仮面ライダー妖魔   作:玲音考人

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第肆拾壱話「交換留学!花開くアイツの初恋!?」

 

リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!

 

イザナミによってウブメにされてしまった咲穂を助けるべく、時雨と調は奔走する。

 

自分の想いを見つめ直した調の告白と妖魔と霊魂の協力により、無事に咲穂を救い出すことに成功し、晴れて咲穂と調は恋人同士となったのだった…」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

幽冥「ッラアアっ!!」

 

ゴズ「ふん!」

 

メズ「はあっ!」

 

幽冥「ふっ…だああっ!!」

 

エンマ「そこまで」

 

 ゴズとメズの二人を同時に相手取り、妖之盾槍を振るう幽冥 鬼ヨロイ。

 両者の攻撃が当たる直前にエンマが制止の号令をかけ、三人は攻撃を止める。

 

エンマ「…賢昇、お主何やら焦っているようだな」

 

賢昇「…!何で分かったんだ?」

 

エンマ「この数ヶ月、お主の特訓を見てきたからな。お主の人となりくらいは把握しているつもりだ」

 

賢昇「……強く、なりてえんだ」

 

ゴズ「ほう」

 

メズ「最初に比べれば大分強くなったと思うがな」

 

賢昇「まだ足りねえんだ!…アイツ等はどんどん先に進んでて…足手纏いになりたくねえ…」

 

エンマ「妖魔と霊魂のことか。確かに、イザナミまでもが現れた中で、彼等二人の活躍は目覚ましいものがある」

 

賢昇「俺は…もっと強くならねえと。そうしねえと…守りたいものを何一つも守れねえ…!」

 

 変身を解いた賢昇はエンマからの問いかけに強くなりたいという本心を語る。

 

エンマ「ふむ…ならばお主にこいつを与えよう」

 

賢昇「これは…?」

 

エンマ「吾輩の持つ地獄の力そのものが詰まった…地獄アヤダマだ。こいつを使えばお主は吾輩と同じように地獄の力を操ることが出来るようになる。…いずれにせよそろそろお主に渡そうと思っていたが…先んじて渡しておこう」

 

 エンマは手のひらから生み出した炎を集めて黒色と赤色を基調として、上部にダイヤルのようなものがついた“地獄アヤダマ”を作り出すと、賢昇に手渡す。

 

賢昇「これがあれば…!」

 

エンマ「だが、今のままではその力は使えないだろう」

 

賢昇「?何か条件があんのか…?」

 

エンマ「ああ。地獄の力はそう簡単には扱いこなせない。焦りに駆られて本当の強さを見失っている今のお主ではその力を使うことは出来ないだろう。…故に、自分自身の強くなりたい理由を今一度見つめ直せ。本当の強さはもう既にお主の中にある。…賢昇、お主ならきっと見つけ出せるはずだ」

 

賢昇「じーさん…ありがとな。…地獄の力…必ず使いこなしてみせる」

 

エンマ「…頑張るんだな」

 

賢昇「おう!」

 

 エンマから今のままでは地獄アヤダマを扱うことは出来ないと聞き、神妙な面持ちになった賢昇だったが、必ず使いこなしてみせると意気込み、地獄府を去る。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

賢昇「あー…つっかれた…」

 

拓矢「最近朝から疲れてるが、どうかしたのか?」

 

賢昇「まあちょっと、朝練的な…」

 

拓矢「朝練…ランニングでもしてるのか?」

 

賢昇「ま、そんなとこだ」

 

拓矢「?…まあ良い。そんなことより、今日から2週間、交換留学生が来るんだぞ」

 

賢昇「あー、そういやそうか。今日だったな」

 

拓矢「しっかりしろよ〜、俺達が交換留学生の担当なんだから」

 

賢昇「んなこと言ってもよ、軽く学校や街の案内したり世話見るだけだろ?ガキじゃねえんだし、そこまであれこれすることもないだろ」

 

拓矢「ま、それもそうだな」

 

 朝から訓練の疲れで自席でグデっとしていた賢昇に絡む拓矢。

 交換留学が今日からという話を聞いたところで、担任の教師が入ってくる。

 

「席に着けー、今日から交換留学生が来るのは皆知ってるな。早速紹介するぞ。さ、入って」

 

賢昇(そういや進んでここを選んだんだっけ、どんな物好きなのやら…)

 

「皆さん、初めまして」

 

賢昇「!?…なっ…」

 

「磐砥高校から来た、繰谷(くりたに)アリス。2週間の短い間だけれど、よろしく」

 

 教室に入ってきた交換留学生を見てどよめく教室。

 それもそのはず、入ってきたのはとんでもない美少女だったからだ。

 色の薄い金髪にクールな雰囲気を感じさせる整った顔立ち、紺色のセーラー服には白色のリボンが結ばれたその容姿端麗な少女は自らを繰谷アリスと名乗る。

 そんな少女の顔を見て、名を聞いた賢昇は絶句して固まってしまう。

 

賢昇「……」

 

拓矢「すげえ美人…って賢昇?」

 

アリス「あ、賢昇だ。やっぱりここにいたんだね。…久しぶり」

 

賢昇「……マジかよ」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

第肆拾壱話「交換留学!花開くアイツの初恋!?」

 

アリス「あ、賢昇だ。やっぱりここにいたんだね。…久しぶり」

 

賢昇「……マジかよ」

 

拓矢「えっ、何…知り合い?…巡坂知ってる?」

 

結佳「いや…私も知らない。けど…多分…」

 

賢昇「…アリス…なんでここまで来たんだ……?」

 

アリス「5年ぶりに会う幼馴染にかける言葉がそれ?私傷ついちゃうな」

 

賢昇「いや、悪りぃ…ちょっとびっくりしてて。…久しぶりだな、アリス」

 

拓矢「お、幼馴染?」

 

結佳「……やっぱり。ということは…彼女が…」

 

 賢昇に親しげに話しかけるアリス。どうやら二人は幼馴染らしく、困惑しつつも賢昇は久しく会った友人に挨拶する。

 

 所変わって屋上。クラスメイト達からの追及から逃れて来た賢昇とアリスは落ち着いて話を始める。

 

アリス「びっくりした?」

 

賢昇「した。…弥城からの交換留学と聞いて…全く考えなかったわけじゃねえが…まあ、まさかあり得ねえだろって思ってたよ」

 

アリス「賢昇…背伸びたね」

 

賢昇「…そりゃな。…5年経ってんだ。お前も…いや、なんでもねえ」

 

アリス「えー、言ってよ。気になる」

 

賢昇「……凄え美人になったよ。まあ、元々可愛かったから意外ではねえけど」

 

アリス「……」

 

賢昇「…黙るなよ。恥ずいだろ」

 

 5年が経ち賢昇は背が伸びたと言うアリスに、賢昇はアリスも美人になったと伝える。

 しかし、そんな賢昇のストレートな褒め言葉に照れた様子のアリスが黙り込んでしまい、賢昇も恥ずかしそうにそっぽを向く。

 

拓矢「…まさか、賢昇にあんな幼馴染がいたとは……」

 

千瀬「絶対賢ちゃん先輩、あの子のこと好きででしょー」

 

結佳「うん。…しかもあの子…多分、()()()()()()()()()()()()()()()になった…初恋の子じゃないかな」

 

圭佑「リーダーの恋…これは全力で応援するしかないっす!」

 

結佳「あ、ちょっ、出ちゃダメだって!」

 

千瀬「そーだよ、邪魔しちゃうから!」

 

圭佑「ご、ごめんなさい。気持ちが昂ってつい…」

 

拓矢「しかし賢昇の恋かぁ…」

 

 コソコソと建物の陰から賢昇とアリスの様子を盗み見る結佳達。

 賢昇を応援したい思いが溢れ出た挙句、飛び出して行こうとする圭佑をなんとか三人で抑えるのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

イザナミ「…ツチグモが妖魔の新たな力に対処すると言っていたが…あの力さえ無ければ…妾に敵はない…!しかし、念には念を…もう一つの脅威も早いところ手中に収めなければな…」

 

真黒「脅威…?」

 

イザナミ「…妾の持つ力と対極の力、とでも言っておこうかの」

 

真黒「イザナミ様の…対極の力…」

 

イザナミ「お主に命じよう。我が対極の力を見つけて参れ。良いな?」

 

真黒「はっ…」

 

 ツチグモが立てた策によって妖魔の無双ヨロイを封じることが出来たのなら、もはや自分に敵はないと語るイザナミだったが、もう一つ警戒している力があると語り、それを探して来るよう真黒に命ずる。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

時雨「……」

 

都黎「考え事か?」

 

時雨「都黎君。…まあ、うん。この前イザナミと戦った時、無双の力をぶつけたはずなのに凪桜ちゃんの意思が一瞬戻ることもなかった。…無双の力でイザナミの力を抑えることが可能なのは分かってたし、あの時の状況的に確実にその力を発揮してたはずだから…まだ何かが足りないんじゃないかなって」

 

都黎「…成る程。イザナミの力を与えられた人を助けるくらいは出来ても、本体を追い出すとなるとまだ不十分なのかもしれんな」

 

時雨「うん。だから何かイザナミの力を抑える方法が他にないか田貫教授にも協力してもらって探してるんだけど…中々見つからなくて」

 

 放課後、一人旧部室棟脇のベンチで考え込んでいた時雨の元にやって来たのは都黎だった。

 イザナミから凪桜を助ける方法がないかと考えていたという時雨は夜御哉と協力して救う手立てを探っていると語る。

 

都黎「…そういえば交換留学で外部の生徒が来ているのだろう?放っておいて大丈夫なのか?」

 

時雨「そっちは一旦片付いて、この後街を案内する予定かな。昏時君も来る?今は一応、臨時とはいえ照羅巣高校の一員なわけだし」

 

都黎「…そうだな。時雨達さえ良ければ…同行させてもらおう」

 

 交換留学生の件について、都黎も同行することとなり、時雨と共に待ち合わせ場所へ向かう。

 

雪音「時雨君」

 

夢華「晴っちも来たね。…って、都黎も?」

 

「あ、晴河君。…そちらの方は?」

 

時雨「この人は昏時都黎君。元々違う学校の出身なんだけど、訳あって今は照羅巣高校にいるんだ」

 

「そうでしたか。…あ、すみません。申し遅れました。僕は夏目(なつめ)(おさむ)と申します。よろしくお願いします」

 

都黎「昏時都黎だ。急な同行になってすまない。…よろしく」

 

治「いえいえ、賑やかでいいと思います」

 

 雪音、夢華と共に待機していた真面目そうな雰囲気の交換留学生の治と挨拶を交わした都黎。

 フルメンバーが揃ったため、五人は照羅巣の街並みを回る。

 

都黎「そういえば…霞流咲穂と霧宮調の二人はいないのか?」

 

時雨「ああ、あの二人なら付き合い始めてまだ2週間だし…二人の時間を用意してあげようってことで放課後は僕達が引き受けてるんだ」

 

雪音「私達の代わりにあの二人が学内を案内してくれていたんです」

 

都黎「…成る程」

 

夢華「それにしても都黎まで来るなんて、どういう風の吹き回しー?」

 

都黎「……俺は今まで、戦うことばかりを教えられ、そのためだけに生きて来た。だが…そればかりではなく…こういう色々なことを体験してみるのも大事だろうと藍羽先生に言われてな」

 

夢華「成る程ねー」

 

 近くにあるスーパーやコンビニなど滞在に必要な施設を紹介していく時雨達。

 

治「それにしても…この街は落ち着いてる雰囲気で良いですね」

 

時雨「弥城は違うんですか?」

 

治「あそこは最先端のアーティストが多く集まる街ですから。どうしても賑やかで忙しないんです。その雰囲気も嫌いではないですが…こういう落ち着いていて心安らぐ雰囲気もまた良いものだな、と」

 

時雨「そういえば弥城市は多くのアーティストを輩出してる街ですもんね」

 

治「ええ。…僕は小説家を目指しておりまして。そのために文芸について学んでいるんです」

 

時雨「小説家!…良い夢ですね、応援してます。実は僕も小説とかを読むのが好きなんです」

 

治「そうでしたか!…いつか、僕の小説が出版されたその時は…読んでくださると嬉しいです」

 

時雨「はい、是非!」

 

 時雨と治は小説という共通の話題から話が盛り上がるのだった。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

汰月「へえ、それじゃあ龍之介はカメラマンを目指してるんだ」

 

龍之介「まあね。…立派なカメラマンを目指して日々練習だよ」

 

 津久代にやってきていた明るく人当たりの良さそうな雰囲気の交換留学生の(もり)龍之介(りゅうのすけ)は汰月とすっかり意気投合していた。

 カメラマンを目指しているという龍之介は津久代の街並みをカメラでパシャパシャと撮りつつ汰月と言葉を交わす。

 

汰月「今日はアレだけど…明日以降この街の色んな所を案内しようか?」

 

龍之介「助かるよ、ありがとう。…こっちは落ち着いた雰囲気の街並みで良いね。自然や古い建物も色々残ってるし、撮り甲斐があるよ。向こうは高いビルばっかりだからね。新鮮だよ」

 

汰月「気に入ってくれたなら良かった」

 

 汰月と仲良く歩きつつ津久代地区の景色をフィルムに収めていく龍之介。

 そんな様を少し後ろから星海と朔は付いていきながら眺めていたのだった。

 

星海「すっかり打ち解けてますね」

 

朔「かなり社交性が高いみたいだなぁ…。ま、寂しがることないよ、汰月は斜馬にも構ってくれるって」

 

星海「べ、別に寂しがってるわけではありません…!そんな子供みたいな…」

 

朔「ははは、そういうことにしておこうか」

 

 朔が龍之介を構ってばかりの状況に星海が寂しがっているのではないかと指摘する朔に対し、星海は恥ずかしがって軽く頬を膨らませる。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

賢昇「…なあ、街並み案内する必要あるのか…?お前昔住んでたじゃん」

 

アリス「そうだけど…色々と見て回りたいんだ、賢昇と」

 

賢昇「っ…わーったよ。最後まで付き合ってやる」

 

アリス「やった」

 

 街並みを知っているはずのアリスに道案内をしていることに疑問を呈する賢昇だったが、アリスが賢昇と一緒にこの街を回りたいのだと告げると、照れもあってか仕方なく承諾する。

 

アリス「〜♪」

 

賢昇「…相変わらず、歌好きなんだな」

 

アリス「…うん。賢昇が褒めてくれたあの日から…私は歌が大好きなの」

 

賢昇「アリス…。その…」

 

ツチグモ「デート中ですか?仮面ライダー…幽冥さん」

 

 ご機嫌に鼻歌を歌い始めたアリスに、何やら真剣な表情で何かを伝えようとした賢昇。しかしそこに割り込むように、ツチグモが現れる。

 

賢昇「っ…!モノノケ…!」

 

アリス「!!」

 

ツチグモ「お初にお目にかかります。私はツチグモ。…これでも五行の土を司っているのですよ」

 

賢昇「しかも五行かよ…アリス、下がってろ」

 

アリス「えっ、賢昇…」

 

 ツチグモが自ら名乗り、五行の土であることを明かすと、賢昇は表情をより険しくさせてアリスを庇うように前に進み出ると、電書ドライバーとギュウキ電子アヤダマを取り出す。

 

ツチグモ「ふふふ…」

 

賢昇「折角の幼馴染との再会に…水を差すような真似しやがって。頭に来るぜ!電光石火で片付けてやるよ」

 

《ギュウキ!》

 

《インストール!》

 

賢昇「変身!」

 

《デンシソウチャク!ヘンゲ!

 

猛火Burning!ギュウキヨロイ!》

 

アリス「!…これが、仮面ライダー…。やっぱり賢昇が……」

 

幽冥「…ぶっ潰す!」

 

 賢昇は幽冥 ギュウキヨロイに変身すると、アヤカシレーザーアタッカーの鋒をツチグモに向け、そのまま斬りかかる。

 

ツチグモ「ふふふ…!」

 

幽冥「オラアッ!」

 

 幽冥はツチグモに斬撃を繰り出すも、ツチグモの生成した糸によって阻まれる。

 

幽冥「防がれた…!?」

 

ツチグモ「ふふふ…あなたは私の罠で…じっくりと喰らってあげましょう…!」

 

幽冥「訳わかんねえこと言ってんじゃねえ!ッラア!」

 

ツチグモ「隙だらけですねえ…!」

 

幽冥「なっ…うわあああっ!!」

 

アリス「賢昇!」

 

 幽冥はツチグモ目掛けて蹴りかかるも、ツチグモの生み出した糸が足に巻きつけられ、そのまま振り回されて地面に叩きつけられてしまう。

 

幽冥「ぐあっ!…にゃろう…!」

 

ツチグモ「ふふふ…」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

時雨「まあ、2週間暮らすのに必要な施設はこんなところですかね。後は行きたい場所とかあれば案内しますよ」

 

治「ありがとうございます。今日は疲れたでしょうしもう大丈夫ですよ。ただ…もし良ければ明日晴河君のオススメの本屋さんがあれば教えてほしいかもです」

 

時雨「勿論です!じゃあ、寮まで戻りましょうか」

 

治「ええ。ありがとうございます」

 

夢華「結局私達要らなかったような…」

 

雪音「まあ、偶にはこういう時間も良いんじゃないですか?」

 

都黎「だな。街を見て回れて良かった」

 

 治に照羅巣地区の店などを案内し終えた時雨達が帰路に就く中、突如大量のモノノケ達が姿を現す。

 

「キャー!怪物!」

 

「うわああっ!」

 

井守「……」

 

餓鬼「……」

 

アメフリコゾウ「……」

 

カマイタチ「……」

 

時雨「モノノケ…!」

 

治「か、怪物…!?」

 

都黎「…下がっていろ。夢華、雪音、先に街の人達を逃してくれ。ここは…俺と時雨でいく」

 

時雨「だね。…頼んだよ」

 

雪音「了解です。いきましょう、夢華さん」

 

夢華「おっけー!」

 

治「お二人とも、危ないですよ!逃げましょう!」

 

時雨「大丈夫です。僕達は…仮面ライダーですから!」

 

 突如として街で暴れ出した井守や餓鬼、モノノケ達を前に時雨と都黎は治を自分達の後ろに退かせ、同時に雪音と夢華に避難誘導を任せる。

 

《無双!》

 

《ヤギョウ!》

 

《装填!無双!》

 

《インストール!》

 

「「変身!」」

 

《憑依装着!超変化!

 

超絶最強!無双ヨロイ!オォー!》

 

《デンシソウチャク!ヘンゲ!

 

常闇Darkness…!ヤギョウヨロイ!》

 

治「え、えええっ!?…これが…仮面…ライダー…?」

 

妖魔「いくよ、都黎君!」

 

暗夜「ああ」

 

 時雨と都黎は同時に妖魔 無双ヨロイと暗夜 ヤギョウヨロイへと変身すると、並んで立ち向かってゆく。

 

妖魔「はっ!はあっ!!」

 

暗夜「ふっ…ふん!」

 

 迫り来る餓鬼や井守達を妖魔は妖之弓剣と妖之流星刀の二刀流で斬り伏せ、暗夜は闇夜月で斬り捨ててゆく。

 

妖魔「なんか…今回の敵、変じゃない?」

 

暗夜「時雨も気付いていたか…俺も同じことを思っていた」

 

妖魔「何というかこう…操り人形みたいな感じというか」

 

暗夜「…ああ。餓鬼や井守、恐らく白石真黒が召喚したであろうモノノケまでもがここまで一糸乱れぬ動きで連携してくるのは明らかにおかしい。何者かが操っていると見て間違いないだろう」

 

妖魔「やっぱり…そういうことだよね!」

 

 妖魔と暗夜は協力して餓鬼や井守達を迎撃しつつ、感じた違和感を共有する。

 

カマイタチ「……」

 

妖魔「おっと…この速さ、前に戦った時より上がってる…!」

 

 高速で旋風を纏い突撃してきたのはカマイタチ。以前よりも磨きのかかったその速度に妖魔は驚く。

 

アメフリコゾウ「……」

 

暗夜「白石真黒が召喚していることを差し引いても強すぎるな…更に何らかの強化要因があるようだ…!」

 

 アメフリコゾウの放った水流弾を闇夜月で弾きつつ、暗夜もその強さに違和感を覚える。

 

妖魔「けど…僕達二人でなら…」

 

暗夜「そうだな、俺達二人でなら…」

 

「「敵じゃない!」」

 

 それぞれカマイタチとアメフリコゾウを主に相手しつつ、背中合わせに立った妖魔と暗夜は息を合わせる。

 

《加速之刻!》

《一・撃・必・殺!》

 

妖魔「スピードには…スピードで!」

 

《無双加速剛撃!》

 

カマイタチ「……!」

 

妖魔「こっちです!はあっ!」

 

カマイタチ「……」

 

妖魔「はっ!…はあっ!…はああっ!!」

 

 妖魔は無双アヤダマの上部を2回押して全身に青色のオーラを纏うと、カマイタチの高速の一撃をそれを上回る速度で回避し、何とか妖魔を振り切りろうと逃げたカマイタチの動きを三連続で道中の餓鬼や井守達を蹴散らしつつ先回りして斬撃を叩き込み、終いには宙へ逃げたカマイタチに一瞬で追いつくと妖之弓剣と妖之流星刀による同時斬撃を叩き込んで地面に叩き付ける。

 

《夜行流奥義!》

 

暗夜「ふん」

 

《魔剣・宵闇乱舞!》

 

暗夜「はっ!はあっ!ふんっ!!」

 

アメフリコゾウ「……!」

 

暗夜「今だ…」

 

《夜行流奥義!》

 

《秘剣・暗黒剣舞!》

 

暗夜「はあっ!!」

 

 アメフリコゾウの放つ水流を断ち切るように闇の回転斬撃をいくつも飛ばす暗夜。

 そうして生じた隙に闇を通じて一気に距離を詰めると、至近距離から闇のエネルギーを纏わせた闇夜月による斬撃を浴びせて地面に転がす。

 

妖魔「決めるよ…!」

 

暗夜「…ああ」

 

《常闇ストライクフィニッシュ!》

 

「「はあーっ!!」」

 

 妖魔は青色のオーラを纏ったまま高速でカマイタチに接近して左脚に青色のオーラを迸らせさせ、暗夜は闇を通じて一気にアメフリコゾウとの距離を詰めつつ右脚に闇の妖気を収束させると、同時に横蹴りを叩き込み撃破する。

 

リュウジン「時雨、これを見てみろ」

 

妖魔「ん?…これって……」

 

暗夜「どうした?」

 

 カマイタチとアメフリコゾウを撃破した後から出て来た青白く光る細い糸にリュウジンから声を掛けられた妖魔は気付く。

 

妖魔「今倒したモノノケから妖気を帯びた糸みたいなものが出て来てて…これが異変の原因かな…」

 

暗夜「…糸…一糸乱れぬ連携…。!まさか」

 

妖魔「何か知ってるの?」

 

暗夜「…もしかすると連中は…ツチグモの操り人形かもしれない」

 

妖魔「ツチグモ?」

 

暗夜「五行の一角だ。土を司っているんだが…確か奴は自身の生み出した子蜘蛛を埋め込むことで強力な操り人形とすることが出来たはずだ。…強い意志の力を持つ相手には効かないはずだが…」

 

妖魔「イザナミの手下の井守達に意識の薄い悪い妖気の塊である餓鬼…」

 

暗夜「そして白石真黒がアヤダマを使って呼び出したであろうモノノケ達。どれも能力の効く相手ばかりだ」

 

妖魔「じゃあやっぱり五行のツチグモの仕業ってことかな。…一体何のために…。!この糸、佐乃緒の方に続いてる…?」

 

リュウジン「…!確かに佐乃緒の方から妙な妖気を感じるな」

 

 妖魔の見つけた糸の情報から今回の騒動の犯人は五行の一角であるツチグモではないかとアタリをつけた暗夜。そんな中、糸が帯びた妖気を見ていた妖魔はその繋がる先が佐乃緒の方向であることに気付く。

 

暗夜「…つまり、ツチグモは今佐乃緒にいるということになるな……」

 

妖魔「…もしかして、戦力を分散させようとしてる…?」

 

暗夜「…!そうか…だから俺達の所に操り人形を嗾けた…。なら奴の狙いは…」

 

妖魔「賢昇君…!早く行かないと!」

 

暗夜「だが、この数の敵…どうする?」

 

妖魔「…っ…確かに、簡単には捌けないよね…」

 

 ツチグモの狙いは賢昇ではないかと考えた妖魔はすぐにでも佐乃緒に向かおうとするが、それを許さないとばかりに残った井守や餓鬼達が妖魔と暗夜を囲う。

 

妖魔「なら、速攻で片付けるしか…!」

 

《チャージシュート!》

 

《チャージスラッシュ!》

 

妖魔「!」

 

暗夜「…!」

 

 暗夜のみに任せるのは無理があると判断した妖魔は速攻で倒そうと拳を握るが、そこに水色のレーザービームと桃色のレーザー斬撃が飛来し、包囲網の一角に穴を空けるとそこから氷雪 ユキオンナヨロイと夢幻 キュウビヨロイが現れる。

 

氷雪「話は聞きました。ここからは私達が時雨君の代わりに戦います!」

 

夢幻「避難誘導はもう終わってるから安心して!」

 

妖魔「雪音ちゃん!桃原さん!」

 

暗夜「三人でなら何とかなるだろう。…時雨、行って来てやってくれ」

 

妖魔「うん!三人とも、ありがとう!」

 

氷雪「いえ…当然ですよ」

 

夢幻「そーそー仲間がピンチかもしれないわけだしね」

 

 避難誘導を終えて駆け付けた氷雪と夢幻がバトンタッチすることで佐乃緒へ向かうことが可能となり、妖魔は仲間達に感謝の意を伝える。

 

妖魔「よーし!」

 

《聖獣之書!》

 

《鳳凰!》

《聖獣装填!》

 

《聖獣装着!変化!

 

聖炎復活!鳳凰ヨロイ!》

 

妖魔「ちょっと任せたよ!」

 

暗夜「ああ」

 

 妖魔は鳳凰ヨロイに姿を変えると炎の翼を広げて空へと飛び立つのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

霊魂「はあっ!はっ!!…何なんだこいつら」

 

 津久代地区にも発生していた襲撃に対し、霊魂 八岐大蛇ヨロイに変身した汰月は妖之斧火縄を振るって近くの餓鬼や井守達を斬り裂いて対応していた。

 

龍之介「怪物が出て来たと思ったら日島君が戦って…一体何がどうなってるのやら…」

 

星海「汰月さんは仮面ライダーの一人なんです」

 

龍之介「仮面ライダー…?」

 

星海「はい。…この街の平和に暮らす人やモノノケの笑顔を守るヒーロー。それが、仮面ライダーなんです」

 

龍之介「そっか…凄いんだな、彼は…」

 

 突然の事態に混乱している龍之介に、星海は汰月は仮面ライダーであり、この街のヒーローなのだと説明する。

 

霊魂「さっさと終わらせる!」

 

《八重憤撃!》

 

霊魂「はあっ!!」

 

 星海の説明を背に、霊魂は地面から岩の棘を生やして井守や餓鬼達の動きを止めると、オロチキャノンからの水流弾連射によって一掃する。

 

霊魂「……妙な予感がするな…」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

幽冥「だあああッ!!」

 

ツチグモ「どうしました?そんな攻撃では…私に傷一つ付けられませんよ」

 

幽冥「っ…手強い…だったら!」

 

《スペシャルムーブ!》

 

《猛火ストライクフィニッシュ!》

 

幽冥「これで…どうだァァァッ!!」

 

ツチグモ「ふふ…罠にかかりましたね…」

 

幽冥「っ!?なっ、動きが…!」

 

 幽冥はバクレツブースターから激しく炎を噴き出しつつツチグモ目掛けて勢いよく跳び蹴りを放つが、その一撃がツチグモの眼前まで迫ったその時、幽冥の身体はどこからか現れた糸に絡め取られ雁字搦めにされてしまう。

 

ツチグモ「これで…終わりです!ふんっ!!」

 

幽冥「ッぐあああっ!!」

 

 ツチグモは蜘蛛の巣で捕えた幽冥目掛けて背中から巨大な四本の蜘蛛の足を伸ばして、痛烈な一撃を叩き込み、変身解除に追い込む。

 

賢昇「ぐっ…この…っ!」

 

アリス「賢昇!……やっぱり私がやるしか…」

 

ツチグモ「ふふふ…無様ですね。敗者が何を言ったところで…無駄ですよ」

 

 倒れた賢昇を嘲笑うツチグモ。そしてそんなツチグモに敵意を向けつつ鞄を探るアリス。そんな中、上空から聖なる炎の塊がツチグモ目掛けて突っ込んでくる。

 

妖魔「はああああっ!!」

 

ツチグモ「…おや、獲物がもう一人…かかりましたね」

 

妖魔「あなたが…ツチグモですね…!」

 

賢昇「時雨…!」

 

アリス「あれは…別の仮面ライダー…?」

 

 駆け付けた妖魔 鳳凰ヨロイの妖之流星刀による斬撃はツチグモの糸による結界に防がれながらも、妖魔はその鋒を向けて果敢に声を上げる。

 

妖魔「賢昇君は返してもらいます!」

 

《無双!》

 

ツチグモ「ふふっ…良いんですか?その力を使おうとするなら…彼は殺しますよ?」

 

妖魔「なっ…!…無双アヤダマが…!?」

 

賢昇「!!」

 

ツチグモ「ふふ、まんまと引っ掛かってくれましたね。何、ちょっとした手品ですよ。こちらに注意を向けさせて、本命を隠す。手品とはそういうものでしょう?」

 

 妖魔が無双ヨロイにチェンジしようと無双アヤダマを取り出して起動した直後、ツチグモは無双ヨロイになれば賢昇の命を奪うと宣言し、その首元に蜘蛛の足の先端を突き付けることで一瞬妖魔を躊躇わせる。

 すると、突如として妖魔の背後にある茂みから糸が放たれ、手に持っていた無双アヤダマを奪い取る。

 

ツチグモ「ふふふ…狙い通りです」

 

妖魔「まさか…僕が助けに行くのも計画の内…!?」

 

ツチグモ「そういうことです。さて…折角面白い玩具があるわけですし…もう少し遊びましょうか…!」

 

アリス「…!させない!神よ…私に炎の加護を与えたまえ!」

 

賢昇「アリス…!?」

 

ツチグモ「っ…この術は…威力は大したことはないが…糸をすり抜けてくる…?一体何をしたのでしょうか…?」

 

アリス「…井の中の蛙、大海を知らず。あなたのような狭い国でイキってるだけのモノノケには…分からないかもね」

 

妖魔「今のは一体…!?…いや、今のうちに…!」

 

 賢昇の命を握られていたこともあり動けなかった妖魔だったが、その様子を見ていたアリスは古びた荘厳な本を取り出すと、そこから自在に動く火炎弾を三つ放つ。

 見たこともない術である上に、予想外の相手からの攻撃だったためか、ツチグモも思わず動揺してしまう。

 

ツチグモ「…成る程、西洋の術、といったところでしょうか。それにしても小生意気な娘ですね…!」

 

《聖音泰平!麒麟ヨロイ!》

 

《装填!超回転!一・撃・必・殺!》

 

ツチグモ「!」

 

妖魔「はあっ!!」

 

《聖音流星閃撃!》

 

ツチグモ「音の斬撃…!」

 

妖魔「今のうちに…!」

 

 妖魔はツチグモがアリスの挑発に気を取られている隙に麒麟ヨロイにフォームチェンジし、糸の防御をすり抜ける音の斬撃を放つことでツチグモの動きを一瞬止め、更には召喚した麒麟を使って賢昇とアリスを回収して逃げ去るのだった。

 

ツチグモ「ふむ…まあ第一目的は果たしましたし…よしとしましょうか」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

暗夜「一気に決めるぞ」

 

《アヤダマ一閃!》

 

暗夜「はああっ!!…?」

 

氷雪「…!消えた…」

 

夢幻「…ひとまずこの襲撃はおしまい…ってことかな?」

 

 暗夜がヤギョウ電子アヤダマを装填した闇夜月を振るって闇の斬撃を飛ばすが、当たる直前に餓鬼や井守達は糸が切れたように動かなくなり、そのまま溶け消えてしまう。

 

都黎「…何やら妙な予感がするな」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

賢昇「……」

 

時雨「賢昇君、怪我は大丈夫?」

 

賢昇「ああ。…すまねえ」

 

時雨「え?どうして賢昇君が謝るのさ」

 

賢昇「…俺が弱かったから…お前のアヤダマを奪われちまった。…だから…すまねえ」

 

時雨「賢昇君は悪くないよ。罠だってことも想定出来てなかった僕にも問題はあるし…相手は五行だもんね。手強いのは当たり前だよ。それに…奪われた物は取り返せば良いけどさ、賢昇君の命は奪われたら取り戻せないでしょ?」

 

賢昇「……おう。…ありがとな」

 

 バスターズのアジトにて、時雨に手当されながら、無双アヤダマを奪われる原因を作ってしまったことを詫びる賢昇。

 そんな賢昇に時雨は気にする必要はないと返すと、賢昇は落ち込んだ様子は残りつつも時雨に助けてくれたことへの礼を伝える。

 

アリス「…賢昇」

 

賢昇「アリス、お前さっきのは一体…」

 

アリス「やっぱり賢昇が仮面ライダーっていうのは本当だったんだね。それに…危険な相手だらけっていうのも」

 

賢昇「それは…」

 

アリス「でも安心して、賢昇。賢昇はもう戦わなくて良い」

 

賢昇「…は?」

 

アリス「これからは…私が賢昇を守ってあげる。必要なら賢昇の代わりに私が戦うよ」

 

時雨「えっ!?」

 

アリス「だからさ…賢昇。

 

 

 

 

 

 

──仮面ライダーなんて、やめようよ」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

次回!仮面ライダー妖魔!

 

アリス「戦いに着いていけてなかった」

 

賢昇「俺じゃ力不足だからもう仮面ライダーをやめろってか」

 

ツチグモ「幽冥を潰すために、あなた方には餌にでもなってもらおうかと思いまして」

 

焦りを抱える賢昇…

 

賢昇「なんで、勝てねえんだ…!」

 

ツチグモ「あなたは私には勝てない。ここで惨めに死んでゆくのです」

 

賢昇「俺の力で、誰かを虐げる悪意を焼き払う!強いとか弱いとか関係ねえ!そのために俺は戦うんだ!」

 

覚醒!地獄ヨロイ!

 

賢昇「地獄の沙汰も俺様次第ってな!覚悟しろ!」

 

第肆拾弍話「地獄絵図こそが俺の行く道」

 

日曜午後9時!




第四十一話をご覧いただきありがとうございます!

さて、今回と次回は賢昇のメイン回となっていきますが、次回は幽冥の新しい力も登場となります!
賢昇の新たなるステージを是非ともお見逃しなく!

さて、魂壊登場したゲストの三人のアリスに治、龍之介。
詳しいことは本編の方に映画予告が21時10分ごろに投稿されていることかと思いますが、こちらでも軽く触れておきますと、こちらの三人については単に今回の話のゲストに留まらず、劇場版のゲストキャラともなります。(要は先行登場に近い感じです)
そんな劇場版…「仮面ライダー妖魔 アナザーノーマルエンド」の舞台は交換留学先の弥城市!普段の布留杜市を出た先での物語がどのようなものになるのか、こちらもお見逃しなく!
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