仮面ライダー妖魔   作:玲音考人

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第肆拾話「我武者羅にでも取り戻したい想い」

 

リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!

 

積極的に距離を縮めようとする咲穂をつい避けてしまい思い悩む調。

 

そんな中、イザナミの策略により咲穂はウブメに変えられてしまう。

下手に倒せば命を落とすという中、時雨達は咲穂を助けるために動き出すのだった…」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

妖魔「中々上手くいかないですね…」

 

夜御哉「ふむ…アプローチを変えてみよう。晴河君。無双ヨロイについて、少し調べて良いかい?」

 

妖魔「え?問題ないですけど…」

 

夜御哉「なら早速。ちょっとスキャンさせてもらうぞ」

 

妖魔「はい」

 

 無双の力でならイザナミの力を抑制出来るのではないかという仮説を元に咲穂を助ける方法を模索していた妖魔達。

 しかし、思うような結果が出ないためにアプローチ方法を変えることに決める。

 夜御哉は机の上にあった短めの金属探知機のような機材を取り出すと、妖魔 無双ヨロイの身体に翳し始める。

 

夜御哉「よし、反応するな。調君、悪いんだがこれで妖魔の身体をスキャンしていってもらえないか?」

 

調「わ、分かりました!」

 

妖魔「これは一体…?」

 

夜御哉「…これは推測なのだが…無双の力は常にイザナミの力を抑制してるわけではなく、特定の条件下にのみイザナミの力を抑える効果が発動している可能性があるからな。無双ヨロイの力の機能を調べて特定の条件を探ろうってことだ」

 

妖魔「成る程」

 

 調が妖魔の身体にスキャナーを翳し、夜御哉はPCのモニターと睨めっこする。その意図について無双の力がイザナミの力を抑制するには何らかの条件がある可能性があり、その条件が何かを調べるために行なっているものだと説明する。

 

夜御哉「ん?この反応は…調君、そこで止めてくれるかい?」

 

調「えっ?は、はい!」

 

夜御哉「これは…そうか、そういうことか!光明が見えたぞ!」

 

妖魔「えっ!?」

 

調「本当ですか!?」

 

妖魔「それで、光明って…」

 

夜御哉「ああ、時雨君、君は咲穂君の意識が戻った攻撃を放った時、イザナミの力を打ち破ろうとしたんじゃないかな?」

 

妖魔「え?あー…あ!確かにそうです!あの時、イザナミの手下を倒そうとして攻撃を放ちました」

 

夜御哉「やはりか。…それだよ」

 

妖魔「へ?」

 

 何かに気付いた様子の夜御哉は技を放った時の状況について質問すると、妖魔の答えから何かを確信する。

 

夜御哉「無双ヨロイには妖力の性質を変化させる能力があるようだ」

 

リュウジン「何っ!?それが本当なら凄いことだぞ…!」

 

妖魔「…えっと、つまり?」

 

夜御哉「つまり、時雨君が欲する方向に妖力の性質を変化させているんだ。今回であればイザナミの手下を倒そうとしたからイザナミの力に対して効果的な妖力に自らの妖力を変換したということだろう」

 

妖魔「!じゃあ、僕がイザナミの力から咲穂さんを助けたいと願って力を使えば…」

 

夜御哉「恐らくその特性を反映することが出来る」

 

リュウジン「普通妖力というのは基本的に個人ごとに方向性や性質がある程度決まっているものだ。それを変えられるというのは…異例中の異例ということになる。これが無双の力か…」

 

妖魔「そんな凄い力だったんですね…」

 

調「早速実験しましょう!」

 

妖魔「そうだね!」

 

 無双ヨロイの特殊な能力について読み解いた夜御哉は、その能力について説明する。

 そして、咲穂を助け出す光明を見つけた妖魔達は実験を始める。

 

妖魔「よーし…」(…咲穂さんを助けたい。凪桜ちゃんを助けたい。もう二度と…イザナミのせいで誰かを悲しませたくない…!)

 

夜御哉「!成功だ!イザナミの力が弱まったぞ!」

 

調「やった!それじゃあこうすれば咲穂先輩を助けられるってことですか!?」

 

夜御哉「…いや、恐らく助けるにはもう一工夫必要だな」

 

妖魔「もう一工夫ですか?」

 

夜御哉「ああ。…イザナミの力はアヤダマを通じて咲穂君の魂や生命力と結合してしまっていると考えられる。その状態で強引に消し去ろうとすれば、咲穂君も共倒れしてしまう可能性があるんだ」

 

妖魔「そんな…」

 

調「…どうしたらその結合を解けるんですか?」

 

夜御哉「…魂の力は心の強さに依存する。咲穂君自身の意思の力を取り戻してあげることが出来れば、結合力を弱められるだろう」

 

調「…咲穂先輩自身の…意思の力」

 

時雨「…光明は見えたわけだし…何とか咲穂さんを助けよう」

 

調「はいっ!」

 

 咲穂を助けるための策について方向性が定まってきたこともあり、変身を解いた時雨と調は改めて咲穂を助けることを決意する。

 そして、やる気に満ち溢れた調に、時雨は声を掛ける。

 

時雨「調君」

 

調「?」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

第肆拾話「我武者羅にでも取り戻したい想い」

 

汰月「成る程……イザナミに咲穂が。やってくれるな…」

 

賢昇「知らねえ間にとんでもねえことになってんな」

 

都黎『…何とか今時雨達が助ける方法を探っているが…一つ懸念がある』

 

賢昇「懸念?」

 

都黎『…ああ。イザナミが自分で立案した作戦ということもあってか、奴は自らウブメと共に戦っている。仮に助ける策を見つけたとしても…誰かがイザナミを対処しながらでないと霞流咲穂を助けられないということになる』

 

汰月「そうか…時雨が咲穂にかかりきりになる以上、もう一人必要なのか」

 

 電話にて咲穂の現状について汰月と賢昇に情報を共有する都黎。

 その中で咲穂を助けるにはイザナミを相手取る存在が必要になってくることを伝える。

 

都黎「そこで汰月に頼みがある。お前がイザナミと戦ってくれないか?」

 

汰月「俺?」

 

都黎『ああ。…俺達の中でイザナミの足止め出来そうなのはお前ぐらいだからな。…頼めるか?』

 

賢昇「…っ」

 

汰月「勿論良いよ。時雨にも連絡しておく。…そうだ、こっちからも伝えたいことがあるんだ」

 

都黎『?何だ』

 

 時雨を除けば唯一イザナミと戦える可能性があるとして都黎は汰月にイザナミの足止めを依頼し、汰月はそれを快く引き受ける。

 一方で汰月からも都黎への情報共有が行われる。

 

汰月「さっき賢昇が白石さんに襲われたんだ。今回はどうやら力量を測るって目的だったようだけど…イザナミの計画が実行されてる以上、俺達の妨害を想定しないほど敵も馬鹿じゃない」

 

都黎『成る程、白石真黒が妨害を仕掛けてくる可能性があるってわけか』

 

汰月「うん。…だから、賢昇や都黎達には白石さんの襲撃に備えて警戒してほしくて」

 

都黎『分かった。…夢華と雪音には俺から伝えておこう』

 

賢昇「…俺からも異論はねえ。…イザナミの奴、胸糞悪い策を思い付きやがって…!」

 

 咲穂を助け出し、イザナミの計画を挫くべく汰月達は結束していくのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

調「咲穂先輩の心を取り戻すにはどうすれば…」

 

 貴真賀中央大学の近くの高台の公園から街並みを眺めつつ、調は先程時雨に言われたことを思い出す。

 

時雨「調君」

 

調「?」

 

時雨「咲穂さんの心を取り戻す役目、調君に頼んでも良いかな」

 

調「えっ、俺ですか!?」

 

時雨「うん。…調君が適任だと思うんだ」

 

調「どうして俺に?」

 

時雨「…咲穂さんの心を一番動かせるのは調君だから、かな」

 

 咲穂の心を取り戻すのは調こそが適任であると判断した時雨は、調にその役を託す。

 

調「けど…どうしたら」

 

時雨「…調君の素直な気持ちを伝えてあげれば良いと思うな。調君も、咲穂さんに伝えたい思いがあるんじゃない?」

 

調「俺の…素直な気持ち」

 

時雨「そう。…大丈夫、調君と僕でなら、絶対に咲穂さんを助けられる」

 

調「!…俺…咲穂先輩を助けたいです!だから…絶対に心を取り戻してみせます…!」

 

 時雨の言葉を聞き、改めて咲穂を助けたいという一心から調は決意を固める。

 

調「…ああは言ったけど…一体何を言えば良いんだろ」

 

汰月「調?」

 

調「あっ、日島さん…どうしてここに?」

 

汰月「俺は時雨の手伝いをしようと思って大学に向かってる途中。…咲穂のことで悩んでるのか?」

 

調「はい。…その、咲穂先輩を助けるためには咲穂先輩の心を取り戻す必要があるんですけど…時雨部長から、咲穂先輩の心を取り戻す役目は俺に任せたいって言われてて…けど、どうしたら咲穂先輩の心を取り戻せるのか分からなくて…」

 

汰月「成る程…確かに二人は仲が良いからな。咲穂と互いが互いを大切に思い合う関係にある調なら、きっと咲穂の心に響かせられると時雨も信じているんだと思う」

 

 調の元に現れた汰月は調の悩みを聞くと時雨の意図について自身の考えを伝える。

 

調「そう、ですよね。…でも俺、自信がなくて…。俺の素直な気持ちを伝えれば良いって時雨部長は言ってたけど、俺の素直な気持ちってなんだろうって考え始めたらよく分からなくなっちゃったんです。…咲穂先輩が大切な人なのは間違いなくて、沢山伝えたいことはあるはずなのに、いざとなると何をどう言えば良いか、分からなくて…」

 

汰月「…そういう時はさ、一度落ち着いて、一つ一つ見つめ直してみたら?」

 

調「え?」

 

汰月「色々考えちゃって頭の中がぐちゃぐちゃになってしまった時こそ、落ち着いて、自分の中にあるものを見つめ直してみると良いんじゃないかな。答えはきっと調自身の中にあるはずだからね。…例えば、今回なら調と咲穂の関係性とか。二人がどういう道のりを歩いてきたのか、どんな風に絆を紡ぎ、深めていったのかをね」

 

調「!…そう、ですよね。俺、一度に色々考えすぎて何も出来なくなってました。一つずつ、振り返ってみます…俺と咲穂先輩の道のりを」

 

汰月「それが良いと思う」

 

調「その…ありがとうございます!」

 

汰月「気にしないで。助け合いだから」

 

 どうすれば咲穂の心を救い出せるのか、思い悩みながら調は咲穂との思い出を振り返る。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

俺と咲穂先輩が出会ったのは律が攫われてしまったあの事件の時。

 

弟が無事であることをただ祈ることしか出来なくて、戦う時雨部長や日島さんを見ているだけしか出来なかった俺を励ましてくれた。

時雨部長や凪桜ちゃんと一緒にモノノケの悪事からみんなを助けようとしてた。その姿が…俺にはとても眩しく見えた。

 

俺が歴史研究部に入ってからは要領が悪くて不器用な俺をいつも優しく支えて、応援してくれていた。

 

だからこそ…漫画研究部の一件の時、こんな俺が好きなんだと告白する咲穂先輩に本当にビックリしたんだ。

俺なんかが咲穂先輩みたいな素敵で凄い人にそういう風に思ってもらえるなんて…思ってもいなかったから。

 

あれから3ヶ月、咲穂先輩は積極的に俺に関わるようになってきて…照れくさい反面…嬉しかったんだ。咲穂先輩と過ごす時間は心地よくて、絶対に手放したくないものだって、そう思っていた…はずなのに、何で俺は咲穂先輩を避けるようなことしちゃったんだろ…。

 

…どうも俺は、少し前に咲穂先輩と一緒に出掛けたあの時から何かおかしい。

そう、あの日、咲穂先輩に誘われて映画を見に行って…上映中にふと咲穂先輩の横顔を見た、あの時から、俺はおかしい。

 

…別に、側から見ればなんてことはない。ちょっとしたギャグシーンに、ただ笑っていただけだった。けれど…普段は大人びていて優しい微笑みを浮かべている咲穂先輩のその笑顔の無邪気さが、とてつもなく尊いもののように、かけがえないもののように感じられたんだ。

 

それからというもの、ずっと咲穂先輩のその笑顔が頭の中から離れない。

あの時は結局、時雨部長と昏時さんと合流して、そのまま布留杜市を巡ることになったり、シュテンドウジが襲撃してきたりしてそれどころじゃなかったから少しの間は気にしていなかったけれど、シュテンドウジの一件も解決して、落ち着いてきたら、なんだか咲穂先輩と接するのが気恥ずかしくなってしまって…気付けば俺は逃げ出していた。

 

そこまで考えて、俺は頭の中がスッキリするような感覚を覚える。

ぐちゃぐちゃになっていたパズルのピースが、一つ一つ当てはまって、一つの答えを作り出すみたいに。

 

調「……あ、そっか。俺…」

 

 一つの結論を出した調は、覚悟を決めた顔付きになると、その場を離れるのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

黄泉「さあ…ウブメ、街を破壊するのじゃ」

 

ウブメ「ううっ…うあああっ!!」

 

黄泉「お主達もやれ」

 

井守「はっ!」

 

井守「ふん!」

 

「きゃああっ!!」

 

「うああーっ!」

 

 街中に現れた黄泉 伊邪那美ヨロイはウブメと数体の井守達に街を襲わせ始める。

 

汰月「時雨」

 

時雨「汰月君、どうしたの?」

 

汰月「都黎から話を聞いてな。俺も手を貸そうと思って」

 

時雨「本当?ありがとう!」

 

汰月「イザナミは俺が抑えるから…その間に時雨は咲穂を助け出すんだ」

 

時雨「うん。任せて!絶対に助けてみせるよ」

 

 貴真賀中央大学にて待機していた時雨の元に、汰月がやって来る。

 都黎の頼みもあって時雨の助けになりに来たことを明かすと、咲穂救出に向けて意気込む。

 

リュウジン「時雨!イザナミが動き出したぞ!」

 

時雨「本当ですか!?…行こう!」

 

汰月「ああ」

 

 イザナミが動き出したことを検知したリュウジンが時雨達に報せ、時雨と汰月の二人は現場へ急ぐ。

 

黄泉「くくく…」

 

時雨「イザナミ!」

 

汰月「お前の好きにさせないぞ」

 

黄泉「来たか。妖魔、それに霊魂も。まあ良い。どうじゃ?お主等の仲間が街を破壊し、人々を傷付けてゆく様は」

 

時雨「…絶対に止めます!」

 

汰月「こんな悪趣味な茶番はここまでだ」

 

《無双!》

 

《激怒!》

 

《装填!無双!》

 

《大蛇装填!》

 

「「変身!!」」

 

《憑依装着!超変化!

 

超絶最強!無双ヨロイ!オォー!》

 

《編纂装着!変化!

 

八重展開!八岐大蛇ヨロイ!》

 

妖魔「絶対にハッピーエンドにしてみせます!はあっ!」

 

霊魂「俺達がお前の悪事を終わらせる!ふんっ!」

 

 時雨と汰月は並び立つと、妖魔 無双ヨロイと霊魂 八岐大蛇ヨロイへと変身して向かっていく。

 

ウブメ「うううっ…!」

 

妖魔「咲穂さん!絶対に助けるから…!後は調君さえ来れば…!」

 

井守「ふん!」

 

妖魔「はっ!」

 

井守「ぬうっ!!」

 

 妖魔はウブメがこれ以上被害を出さないようその攻撃を受け止めると、向かってくる井守の攻撃を軽く捌いて返しの拳で追い込む。

 

霊魂「お前の相手は俺だ!」

 

黄泉「またお主か。…まあ良い、相手になってやるかの」

 

霊魂「ふんっ!」

 

黄泉「ふむ…ゆけ」

 

井守「はっ!」

 

霊魂「っ…負けるか…っ!」

 

 霊魂は黄泉を相手取るべくクサナギガトリンガーで銃撃を撃ち込み、井守の斬撃も辛うじて左手で取り出した斧状態の妖之斧火縄で受け止める。

 

ウブメ「あああっ!!」

 

妖魔「はっ!はああっ!!」

 

井守「ぐああっ!」

 

 ウブメの仕掛ける羽根攻撃に対して、妖魔は黄金のオーラを放ってそれを相殺し、更には背後から攻撃を仕掛けようとしていた井守の動きを見切って龍神之大砲剣による斬撃を叩き込む。

 

調「時雨先輩!」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

真黒「さて…僕達も参戦させてもらおうかな」

 

一茶「くくっ…俺の出番か」

 

賢昇「させっかよ」

 

都黎「お前達の相手は…俺達だ」

 

真黒「これはこれは、雁首を揃えて」

 

雪音「……まさか淀川さんまでいるとは…」

 

夢華「まだ反省してないんですか?」

 

一茶「反省?する必要はないだろう」

 

 妖魔と霊魂の元へ向かおうとする真黒と一茶の前に、賢昇、都黎、雪音、夢華の四人が立ちはだかる。

 

真黒「…ま、丁度良い。僕の仕事は…君達の邪魔だ」

 

《着火!》

 

《八咫烏…!》

《餓者髑髏…!》

 

《イグニッション!ゼロ!》

《イグニッション!ゼロ!》

 

賢昇「妨害も想定の内ってか、腹立つぜ…!」

 

《ギュウキ!》

《インストール!》

 

都黎「…とはいえ、ここで逃して時雨達の所には行かせられない」

 

《ヤギョウ!》

《インストール!》

 

雪音「修学旅行の時は良いようにやられましたが…今回はそうはいきません」

 

《ユキオンナ!》

《インストール!》

 

夢華「また私が倒してあげるよ…!」

 

《キュウビ!》

《インストール!》

 

一茶「ふん、あの時の俺と同じと思うな。ヌラリヒョンの肉体改造のおかげで俺は…こういうことも、可能になったのさ!」

 

《狂骨!》

《蟹坊主!》

 

真黒「変身」

 

《焼却装着!ヘンゲ…

 

黒翼!白骨!蒼炎!仮面ライダー禍炎…零!》

 

「「「「変身!」」」」

 

《デンシソウチャク!ヘンゲ!》

 

《猛火Burning!ギュウキヨロイ!》

 

《常闇Darkness…!ヤギョウヨロイ!》

 

《凍結Blizzard!ユキオンナヨロイ!》

 

《幻影Illusion!キュウビヨロイ!》

 

《狂骨…》《蟹坊主…》

 

氷雪「アヤダマを二つ…!?」

 

夢幻「…また面倒そうなことを…!」

 

幽冥「マジかよ…」

 

暗夜「…夢華、雪音。淀川一茶は頼んだ。俺と賢昇で白石真黒を止める」

 

氷雪「任せてください」

 

夢幻「しょーがないなぁ」

 

 賢昇は幽冥 ギュウキヨロイ、都黎は暗夜 ヤギョウヨロイ、雪音は氷雪 ユキオンナヨロイ、夢華は夢幻 キュウビヨロイへとそれぞれ変身すると、真黒の変身した禍炎・零 八咫烏餓者髑髏ヨロイ、そして一茶が二つのアヤダマを用いて変貌したキョウコツをベースにカニボウズの鋏や甲羅がくっついた姿のキョウコツ・ 二妖混合態(にようこんごうたい)に挑み掛かる。

 

幽冥「オラアアッ!!」

 

暗夜「ふっ…ふんっ!!」

 

《イグニッション!武装!鎌鼬!》

 

禍炎「へえ、二人ならそこそこになるものだね」

 

幽冥「言ってられんのも…」

 

暗夜「今のうちだけだ!」

 

禍炎「そう来なくちゃ」

 

 禍炎は幽冥と暗夜の斬撃を辻風之鎌を召喚して受け止めると、二人の攻撃を弾き返し、迎え撃つ。

 

キョウコツ「ふんっ!オラァ!」

 

夢幻「きゃっ!」

 

氷雪「おっと…させませんよ!」

 

キョウコツ「っ…この…!」

 

夢幻「はああっ!!」

 

キョウコツ「ぐあっ!」

 

氷雪「弱点の位置は変わってないようですね」

 

 キョウコツの鋏による攻撃を受けて弾き飛ばされた夢幻をキャッチしつつ、氷雪は追撃を仕掛けようとするキョウコツを銃撃で牽制し、尚も攻撃を仕掛けようとするキョウコツの左胸に夢幻の鋭いキックが叩き込まれる。

 

キョウコツ「だったらぁ!!」

 

夢幻「分裂した…!」

 

氷雪「分裂体は任せます!」

 

夢幻「任せて!はあっ!」

 

氷雪「さて…凍えさせてあげますよ!」

 

キョウコツ「チッ…!」

 

 キョウコツは自らの鋏を左腕にぶつけて分裂個体を召喚するが、夢幻に相手取られ、自身は氷雪の冷気で身動きを阻害され、舌打ちする。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

調「時雨部長!」

 

妖魔「調君!」

 

霊魂「答えは出たみたいだな」

 

調「はいっ!」

 

黄泉「ふん、何やら足掻こうとしているかと思えば…変身することも出来ないただの人間に頼るとは…」

 

妖魔「調君は確かに仮面ライダーではないです。でも…咲穂さんを助けられる人は調君を置いて他にはいません!」

 

霊魂「ここで見てろ!人間の…互いを思いやる絆の力を!」

 

ウブメ「ううっ…」

 

妖魔「はあっ!はあーっ!!」

 

「「うぐあああっ!」」

 

妖魔「調君、僕が咲穂さんの動きを抑えるから…その間に伝えて!」

 

調「はいっ!」

 

 駆け付けた調の姿を見た黄泉は仮面ライダーですらない調を頼る妖魔と霊魂の姿を嘲笑するが、調べを信じる二人は反論し、妖魔は井守二体を重い斬撃で立て続けに撃ち破るとウブメの動きをなんとか抑え込もうとする。

 

黄泉「…面倒な…!」

 

霊魂「行かせるか!」

 

《最大装填!》

 

《激昂八百連弾!》

 

井守「うぐあああっ!!」

 

黄泉「っ…目障りな…!」

 

 黄泉は調を馬鹿にしつつも、妨害しようと動き出すが、それを許さない霊魂のクサナギガトリンガーからの水と土のエネルギーを込めた銃撃と両肩のオロチキャノンからの砲撃の同時掃射によって井守を消し飛ばされつつ自身も身動きを止めさせられる。

 

ウブメ「ううっ…」

 

妖魔「ふっ…!」

 

調「咲穂先輩」

 

ウブメ「うあ…」

 

調「俺…咲穂先輩に沢山伝えたいことがあるんです。だけど…まず最初に伝えたいのは…ごめんなさい!!」

 

ウブメ「っ!」

 

妖魔(力が…弱まってる…!)

 

調「俺…咲穂先輩と接してると頭がいっぱいになっちゃって…自分で自分がどう考えてるのかよく分からなくなっちゃって、それでつい…咲穂先輩のこと避けちゃってました。そのせいで傷付けさせて…本当にごめんなさい!」

 

妖魔「調君…」

 

ウブメ「ううっ…うう…!」

 

調「咲穂先輩の心を取り戻すってなって、俺ずっと考えてたんです。俺は咲穂先輩に何を伝えたいのかなって。まず一つ目は…謝罪です。傷付けたこと、ずっと謝りたかったんです。…二つ目は、感謝です。…咲穂先輩、俺と一緒にいてくれてありがとうございます」

 

ウブメ「う…ううあっ!」

 

黄泉「馬鹿な…心に響いているだと…!?」

 

霊魂「お前には…分からないだろうさ!」

 

 咲穂に謝った調は、続けて咲穂への感謝の言葉を口にする。それを聞いたウブメの反応を見て黄泉はあり得ないと言いたげな様子を見せる。

 

調「俺…ずっと友達とかあんまりいなくて、一人で寂しいって思ってました。そんな時に時雨部長や凪桜ちゃん、そして…咲穂先輩と出会って、友達になって…すっごく楽しかったです!俺、皆で過ごす時間がすごく好きで…それはきっと、咲穂先輩のおかげでもあって、だから…ありがとうございます!俺に楽しい時間をくれて、俺を受け入れてくれて、ありがとうございます!!」

 

ウブメ「うううっ…!」

 

 調は咲穂への感謝の想いを伝えると、一歩ウブメに近付き、ウブメは踠き始める。

 

調「最後に…これだけは伝えなきゃって、想いが俺にはあります。それは俺が……咲穂先輩のことが大好きだってことですっ!!

 

妖魔「!調君…」

 

霊魂「調…」

 

ウブメ「…っ…!?」

 

調「…大人っぽくて、面倒見のいいところが好きです!賢くて、色んなこと知ってるかっこいいところが好きです!優しくて、いつも俺達のことを気にかけてくれてるところが好きです!偶に見せる子供っぽい無邪気な笑顔が好きです!!…俺、漸く気付いたんです!俺は、咲穂先輩とずっと一緒にいたいんだって!咲穂先輩と過ごす時間は俺にとって穏やかで楽しくて…そんな宝物みたいなかけがえないのない時間なんだって!だから…帰ってきてください!!また一緒に映画見に行ったり、他愛もない話をしたり、そういう日々を…俺は咲穂先輩と過ごしたいんです!!」

 

ウブメ「っ…うぅ…し……ら…べく…ん…!」

 

調「時雨部長!」

 

妖魔「うん!」

 

《大砲之刻!》

 

 ウブメにしがみつきながらの調の心からの告白に次第に咲穂の声音が戻り始め、動きも止まり始める。妖魔もそれに気付いて龍神之大砲剣を大砲状態に変える。

 

《読取装填!神業!一撃必殺!》

 

妖魔「はあああ…!」

 

黄泉「くっ…させるか!」

 

霊魂「それはこっちの台詞だ!!」

 

黄泉「邪魔な…!」

 

妖魔「調君!離れて!」

 

調「はいっ!」

 

ウブメ「うう…」

 

妖魔「咲穂さん…今助けるから!はあっ!!」

 

《神業砲撃!》

 

ウブメ「ううっ…うああああっ!!!」

 

 妖魔は少し距離を取ると龍神之大砲剣から黄金のビーム砲を放ち、ウブメを撃ち抜く。

 そして黄金のビーム砲はウブメの中からアヤダマを排出させ、その身が溶け消えて咲穂の姿に戻る。

 

調「咲穂先輩!」

 

咲穂「調君…ありがとうございます。聞こえてましたよ…調君の声。時雨君も、ありがとうございます」

 

妖魔「良いの良いの。さて…ここから反撃開始だよ!」

 

霊魂「だな!」

 

黄泉「よくも…!」

 

 倒れ込んだ咲穂を抱き抱えた調。咲穂の身体から黒い瘴気が抜け、生気を取り戻した顔で咲穂は笑う。

 一方妖魔と霊魂は反撃に移るべく並び立ち、黄泉と向き合う。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

禍炎「ほら…ふんっ!」

 

幽冥「うあっ!!」

 

暗夜「くっ…!」

 

 禍炎の巧みな鎌捌きによって連続で斬りつけられた幽冥と暗夜は火花を散らしながら後退する。

 

幽冥「やっぱ手強いな…!」

 

暗夜「だが…勝機はあるはずだ!」

 

禍炎「いいね、諦めないのは君達の良いところだよ!」

 

 何とか禍炎の斬撃を受け止めつつ、幽冥と暗夜の二人は勝機を探る。

 

キョウコツ「ふんっ…はああっ!!」

 

氷雪「ううっ…!」

 

夢幻「きゃっ!」

 

キョウコツ「ふん、俺の力はどうだ…!」

 

 キョウコツは禍々しいオーラを纏った鋏を振るって斬撃を飛ばし、氷雪と夢幻に攻撃を仕掛けると勝ち誇る。

 

氷雪「…前よりも強いのは確かなようですね。ですが…」

 

夢幻「私達最強幼馴染タッグを倒せると思ったら大間違いだよっ!!」

 

氷雪「まずは私から!」

 

《インストール!》

《スペシャルムーブ!》

 

氷雪「はあああああっ!!」

 

《凍結スラッシュフィニッシュ!》

 

キョウコツ「ふん、その程度の攻撃では俺は倒せな…何?」

 

 奮起した氷雪と夢幻。チラリと視線をかち合わせると氷雪は飛び出し、冷気を放って地面を凍らせながらその上を滑り、スケート選手の如き華麗な動きで氷上を舞いつつアヤカシレーザーアタッカーによる斬撃を幾重にも亘って叩き込む。

 その一撃をカニボウズ由来の防御力で受け止めて余裕綽々の様子を見せるキョウコツだったが、その体の節々から凍てつき始めたことで焦りを見せる。

 

《インストール!》

 

夢幻「一気に決めるよ…!」

 

《スペシャルムーブ!》

 

夢幻「はあっ!!」

 

キョウコツ「ま、待て…!」

 

《幻影シュートフィニッシュ!》

 

キョウコツ「っ…ふはは、なんだ、ただの虚仮威しか。脅かしやがって…!?」

 

夢幻「虚仮威しかどうか…その身を以て試してみよっか」

 

キョウコツ「なっ…うぐああああっ!!」

 

 氷雪がスッと滑って横に避けた瞬間、その後ろから夢幻が飛び出し、桃色のエネルギー弾を放つ。

 身動きの取れない中攻撃されそうになったキョウコツは咄嗟に制止をかけようとするが、幻の弾丸だったために当たらずその身をすり抜け、途端に強気になる。…が、直後に桃色の弾丸は分裂して無数の狐型エネルギーとなってキョウコツを取り囲み、一斉にその身に集まり爆発を起こす。

 急所にも大ダメージを受けたことで人間の姿に戻った一茶は地面に投げ出される。

 

禍炎「おや…」

 

幽冥「今だ!」

 

《憑依装着!変化!

 

白日反射!雲外鏡ヨロイ!》

 

幽冥「オラアアッ!!」

 

《白日剛撃!》

 

禍炎「っ…!」

 

 一茶の敗北に禍炎が一瞬気を取られた隙に幽冥は敢えて雲外鏡ヨロイへとチェンジし、全身から光を放って禍炎の目を眩ます。

 

暗夜「ナイスアシストだ…!」

 

禍炎「!」

 

《神剣・暗闇演舞!》

 

暗夜「はっ!ふんっ!はあああっ!」

 

禍炎「くっ…うあああっ!!」

 

幽冥「よしっ!」

 

真黒「まさか今更足元を掬われるとはね…フッ、君達の勝ちだよ。ここは潔く引くとしよう」

 

 禍炎が動きを止めた一瞬の隙にその懐に暗夜が飛び込み、強力な闇のオーラを纏わせた闇夜月で三連続で斬撃を叩き込み、変身解除にまで追い込む。

 

一茶「うう…」

 

真黒「さ、退散しますよ」

 

幽冥「あ、おい!」

 

暗夜「…逃げたか」

 

氷雪「まあ、撃退出来ただけでも良しとしましょう」

 

夢幻「そうだね。後は晴っち達が上手くやってくれてればいいけど…」

 

 真黒は蒼炎に身を包んで姿を消し、一茶の元へ現れると、一茶を連れて再度蒼炎を纏い、撤退する。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

妖魔「はあっ!!」

 

黄泉「くっ…」

 

霊魂「ふっ!!」

 

 妖魔は妖之流星刀と妖之弓剣との二刀流で黄泉に斬撃を叩き込み、更に霊魂がクサナギガトリンガーで追撃を喰らわせる。

 

黄泉「面倒じゃな…彼岸桜!」

 

妖魔「っ…またこれ…!」

 

霊魂「こっちのがよっぽど面倒なんだけど…!」

 

 黄泉の放った彼岸桜に動きを阻害される妖魔と霊魂。しかし、そんな中、妖魔の身体から黄金のオーラが発し始める。

 

妖魔「っ…はあっ!」

 

黄泉「彼岸桜を塗り替えた…!?…ぐあっ!」

 

霊魂「楽になった。…凄いな時雨、そんなことも出来るのか」

 

 複合術式・彼岸桜による拘束を妖魔仕様に塗り替えることで脱した妖魔。

 彼岸桜を元にして生み出されたヒマワリの紋章が刻まれた円陣を黄泉にぶつけ、弾き返す。

 

妖魔「みたいだね。…この術式は…よし、向日葵(ひまわり)だ!」

 

黄泉「この…っ…うあああっ!!」

 

霊魂「おお…」

 

 妖魔は黄金の円陣に複合術式・向日葵と名付けると、黄泉の斬撃を黄金の円陣で弾き返しつつ、その身を拘束する。

 

黄泉「よくも妾の術を…!千本桜!」

 

霊魂「時雨!」

 

妖魔「ありがとう!はあっ!!」

 

霊魂「どういたしまして!はっ!!」

 

黄泉「っ…!」

 

 黄泉は彼岸桜で向日葵を打ち消しつつ、今度は赤みがかった桜の花弁を大量に放つことで妖魔と霊魂に攻撃を仕掛けるが、霊魂の生み出した土の壁に阻まれ、更にはその土の壁を踏み台にして懐に飛び込んできた妖魔の二連斬撃と霊魂の援護射撃を喰らい、黄泉は呻き声を上げる。

 

黄泉「ふざけるな!」

 

妖魔「はあっ!…ふざけてなんていません!僕達は…真面目に僕達のハッピーエンドを叶えようとしてるだけです!はあっ!!」

 

黄泉「ぐっ…」

 

 黄泉は終滅之薙刀を振るって妖魔に斬りかかるが、左手に持った妖之弓剣を巧みに振るって終滅之薙刀の刃を地面に叩きつけた妖魔の、反論と共に繰り出された逆手に持ち替えた妖之流星刀による一太刀を受けて大きく仰け反る。

 

霊魂「ふざけるなはこっちの台詞だ!凪桜や咲穂の命を弄んで…利用するお前を許さない!はあっ!!」

 

黄泉「あああっ!!」

 

 妖魔による攻撃で怯んだところに、霊魂はすかさず怒りの言葉と共にクサナギガトリンガーによる連射攻撃とオロチキャノンによる砲撃を叩き込む。

 

黄泉「馬鹿な…妾がただの凡人共に追い詰められているじゃと…ありえぬ…!」

 

《龍!》

《装填!一・撃・必・殺!》

 

《龍!》

《選択!》

 

《大蛇!》

《装填!》

《一撃!必殺!》

 

「「はああっ!!」」

 

《登竜剣撃!》

 

《龍!妖斬り!》

 

《蛇行爆撃!》

 

黄泉「ぐっ…!」

 

 妖魔と霊魂は同時に稲妻の二連斬撃と大量の水流弾を放つことで黄泉にダメージを蓄積させる。

 

妖魔「汰月君!」

 

霊魂「ああ!」

 

「「エピローグと…」」

 

妖魔「いきますよ!」

 

霊魂「いこうか!」

 

《究極之刻!》

《一・撃・必・殺!》

 

《編纂之刻!》

《一・撃・必・殺!》

 

《無双究極剛撃!》

 

《八重憤撃!》

 

「「はあああーッ!!!」」

 

黄泉「ふっ!」

 

《冥界薙撃!》

 

黄泉「っく…!」

 

妖魔「はあーっ!!」

 

霊魂「はああっ!!」

 

「「はーっ!!」」

 

黄泉「っぁああああっ!!!」

 

 右脚に黄金のオーラと白い稲妻を纏わせた妖魔と左脚に水と土のエネルギーを纏わせた霊魂は同時に跳び上がると、妖魔はマントをたなびかせながら、霊魂は背中から八つの大蛇の頭を展開して左脚に収束させながら、黄泉目掛けて跳び蹴りを叩き込む。

 対する黄泉は赤みがかった桜色の斬撃を終滅之薙刀から放ち、二人を迎え撃つが、押し切られてしまい、妖魔と霊魂の同時攻撃によって変身解除にまで追い込まれる。

 

イザナミ「くっ…妾が…負けたじゃと…?認めん…認めんぞ…!」

 

妖魔「…凪桜ちゃんも、必ず取り戻してみせる」

 

汰月「やったな、時雨」

 

時雨「汰月君の協力のお陰だよ。ありがとう」

 

 変身解除に追い込まれたイザナミは捨て台詞を吐くと、自身の身を血染めの桜の花吹雪で包み込み、その場を去る。

 そして変身を解いた時雨と汰月は連携プレーによる勝利の余韻を互い拳を突き合わせて分かち合う。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

咲穂「調君」

 

調「咲穂先輩、その…」

 

咲穂「さっきの話なのですが…」

 

調「…さっきの言葉は嘘じゃないです。俺の…心からの言葉です。…気付くのが遅くなってごめんなさい。咲穂先輩、俺…咲穂先輩のこと好きです。良かったら俺の…彼女になってくれませんか?」

 

咲穂「…そんなの…答えは一つに決まってるじゃないですか。私で良ければ、喜んで。…私も大好きですよ。調君」

 

調「わっ!ちょ…咲穂先輩、時雨部長達も見てるから!」

 

咲穂「あ…そ、そうですね…!」

 

 改めて咲穂に告白する調。感極まったのか、咲穂は目尻に涙すら浮かべながら調を抱き付き、告白に応える。

 しかし、時雨達に見られている前でイチャつくことに恥ずかしさを覚えた調に止められ、咲穂も正気に戻って少し離れる。

 そんな二人の様子を見た時雨と汰月は顔を見合わせて苦笑する。

 

時雨「あー…僕達お邪魔みたいだし、退散しようか」

 

汰月「…だな」

 

調「ちょちょちょ、邪魔なんかじゃないですって!」

 

咲穂「そうですよ。お二人のお陰でこうして無事に助かったのですし。ありがとうございます」

 

時雨「まあ、咲穂さんを助けられて良かったよ。それに、調君との仲直り…どころか仲も進展したみたいだしね」

 

汰月「何はともあれ一件落着だな」

 

 退散しようとする時雨と汰月を慌てて引き留めた調。

 そして咲穂からの礼を聞いた二人は無事に咲穂を助け出せたことを喜ぶのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

ツチグモ「…イザナミ様。仮面ライダー達にしてやられたそうですね」

 

イザナミ「お主は…」

 

ツチグモ「私はツチグモと申します。…私にお任せいただければ、妖魔の力を奪ってみせましょう」

 

イザナミ「…何?」

 

ツチグモ「それにあたって…あなた様のお力をお借りしたいのです。いかがでしょうか?」

 

イザナミ「ふっ…面白い。良いじゃろう」

 

 イザナミに恭しく頭を下げつつ力を貸してくれるよう頼むツチグモ。

 そして妖魔への対抗策があることを聞いたイザナミはツチグモに力を貸すことを決める。

 そしてその様子を、真黒は物陰から眺めていた…。

 

真黒「……遂に五行も三人目が動き出した…か。幽冥もここが正念場だな」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

???「5年ぶりの布留杜…賢昇は元気にしてるかな」

 

 トランクを引き摺って布留杜の街並みを見渡す、一人の少女。

 色素の薄い金色の髪が、そよ風に靡いてハラハラと揺れる。

 日本人離れした容姿とは裏腹に流暢な日本語を操る少女は、どこかの高校の制服と思しき紺色のセーラー服の胸元に結ばれた白色のリボンをキュッと握ると、その瞳に映す街並みに、懐かしげに目を細めるのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

次回!仮面ライダー妖魔!

 

エンマ「…賢昇、お主何やら焦っているようだな」

 

拓矢「今日から2週間、交換留学生が来るんだぞ」

 

???「やっぱりここにいたんだね。…久しぶり」

 

賢昇「……マジかよ」

 

賢昇の前に現れたのは…交換留学生!?

 

都黎「もしかすると連中は…ツチグモの操り人形かもしれない」

 

時雨「賢昇君は返してもらいます!」

 

ツチグモの仕掛ける罠!

 

???「賢昇はもう戦わなくて良い」

 

第肆拾壱話「交換留学!花開くアイツの初恋!?」

 

日曜午後9時!




第四十話をご覧いただきましてありがとうございます。

さて、今回は咲穂と調の二人の関係に決着がつく回となりました。久々にラブコメラブコメした回になったんじゃないかな…と思います!

さて、次回は賢昇のメイン回!仲間との力の差に悩む賢昇に課せられる試練にどう立ち向かうのか、是非ともお楽しみに!
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