リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!
ヌエとの決着を付けるべく、神話ドライバーをアップデートした神書ドライバーを使い、聖は新たな神羅に変身する!
伊邪那岐ヨロイの圧倒的な力や、妖魔達の協力もあり、ヌエを撃破し、囚われの朱井清那を救出することに成功するのだった…。
しかし、一方で布留杜市には反モノノケの意見が広がっていて…」
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「……」
「あの、仮面ライダーの晴河君だよな?」
時雨「は、はい、そうですけど…」
「なら頼むよ!モノノケとかいうあのバケモン、全部倒してくれ!」
時雨「えっ!?いや、それはちょっと…」
「そうだよ、仮面ライダーなんだからとっととモノノケ全部倒してよ!」
「この間の変な叫び声もモノノケのせいだったんだろ!?」
時雨「み、皆さん落ち着いてください…!」
ヌエとの決着も付いた7月末のある日の昼休みのこと、時雨が廊下を歩いていると、そこにとある男子生徒がモノノケを全て倒してほしいと言ってくる。
その依頼に困っていると、周囲の生徒達も次々に賛同し始める。
凪桜「ちょっと、時雨先輩に何してるの」
「君は…歴史研究部の…」
凪桜「暁凪桜。…悪いけど私達の目的はモノノケの撲滅じゃない」
時雨「そ、そうですよ。人に危害を加えるモノノケとは戦ってますけど、モノノケにも色々いて、人に危害を加えるようなモノノケはごく一部なんです」
「仮面ライダーの癖にモノノケを庇うのかよ!?」
「俺は実際にモノノケのせいで苦しんだんだぞ!?」
時雨「…いや、ですからそれは……」
凪桜「…仕方ない。ここは撤退しよう」
時雨「凪桜ちゃん?…分かった」
「あ、逃げた!」
「…なんだよ、仮面ライダーなんだからモノノケ倒してくれよ……」
近くを通りがかった凪桜も加勢してモノノケを撲滅すべしという意見に反論するが、白熱した生徒達の心を動かすには至らず、やむを得ず時雨と凪桜はその場を足早に立ち去るのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「つっかれたぁ…」
凪桜「最近、こういうことが増えたね…」
咲穂「お疲れ様です…」
調「俺もこないだ同じようなこと言われました…」
「失礼します」
第肆拾伍話「決戦勃発!人とモノノケの生きる道」
「依頼が、あるんです」
廊下での出来事からヘロヘロになっていた時雨達の元に舞い込んだのは運命とも言えるとある依頼だった。
時雨「えっと、確かC組の…」
「私は3年C組の
凪桜「…ふむ、それで遠野先輩、依頼内容というのは?」
夏希「……ヌラリヒョン、というモノノケを倒してほしいんです」
時雨「えっ!?…なんでヌラリヒョンのことを…?」
リュウジン「!…時雨、こいつ…人間ではないな。相当上手く溶け込んでいるが…モノノケだ」
凪桜「!」
咲穂「も、モノノケが学校に通っていたんですか…!?」
夏希「…バレてしまいましたか。…ええ、いかにも私はモノノケ…ザシキワラシです」
調「ザシキワラシ…」
時雨達の元にやって来た依頼人、可愛い系の顔立ちに眼鏡をかけた真面目そうな雰囲気の生徒である夏希は時雨達にヌラリヒョンの討伐を依頼し、本来知らないはずのヌラリヒョンのことを知っている夏希に驚愕する。
しかし、リュウジンによって夏希は人間ではなくモノノケであることが明かされ、その正体はザシキワラシと呼ばれるモノノケだと判明する。
夏希「まあ、モノノケとは言っても人間離れした戦闘力もありませんし、化け物的な姿になれるわけでもないです。…そもそもザシキワラシがザシキワラシであれるのは子供のうちだけ、大人になるとザシキワラシは人間とそう変わらない存在になるんです。寿命も人間と大差ないですし」
時雨「そうなんですね…」
夏希「ええ、そんなわけで私達ザシキワラシは今まで人間の世界に溶け込んで生活をしているのですが…最近問題が起きているんです」
凪桜「…問題?」
夏希はザシキワラシというモノノケの性質について軽く説明しつつ、その上で最近起こっているというとある問題について説明する。
夏希「…私達は強い戦闘力を持たない代わりに、幸運を呼び寄せる能力を持っているんです。これは自分にも、自身の周囲にいる存在にもある程度影響を及ぼすのですが…これはそもそも、私達ザシキワラシが人々のプラスの感情が多い状況を好むからです」
時雨「プラスの感情…」
夏希「はい。ザシキワラシというのは人々が発している感情のエネルギーに敏感であり、それを糧として生きているのです。だからこそ幸運を呼び込むことで人々の心を癒し、人々にプラスの感情を抱かせる必要があるのですが…最近その効率が非常に悪化しているんです」
咲穂「……!もしかして、最近のモノノケへの反発的な風潮ですか?」
夏希「…はい。この一年ほどでこの街はあまりに多くのモノノケが引き起こした事件に巻き込まれて来ました。特に冬の大規模奇行事件や学園間の紛争、この間の呪いの事件…」
時雨「確かに…急に色々な事件が起こりましたからね…」
夏希「いくらあなた方仮面ライダーが解決してきたと言っても、その数々がこの街の人々にモノノケへの反発心を覚えさせ、それが結果としてモノノケへのマイナス感情となってしまっているんです。ただでさえ負の感情には弱いのですが、広い対象とはいえ自分にもその悪意が向けられてしまったことで、最近調子が悪いのです」
調「成る程、それでヌラリヒョンを倒してほしいって話になるんですね」
夏希「はい。反人間連合のモノノケ達が諸悪の根源…となれば首魁たるヌラリヒョンを倒して反人間連合を解体するしかないかと思いまして…。それに、ヌラリヒョン達の存在はザシキワラシに限らずモノノケ全体で見てもプラスとは言えないのです」
時雨「と、言いますと?」
夏希「…そもそも、人間に敵対的なモノノケというのは全体数で見れば少数派です。人間に対して友好的なモノノケが大半ですし、ヌラリヒョン達を放置し続けるということはそういったモノノケ達にとっても害でしかありません。事実、反人間連合の活動に反対したモノノケが始末されるなんて事件も起こっているようですし」
凪桜「そんなことが…」
調「そういえばモノノケって意外と人間に友好的なんですね」
夏希「ええ。モノノケ達も人間の文化には一目置いていますから。食や創作物等はモノノケ達にも一定の評価を得てますよ」
咲穂「そうだったんですね…」
夏希はモノノケには人間に対して友好的な者も多いことも絡めつつヌラリヒョン退治の必要性を語る。
時雨「まあ…確かにヌラリヒョンとはいずれか決着を付ける必要があるとは思っていたけど…」
真黒「良いんじゃないかな。晴河君の言う通り、倒すべき相手ではあるからね」
凪桜「真黒さん…いつの間に」
真黒「今の間に、かな。ちょっと用があってここに来たらそんな話が聞こえてね」
夏希「あなた……モノノケ…ですか?」
真黒「僕は白石、よろしくね。僕の正体に関しては…ま、半分正解ってところかな。元々人間だったんだけど、色々あってモノノケになったんだ」
夏希「そんな人が…私は遠野です。よろしくお願いします」
突如蒼炎と共に現れた真黒はヌラリヒョン退治に賛同すると、夏希に自分がどういう存在かを軽く教えつつ自己紹介する。
時雨「…それで、白石さん、ヌラリヒョン退治の話ですけど…」
真黒「実は僕もそろそろ提案しようと思ってた頃合いなんだ。…もう昏時君から聞いてるかもだけど、ヌラリヒョンはとある屋敷を拠点としていてね。ちょっと特殊な所にあって、行き方もコロコロ変わるから普通には辿り着けない」
時雨「…確かに以前、都黎君から同じような話を聞きました」
都黎『…ヌラリヒョンの拠点は特殊な場所に造られている。その関係で行き方が変化するから…もう俺の知ってる行き方は通用しないだろうな』
真黒「そう。けど、僕ならその壁を突破出来る。僕の持つ瞬間移動能力を使えば関係なしに行けるからね。…ま、結界とか張ってくる可能性もあるけど…晴河君達の力を借りれば突破出来ないほどじゃないと思う」
時雨「成る程…」
真黒「…ヌラリヒョンは何かを企んでいる。アイツにとって、五行ですら駒であり、イザナミの復活さえも計画の一段階に過ぎない。奴の企みが結実する前に倒さなければ…あるいは手遅れになってしまうかもしれない」
時雨「……分かりました。ヌラリヒョンとの決着を…付けましょう」
真黒「…決まりだね。それじゃあ、作戦会議といこうか」
ヌラリヒョンの本拠地へ乗り込む策について語る真黒。
ヌラリヒョン討伐の方向で意見を一致させる時雨達の元に、聖が現れる。
聖「…ヌラリヒョンの本拠地へとカチコミか…なら私も同行するよ」
時雨「…駄目ですよ、先生は休んでてください」
聖「え?いやでも、伊邪那岐ヨロイの力があれば安全に使えるし…」
真黒「そうはいってもこれまで無茶し続けたんですから、長く戦闘は出来ない。田貫教授にも言われてたじゃないですか」
聖「…白石君だって大概だったのに……」
真黒「僕はまあ?モノノケになったお陰で何ともありませんし」
聖「…それ、朱井君や黄坂君の前で絶対に言わないでね。また怒るから」
真黒「…うっ、それは…そうですね」
自分も参戦すると言う聖を止めようとする時雨や真黒。
時雨はともかくとして焚書ドライバーの使い過ぎで一度命を落とした真黒には言われたくないと憤慨する聖に対し、真黒は何故か自慢げにモノノケになって復活したことで問題なくなったと語るが、そのことを話題に出すと清那や澄香が怒ることを指摘し、二人の前では言わないように諭す。
時雨「…まあ、何はともあれ全員で行くのは避けた方が良いのかな、とは思うんです」
聖「…と、いうと?」
時雨「ここのところ、この街ではモノノケへの風当たりが強くなってきています。…そんな中でまたモノノケが起こした事件で大きな被害が出たら…」
聖「…世間のモノノケを見る目は更に厳しくなる…か」
時雨「はい。それは避けたいところなので、何人か街で起きた事件に対応出来る仮面ライダーを残しておく方が良いのかなって思うんです」
聖「…分かった。それなら少なくとも私は残ろう」
時雨「ありがとうございます。後は…白石さんは必須として、汰月君と賢昇君にも協力を仰ごうかなって思ってます」
真黒「…成る程、それで残る昏時君、楓山君、桃原君に街を任せるわけか」
時雨「はい」
時雨は聖に対し全員で向かうのではなく分散して戦った方が良いという自らの持論を伝え、納得してもらう。
⭐︎⭐︎⭐︎
汰月「…ヌラリヒョン討伐か…。奴には散々してやられてきたわけだし、そろそろどうにかしないといけないとは思っていたしな、丁度良い機会だ」
賢昇「にしてもヌラリヒョンの所へカチコミか。…五行も残り一人になって、他にめぼしい敵は精々が淀川程度だしな。確かにチャンスってわけだ」
時雨「まあ、そういうこと。…準備は大丈夫?」
汰月「ああ。…津久代地区も都黎達が見てくれるんだろう?なら問題ない」
賢昇「俺も同じく、準備万端だ。こういう役割分担がスムーズに出来んのは三校の仲が改善された強みだな」
真黒「…問題なさそうだね。じゃあ…行くよ」
時雨「はい!」
汰月「……」コクッ
賢昇「おう!」
真黒「それじゃあ…出発だ」
照羅巣高校に集まった汰月と賢昇はヌラリヒョン討伐への意欲的な様子を見せると、時雨の問い掛けに準備は出来ていると答える。
そして、そのやり取りを見ていた真黒が展開した蒼炎に全身を包み、四人はヌラリヒョンの本拠地たる和邸へと乗り込むのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
真黒「…到着したよ。…思ったよりスムーズに行けたね。…結界を張っていないのは…無意味と悟ったか…それとも罠か…」
時雨「ここが…ヌラリヒョンの…?」
賢昇「…なんつーか、地下通路みてえな…」
汰月「…こんな所にヌラリヒョンが…?」
真黒「ああ、違う違う。ここから繋がった所にヌラリヒョンの屋敷があるんだけど、屋敷の中は妖力によって繋がった、幽世の特殊領域だから、僕の力でも飛べないんだよ」
時雨「それでこうやって…。そういえば前に都黎君達が幽世にいたことがあったけど、あれはそういうことだったんだ」
賢昇「んなこともあったな」
汰月「…知らない話だ」
賢昇「まあ、あん時お前はいなかったし…」
汰月「……そういうことか」
真黒「さて、じゃあ進もうか」
四人がやって来たのは古びた地下通路のような場所。どう見てもヌラリヒョンの拠点には見えないその場所について時雨達が尋ねると、真黒はそこから幽世にあるヌラリヒョンの屋敷へと繋がっていると答え、納得すると同時にかつて地獄府を訪れた際に都黎達が現れた理由を悟る。
時雨「この先に…ヌラリヒョンが…」
真黒「さて…行こうか!」
地下通路を進むと、目の前に明らかにその雰囲気にはそぐわない襖が現れる。そして、真黒の声で意を決して、四人は襖を開けた先へと突入する。
真黒「…よし、無事に突入出来たね」
時雨「まさに和のお屋敷って感じですね」
賢昇「だな」
汰月「…それで白石さん、ヌラリヒョンは普段どこに…?」
真黒「…ここから進んだ所だね。ま、着いてきてよ」
和邸へとやって来た時雨達。真黒の案内で普段ヌラリヒョンがいるという場所へと向かう。
「ふんっ!!」
真黒「危ない!」
時雨「わっ!」
賢昇「!?何だ…今の…」
汰月「床が…真っ二つに…」
部屋を出ようと襖に近付くと、横手から突然凄まじい威力の斬撃が四人を襲い、真黒が間一髪で自分も下がりつつ時雨達三人を後ろに下げることで回避するが、先程まで四人がいた位置の床は綺麗に真っ二つに切れ…最早抉れたとすら言えるほどの破壊が齎される。
真黒「あんたは…オオタケマルか…」
オオタケマル「…恥ずべき裏切り者め…よくもノコノコと姿を現せたものだな…!」
汰月「オオタケマル…?」
オオタケマル「…ふん、いかにも。儂はオオタケマル。…金を司りし五行なり!」
賢昇「最後の五行のお出ましか…!」
時雨「……一番最後に出て来る幹部って、物語的には一番強かったりするけど…」
真黒「…残念ながら時雨君の予想通り、奴は五行最強の存在だ…!」
オオタケマル「ふん。小賢しい人間共め…一人残らず蹴散らしてくれる」
汰月「…賢昇」
賢昇「!…分かった」
汰月「時雨、白石さん。二人は先に進んでくれ」
賢昇「ここは俺達で何とかする…!」
時雨「えっ、けど…」
汰月「白石さんがいれば道案内は出来る」
賢昇「最強つっても五行は五行だろ。安心しろ、俺等だって五行に一人で勝ったことあんだし」
汰月「そういうわけだから…ここは任せてくれ」
時雨「…分かった…!」
オオタケマル「何をごちゃごちゃと相談してるのかは分からんが…一人残さずと言ったはずだぞ…!」
真黒「残念ながらそれは無理だね。じゃ、お先〜」
時雨「…二人とも、無茶はしないでね」
汰月「ああ」
賢昇「おう」
四人の行手を阻むのは最後にして最強だという五行のオオタケマル。
その相手を汰月と賢昇が引き受けると、真黒は時雨と共に迂回する。
オオタケマル「待て…!」
汰月「そっちには行かせない」
《激怒!》
《大蛇装填!》
賢昇「俺達が相手してやるよ」
《地獄!》
《装填!》
「「変身!」」
《編纂装着!変化!
八重展開!八岐大蛇ヨロイ!》
《憑依装着!変化!
閻魔裁決!地獄ヨロイ!》
オオタケマル「…ふん…仕方ない。ならばまずは…貴様等から始末するのみ…!」
霊魂「はああっ!!」
幽冥「オラアアっ!」
オオタケマル「その程度の攻撃、儂には効かぬ…!」
「「!」」
オオタケマル「小童どもめ…貴様等に真の攻撃とはどんなものか…見せてやろう…!」
幽冥「ハンマー…!?」
霊魂「どこから出したんだよ…!」
オオタケマル「ふんっ!!」
霊魂「マズい…!」
幽冥「ヤベッ…」
ドゴオオオンッ!!
「「うああああっ!!」」
霊魂と幽冥は同時に拳を突き立てるが、オオタケマルの重厚な鎧に受け止められてしまう。
更にオオタケマルは腰に下げていた金属の棒を取り出すと、それを変質させて巨大な鎚を生成し、二人目掛けて振り下ろす。
すると、咄嗟に避けた二人の代わりに被弾した床はたちまち崩れ去り、二人もろとも地下の洞窟のような場所へと戦場を移す。
幽冥「お前…自分のご主人様の家壊していいのかよ!」
オオタケマル「直せば良い。…貴様等を葬る方が…先だ。ふん…!」
霊魂「こいつ…金属を武器に変化させられるのか…!」
洞窟内で対峙する霊魂、幽冥とオオタケマル。
幽冥からの追及に対して軽くあしらったオオタケマルは、手に持っていた巨大な鎚を大剣へと変質させ、その様を見た霊魂はオオタケマルには金属を自在に武具へ変える能力があることを悟る。
オオタケマル「ふんっ!!」
霊魂「いくぞ…!」
幽冥「上等だ!」
大剣を振るうオオタケマルに、霊魂と幽冥は息を合わせて立ち向かうのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「何か今凄い音しましたけど…」
真黒「…オオタケマルとの本格的な戦いが始まったのだろう。…まあ、彼等二人ならある程度は大丈夫、だとは思う」
時雨「…そう、ですよね。いざとなれば三面ドライバーで呼び戻せますし、取り敢えず先に進みましょう」
真黒「ああ。こっちだよ」
汰月と賢昇の身を案じる時雨だったが、真黒の言葉もあり改めて進むことを決意する。
真黒「!…止まって…」
時雨「え?…!あなたは…」
一茶「お前等仮面ライダーはいつもそうだ。俺から何もかもを奪っていく。…俺は俺を認めてくれる奴の元につく!それの何が悪いんだ!?何故俺の邪魔ばかりする!!」
時雨「それは──」
真黒「別に、認められたいと思うのはあなたの勝手ですよ。承認欲求は時として向上心にも繋がりますし、物事を頑張る気力にもなる。ですが、そのために人を弄び傷付けるようなやり方を選んだ時点で、あなたは間違ってる」
一茶「黙れ。黙れ黙れ黙れ黙れだまれだまれェェ!!……お前等を…排除する…!」
《狂骨…》《枕返…》《蟹坊主…》
真黒「…仕方ない。晴河君、君は先に進むんだ」
時雨「えっ、ですが…」
真黒「フッ…この炎が君を導いてくれる」
時雨「!…ありがとうございます!」
待ち構えていたのは一茶。一方的に身勝手な恨み節をぶつけると、一茶はキョウコツ・三妖混合態へと変貌し、襲いかかる。
それを見た真黒は指先から蒼炎を人魂のように灯すと、時雨の道案内を任せ、自らがキョウコツの相手を買って出る。
キョウコツ「待てぇ!」
真黒「待つのはあんただ」
キョウコツ「ぐあっ!」
蒼炎の後を追ってその場を去ろうとする時雨を追いかけようとするキョウコツだったが、真黒にオンミョウブラストチェンジャーで銃撃されて怯んだ隙に時雨の進行を許してしまう。
《着火!》
真黒「…さて、新旧禍炎対決といこうか。ま、あなたはもう禍炎じゃないけど」
《八咫烏…!》
《餓者髑髏…!》
《イグニッション!ゼロ!》
《イグニッション!ゼロ!》
真黒「変身」
《焼却装着!ヘンゲ…
黒翼!白骨!蒼炎!仮面ライダー禍炎…零!》
禍炎「さーて、始めましょっか!」
キョウコツ「捻り潰す…!」
キョウコツを煽りつつ、真黒は禍炎・零 八咫烏餓者髑髏ヨロイへと変身し、オンミョウブラストチェンジャーから蒼炎の弾丸を放って攻撃を仕掛ける。
⭐︎⭐︎⭐︎
都黎「…今頃時雨達はヌラリヒョンの本拠地か……」
夢華「どんな所なの?」
都黎「ヌラリヒョンの本拠地は幽世にあるんだが…五行を始めとする反人間連合の幹部が出入りする大きな屋敷のような場所だ」
雪音「幽世にあるのですね…。大丈夫でしょうか…」
夢華「まあ、晴っちに日島君に降谷君と白石さんでしょ?やり過ぎってくらいには十分な戦力だと思うけど…」
都黎「…どうだろうな。五行はまだ一人残っている。ヌラリヒョンの懐刀である最強の五行…オオタケマルが。それに、最近徐々に力を強めている淀川一茶もあそこにいるだろうことを考えると、あの四人でも一筋縄ではいかないかもな」
雪音「最強の五行…そんなのもいるのですね…」
夢華「てか、淀川一茶も何考えてるんだろうね。あんなに多重でモノノケの力を使い続けるなんて。人間辞めるつもりなんだか…」
都黎「…まあ、何はともあれ時雨達を信じる他ないか。俺達は俺達に出来ることをしよう」
夢華「だね」
雪音「ですね」
照羅巣高校の生徒会室にて、ヌラリヒョンの本拠地へと乗り込んでいる時雨達のことを想う都黎達三人だったが、時雨達を信じ、自分達は自分達のやるべきことをしようと結論付ける。
調「たっ、大変です!」
夢華「およ、調君じゃん。そんなに慌ててどしたの?」
咲穂「し、調君、待ってください…」
雪音「霞流さんまで…何かあったのですか?」
凪桜「…津久代の海岸で巨大なモノノケが現れたって話」
都黎「何…?」
咲穂「SNSでも幾つか反応が上がってます」
雪音「…確かにこれはモノノケのようですね…」
都黎「…被害は?」
咲穂「波を起こして暴れているらしくて…」
調「怪我人とかは出てないって治安維持委員会の皆さんから聞いてます」
都黎「…何かあってからじゃ遅い。急いで向かうぞ」
雪音「ええ」
夢華「了解!」
聖「なら、私が車を出すよ」
都黎「助かる」
慌ててやって来た凪桜、調、咲穂から津久代地区で巨大なモノノケが現れていると聞いた都黎、雪音、夢華の三人は被害が出る前に対処すべく、聖の運転する車に乗り、急いで現場へ向かう。
都黎「アレか…!」
「グハハハっ!!慄け!ニンゲンどもォォ!!」
夢華「…あんなの続けられたら危な過ぎるよ…」
雪音「それにしても巨大なモノノケですね…」
「んー?オマエラ、さては仮面ライダーだなぁ?」
都黎「…だったら何だ」
「オデはウミボウズ…オデの邪魔をするつもりなら…オマエラ全員海の藻屑にしてやるぞぉぉ!」
津久代地区の海岸にやって来た都黎達は、荒波を起こして暴れ回る、藍色の体躯のタコの触手が全身のあちこちに絡み付いた人間のような不気味な容姿の、身長は8メートルほどもある巨大なモノノケ…ウミボウズと対峙する。
都黎「…海の藻屑になるのは貴様の方だ」
《ヤギョウ!》
雪音「相手は巨大ですし、三人で連携して戦いましょう」
《ユキオンナ!》
夢華「…ま、それしかないか」
《キュウビ!》
《インストール!》
「「「変身!」」」
《デンシソウチャク!ヘンゲ!》
《常闇Darkness…!ヤギョウヨロイ!》
《凍結Blizzard!ユキオンナヨロイ!》
《幻影Illusion!キュウビヨロイ!》
ウミボウズ「ふんっ!!」
暗夜「はっ!」
氷雪「ふっ…」
夢幻「おっとと…」
ウミボウズを止めるべく、都黎と雪音、夢華の三人は暗夜 ヤギョウヨロイ、氷雪 ユキオンナヨロイ、夢幻 キュウビヨロイへと同時に変身する。
すると、ウミボウズは水面に手を突っ込んで、大量の水を掬い上げて投げ付けることで三人を攻撃するが、暗夜は身を捻ってそれを避け、氷雪は冷気を発して凍てつかせ、夢幻は軽やかな身のこなしで回避することでそれぞれ対処する。
ウミボウズ「叩き潰してくれるぞぉぉ!!」
暗夜「ぐっ…なんて剛力だ…!」
夢幻「都黎!」
氷雪「放しなさい!」
ウミボウズ「っ…!」
暗夜「…助かった」
氷雪「いえ…」
ウミボウズは暗夜目掛けて拳を振り下ろし、暗夜は何とか闇夜月でその一撃を受け止めるが、流石にその質量差に任せた攻撃を受け止め切るのは難しく、徐々に押されてしまう。
しかし、そんな暗夜を助けるべく、氷雪がアヤカシレーザーアタッカーによる銃撃でウミボウズの顔面を連続で攻撃して助け舟を出し、力の緩んだ隙に暗夜は抜け出る。
ウミボウズ「…なら、洗い流してやるっ!」
夢幻「わわっ…!」
暗夜「無茶苦茶だ…!」
氷雪「!ここは…」
《凍結シュートフィニッシュ!》
三人を纏めて攻撃するため、ウミボウズは全身の触手を伸ばして海面を殴り付け、凄まじい荒波を起こす。荒波が三人を呑み込む刹那、氷雪は冷気を帯びたレーザービームを放って荒波の一部を狙うが…。
ウミボウズ「フハハッ!海の藻屑になっちまったなぁ!…ん?」
《幻影スラッシュフィニッシュ!》
《提灯御化!アヤダマバースト!》
「「はあっ!」」
ウミボウズ「ぐあっ!!…な、何ぃ…!?」
暗夜「礼を言う…雪音」
夢幻「さっすが雪ち!」
氷雪「…間一髪間に合って良かったです」
荒波の呑み込まれた三人を見て高笑いするウミボウズだったが、その直後に幻影のアヤカシレーザーアタッカーと提灯型の火炎弾がウミボウズの顔面に直撃する。
ウミボウズが波の引いた海岸を見ると、そこには氷雪が波の一部を凍らせて作り出した氷塊を盾にすることで荒波を凌いでいた暗夜、氷雪、夢幻の姿があった。
ウミボウズ「小癪な…!」
暗夜「いくぞ!」
氷雪「ええ!」
夢幻「あのパワーには要注意だね!」
苛立ちを見せながら剛腕と触手を振るうウミボウズに対し、三人はその攻撃を回避しつつウミボウズに突撃するのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「…ここに、ヌラリヒョンが……!」
蒼炎の導きの末に、一際豪華な部屋へと辿り着いた時雨。
意を決するとその襖を開く。
雹介「…遂にここまで辿り着いたか」
時雨「ヌラリヒョン…!」
雹介「…くく」
時雨「何がおかしいんですか…!?」
雹介「…すぐに分かるさ。さあ?私を倒すのだろう?」
時雨「…はい。人とモノノケ、どちらも不幸になるようなやり方を続けるあなたを…ここで止める!」
《無双!》
雹介「…人とモノノケの共存…。ふん、青臭い理想だ」
《装填!無双!》
時雨「それでも…その理想を掲げて僕は戦います!最後まで!…変身!」
《憑依装着!超変化!
超絶最強!無双ヨロイ!オォー!》
雹介「…ふん」
広めの和室にて対峙した時雨と雹介。
どこまでも相容れないその姿勢に、時雨は決意を固めて妖魔 無双ヨロイへ変身し、雹介はその本来の姿を現す。
妖魔「はああっ!!」
ヌラリヒョン「ぐっ…!」
渾身の力で地面を蹴った妖魔はヌラリヒョンの懐へ一瞬で飛び込み、そのまま顔面に重い拳を叩き込んで壁をぶち破り、外の竹林へと戦いの場を移す。
ヌラリヒョン「ふふ…流石の力だね…!」
妖魔「はあっ!」(…何かがおかしい。どうしてヌラリヒョンはこんなに余裕そうなんだろう…?)
ヌラリヒョン「喜悦光!」
妖魔「効きません!」
ヌラリヒョンは妖魔を相手にしつつ、楽しげに笑う。味方もいない状況で実力的にも上である妖魔を前に余裕を崩さないその態度に、妖魔は違和感を覚える。
そんな妖魔にヌラリヒョンは黄色のレーザー光線を放つが、無双ゴールドマントの端を前に構えた妖魔によって弾き返される。
妖魔「はああ…はあーっ!!」
ヌラリヒョン「ぐっ…流石に強いなぁ。ならこれはどうかな。哀哭波!」
妖魔「っ…動きが…!」
ヌラリヒョン「ふん!」
妖魔「!はっ…はあっ!!」
ヌラリヒョン「!くっ…くく…これも対応するか。流石だよ」
素早い拳の連打を叩き込んできた妖魔に対し、ヌラリヒョンは距離を取りつつ青色の荒波を放ってその身動きを一瞬止め、その隙に背後を取って杖から取り出した仕込み刀を突き立てようとするが、咄嗟に対応した妖魔に回避され、重い横蹴りで吹き飛ばされる。
妖魔(やっぱり、何かがおかしい。なんなんだろう、この違和感は…!)
自身の出す手は片っ端から潰されて劣勢という状況にも関わらず楽しげな様子のヌラリヒョンに、妖魔は更に違和感を強めるのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
ウミボウズ「ちょこまかと…ウザイんだよなぁぁ!!」
暗夜「なっ…」
ウミボウズ「ふんっ!!」
暗夜「うぐあああっ!!」
氷雪「ひゃああっ!!」
夢幻「きゃっ!!」
なんとかウミボウズ相手に粘っていた暗夜達だったが、ウミボウズが地面を殴りつけて揺らすことで動きを阻害し、更にそのまま触手をぶん回して放つ質量攻撃の前に薙ぎ払われてしまう。
聖「…これ以上傍観は出来ない」
《最終段階解放!》
《伊邪那岐!》
《インストール!》
《ワーニング!ワーニング!アウェイクニング!》
聖「変身!」
《神格装着!ヘンゲ!
天界君主!仮面ライダー神羅!伊邪那岐ヨロイ!》
神羅「はああっ!!」
ウミボウズ「ぐはあっ!…な、なんだぁ…!?」
暗夜「藍羽先生…」
神羅「ここからは…私が相手だ!」
生徒達が追い詰められるその姿に、居ても立っても居られない聖は神羅 伊邪那岐ヨロイへと変身すると、宙へと浮かび上がり、黄金の波動をウミボウズにぶつけ、バトンタッチする。
⭐︎⭐︎⭐︎
オオタケマル「ふんっ!!」
「「うぐあああっ!!」」
一方その頃、オオタケマルと交戦していた霊魂と幽冥。
オオタケマルが持つ巨大な矛の一振りを受けて二人は火花を散らしながら後退させられる。
霊魂「…コイツ、これまでの五行とは格が違う…!」
幽冥「硬えし強えし…最強の名は伊達じゃねえか…」
霊魂「…同時攻撃で勝負だ。いけるな?」
幽冥「ハッ!当たり前だろうが!」
大苦戦を強いられていた霊魂と幽冥はオオタケマルの強さがこれまでの五行とは一線を画すものであることを察し取り、同時攻撃で対処する方向で切り替える。
オオタケマル「ふん、何を話し合ってたのか知らんが…たかだか少し策を弄した程度で…儂には勝てん!」
霊魂「…やってみなきゃ分からない」
《装填!一・撃・必・殺!》
幽冥「俺達の力を合わせて…!」
《鉄針地獄!》
《判決之刻!一撃・必殺!》
オオタケマル「む…?」
《八重断撃!》
《鉄針刑撃!》
霊魂「はあーっっ!!」
幽冥「オラアアッ!!」
オオタケマル「っ……ふんっ!!」
霊魂「ぐっ…弾き返された…!?」
幽冥「無茶苦茶なパワーだな…!」
霊魂と幽冥は同時にそれぞれ水と土のエネルギーを纏わせた妖之斧火縄と妖気を帯びさせた針を束ねたブレードを全力でオオタケマルに叩き込み、多少効いた様子を見せるも、オオタケマルが力を込めて周囲に衝撃波を放ったことで弾き返されてしまい、そのパワーの高さとタフネスに驚愕する。
霊魂「…こうなったらマトモにやり合うのは得策じゃない。ここは撤退しよう」
幽冥「!…分かった」
オオタケマル「どうした。もう終わりか?」
《最大装填!》
霊魂「喰らえっ!!」
《激昂八百連弾!》
オオタケマル「…ふん、そんな豆鉄砲で儂を倒せるとでも…」
《極寒地獄!》
《判決之刻!一撃・必殺!》
幽冥「凍りつけ!!」
《極寒刑撃!》
幽冥「うおらああっ!!」
オオタケマル「…!」
霊魂はクサナギガトリンガーから強力なエネルギー弾を連射してオオタケマルを攻撃するが、オオタケマルには大したダメージを与えることは出来ない。
しかし、そうして作り出された僅かな隙に、幽冥が跳び上がり、極寒の冷気を纏わせた右脚による跳び回し蹴りを放っていた──。
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次回!仮面ライダー妖魔!
一茶「何をしようと無駄だ…」
真黒「…嫌な予感がするな」
雹介「君のご自慢の仲間達は今頃全員魚の餌かもしれないねえ!ハハハ!」
反人間連合が仕掛ける罠…
時雨「あなた達反人間連合の思い通りにはさせません!」
汰月「人とモノノケ、両方の未来のためにもお前達を倒す」
賢昇「最強の五行だか何だか知らねえが…俺達がぶっ潰す」
夢を胸に立ち上がれ!
オオタケマル「威勢だけはあるな」
第肆拾陸話「三者並立!明日を掴め!」
日曜午後9時!
第四十五話をご覧いただきありがとうございます。
今回は反人間連合への突入を描くのと同時に、時雨の「人とモノノケとの共存」という夢の実情を描いた回ともなりました。
そして次回はそんな実情を受けて、時雨達がどんな結論を出すのか、そして反人間連合相手にどう立ち向かうのかについて描いていきますので、是非ともお見逃しなく!
さて、映画情報として活動報告の方にも上げますが、いよいよ劇場版仮面ライダー妖魔 アナザーノーマルエンドも公開まで1週間を切りました。(当然本家様の方も公開まで後もう少し…楽しみです)
そこで、こちらでは劇場版限定フォームについても解禁していこうと思います!(と言っても名前とざっくりとしたビジュくらいですが)
一応、そういう情報知りたくない!って人は今のうちにブラウザバックしておくのを推奨しておきます!(劇場版限定フォームは本家でも割と大々的に宣伝されるのであまりいないとは思いますが…)
というわけで発表いたします!
劇場版仮面ライダー妖魔 アナザーノーマルエンドに登場する仮面ライダー妖魔の劇場版限定フォームは…
「仮面ライダー妖魔 天下無双ヨロイ」となります!
…はい、お名前から察しの通り、基本的には無双ヨロイベースになります。
顔は橙色の追加装甲が入っているのと、複眼も金色になってるのが違いとなり、胸には太陽のような形状の黄金の装甲が追加されております。
そして何より特徴的なのが背中にある「天」の字を模した形状の巨大な金と白の翼となります!
さて、そんな天下無双ヨロイがいかにして登場し、どんな活躍をするのか、是非とも見届けていただけると幸いです!