リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!
交換留学でやってきた幼馴染のアリスから仮面ライダーをやめるように言われた賢昇。
しかし、仲間を傷つける卑劣な策を繰り出すツチグモを前に、焦りを乗り越えて自らの戦う理由を取り戻すと、幽冥は新たな姿の地獄ヨロイに変身!ツチグモを無事に撃破したのだった…」
⭐︎⭐︎⭐︎
真黒「……さて、いよいよ僕も大一番ってところかな」
夜の街の、どこかの屋上で、一人佇み街並みを眺める真黒。
焚書ドライバーを手に取り眺めると、真剣な面持ちで顔を上げるのだった…。
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聖「……それで、例の件について分かったことがあるというのは…?」
夜御哉「ああ、そのことなんだがな、一つ判明したことがある。俺の仮説が間違っていなければ…恐らくイザナミから凪桜君を助け出すことも可能だろう」
時雨「本当ですか!?」
都黎「時雨、落ち着け」
時雨「あっ、ごめんなさい」
貴真賀中央大学の理工学部特別研究所にやってきていた時雨、都黎、咲穂、調、聖の五人は、夜御哉から凪桜を救う手立てが見つかったかもしれないと明かされる。
そしてそれに驚くあまり思わず詰め寄ってしまう時雨だったが、都黎に嗜められて冷静さを取り戻す。
夜御哉「いや、無理ない。ここまで手掛かりらしい手掛かりはなかったからな…。実はかつて保管したとあるアヤダマが鍵になり得ることが分かったんだ」
時雨「とある…アヤダマ?」
夜御哉はあるアヤダマこそがその鍵だと語り、そしてその名を口にする。
夜御哉「ああ。…名前は実は分かっていないのだが……特性からして恐らく…“伊邪那岐アヤダマ”だ」
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第肆拾参話「奪還作戦!紡いできた奇跡!」
聖「イザナギ…つまり神話におけるイザナミと対となる神の力を宿したアヤダマ…なのですか?」
夜御哉「ああ。これがその伊邪那岐アヤダマだ。…このアヤダマは元々、名前が分からなかったと言っただろう?その理由が分かるか?聖」
聖「えっ、私ですか?……!まさか…そのアヤダマは…朱井君の…?」
夜御哉「そうだ。この伊邪那岐アヤダマは元々朱井家に伝わってきた物。…神話ドライバーの原型となった書とともに俺の元へ持ち込まれた物だ」
時雨「それがこの伊邪那岐アヤダマ…」
聖「しかし何故今になってそんなことが分かったのですか?確か名も伝わってないが故に神話ドライバーはその力を発揮出来なかったはずでは…」
夜御哉「ああ。だから言ったろう?“恐らく”伊邪那岐だと」
聖「確証はない…と」
夜御哉「まあ、そうなるな。ほぼ間違いないとは思うが」
何故今まで分からなかったはずの神話ドライバーやアヤダマに秘められた神の名が分かったのかについて、夜御哉は語り出す。
夜御哉「さて、何故分かったかという話に戻すと…実は時雨君のお陰なんだ」
咲穂「時雨君の…ですか?」
夜御哉「ああ、実は時雨君がイザナミの対極にある力ならその抑止力足りえるんじゃないかというヒントをくれてね。その話を聞いて思い出したんだが…咲穂君を助ける時の一件でイザナミの妖気を解析しただろう?」
調「あー、無双ヨロイの力を探るための」
夜御哉「そう、その時だ。その時にイザナミの妖気の波形を見て、どこかで見覚えがあると思っていたんだ」
咲穂「妖気の波形…電波や音波などと同じようにですか?」
夜御哉「そうとも。モノノケはそれぞれ種族ごとに固有の妖気を持つ。そしてその妖気にはそれぞれ固有の波形がある。そこで思い出したのだが…イザナミの妖気の波長はこのアヤダマの妖気の波長に対して逆位相になっているんだ」
調「逆位相…?」
咲穂「…位相…即ち波の山や谷の特定の地点のことを指すのですが…位相が真逆の波同士がぶつかると打ち消し合うんです」
夜御哉「うむ。そして…イザナミの対極にある力…そんなものが存在するとしたらそれはたった一つだけ…」
都黎「それが……イザナギ」
推定伊邪那岐アヤダマが何故伊邪那岐アヤダマであると推定されているのかについて波形に関する話を交えつつ夜御哉が説明し、咲穂が補足を入れる。
調「それにしても時雨部長、よくそんな対極の力があるかもなんて発想になりましたね」
時雨「それについて…皆に大切な話があるんだ」
聖「大切な…話?」
時雨「はい。…けど、この話はきっと、汰月君と賢昇君にもした方がいいと思ってて…二人が来たら説明するよ」
都黎「もう二人は呼んでるのか?」
時雨「うん。それで、伊邪那岐アヤダマも見つかったし、二人が到着したら……反撃開始だよ。凪桜ちゃんを必ず助け出す」
時雨は汰月や賢昇も交えてするべき大切な話があると語ると、真剣な表情で凪桜を奪還することを宣言する。
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真黒「…イザナミ様、例の物が見つかりました」
イザナミ「!…確かなのじゃな?」
真黒「勿論。…
イザナミ「ふむ。…ならば、後は分かっておるな?」
真黒「ええ。…必ずや手に入れてみせましょう」
イザナミ「なら良い。…お主の力は物を奪取するのにはうってつけだからのう」
真黒「ご期待添えますよう、尽力いたします。…では」
イザナミ「…いよいよこの時が来たか…」
真黒はイザナミが探し続けていたある物の所在が分かったと伝えると、蒼炎に身を包んでその姿を消す。
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真黒「さーて…アレはどこかな…っと、あった」
夜御哉「…真黒君…!」
真黒「お久しぶりです。田貫教授」
夜御哉「…本当に、復活しているんだな……」
真黒「そりゃあまあ。…さて、僕の目的は既に果たしましたので…失礼しますね」
夜御哉「待てっ!………真黒君が現れた」
貴真賀中央大学の理工学部特別研究室にて、蒼炎から現れた真黒は何やら室内を物色すると、ある物を回収する。
そこへやってきた夜御哉と鉢合わせるも、久々に知人と会った時程度のリアクションで返すと、そのまま再び蒼炎に身を包んで姿を消してしまう。
それを見た夜御哉は険しい表情でブンプクブラストフォンを取り出し、どこかへ電話し始めるのだった…。
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真黒「ふう…」
イザナミ「例の物は回収してきたんじゃろうな?」
真黒「イザナミ様。…勿論。こちらでございます」
イザナミ「!…ふふ…ふふふ…そのアヤダマは間違いなく…我が半身、イザナギのもの…!よくやったのう」
雹介「流石だねえ、真黒君。やはりあそこから物を盗み出すなら君が適任だった」
真黒「お褒めに預かり光栄です」
どこかの廃材置き場にて待機していたイザナミと雹介の前に現れた真黒は特別研究室から盗み出してきた伊邪那岐アヤダマを見せると、イザナミはそのアヤダマは間違いなく伊邪那岐アヤダマであると太鼓判を押す。
イザナミ「さあ、そのアヤダマを渡すのじゃ」
真黒「……」
雹介「…?早く渡しなさい」
真黒「……残念、お前達には渡さない」
「「!」」
《着火!》
真黒「…変身」
《焼却装着!ヘンゲ…
黒翼!白骨!蒼炎!仮面ライダー禍炎…零!》
イザナミと雹介は伊邪那岐アヤダマを渡すよう迫るが、真黒はどこ吹く風といった反応を見せると、蒼炎に身を包んで二人の背後を取り、二人に“宣戦布告”する。
そして予め八咫烏零式アヤダマと餓者髑髏零式アヤダマを装填していた焚書ドライバーを取り出し、禍炎・零 八咫烏餓者髑髏ヨロイへと変身する。
イザナミ「お主…なんのつもりじゃ…!」
禍炎「何のつもりも何も…最初からこうするつもりだったのさ。イザナミ、お前を攻略するこの時をずっと待っていた」
雹介「…君は
禍炎「舐めないでもらおうか」
雹介「何…?」
禍炎「僕は朱井さんを取り戻すために戦い続けると決めた…」
雹介「ならば…」
禍炎「けど、朱井さんが心から愛していたこの街を…危機に晒すような奴等を許しはしない。それとヌラリヒョン、お前は何か勘違いしているようだけど…朱井さんは死んでない。二度と間違えるな」
雹介「!」
自分が元から裏切るつもりだったことを明かした禍炎は、揺さぶりをかけようとする雹介に対し、容赦なくオンミョウブラストチェンジャーで銃撃し、雹介は咄嗟にヌラリヒョンとしての本性を表して弾丸を受け止める。
イザナミ「…よくも…そのアヤダマを返せえええ!!」
《冥界姫君…伊邪那美ヨロイ…!》
黄泉「ふん!」
禍炎「おっと…。悪いがそうはいかないな。イザナミ、あんたこそ凪桜ちゃんを返してもらおうか!」
黄泉「…目障りな…!」
激昂したイザナミは黄泉 伊邪那美ヨロイへと変身し、禍炎に襲いかかる。
しかし、終滅之薙刀による連撃を巧みに避けた禍炎はオンミョウブラストチェンジャーによる反撃を喰らわせる。
ヌラリヒョン「そのアヤダマは渡してもらおうか」
禍炎「お断りだよ!はあっ!」
ヌラリヒョン「っ…!」
禍炎「恨むんなら…僕を強くしてしまった自分達を恨むんだね。モノノケとして復活させたことでヌラリヒョン、あんたは僕の心を読めなくなった…そうだろう?」
ヌラリヒョン「はあ…全く、まさか君がそこまで愚かとは思ってなかったものでね!」
禍炎「愚かで結構!あんたに理解なんて…してもらいたいと思わないしね」
舌戦と同時に激しい戦いを繰り広げる禍炎とヌラリヒョン。ヌラリヒョンは杖を振るって禍炎を殴打しようとするが、対する禍炎は左手に持ったオンミョウブラストチェンジャーでその打撃を受け止め、蒼炎を纏った前蹴りを叩き込む。
ヌラリヒョン「ふん、君の心など読めなくとも…もう一度始末するだけだ。喜悦光」
禍炎「おっと、その手は食わないよ。ヌラリヒョン!あんたは僕のことを理解した気になっていたのかもしれないけれど…僕もあんたの近くであんたを見て来た。少しはあんたを理解しているつもりなんだよ!」
黄色のレーザー光線を放って禍炎を追い詰めようとするが、禍炎はすぐさま飛行し、ヌラリヒョンの攻撃を容易く躱わす。
そしてそのまま空を舞いながら禍炎は黄泉とヌラリヒョンの二人に弾丸の雨を浴びせる。
黄泉「千本桜!」
禍炎「おっと…!だったら!」
《鎌鼬!》
《水虎!》
《イグニッション!武装!鎌鼬!》
《イグニッション!召喚!水虎!》
禍炎「はああああっ!!」
黄泉「くっ…!」
ヌラリヒョン「厄介な…!」
黄泉の放った赤みがかった桜の花弁を紙一重で避けた禍炎は辻風之鎌を召喚し、更にはスイコを自身に取り憑かせることで液状化した状態で風を纏った高速飛行による斬撃を叩き込み、黄泉とヌラリヒョンに強襲を仕掛ける。
ヌラリヒョン「ぐあっ!」
黄泉「っ……!図に…乗るな!彼岸桜!」
禍炎「!!っ…うぐあああっ!!」
ヌラリヒョンを大きく弾き飛ばした禍炎だったが、黄泉にその動きを読まれ、彼岸桜の円陣による拘束を喰らって強制的に元の状態に戻されてしまう。
黄泉「つまらない小細工をしおって…そのアヤダマを返してもらうぞ」
《一撃…必殺!》
禍炎「おっと…!」
《塗壁!》
黄泉「消え失せよ…!」
《冥界滅撃…!》
黄泉「ふん!」
《イグニッション!召喚!塗壁!》
禍炎「くっ…うぐあああっ!!」
怒りに燃える黄泉は右脚に赤みがかった桜色のエネルギーを収束させると、桜の花弁状のエフェクトを発生させながら横蹴りを叩き込み、咄嗟にヌリカベを召喚して取り憑かせることで防御力を強化した禍炎に大ダメージを与えて吹き飛ばし、壁へと叩き付けて変身解除にまで追い込む。
真黒「っ…流石に強いな…!」
ヌラリヒョン「クリスマスから学ばないね君は。…さあ、二度目の死を迎えると良い」
黄泉「…生き返らせてやった恩を忘れおって…滅びよ!」
時雨「させません!リュウジンさん!ブンプクブラストフォンさん!ツクモブースターさん!お願いします!」
リュウジン「任せろ!」
黄泉「なっ!?」
真黒「…来たか」
変身解除され、流石に少なくないダメージを負った様子の真黒にトドメを刺すべく、黄泉は終滅之薙刀を振り上げるが、そこに駆け付けた時雨の指示によって一斉に突撃してきたリュウジン、ラクーンモードのブンプクブラストフォン、そして自動運転状態のツクモブースターが次々に黄泉へと激突していき、真黒を助ける。
黄泉「妖魔…!」
時雨「今度こそ、白石さんを死なせはしません!」
汰月「俺達も忘れないでもらおうか」
賢昇「そろそろお前とも蹴りをつけてやる」
都黎「今日こそ凪桜を取り戻してみせる」
雹介「雁首揃えてゾロゾロと…」
真黒を庇うように立ちはだかる時雨。更には汰月、賢昇、都黎も現れる。
その姿に、人間態に戻っていた雹介は頭を抱える。
雹介「どうやってここに…真黒君が彼等に連絡を取る手段はないはず…!」
真黒「残念、これがあるんだよね」
黄泉「それは…小娘の…!」
真黒「凪桜ちゃんが使っていたそうだけど、これは元々僕の物だからね。僕が使えるのは当然だろう?…まあ、イザナミ、あんたが適当に放り出してくれてたお陰で簡単に使えたよ」
時雨「そして、これを使って僕達とやりとりしていたんです」
雹介「だが、完全に敵対していた彼の言葉をどうしてそう易々と信じた!?もしかしたら全て嘘の罠かもしれないというのに…!」
時雨「…白石さんはこの前のツチグモの事件の時、僕に言いました。“僕は何も変わってない”、“頼まれたことは果たすお人好し”って」
禍炎『…僕は変わってないよ。君と出会った時から何も…ね!』
禍炎『人が頼んだことはきちんと果たしてくれるお人好しってわけだ。流石だねえ、晴河君!』
時雨「その二つの言葉が僕には引っかかりました。そしてその意味を考えて、あることを思い出したんです。白石さんは…僕に一つ頼み事をしました。…凪桜ちゃんを守ってほしいという依頼を。…それで僕は悟りました。白石さんは僕達と敵対してる
時雨は先日のツチグモの一件の際に真黒からかけられた言葉によってその真意を悟り、二人で組んでこの状況に持ち込んだのだと明かす。
汰月「時雨から白石さんが裏切ってなんてないって知ってびっくりしたよ」
賢昇「ああ。けど、同時に納得した」
時雨『皆に大切な話があるんだ。…白石さんは裏切ってなんてない。昔と同じで、敵の懐に潜り込んで凪桜ちゃんを助けるためのヒントを探してくれていたんだよ』
真黒「まあ、そういうわけ。正直アレで気付いてくれるかは賭けだったけど、気付いてくれると思ってたよ、晴河君。そういえばヌラリヒョン。…クリスマスから…なんだっけ?まんまと引っかかったな」
雹介「…!」
汰月と賢昇は時雨から真黒の真実を明かされた時のことを思い出す。
時雨「さあ、ここから反撃の時間だよ!」
⭐︎⭐︎⭐︎
一茶「…白石真黒が裏切ったか…俺も加勢して始末してやる…!」
雪音「させませんよ。…ここは絶対、私達二人が通しません」
夢華「今日は可愛い後輩が帰って来る予定だからさぁ、あなたみたいなのに邪魔されるわけにはいかないの」
雪音「そういうことです」
一茶「また俺の邪魔かあ…!」
《狂骨!》《枕返!》《蟹坊主!》
一茶「ふん…!」
《狂骨…》《枕返…》《蟹坊主…》
キョウコツ「お前達も始末してくれる…!」
真黒が裏切ったことを聞き付けた一茶はその元へ向かおうとするが、その前に雪音と夢華が現れる。
邪魔をされそうなことに怒り心頭の様子を見せた一茶はキョウコツ・三妖混合態へと変貌する。
雪音「少し見ない間に…随分と悪趣味な姿になりましたね」
キョウコツ「お前もか…!」
夢華「だよねだよね!」
雪音「…さて、いきますよ、夢華さん!」
《ユキオンナ!》
夢華「気合い入れてくよ〜!雪ち!」
《キュウビ!》
《インストール!》
「「変身!」」
《デンシソウチャク!ヘンゲ!》
《凍結Blizzard!ユキオンナヨロイ!》
《幻影Illusion!キュウビヨロイ!》
凪桜救出の邪魔をさせないため、雪音と夢華は並び立つとそれぞれ氷雪 ユキオンナヨロイと夢幻 キュウビヨロイへと変身する。
キョウコツ「俺の…邪魔をするなあああ!!」
氷雪「…その言葉、そっくりそのままお返しましょう。彼等の邪魔をしないでいただきたいのですが」
キョウコツ「!…このっ!!」
夢幻「はいストップ!…どうしても邪魔するって言うなら…こっちも全力で叩き潰すだけだよ!」
キョウコツは枕型エネルギー弾を放つが、それをレーザーガンモードのアヤカシレーザーアタッカーで氷雪に撃ち落とされ、更に続けて放った鋏による斬撃もレーザーブレードモードのアヤカシレーザーアタッカーを構えた夢幻に受け止められ、鍔迫り合いに持ち込まれてしまう。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「イザナミ…今日こそ凪桜ちゃんを返してもらいます。僕の目指すハッピーエンドの世界に、凪桜ちゃんは欠かせませんから」
汰月「…世界を守るためにも、仲間を助けるためにも、お前を倒す」
賢昇「アイツも大事な仲間だ。…だからお前を、ここでぶっ潰す!」
都黎「…凪桜は、俺の家族だ。ずっと、守るために戦ってきた。その思いを貫き通すだけだ!」
黄泉に向かって並び立ち、自分達の想いをぶつける時雨、汰月、賢昇、都黎。
真黒「…いいね、そう来なくちゃ。晴河君、これを」
時雨「これは、伊邪那岐アヤダマと…無双アヤダマ…!」
雹介「何…!?…さっきの攻防でスッたのか…!」
真黒「そういうこと。あんたの性格ならこういう物は肌身離さず持ち歩いてると思ってたよ」
雹介「くっ…!」
真黒「さて…僕ももうひと頑張り…といきたいとこだけど、流石に体が言うことを聞いてくれなくてね。悪いけど、後は任せたよ。仮面ライダー」
時雨「はい!」
聖「お疲れ、白石君」
真黒「藍羽先生…」
聖「言いたいことは沢山あるけれど…まずはお帰りだね」
真黒「はい。…ただいま、ですかね」
咲穂「私達もいますよ」
調「時雨部長達ー!やっちゃえー!」
真黒は時雨に伊邪那岐アヤダマと雹介から奪取してきた無双アヤダマを手渡すと、流石にダメージの多さから自身は後ろに下がり、合流した聖に肩を支えられる。
更には咲穂と調も合流し、時雨達にエールを送る。
時雨「よーし…!全力でいくよ!」
汰月「うん!」
賢昇「おう!」
都黎「ああ!」
《無双!》
《激怒!》
《地獄!》
《ヤギョウ!》
《装填!無双!》
《大蛇装填!》
《装填!》
《インストール!》
黄泉「図に乗るな。妾のアヤダマを返せ…!」
「「「「変身!」」」」
右から順に汰月、時雨、都黎、賢昇の順に並び立つと、同時に各々が持つ最大の力のアヤダマを起動し、変身動作を取る。
その隙を狙ってか、激昂した黄泉の千本桜が炸裂しそうになるも、変身時に出現したエフェクトがその攻撃を弾き飛ばし、後方へと飛ばす。
そしてそれにも怯まず四人は同時に決意を込めた掛け声を上げる。
《憑依装着!超変化!》
《編纂装着!変化!》
《憑依装着!変化!》
《デンシソウチャク!ヘンゲ!》
《超絶最強!無双ヨロイ!オォー!》
《八重展開!八岐大蛇ヨロイ!》
《閻魔裁決!地獄ヨロイ!》
《常闇Darkness…!ヤギョウヨロイ!》
後方へ弾かれた千本桜が四人の背後で爆発し、爆炎を巻き上げる中、時雨は妖魔 無双ヨロイへ、汰月は霊魂 八岐大蛇ヨロイへ、賢昇は幽冥 地獄ヨロイへ、都黎は暗夜 ヤギョウヨロイへとそれぞれ変身し、その複眼を各々輝かせる。
黄泉「…お主等から滅ぼしてくれる…!」
妖魔「そんなことにはなりません。…結末はハッピーエンドで決まりです!はあっ!!」
霊魂「お前の悪事を終わらせる!」
幽冥「地獄の沙汰も俺様次第…覚悟しろ!」
暗夜「この刃の前に…散れ!」
黄泉「ゆけ…奴等を一人残さず潰すのじゃ」
井守「はっ!」
井守「ふん!」
雹介「…さて、計画も最終段階…か」
各々黄泉へと向かってゆく妖魔、霊魂、幽冥、暗夜。対する黄泉は終滅之薙刀で地面を突いて井守を大量に召喚して嗾ける。
その一方で、開戦を見届けた雹介は何かを悟りその場を去る。
妖魔「道は譲ってもらいます!はっ…はあっ!!」
「「「「「「うぐあああっ!!」」」」」」
妖魔「はああっ!!」
黄泉「鬱陶しい奴め…!」
妖魔は目の前に立ち塞がる井守達を複合術式・向日葵を展開して拘束しつつ地面に叩きつけて爆散させることで道を開けると、黄金のオーラを纏って加速し、黄泉に妖之流星刀と妖之弓剣の二刀流で斬りかかる。
霊魂「はっ!はあっ!纏めて倒すだけだ!」
井守「うぐっ…!」
井守「なぬ…!?」
霊魂「はあああっ!!」
「「「「ぐあああっ!!」」」」
霊魂はクサナギガトリンガーを構えて銃撃しつつ周囲の井守達を地面から隆起させた鋭い岩で攻撃しつつ縫い止めるとクサナギガトリンガーの連射とオロチキャノンによる砲撃を組み合わせた回転攻撃で爆散させる。
幽冥「どりゃあああ!!ハッ!黄泉の国に送り返すどころか…地獄行きにしてやるよ!」
井守「くっ…」
井守「うあっ!」
幽冥「喰らえっ!!」
「「「うあああっ!」」」
幽冥は地面を蹴って凍り付かせると、勢いよく井守達の元へ飛び込み、両腕からブレードのように伸ばした針束に炎を纏わせて振り回す。そして井守達に痛烈な斬撃を叩き込んでいくと、最後に渾身の力でX字状に斬り裂き、裁きを下す。
暗夜「ふっ…はああっ!…お前達に…用はない!」
井守「何…!?」
井守「消えただと…!」
暗夜「はあっ!!」
「「ぐうああっ!!」」
暗夜は闇夜月を巧みに操り井守達の攻撃を受け流すと、闇の中に消え、困惑する井守達の背後を取り、そのまま不意打ちを仕掛ける。
黄泉「ふっ!」
妖魔「はっ…ふ…はああっ!!」
黄泉「っ…っああっ!!…この力さえ…なければ…!」
黄泉は終滅之薙刀で妖魔に攻撃を仕掛けるも、妖魔は妖之流星刀と妖之弓剣を交差させて受け止め、そのまま上へと終滅之薙刀を弾き返すと、勢いのまま二本同時に振り下ろし、痛烈な一撃を喰らわせる。
井守「イザナミ様!」
井守「我等がお守り致します!」
妖魔「!ふっ…邪魔は…させません!」
《弓之刻!》
妖魔の背後から、黄泉を守らんと井守達が襲いかかるが、妖魔は察知してその一撃を受け止めると妖之弓剣を弓状態に変える。
井守「ふん!」
妖魔「はっ!」
井守「何…!?」
妖魔「はあっ!!」
《一・撃・必・殺!》
井守「うぐあああっ!!」
《超絶剛撃!》
「「「「「「「うああああああっ!!!」」」」」」」
黄泉「っ…く…うあああっ!!」
攻撃を受け止めていた井守を蹴り飛ばして星に変えた後、妖書ドライバーを操作した妖魔は黄金のオーラを纏った矢を放つと、大量に分裂させて井守の一体一体を撃ち抜き、更には黄泉をも吹き飛ばす。
霊魂「はあああっ!」
幽冥「だああっ!!」
暗夜「…ふんっ!」
黄泉「っ…はぁ…使えぬ奴等め…!」
井守達を突破した霊魂の銃撃、幽冥の氷の礫を纏わせた回し蹴り、暗夜の斬撃を次々に受けた黄泉は足止めの役目を果たせなかった井守達を“使えない”と評し、苛立ちを見せる。
妖魔「皆!」
霊魂「凪桜を助けるんだろ?」
幽冥「俺達が隙を作る」
暗夜「その隙に時雨、お前が決めろ」
妖魔「…うん!頼んだ!」
妖魔の元に再集合した霊魂、幽冥、暗夜は、凪桜を助けるべく三人で隙を作ると語る。
霊魂「はあっ!」
黄泉「ふん…目障りな…!」
霊魂「これでも喰らえ。はあっ!!」
《激昂八百連弾!》
黄泉「くっ…!図に乗るでない!彼岸桜!」
霊魂「ぐっ…」
まず最初に仕掛けたのは霊魂だった。打撃に銃撃を混じえた攻撃を仕掛け、更には強力なエネルギー弾を連続で発射する。
しかし、黄泉も流石に手強く途中から複合術式・彼岸桜を展開して攻撃を防ぎ、更には霊魂を拘束しようとする。
幽冥「させるか!オラァ!」
霊魂「助かった」
黄泉「しつこい奴等め…!」
幽冥「焼き尽くす!!」
《焦熱刑撃!》
幽冥「はああっ!!」
黄泉「くっ…うう…!」
次に飛び出した幽冥は霊魂を捕らえていた彼岸桜を腕部装甲から伸ばした針束で破壊し、その勢いのまま黄泉に殴りかかると、至近距離から灼熱の火炎球をぶつけ、黄泉を炎で包み込む。
黄泉「ふん!…こんな攻撃で妾を倒せると思うでない…!」
暗夜「だが効いている…そうだろう!」
黄泉「!ふっ…ふん、思い上がりも…甚だしいのう!」
暗夜「ふん!」
黄泉「!」
暗夜「舐めるな!俺達は…もう二度と!お前等に負けはしない!」
《アヤダマ一閃!》
黄泉「この…!」
暗夜「はああッ!!」
黄泉「うううっ…!どこからこんな力が…!」
辛くも地獄の炎を吹き飛ばした黄泉だったが、そこにすかさず暗夜が突撃し、闇夜月で斬りかかる。
その攻撃を黄泉は終滅之薙刀で弾きつつ激しいぶつかり合いを繰り広げる。そして放たれた黄泉の一撃を全力で押し返した暗夜に黄泉が驚いたその隙を突き、暗夜は闇のオーラを纏わせた闇夜月で渾身の斬撃を叩き込む。
霊魂「時雨、これ使って!」
幽冥「俺のも!」
暗夜「これもだ!」
妖魔「おっ…と。皆、ありがとう!いくよ…!」
《龍!》
《大蛇!》
《鬼!》
《ヤギョウ!》
《読取装填!四柱!一撃必殺!》
妖魔「はああっ!!」
《四柱斬撃!》
黄泉「くっ…!」
《冥界薙撃!》
黄泉「っ…!」
妖魔「はあーっ!」
黄泉「うっ…ああああっ!!」
三人の連続攻撃の後、その三人からアヤダマを借りると、妖魔は自身の龍アヤダマと合わせて龍神之大砲剣に読み込ませ、雷、水、炎、闇のエネルギーを纏わせた斬撃を放って黄泉の放った赤みがかった桜の花弁のオーラを帯びた終滅之薙刀とぶつかり合い、そして押し勝つ。
妖魔「…凪桜ちゃんを…助ける!」
《無双!》
《伊邪那岐!》
《読取装填!二柱!一・撃・必・殺!》
黄泉「!!」
妖魔「はあああっ!!」
《二柱斬撃!》
黄泉「ううっ…うあああっ!!」
妖魔はここまでの攻撃で少なくないダメージを負った黄泉に対し、凪桜を助けるべく伊邪那岐の力と無双の力を混ぜ込んだ黄金と純白に輝く斬撃を叩き込み、その力によって黄泉はその鎧に亀裂を走らせる。
凪桜「……時雨…先輩…!」
妖魔「凪桜ちゃん!」
暗夜「凪桜!」
黄泉「これで…終わって…堪るか…!」
凪桜「ううっ…!」
妖魔「っ凪桜ちゃん!…うあっ!!」
亀裂から現れたのは凪桜。しかし、執念の力で凪桜を再度取り込むと、手を伸ばしていた妖魔を衝撃波で後退させる。
霊魂「時雨!」
幽冥「大丈夫か?」
妖魔「うん。…ありがとう」
暗夜「…確実に効いてはいる。ここで畳みかけよう」
妖魔「…だね」
妖魔を支える霊魂と幽冥。そして暗夜は妖魔の一撃が黄泉に少なくない効果があったことを伝え、畳みかけることを提案する。
妖魔「皆、いくよ!」
《一・撃・必・殺!》
《スペシャルムーブ!》
黄泉「っはあ…はあ……!?」
「「「「はあーっ!!」」」」
黄泉「彼岸桜…!」
暗夜「ふんっ…!」
《常闇ストライクフィニッシュ!》
黄泉「っ…」
幽冥「うおらああっ!!」
《閻魔剛撃!》
黄泉「うっ…」
霊魂「はあっ…!」
《八重憤撃!》
黄泉「う…っ!」
妖魔「はーっ!!」
《超絶剛撃!》
黄泉「うあああっ!!」
同時攻撃に移った四人を前に、黄泉は円陣を召喚してその攻撃を防ごうとするが、暗夜の闇を纏わせた右脚での跳び蹴り、幽冥の赤黒い炎を帯びた右脚での跳び蹴り、霊魂の八つの大蛇のオーラを収束させた右脚での跳び蹴り、そして妖魔の黄金のエネルギーを迸らせた右脚での跳び蹴りを次々に喰らったことで防御をも貫通してダメージを負い、火花を散らせながら地面に転がる。
黄泉「ううっ…なんじゃ…なんなのじゃ…この力は…!」
幽冥「まだ粘るとは…」
霊魂「しぶとい奴だな…」
妖魔「!…何か、おかしい…!?」
黄泉「許さん…妾のアヤダマを…返せ…ッ!うああああっ!!」
暗夜「井守の力が…イザナミの元に…!?」
「うぅ…全て…滅びよ…!」
追い詰められながらも倒されはしない黄泉の粘り強さに驚く妖魔達。
そんな黄泉は赤みがかった桜色のオーラを纏うと、近くに斃れた井守達から力を吸い上げ、幹の半ばに入った亀裂から黄泉の上半身が現れている、高さ20メートルはありそうな巨大な血染めの桜のような姿…大妖樹イザナミへとその姿を変える。
⭐︎⭐︎⭐︎
イザナミ「滅びよ…!」
「「「「うああああっ!!」」」」
黄泉が変じた大妖樹イザナミは巨大な枝を腕の如く伸ばすと、そのまま四人を薙ぎ払って吹き飛ばす。
妖魔「あんな奥の手があるなんて…!」
霊魂「厄介だな…!」
幽冥「どうすんだよアレ」
暗夜「くっ…!」
イザナミ「滅びよ…滅びよ!!」
妖魔「ヤバっ…!ううっ…!」
霊魂「くっ…!」
幽冥「うっ…!」
暗夜「ぐあっ!!」
妖魔「都黎君、大丈夫!?」
暗夜「…問題ない。…まだ、やれる!」
霊魂「…何とか俺達で隙を作るから、時雨が決めてくれ」
幽冥「それしかねえか」
妖魔「…分かった」
暗夜「…それでいこう」
大妖樹イザナミはその花の咲いた枝から大量の花弁を発射して炸裂させることで四人を狙い、中でも暗夜は大きなダメージを負ってしまう。
しかし、心配する妖魔に対し、暗夜はまだ戦えると伝え、そのまま戦闘を続行する。
イザナミ「滅びよ!」
妖魔「はあっ!」
霊魂「ふっ!」
幽冥「オラッ!」
暗夜「はっ!」
大妖樹イザナミの放つ花弁を妖魔は無双ゴールドマントを翻して弾き返し、霊魂は土壁を生成して凌ぎ、幽冥は盾状態の妖之盾槍を構えて防ぎ、暗夜は闇を通じて離れた所へ移動することで回避する。
霊魂「一気に決めるぞ!」
《一撃!必殺!》
《超!弾丸装填!》
《八重憤怒爆撃!》
霊魂「はあっ!!」
イザナミ「うぅ…滅び…滅びよ…!」
幽冥「させるか!」
《無間地獄!》
《判決之刻!一撃・必殺!》
《無間刑撃!》
イザナミ「うう…ああああ!!」
大妖樹イザナミの腕のようになっていた枝の片方を霊魂は八つの大蛇型のエネルギー弾を発射することで喰らい付かせて動きを止め、もう片方の枝を振り上げる大妖樹イザナミに対し、今度は幽冥が地面から黒い闇の手を伸ばしてその枝を押さえ込む。
妖魔「今のうちに…!」
《猛攻之刻!》
《加速之刻!》
《守護之刻!》
イザナミ「うう…滅びよォォォ!!」
妖魔「!」
「「時雨!」」
暗夜「させるか…!」
《夜行流奥義!》
暗夜「ふっ…」
《神剣・暗闇演舞!》
暗夜「はあっ!はっ…はーっ!!」
妖魔「!」
大妖樹イザナミにトドメを刺すべく準備しようとした妖魔に対し、危機を察知したイザナミは根を伸ばして妖魔を狙うが、そこに闇を通じて駆け付けた暗夜が闇のオーラを纏わせた闇夜月で連続斬撃を放つことで根を切断し、妖魔を守り抜く。
「「「今だ!」」」
妖魔「ありがとう!これで…!」
《究極之刻!》
《一・撃・必・殺!》
妖魔「エピローグと…いくよ!」
《無双究極剛撃!》
妖魔「はあッ!…はあああーっ!!!」
イザナミ「うう…滅…滅び…ううあああああっ!!!」
仲間達の作り出した隙を逃さず、妖魔は地面を蹴り砕かん勢いで力を込め、天高くまで跳躍すると金色のオーラを纏った右脚で白い稲妻を迸らせながら跳び蹴りを放ち、大妖樹イザナミの核となっている黄泉の部分に直撃させると、大妖樹イザナミの身体に次第に白い亀裂が走ってゆき、そのまま妖魔は大妖樹イザナミを蹴り貫く。
霊魂「倒した…!」
幽冥「流石だな…時雨」
暗夜「凪桜は…。っ!」
妖魔「…やったよ。皆…ありがとう」
凪桜「…なんか…久々だなぁ、こうして皆の顔見るの」
大妖樹イザナミが倒されたことで生じた爆炎を掻き消して現れたのは凪桜をお姫様抱っこした妖魔だった。
咲穂「凪桜ちゃん!」
調「凪桜ちゃん…無事で良かった…」
聖「…良かった…本当に」
真黒「…ですね」
凪桜「皆…その、心配かけてごめん」
賢昇「全くだ」
汰月「…まあ、凪桜は悪くないけどな」
リュウジン「人騒がせだな…凪桜は」
凪桜「リュウジンは相変わらず素直じゃないトカゲだね」
リュウジン「だから我はトカゲじゃない!…ったく、お主も変わらず生意気な小娘だな。…ふっ」
時雨「あ、リュウジンさんが笑った」
リュウジン「は、はあ!?笑ってないが?」
凪桜「ホントに素直じゃないなぁ…」
リュウジン「や、やかましい!!」
凪桜「行っちゃった…。ふふ」
都黎「凪桜、お前が無事で…良かった」
凪桜「都黎…イザナミに乗っ取られてる間も見てたよ。…都黎も…“仮面ライダー”になったんだね」
都黎「…ああ。…お前達のお陰だ」
凪桜「これからはもう一度仲間だよ」
都黎「…だな」
凪桜が帰ってきたことを喜ぶ仲間達。
そんな中、凪桜を取り戻すために戦い続けた都黎は凪桜と久方振りに言葉を交わし、改めて絆を結ぶ。
凪桜「それに真黒さん…色々とありがとうございました」
真黒「…良いんだよ。僕は僕のなすべきことをしたまで。…ああ、そういえばだけど…これは君に返しておくよ」
凪桜「え…?でもこれは元々真黒さんのじゃ…」
真黒「…君にあげるよ。随分と君に懐いてそうだったしね」
凪桜「そっか…。ありがとう。…それと、真黒さんにまた会えて嬉しい」
真黒「まあ、それは僕も嬉しいかな」
賢昇「そう考えるとこれはイザナミのお陰でもあるのか…複雑だな」
汰月「…だね。白石さんの復活はイザナミ抜きじゃ叶わなかったけど…」
賢昇「けどまあ、折角だしとりあえず今は再会を喜ぶとしようぜ」
これまでずっと世話になっていた恩人である真黒に礼を告げる凪桜。
そんな凪桜に真黒は凪桜が預かっていた元真黒のブンプクブラストフォンを正式に託す。
時雨「何はともあれ…お帰り、凪桜ちゃん」
凪桜「…今度は迷わないよ。…ただいま、時雨先輩。…皆!」
時雨「!…うん」
凪桜が帰ってきたことでテンションが上がり仲睦まじく話していた中で、時雨が凪桜の帰還を迎える言葉をかけると、凪桜は笑顔で時雨に抱き付きながらみんなに向けて帰還を報せる言葉をかけるのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
キョウコツ「ひゃははははっ!!」
氷雪「…やはり手強いですね…!」
夢幻「…どうしよっか」
「随分と楽しそうだな。俺も混ぜてくれよ」
「「!?」」
キョウコツ「ああ?」
妖魔達が決着を付けた頃、キョウコツと一進一退の戦いを進めていた氷雪と夢幻。
そこに突如として現れたのは…猿のような頭部に狸のような腹部、虎のような四肢に蛇のような尾を備えたモノノケ…五行の一角、ヌエだった。
ヌエ「おいそこのひよっ子!随分と苦戦してるみてえだから…手伝ってやるよ。ウオオオオッ!!」
「「きゃあああ!!」」
雪音「うう…身体が…!」
夢華「何…この感じ…!」
ヌエの瘴気を帯びた咆哮をモロに喰らった氷雪と夢幻は変身を解かれてしまい、更にはその呪いの力で苦しむ。
ヌエ「ふん、弱っちいなぁ。もっと骨のある奴はいねえのか?」
《無双加速剛撃!》
ヌエ「あ?」
妖魔「はあーっ!!」
ヌエ「ぐっ…ぬあーっ!!」
ヌエが雪音と夢華を嘲笑っていると、青色のオーラを纏った妖魔が超高速でその懐に飛び込み、横蹴りを叩き込んでヌエを吹っ飛ばして廃材の中に突っ込ませる。
妖魔「二人とも、大丈夫!?」
雪音「時雨…君…。来てくれたの…ですね…」
夢華「…晴っちが…いるってことは…」
凪桜「雪音先輩!夢華先輩!」
雪音「ふふ…戻られたのですね…ううっ…」
夢華「こんな…姿で出迎えたくは…なかったけど…」
聖「この症状…まさか」
真黒「淀川の足止めをしてた二人の様子を見に来てみれば…とんだことになっているな…」
ヌエ「う…やるじゃねえか…。お前が、噂の妖魔かぁ…!」
聖「!…やはり、やはりお前だったか!…ヌエッ!」
真黒「ヌエ…!!」
妖魔「!ヌエ…アレが…!」
イザナミとの決着も付いたことで様子を見に来たところで雪音と夢華のピンチに駆け付けた妖魔達。
そしてしぶとくも生きながらえていたヌエが廃材の瓦礫の中から姿を現し、聖は怒りを露わにする。
ヌエ「あ?…!お前は…神羅じゃねえか。三年ぶりだな。そこの坊主も裏切りやがったし…」
真黒「!」
ヌエ「ふっ…面白いことになりそうだ。…神羅…テメーは俺が始末する。…じゃあな」
聖「待てッ!!…っ!」
聖と真黒に気付いたヌエは面白げに笑うと全身を黒い靄に包み込んで姿を消すのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
次回!仮面ライダー妖魔!
聖「っああ!!」
時雨「藍羽先生があんなに荒れてるの…初めて見たな…」
真黒「……無理もないさ」
聖とヌエの因縁…
真黒「落ち着いてください、藍羽先生」
聖「落ち着けるわけないだろう!?」
真黒「今のあなたじゃ…ヌエには勝てない」
聖「今度こそ、お前を倒し…朱井君を助け出す」
因縁に決着を付けるべく、神羅覚醒!
聖「これで終わりにしよう」
ヌエ「ふざけるなぁぁ!!」
第肆拾肆話「因縁収束を誓う彼等の想い」
日曜午後9時!
第四十三話をご覧いただきありがとうございました!
今回は四ライダーの共闘や真黒の協力もあり、遂にイザナミを撃破することとなりましたが、長かったイザナミ編もこれで終わりとなります。
無事に戻って来た凪桜や、裏切ったフリをしていた真黒も加わり、フルメンバーで挑む最終章のタイトルは「ヌラリヒョン編」となります。
物語の裏で糸を引き続けていたヌラリヒョン。そんなヌラリヒョン率いる反人間連合との全面対決が物語の最後を彩ります。
その第一弾となるのはヌエとの決戦。
聖と真黒を縛り続ける因縁の決着を、是非とも見届けてください!