究部の三人に託すと、自身は照羅巣高校を出る。
凪桜「そういえば、修学旅行の行き先って?」
雪音「今回の行き先は京都ですよ」
凪桜「へぇ…京都…」
夢華「凪桜ちゃんはまた来年だね〜」
⭐︎⭐︎⭐︎
約束通り、時雨、汰月、賢昇の三人は貴真賀中央大学の理工学部特別研究室へと集まっていた。
夜御哉「ヤマタノオロチの力を制御する方法、だったな?」
時雨「はい」
汰月「これなんですけど…」
夜御哉「…ふむ、これは成る程…確かにヤマタノオロチの力だな」
賢昇「分かるもんなのか?」
夜御哉「まあな。以前機会があってヤマタノオロチの力の一端を見たことがある。そしてこれが…」
汰月「星海から預かってきた大蛇石です」
夜御哉「成る程…うむ。この感じならいけるやもしれんな」
汰月「本当ですか!?」
汰月から渡された激怒アヤダマや、大蛇石を眺めた夜御哉は、制御するための方法を見つけられそうだと話す。
夜御哉「…元々、反人間連合に対抗するための戦力増強の一環で、妖書ドライバーに装着させてアヤダマの力を大きく引き出させる特殊アイテムを作っているところだったんだが…それをヤマタノオロチ専用にカスタマイズすれば恐らく可能だ」
汰月「成る程…それで、それってすぐ出来るんですか?」
夜御哉「…出来るには出来るが、大蛇石の力だけでは足りない」
時雨「そうなんですか?」
夜御哉「もう一つ必要な物がある。…草薙剣、だ」
時雨「草薙剣って…日本神話とかに出てくる…」
夜御哉「ああ。草薙剣はかつてヤマタノオロチの尾から現れたとされる神剣だ。天叢雲剣等とも呼ばれる」
時雨「…あれ?確か草薙剣って源平合戦で海の中に消えたとか聞いた気がするのですが」
夜御哉「ああ、それはその後の人間が発見出来なかっただけだ。当時に潜水艦などないからな。…その後、モノノケによって引き上げられた草薙剣は、紆余曲折の末にこの街に辿り着いた」
賢昇「ほーん。で、今どこにあんだよ」
夜御哉「佐乃緒地区の郊外に森があるだろう?そこに人々から忘れられた祠があるのだが…その中に収められている」
激怒アヤダマの力を引き出し、ヤマタノオロチの力を制御するために必要な物として草薙剣を挙げる夜御哉。
その所在が佐乃緒地区と知った賢昇は自らが行く意思を示す。
賢昇「佐乃緒…なら俺が行くのが一番か」
夜御哉「そうだな。君のブンプクブラストフォンに位置情報を送っておこう。…頼んだぞ」
賢昇「おう」
時雨「それなら…賢昇君、これ使って」
賢昇「これは…サンキュー。んじゃちょっくら行ってくるわ」
汰月「…ありがとう」
賢昇「気にすんな」
時間も惜しいため早速草薙剣を手に入れに向かおうとする賢昇は、時雨からツクモブースターの鍵を渡されると、貴真賀中央大学を出て行くのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
星海「…日島さん……」
由香里「…不安ですよね。私もです」
星海「中江さん…。はい。…上手くいってるといいのですが…」
愛菜「きっとそうだと信じましょう」
克真「そうそう、ここで俺等がソワソワしてても仕方ないしね」
汰月を案じる星海に寄り添う由香里と、元気付ける愛菜と克真。そんなところに突然招かれざる来訪者がやって来る。
オオガマ「ふん!」
星海「きゃあっ!!」
由香里「オオガマ…!?」
愛菜「なんでここに…!」
克真「斜馬さんを離せ!」
オオガマ「黙れ…大蛇石はどこだ…!」
星海「離してください…!」
克真「…残念だったな。大蛇石はここにはない。だから斜馬さんを離せよ!」
突然荒々しく戸を開け放って治安維持委員会の教室に乗り込んだオオガマは、舌で星海を捕らえると苛立った様子で大蛇石を出せと騒ぎ出す。
しかし、夜御哉の元へ持っていったためにここにあるはずもなく、その事実を克真がオオガマに突きつける。
オオガマ「何だと…?ふん、ならば…お前達にも来てもらおう!奴を誘き出す餌にしてくれる!」
餓鬼「うゔあ…」
餓鬼「ゔぅ…」
愛菜「きゃっ!?ちょっと…!」
由香里「…離してくださいっ!」
克真「このっ!」
餓鬼「ゔゔ…!」
克真「うぐあっ!!」
由香里「克真君!!」
克真「この…!」
星海「皆…!」
愛菜「っ…」
大蛇石がないことを知ったオオガマは餓鬼を召喚すると、三人を拘束しようとする。愛菜と由香里は捕まってしまうが、克真は何とか餓鬼に対抗しようと殴りかかるも、餓鬼に腹部を蹴られて机の上に転がらされてしまい、拘束されてしまう。
オオガマ「…霊魂…貴様は必ずこの手で…!」
⭐︎⭐︎⭐︎
賢昇「ホントにこんな森の奥にあんのかよ…。って、分かった、信じっから引っ張んなよ!」
森へとやってきた賢昇は、暫く人の手が入っていなさそうなその雰囲気に、本当にこんな所にあるのだろうかと疑問を抱くが、道案内するラクーンモードのブンプクブラストフォンにズボンの裾を引っ張られ、ひとまずそのまま先へ進む。
すると、ブンプクブラストフォンは崖沿いの茂みに囲まれた所へ突き進むよう指示する。
賢昇「…まさか、この中に入れってんじゃねえよな?……マジか」
最初は流石に渋っていた賢昇だったが、ブンプクブラストフォンが先行して突き進んでいったことで、腹を括るとかがみ込んで茂みの中に入っていく。
そして、茂みの隙間を潜り抜けていくと、茂みに囲まれて見えなくなっていた所に小さな空洞があり、その中に古びたボロボロの祠があった。
賢昇「……マジであったわ。…よくこんなとこ見つけたな、夜御哉のおっさん」
賢昇はこの場所をかつて自力で発見したという夜御哉に感心しつつ、祠に収められていた木箱を発見する。
賢昇「…これか。うーし、待ってろよ…!」
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「…時間かかりそうだし、少し外の空気でも吸いに行かない?」
汰月「そうだな。…そうしよう」
ソワソワしている様子の汰月を見兼ねた時雨は、一緒に外の空気でも吸って心を落ち着けようと提案する。
その提案に乗った汰月は時雨と連れ立って貴真賀中央大学のキャンパス内を散策する。
汰月「……あれからどうにも心が落ち着かないんだ」
時雨「…仕方ないと思うよ。あんな風に強い怒りに支配され続けてたんだから、変身を解いた後にだって影響が多少は残っちゃうよね…」
オオガマ「…見つけたぞ…霊魂!」
「「!」」
激怒アヤダマの使用以来心が落ち着かないのだと吐露する汰月を時雨が励ましていると、そこに怨嗟の色が強く混じった声が響く。
二人が弾かれたように声のした方を向くと、そこには案の定オオガマが待ち受けていた。
汰月「オオガマ…何しに来た…!」
オオガマ「大蛇石を渡してもらおうか!」
汰月「誰がお前なんかに渡すものか!」
オオガマ「いいのか?俺は…あの娘も、お前の仲間も捕らえているんだぞ?」
時雨「え!?」
汰月「何…!?」
オオガマ「…ふん、これを見ろ」
大蛇石を渡すよう迫るオオガマに対して断りながら電書ドライバーを構える汰月だったが、その直後に放たれたオオガマの言葉に、汰月と時雨は耳を疑うこととなる。
しかし、オオガマの言葉がハッタリなどではないのだと証明するかのように、オオガマは手のひらから水流を生み出して水鏡を作り出す。
星海『皆を離してください…!』
克真『こんな拘束…ッ!…外れねえ!!』
由香里『…確かに、全然外れないですね…!』
愛菜『卑怯です!私達を人質に使うなんて!』
汰月「…貴様…!絶対に許さないぞ!変身!」
《ミズチヨロイ!》
霊魂「はああっ!!」
どこかの廃工場に囚われた仲間達の様子を見せられた汰月は怒りを燃やして霊魂 ミズチヨロイに変身すると、そのままレーザーガンモードのアヤカシレーザーアタッカーでオオガマに攻撃を仕掛ける。
時雨「汰月君!…仕方ない、僕も!」
《龍神!》《真打!》
《『真価覚醒!』》
《装填!》
時雨「変身!」
《憑依装着!変化!
『画竜点睛!龍神ヨロイ!真!』》
オオガマ「ふん」
霊魂「くっ…!」
妖魔「はあああっ!!」
霊魂がオオガマに突撃していったのを見た時雨は自身も加勢すべく妖魔 龍神ヨロイ・真へと変身すると、オオガマに苦戦する霊魂の元へ風を纏った高速移動で駆け付ける。
オオガマ「ケヒヒ…!俺の真の力…見せてやる!魂壊!」
妖魔「それって…!」
オオガマ「うおおおお!!…ふん」
霊魂「はああッ!!」
オオガマ「ケヒヒ…効かねえよ。ウラァッ!」
霊魂「ぐあっ!」
妖魔「くっ…!」
妖魔が加わったのを見たオオガマは魂壊の術を発動させ、自身の力を底上げする。
その状態で舌を伸ばすことで霊魂を打ち据え、妖魔はなんとか大剣状態の龍神之大砲剣の刀身で攻撃を防ぐ。
妖魔「…あの術の力を使いこなしてる…!?」
霊魂「…厄介だな」
オオガマ「当然だろう?今まで魂壊の術をかけられて自我をなくしたり苦しんだりしていたのは所詮低級のモノノケ…この俺、五行の水たるオオガマがそんな連中と同格と思うなよ!ゲルォォアア!!」
妖魔「はあっ!」
霊魂「っああ!」
妖魔「っ…風のバリアでも防ぎきれないなんて…」
魂壊の術によるパワーアップの反動をものともしないオオガマの強さに驚愕する妖魔。
そして、オオガマはより威力の上がった咆哮を放ち、妖魔の展開した風のバリアすらも貫通して霊魂と妖魔にダメージを与える。
霊魂「はあああっ!!」
オオガマ「ふん!」
霊魂「うぐああああ!!」
妖魔「あ、汰月君!…冷静さを欠いてる…こうなったら一気に決めないと」
《龍神!》《真打!》
《読取装填!神域!一撃必殺!》
《神域斬撃!》
妖魔「はああ…はーっ!!」
オオガマ「ああ?…!ぐあああっ!!」
妖魔「…これなら……!?」
オオガマ「うう…ケヒヒッ、残念だったなぁ。そんな攻撃じゃ俺は倒せんよ」
霊魂「!なんて再生能力だ…!」
妖魔は霊魂が冷静さを欠いてオオガマに挑みかかり苦戦している様を見ると、龍神之大砲剣に龍神アヤダマと真打アヤダマを連結させた状態のまま読み込ませ、金色と銀色のエネルギーの斬撃を飛ばしてオオガマの身体を大きく切り裂く。
しかし、その裂傷すら瞬く間に回復したオオガマに、妖魔と霊魂は再生能力の向上を悟る。
妖魔「嘘でしょ…くっ!」
オオガマ「ケヒヒッ!俺には勝てねえんだよ!!」
霊魂「このっ…!」
オオガマ「うおらあっ!!」
霊魂「ぐああっ!」
妖魔「うあっ!…っと、凄い力だね…!」
妖魔は斬撃を放ち、霊魂は銃撃と打撃を織り交ぜて攻撃を仕掛けるが、ダメージを受けてもすぐに再生されてしまい、オオガマの舌を振り回す攻撃に二人とも弾き飛ばされてしまう。
霊魂は転がるが、妖魔はなんとか風によって空中で姿勢を立て直し霊魂の横へ着地する。
妖魔「どうすれば…!」
霊魂「こうなったら同時攻撃だ!」
《インストール!》
《スペシャルムーブ!》
妖魔「…それしかないか」
《大砲之刻!》
《龍神!》《真打!》
《読取装填!神域!一撃必殺!》
霊魂「喰らえ!!」
《激流シュートフィニッシュ!》
妖魔「これで…どうだ!」
《神域砲撃!》
オオガマ「ふん…くっ…うぐおおおお!!!」
妖魔「……なっ!」
霊魂「…!」
オオガマ「…なんてな」
妖魔「あの状態からでもすぐに回復出来るの…!?」
霊魂「嘘だろ…!」
妖魔と霊魂はそれぞれ同時に金色と銀色のエネルギーの砲撃と高圧水流の弾丸を放ち、オオガマの胴体に大きな風穴を開けるが、その傷すらも簡単に再生されてしまう。
オオガマ「もう打つ手なしか?さあ…どうしてやろうか…!」
幽冥「どりゃああっ!!」
オオガマ「ん?お前は…幽冥」
幽冥「わり、遅くなったな」
妖魔「賢昇君!?」
霊魂「賢昇…草薙剣は?」
幽冥「ばっちし見つけてきたぜ。んで爆速で戻ってきたらんなとこで戦ってっからよ。さっさと夜御哉のおっさんに預けて、慌てて加勢したってわけだ」
オオガマ「何をごちゃごちゃ言っているん…だ!」
妖魔「はあっ!」
幽冥「オラアッ!」
霊魂「ハアッ!!」
躙り寄るオオガマに斬撃を浴びせつつ乱入してきたのは草薙剣を手に入れて戻ってきた幽冥 ギュウキヨロイだった。
オオガマの伸ばした舌を三人の同時攻撃で弾き返すと、妖魔は三面ドライバーを取り出す。
妖魔「これで阿修羅ヨロイを使える!」
《三倍装填!》
《妖魔!》
《霊魂!》
《幽冥!》
妖魔「いくよ!」
霊魂「ああ!」
幽冥「おう!」
《融合装着!変化!
三位一体!阿修羅ヨロイ!》
妖魔「はああっ!はあっ!」
オオガマ「ふん…その姿になったとて無駄だ!この俺を倒し切ることは…出来ない!」
妖魔は霊魂、幽冥と融合して阿修羅ヨロイになると、妖之流星刀を構えて斬りかかり、オオガマに斬撃を叩き込む。
《回転選択!》
《回転!》
《三星!一・撃・必・殺!》
「「「はああっ!!」」」
《三星閃撃!》
オオガマ「ケヒヒ…無駄だよ!」
妖魔「うあっ!」
幽冥『しぶてえ野郎だ…!』
霊魂『オオガマ…!』
妖魔は妖之流星刀に雷、水、炎の三属性の力を纏わせると、連続で斬撃を繰り出すが、オオガマを倒し切るには至らず、反撃を喰らってしまう。
妖魔「こうなったら…いくよ!」
幽冥『おう!ぶちかましてやろうぜ!』
霊魂『オオガマ…ッ!!』
《一・撃・必・殺!》
《三位剛撃!》
妖魔「はああ…っ!?うあああっ!!」
オオガマ「ああ?」
妖魔は跳躍して黄色、青色、赤色のオーラを右手に集めてジャンピングパンチを放とうとするが、突如としてその身体に青白い電流が走って勢いを失い地面に落ち、更には三人が分離されてしまう。
妖魔「ええ!?なんで!?」
幽冥「分離した!?」
霊魂「…オオガマ…お前を倒すッ!!」
《激怒!》
幽冥「おい!よせ!」
《装填!》
霊魂「うおあああっ!!」
妖魔「汰月君!」
《憑依装着!変化!
激情臨界!激怒ヨロイ!》
霊魂「うあ゛ああっ!!」
オオガマ「ふん…!またその力か…!」
妖魔「そうか…阿修羅ヨロイは僕達三人のバランスが大事。汰月君の心が怒りに染まってしまったことで、そのバランスが崩れたのか…」
幽冥「そういうことか…!」
何故か分離してそれぞれ基本フォームの龍ヨロイ、大蛇ヨロイ、鬼ヨロイに戻ってしまった妖魔、霊魂、幽冥。
妖魔と幽冥が困惑する中、霊魂は怒りに身を任せて激怒ヨロイに変身すると、オオガマに襲いかかり、互角に殴り合う。
霊魂「うおおああっ!!」
オオガマ「チッ…コイツの相手は面倒だな。だったら…!」
妖魔「!?」
霊魂「うおああっ!!」
妖魔「うわあっ!?あ、危ない…!」
オオガマ「ふん。精々仲間同士で潰し合うんだな」
妖魔「仕方ない…こうなったら!」
《『龍神ヨロイ!真!』》
妖魔「はあっ!」
オオガマ「霊魂に伝えておけ。明日の正午、巌ヶ原採石場跡地に大蛇石を持ってこい!さもなくば人質の命はないってな!」
幽冥「はあ!?おい待て!」
霊魂とまともに戦うのは危険と判断したオオガマは妖魔の背後に飛ぶことでその相手を押し付けると、自身は幽冥に伝言を残しその場を逃走する。
一方妖魔は霊魂を止めるべく再度龍神ヨロイ・真になる。
妖魔「汰月君!落ち着いて!」
霊魂「うあああっ!!うるあああっ!」
妖魔「っ…!」
幽冥「手が出せねえ…!」
妖魔「賢昇君!僕が止めるから、援護お願い!」
幽冥「…おう!」
妖魔は霊魂の攻撃をなんとか避けつつ、宥めようとし、幽冥に協力を求める。
霊魂「あ゛あァ!!」
妖魔「ふっ!」
霊魂「うっ!?」
幽冥「こっちだ!」
霊魂「うあああっ!」
妖魔「今だ!はあああっ!!」
霊魂「うう…ぅっ…!」
霊魂に殴られる直前、妖魔はその姿を霞の如く消し、幽冥がターゲットを見失った霊魂のヘイトを取るが、そこへ気が向いた隙を突き、妖魔が姿を現しつつその腰にしがみつくと、素早く妖書ドライバーからアヤダマを引き抜いて変身を解除させる。
時雨「はぁ…はぁ…止められた…」
汰月「…俺…ごめん」
賢昇「一体どうしたんだよ…汰月」
汰月「…戦ってるうちにオオガマへの怒りがどんどん強くなって、気付いたら激怒ヨロイを使っていたんだ…。なんで俺…」
時雨「汰月君のせいじゃないよ。そのアヤダマの影響が、まだ色濃く残ってるんだと思う。一旦戻って休もう」
賢昇「だな。立てるか?」
汰月「ああ…ありがとう」
時雨「気にしないで。友達でしょ」
賢昇「そういうこった。あんま気にしすぎんなよ」
汰月「…ああ」
⭐︎⭐︎⭐︎
汰月「明日の正午…」
夜御哉「…成る程。奴も本気というわけか…。そういうことなら完成を急ごう」
賢昇「…それにしても、本当にあんなんで大丈夫なのか?」
明日の正午にオオガマの元に行かなければならないということを説明した賢昇は、草薙剣が収められている木箱を指差し、疑問を呈せる。
その木箱の中には、ボロボロに朽ちて大部分が欠け落ちた古びた剣…だったであろうものが入っていた。
時雨「確かにこうもボロボロでも使えるのですか?」
夜御哉「問題ない。元々これを直接武器として運用するわけではなく、飽くまでパーツとして使うのみだしな。それに、ヤマタノオロチの力が宿っているのは間違いない。これに大蛇石と激怒アヤダマの力があれば完成出来るだろう」
賢昇「ならいいけどよ…」
汰月「……」
夜御哉「まあ、取り敢えず君達は明日に備えて少し休んでおいで。出来たら教えるから」
時雨「…そうですね。…そうしようか」
賢昇「だな。腹減ったし飯でも食おうぜ。腹が減っては戦は出来ぬ、って言うしな」
汰月「…ああ」
夜御哉の勧めもあり、時雨達はひとまず休むことに。
時雨「そういうわけで、暫く戻って来れそうにないです」
聖『分かった。皆にも伝えておくよ』
時雨「ありがとうございます」
聖『気にしないでくれ。これも先生の役目だからね。…それより、日島君の心を支えてあげてくれ。強い力であればあるほど…不安定な心で扱おうとすれば飲み込まれてしまうからね』
時雨「…はい。そのつもりです。では、失礼します」
聖『ああ。気を付けてね』
時雨は報告の電話を切ると、暗い表情の汰月を見遣る。
汰月「皆を助けないと…絶対に。…俺一人の力でも……」
時雨「……汰月君…」
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「……」ウトウト
賢昇「むにゃむにゃ…」
汰月「……もう朝か…」
夜御哉「…新アイテム、完成したぞ」
汰月「!…本当ですか!?」
賢昇「んあ?…やっとか」
時雨「ふああ…完成したんですね」
翌朝、疲れもあってか時雨はうたた寝し、賢昇に至ってはガッツリ寝ていたが、汰月のみ外の景色を眺めて気持ちを落ち着けていた。
するとそこに夜御哉が新アイテムの完成を伝えにくる。
夜御哉「これだ!」
時雨「…ガトリング砲…ですか?」
夜御哉「うむ。その名も“クサナギガトリンガー”だ」
賢昇「元々剣だったよな?」
夜御哉「まあ、それは気にするな。飽くまでパーツと言ったろう」
賢昇「じゃあまさか…鋳潰したのか!?草薙剣を!?」
時雨「ええっ!?そんなことして大丈夫なんですか?」
夜御哉「まあ、公的には存在しない物として扱われてるんだし、問題ないだろう。……恐らく」
時雨「絶妙に不安になりますね…」
汰月「まあ、銃の方が俺には扱いやすいし丁度いい。…これを使いこなして…皆を助ける!」
遂に完成した新アイテム“クサナギガトリンガー”は草薙剣の面影なんてこれっぽっちもなく、回転機構を備えた銃口部分の“インクルードマズル”はインク瓶を、引くことが出来るようになっている銃身の上半分の“ペンタブルバレル”は万年筆を、上下にスライドさせられる握り手“コレクトリガー”は修正液を模した形状となっており、銃身の下半分“ムラクモマガジン”はゴツゴツした岩を模しつつ中央に青い結晶…大蛇石が嵌め込まれていた。
草薙剣要素が名前以外から消えていたことから、賢昇と時雨は伝説の剣を鋳潰したのだと気付いて心配するものの、緊急事態ということもあり気にしないことにする。
夜御哉「時間もないしテストの時間は無さそうだな…すまない」
汰月「間に合わせてくれてありがとうございます。じゃあ、行ってくる」
時雨「あ、汰月君、これ」
汰月「これは…ありがとう」
時雨「ううん、良いんだよ。そうだ、これだけは覚えておいてほしいんだけど、汰月君は一人なんかじゃないよ」
汰月「!」
賢昇「だな。なんか緊張してるみてえだが、んな必要ねえって。お前はお前らしくしてりゃいいんだ」
時雨「汰月君には津久代の皆が付いてる。それに僕達もいる。汰月君は一人なんかじゃないんだよ。…一人で全部抱え込まなくていい。失敗したとしても…僕達が絶対に助ける。だから…焦る必要なんてないよ」
夜御哉「うむ。こいつは扱うのに相応の覚悟が必要だ。焦りに駆られたり、不安定に迷ったりしていると、扱いこなすことは出来ないだろう。このことを、胸に刻んでおいてくれ」
汰月「…はい。皆、ありがとう。……行ってきます」
深刻な面持ちで飛び出そうとする汰月に、時雨はツクモブースターの鍵を渡しつつ、汰月は一人じゃないのだから、一人で気負いすぎる必要はないのだと伝え、賢昇と夜御哉も同様のことを伝える。
その言葉を聞いた汰月は憑き物が落ちたような顔になり、強気な笑顔で決戦へ赴く。
汰月「…そうだ。俺は一人じゃない。信じられる仲間がいる。信じてくれる仲間がいる。…焦る必要なんて、なかったんだ。こんな簡単なことにも気付けないなんてね。…皆を絶対に助けてみせる!」
心新たに気合いを入れた汰月は、ツクモブースターへ乗って巌ヶ原採石場跡地へと向かう。
時雨「僕達も向かおうか」
賢昇「だな。何かあった時にバックアップ出来るようにしておこう」
聖「なら、二人は私が車で送ろう」
時雨「藍羽先生!」
雪音「私もいますよ」
時雨「二人とも、どうして…」
汰月をバックアップするために自分達も向かおうとする時雨と賢昇が理工学部特別研究室を出ようとすると、そこに聖と雪音がやってくる。
聖「まあ、今日は休日だしね。ドライブでもしようかと思って」
雪音「日島さんの元に行くのでしょう?私も協力いたします」
賢昇「じゃ、お言葉に甘えて乗せてってもらうか」
時雨「だね。…お願いします!」
聖「ああ」
聖と雪音の申し出に乗っかり、時雨と賢昇は車で巌ヶ原採石場跡地へ向かうこととなるのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
オオガマ「…来たか」
汰月「ああ。約束通り一人だ」
星海「日島さん!」
愛菜「日島君…」
克真「委員長……」
由香里「…日島先輩」
オオガマ「いいだろう。さあ、大蛇石を渡せ」
汰月「大蛇石ならこいつの中にある」
オオガマ「ああ?…まあいい、寄越せ」
汰月「…が、お前にはやらん。ふん!」
オオガマ「!?…貴様…何のつもりだ」
オオガマと、地面に突き立てられた杭に手をロープで縛り付けられて動きを止められていた星海、愛菜、克真、由香里達の元へ、汰月はツクモブースターに乗ってやって来ると、ツクモブースターを降り、ヘルメットを脱いでクサナギガトリンガーを見せる。
しかし、オオガマには渡さず、そのままオオガマに向けて連射する。
星海「!」
汰月「オオガマ!ここでお前を倒して…皆を返してもらう!」
オオガマ「ふん…ならば…コイツ等の目の前で血祭りに上げてやる…!」
汰月「…やれるものなら…やってみろ!」
《編纂之刻!》
オオガマ「何…!?」
汰月はクサナギガトリンガーのコレクトリガーの上部を押しながら上にスライドさせ、インクルードマズルを90度右側に傾けて妖書ドライバー接続用のコンピレーションモードに変えると、そのまま妖書ドライバーへ合体させる。
《激怒!》
汰月「俺はもう迷わない。怒りに飲まれたりもしない。皆を助けるために…お前を倒す!」
《大蛇装填!》
汰月「…変身!」
《編纂装着!変化!
汰月は激怒アヤダマをクサナギガトリンガーに装填し、妖書ドライバーの解放栞を引き下げる。
すると、背後に八岐大蛇が出現し、オオガマを威圧する。
そして汰月がインクルードマズルを左手で回転させると、激怒アヤダマの正面が横開きに展開し、同時に藍色の陣が通った汰月の身体には藍色の素体が形作られる。
続けて八岐大蛇が分解されてその頭部がそれぞれ両腕、胸部、そして両肩にもキャノン砲のようにくっ付き、更に腰にも二つの頭部がスラスターのように装着される。
最後に顔にも八岐大蛇の頭部の一つを模した装甲が装着され、鋭い岩石のようなパーツが追加されると、複眼は琥珀色に煌めく。
霊魂の最強の姿、八岐大蛇ヨロイが爆誕した瞬間だった。
オオガマ「何…!?」
星海「あれが…ヤマタノオロチの力…!」
霊魂「俺がお前の悪事を終わらせる」
オオガマ「姿が変わったからなんだ。魂壊!…ふんっ!…!?」
霊魂「…残念だったな。お前の力はもう…通用しない!」
新たな姿となった霊魂に面くらいつつも、オオガマは魂壊の術を発動してパワーアップした状態で殴りかかる。
しかし、霊魂はその拳を容易く片手で止めると、強烈なパンチを浴びせる。
オオガマ「!…この力…あの姿と同じ…!いや、それ以上…!?何故暴走しない…!」
霊魂「…俺には、頼れる仲間がいるからな!」
《機関砲之刻!》
霊魂「はああっ!」
オオガマ「ぐっ…うぬああ!!」
驚愕するオオガマの言葉に力強く答え、霊魂はクサナギガトリンガーを妖書ドライバーから取り外し、コレクトリガーの上部を押しながら今度は下へとスライドさせ、インクルードマズルを直すことでガトリングモードに戻すと、強烈な妖気弾を連射してオオガマの身体に無数の風穴を空ける。
オオガマ「ふん!」
霊魂「無駄だよ」
オオガマ「うぐあああ!!」
オオガマは舌を伸ばして攻撃するも、霊魂の連射によって舌を撃ち抜かれてしまう。
オオガマ「…こうなったら…アイツ等を!ふん!」
霊魂「!皆に手は出させない!」
オオガマ「壁…!?うぐああっ!」
霊魂「…成る程。地形を書き換えられるのか。ありがたく使わせてもらおうか!はあ!」
オオガマ「くっ…ぐあっ!」
不利を悟ったオオガマは人質に取っていた治安維持委員会の三人を狙おうとするが、それを許さない霊魂は獲得した地形操作能力を用いて壁を生み出すことでオオガマの行手を阻むと、鋭い石の礫を飛ばしてオオガマを攻撃する。
そして、地面から尖った岩を何本も隆起させて刺突を繰り出し、オオガマをその場に縫い止める。
霊魂「はっ!」
星海「!拘束が解けました…」
愛菜「ありがとうございます!」
霊魂「危ないから離れてて」
克真「了解!由香里、行くぞ」
由香里「うん…ありがとう」
オオガマを磔にしている隙に霊魂は鋭い岩を飛ばすことで星海達を縛り付けていたロープのみを切り裂いて逃す。
オオガマ「逃すかぁ!」
霊魂「行かせない!」
《弾丸装填!》
霊魂「はああ!!」
オオガマ「何!?」
オオガマはオタマジャクシを大量に生み出して星海達を追わせようとするも、腰の大蛇の頭“オロチスラスター”から水流をジェット噴射して飛来し、立ち塞がった霊魂がクサナギガトリンガーのインクルードマズルを回転させることでエネルギーを溜め、強化されたエネルギー弾を連射し、追おうとするオタマジャクシ達を消し飛ばす。
霊魂「まだまだ…!喰らえっ!」
《弾丸装填!》
霊魂「はああああ!!」
霊魂は大量のオタマジャクシを前にすると、再度インクルードマズルを回転させ、両肩のキャノン“オロチキャノン”から石片の混じった水流弾を放ちつつクサナギガトリンガーによる連射を行うことでオタマジャクシ達を次々に撃ち抜いていく。
オオガマ「馬鹿な…あの数を一瞬で…!?」
霊魂「次はお前だ」
《最大装填!》
オオガマ「負けるかァ!ゲルォォアアアア!!」
霊魂「ふん!」
《
オオガマ「!?うぐうおおお!!」
霊魂はクサナギガトリンガーのインクルードマズルを八回転させる。
そして、オオガマが放った衝撃波に対して鋭利な結晶体を連続で発射することで打ち破り、オオガマに大ダメージを与える。
時雨「あ、いた!…あの姿……」
賢昇「…いけたみたいだな」
聖「ヤマタノオロチの力を引き出せたのだね」
雪音「私達の加勢はいらなさそうですね」
駆け付けた時雨達は霊魂 八岐大蛇ヨロイの姿を見付けるが、もはや加勢は必要ないと判断する。
《編纂之刻!》
霊魂「トドメだ…!」
《一・撃・必・殺!》
オオガマ「負けてたまるかァァァ!!」
霊魂「俺が平和を守り抜く!」
《八重憤撃!》
霊魂「はあっ!」
霊魂はクサナギガトリンガーをコンピレーションモードに変えて妖書ドライバーにセットすると、解放栞を引き下げて右脚に藍色の妖気を集める。
そして、インクルードマズルを回転させて妖気を解放し、腰の大蛇の頭から放たれるジェット水流に乗って跳躍する。
霊魂「これで終わりだ!はあーっ!!!」
オオガマ「こんな…はずでは…!うぐあああああ!!!」
霊魂は空中で八つの大蛇のオーラを発生させつつ、岩石の入り混じった激流を纏わせた右脚で跳び蹴りをオオガマに対して放つ。
その一撃に加えて大蛇のオーラが次々にオオガマの全身に喰らい付いて噛み砕くことで追撃を仕掛け、オオガマの肉体を爆発四散させる。
時雨「汰月君が…勝った!」
賢昇「…やったな、汰月」
雹介「……お疲れ、オオガマ。君は中々面白い戦闘のデータを集めてくれた。これからはアヤダマとして役立ってくれ」
オオガマの遺した妖気を人知れず暗い青色の大蝦蟇アヤダマに変えると、雹介はその場を立ち去る。
時雨「やったね!汰月君!」
賢昇「やるじゃねえか。まさか五行をあそこまでボッコボコにして勝っちまうとはな」
星海「ありがとうございます!…汰月さん」
汰月「…皆のお陰だよ。礼を言うのはこっちだ。…俺は一人じゃないって、そう気付けたからこそ、この力を扱えたんだ」
仲間達からその活躍を褒められる汰月だったが、照れ臭そうに謙遜するのだった。
⭐︎⭐︎⭐︎
都黎「……オオガマを倒したか。…五行が一人落ちたのは大きいな」
いかにして嗅ぎつけたか、仲間達に囲まれて勝利を祝っていた汰月達の様子を遠目に眺めていた都黎は一人踵を返そうとして、その足を止める。
向こうから血相を変えた様子の玲がやってきていたのだ。
都黎「…どうした。何かあったのか?」
玲「…頼まれてた世模継の様子の偵察なんだけど……マズイかも」
都黎「…何?」
玲「最近妙な動きが出てる。多分ヌラリヒョンの奴、本格的に
都黎「!……そうか。…いよいよか。結局、時間を稼ごうなど無駄なことだったのかもしれないな。だが、動き出したものは仕方ない…どうにか止めるぞ。奴の計画を」
玲「ああ。準備は出来てる」
都黎(ヌラリヒョン…遂に動き出したか…!)
⭐︎⭐︎⭐︎
雹介「オオガマが仮面ライダーに倒された」
和邸にて、雹介はオオガマが倒されたことを三人のモノノケに報せていた。
「そいつは驚きだな、ヌラリヒョンの旦那。オオガマの奴のしぶとさは尋常じゃねえってのに。ねえ?ツチグモさん、オオタケマルさん」
ツチグモ「……成る程確かに。仮面ライダー…侮りがたしというわけですねぇ…」
オオタケマル「…弱いから負けた。それだけの話だ」
「オオタケマルさんは相変わらず連れないねえ」
赤い二本角を生やし、白蛇の顔を模した仮面のような物を顔に身に付け、細身ながらも豪華な蛇皮のような羽織を纏った鬼のモノノケは、巨大な蜘蛛を人型にしたかのようなモノノケ“ツチグモ”や大きな一本角に黒色と金色を基調とした鎧に身を包んだ大柄な鬼のモノノケ“オオタケマル”に同意を求める。
雹介「大蛇石に関しては代用を見つけているから良いものの…。君達も一層気を引き締めたまえ。……さて、シュテンドウジ。五行の火を司りし君に命じよう」
雹介は赤い二本角と白蛇の仮面の鬼のモノノケを“シュテンドウジ”と呼ぶと、彼に一つの命を下す。
シュテンドウジ「何ですかい?ヌラリヒョンの旦那」
雹介「京都へ向かい…手に入れてきてほしい物がある」
シュテンドウジ「京…もしや」
雹介「…そう。“血染めの桜”の苗木だよ」
シュテンドウジ「…ということは遂にイザナミ様がお目覚めに…!」
雹介「ああ。狙いは次の修学旅行さ。…龍神の力を手にした妖魔の力を利用すれば…この花を咲かせられるはずだ」
シュテンドウジ「お任せを。…1000年ぶりの京、ふふふ…楽しみだ!」
……来たる修学旅行、早くも波乱の暗雲が立ち込めて始めていたのだった…。
そして……
⭐︎⭐︎⭐︎
夜御哉「…これは、中々珍しい客人だね」
夢華「いきなりすみません。…お願いがあって来ました」
夜御哉「ふむ。…聞こうか」
ある日の放課後。貴真賀中央大学の理工学部特別研究室を訪れた夢華は、夜御哉に頭を下げ、頼みがあると切り出す。
夢華「私を…仮面ライダーにしてください!」
夜御哉「…!」
⭐︎⭐︎⭐︎
次回!仮面ライダー妖魔!
一茶「今更俺に何の用だ…」
雹介「君をもう一度スカウトしに来たんだよ」
聖「修学旅行が目前に迫ってきたので、今日は班決めを行うよ」
時雨「行き先は京都…物語的にも定番!って感じだよね」
修学旅行でいざ京都!
夜御哉「丁度、知り合いが京都にいてな。彼女から話を聞くと良い」
夢華「え…?」
時雨「手が取れたぁ!?」
一茶「ふ…ふふ…!」
修学旅行でも騒動発生!?
第参拾参話「楽しい修学旅行へさあ行こう!」
日曜午後9時!
第三十二話をご覧いただきありがとうございます。
今回は霊魂の最強フォーム、八岐大蛇ヨロイが登場することとなりました!
やはり大蛇モチーフということで最強フォームは八岐大蛇だろうと判断してのチョイスとなります!
能力としては今までの水属性に加えて土属性の能力が追加されました。
それにも理由がございまして、八岐大蛇とは元々山と水の神様として扱われている存在でもあります。そのため、水属性+土属性というあまりない強化の方向性となりました!
遂に最強の力を手にした霊魂の今後の活躍にも乞うご期待です!
次回からは修学旅行編ということで舞台は京都になります!
一茶や夢華にもスポットライトが当てられていきますので、その辺りにもご注目いただけると幸いです。
今回の変身ポーズ講座は霊魂 八岐大蛇ヨロイ初登場回ということで、変化した変身ポーズを載せていこうかなと思います!主に霊魂の通常のポーズと同じですが、一部に変化がある感じになります。
①激怒アヤダマを右手で持って左肩の前辺りに持ってきます。(この時、アヤダマの持ち方は時雨と共通ですが、上部が左側を向く=人差し指と中指の間が左側に向くように持つのがポイントです)
② 親指で底にあるスイッチを押して激怒アヤダマを起動します。
③ 激怒アヤダマをクサナギガトリンガー装着状態の妖書ドライバーに上からセットします。
④セットした動きのままではなく、一瞬止まってから右手の手刀で栞を引き下げます。
⑤右手でインクルードマズルに触れつつ、右腕の上に重ねるように左手を持ってきて腕を組んだような状態にします。
⑥「変身!」の掛け声を上げながら両腕を広げるようにしてインクルードマズルを回転させ、その後ボクシングのような構えを取ります。
…という手順となっております!