仮面ライダー妖魔   作:玲音考人

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第肆拾陸話「三者並立!明日を掴め!」

 

リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!

 

密かに照羅巣高校に通っていたザシキワラシだという遠野夏希の依頼もあってヌラリヒョン討伐に動き出した時雨達!

 

それぞれが戦うが、じわじわと嫌な気配が追い詰めてきていて…」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

ウミボウズ「このっ!」

 

神羅「はっ…。ふんっ!!」

 

ウミボウズ「ぐああっ!」

 

神羅「追撃…。!?今のは…」

 

 ウミボウズの拳を黄金の波動で弾き返し、逆に衝撃波で吹き飛ばした神羅。

 追撃しようとしたところで突然邪悪な波動が神羅を襲い、なんとかそれを回避する。

 

両面宿儺「哀しいな…また私に負ける定めにあるのだから。憎いな…一度俺に負けたにも関わらず鬱陶しく飛びまわるなど」

 

神羅「両面宿儺…!…あの時と同じかどうか…試してみるんだな!」

 

 神羅の前に現れたのは両面宿儺。かつて神羅が両面宿儺に敗れた時のことを掘り返しつつ、神羅に殴りかかる。

 

暗夜「まさか両面宿儺まで現れるとは…」

 

ウミボウズ「なんだか分からんが…助っ人か!うおおおっ!」

 

夢幻「わわっ!危なぁ…」

 

氷雪「厄介なことになりましたね…!」

 

暗夜「…いくぞ!」

 

 神羅が両面宿儺の対処に追われ始めたことで再び勢いを盛り返したウミボウズの投げ付ける水塊を何とか三人で対処しつつも、焦りを覚え始める。

 

「あれが仮面ライダーか…」

 

「あの化け物が…モノノケ」

 

 そして、そんな様を険しい表情で見つめるのは近隣の住民達だった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

第肆拾陸話「三者並立!明日を掴め!」

 

霊魂「マトモにやり合うのは得策じゃない。ここは撤退しよう」

 

幽冥「!…分かった」

 

オオタケマル「どうした。もう終わりか?」

 

《最大装填!》

 

霊魂「喰らえっ!!」

 

《激昂八百連弾!》

 

オオタケマル「…ふん、そんな豆鉄砲で儂を倒せるとでも…」

 

《極寒地獄!》

《判決之刻!一撃・必殺!》

 

幽冥「凍りつけ!!」

 

《極寒刑撃!》

 

幽冥「うおらああっ!!」

 

オオタケマル「…!」

 

 霊魂はクサナギガトリンガーから強力なエネルギー弾を連射してオオタケマルを攻撃するが、オオタケマルには大したダメージを与えることは出来ない。

 しかし、そうして作り出された僅かな隙に、幽冥が跳び上がり、極寒の冷気を纏わせた右脚による跳び回し蹴りを叩き込む。

 

オオタケマル「ぬう…──」

 

幽冥「はあっ…はあっ…」

 

霊魂「…今のうちに撤退しよう」

 

幽冥「おう」

 

 幽冥の一撃を受けたことで氷に閉ざされるオオタケマルの肉体。

 その隙に霊魂は地面に手をついて地形を操作し、幽冥共々隆起させた地面に身を包んで姿を消す。

 

オオタケマル「…ふんっ!!……逃げたか」

 

 二人がいなくなってから少しして、オオタケマルは自力で氷の戒めを破壊すると、霊魂と幽冥が撤退済みであることを悟り、忌々しげに呟く。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

《イグニッション!召喚!天邪鬼!水虎!》

 

禍炎「頼んだよ」

 

アマノジャク「ふんっ!」

 

スイコ「はっ!」

 

キョウコツ「くっ…!」

 

 禍炎はアマノジャクとスイコを召喚し、連続攻撃でキョウコツを追い込む。

 

《陰摩羅鬼!》

 

禍炎「さて、僕はこれで勝負させてもらおうかな」

 

《イグニッション!武装!陰摩羅鬼!》

 

禍炎「はあっ!!はっ!」

 

キョウコツ「くっ…ぐあっ!!」

 

 禍炎は追い討ちをかけるために陰摩羅鬼アヤダマを用いて魂魄之弓を召喚し、二連続で射抜くことでキョウコツにダメージを与える。

 

禍炎「さて…一気に決めさせてもらうかな」

 

《ブースト!》

 

キョウコツ「!」

 

《禍炎エクスプロード!》

 

アマノジャク「ふんっ!!」

 

キョウコツ「ぐっ…」

 

スイコ「せいっ!!」

 

キョウコツ「ぐあっ!」

 

禍炎「はあーっ!!」

 

キョウコツ「くっ…うぐあああっ!!」

 

 禍炎はアマノジャクの打撃、スイコの張り手によってキョウコツのバランスを崩させると、すかさず急所である左胸に高圧縮した蒼炎を集めた矢を放って撃ち抜き、キョウコツを人間の姿に戻す。

 

一茶「くっ…!だが、何をしようと無駄だ…」

 

禍炎「…何?」

 

一茶「既にヌラリヒョンの策は動き出している…。お前のお仲間達も今頃海の藻屑かもな!」

 

禍炎「はあ?…嫌な予感がするな。…あなたにもう用はない…!」

 

一茶「くっ…くくく…!」

 

 禍炎に敗れながらも既に真黒達はヌラリヒョンの術中に嵌っているのだと告げて高笑いする一茶に、嫌な予感を覚えた禍炎は蒼炎に身を包んで姿を消す。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

妖魔「はあっ!!」

 

ヌラリヒョン「ぐあっ!」

 

 竹林にて攻防を続けていた妖魔とヌラリヒョン。

 妖魔の黄金の粒子を帯びた拳がヌラリヒョンの胸部に叩き込まれる。

 

妖魔「はーっ!!」

 

ヌラリヒョン「ふっ…これならどうかな?怒気爆」

 

妖魔「!」

 

ヌラリヒョン「もう一つオマケに付けよう。楽天嵐!」

 

妖魔「っ…!」

 

《守護之刻!》

《一・撃・必・殺!》

 

 バランスを崩したヌラリヒョンに追撃を仕掛けようとする妖魔。

 そこにカウンター気味に妖魔の胸部へ杖の先を突き付けたヌラリヒョンは赤く輝く紋章を生じさせ、更に緑色の竜巻で妖魔の身を拘束する。

 数瞬の後、竜巻を爆炎が赤く染め上げ、ヌラリヒョンはほくそ笑む。

 

チュドオオオオオオン!!!

 

ヌラリヒョン「フッ…。…!」

 

《無双守護剛撃!》

 

妖魔「お返しです…!はあっ!!」

 

ヌラリヒョン「ぐああっ!!」

 

 ヌラリヒョンが妖魔も無事では済まないだろうと確信した次の瞬間、溶け消えつつある爆炎の渦の中から爛々と輝く赤色の複眼と肩部に光る紫色の煌めきが浮かび上がり、やがて全身に紫色のオーラを纏い多少のダメージすらも受けていない様子の妖魔が現れる。

 そして妖魔はその迸らんばかりの紫色のオーラを取り出していた大剣状態の龍神之大砲剣に収束させ、凄まじい威力の斬撃をヌラリヒョンに叩き込む。

 

ヌラリヒョン「…流石に強いな…!」

 

妖魔「…覚悟してください」

 

ヌラリヒョン「…覚悟ねえ…。そういえば、今頃君の仲間も大変な目に遭ってるんじゃないかな?」

 

妖魔「…え?」

 

ヌラリヒョン「私の仲間の厄介なモノノケ…ウミボウズを差し向けた。奴は巨大でタフ。藍羽先生の妨害役に両面宿儺も差し向けたからねえ。君のご自慢の仲間達は今頃全員魚の餌かもしれないねえ!ハハハ!」

 

妖魔「なっ…」

 

ヌラリヒョン「ふふ、仲間想いだことで。じゃあね」

 

妖魔「!……逃げられた…!」

 

 ヌラリヒョンはウミボウズと戦う羽目になっている都黎達を引き合いに出すことで妖魔の動揺を誘うと、自身から意識の外れた隙にぬらりとその姿を消す。

 

真黒「晴河君!」

 

時雨「白石さん!どうしたんですか?」

 

真黒「どうやら僕達が突入してくるのも含めて、全て罠だったようだ」

 

時雨「!やっぱり…」

 

真黒「…ヌラリヒョンは…逃げられたみたいだね」

 

時雨「はい。…ごめんなさい。案内までしてもらったのに。…それで、ヌラリヒョンが去り際にウミボウズというモノノケが暴れていると…」

 

真黒「…そういうことか。ヌラリヒョンが逃げた件は気にしなくていい。寧ろ奴の策に気付けなかった僕の落ち度でもある。…それに、こっちも淀川さんが似たようなことを言っていてね。取り敢えずここは急いで戻ろう。日島君と降谷君を呼んでくれるかい?」

 

時雨「はい!」

 

 まんまとヌラリヒョンに逃げられ、悔しさを滲ませながら変身を解く妖魔。

 すると、そこに蒼炎に身を包んだ真黒が駆け付ける。

 そして都黎達がピンチに陥っているらしいことを知ると、戻ることを決意する。

 

時雨「…よし」

 

《三倍装填!》

 

《妖魔!》

《霊魂!》

《幽冥!》

 

時雨「変身!」

 

《融合装着!変化!

 

三位一体!阿修羅ヨロイ!》

 

霊魂『っとと…阿修羅ヨロイってことは…』

 

幽冥『ヌラリヒョンの奴は倒せたのか?』

 

妖魔「…ごめん。逃げられた」

 

真黒「それよりもマズいことになった。どうやら僕達不在の間に敵も大きく仕掛けて来てるみたいなんだ。急いで戻ろう」

 

霊魂『!…罠だったってことか』

 

幽冥『取り敢えず急ぐか』

 

妖魔「…うん」

 

 妖魔 阿修羅ヨロイに変身することで汰月と賢昇を呼び戻すと、軽く事情を共有しつつ真黒の蒼炎に身を包んで撤退する。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

ウミボウズ「ふんっ!!」

 

暗夜「くっ…うああっ!!」

 

氷雪「昏時君!」

 

夢幻「都黎!」

 

暗夜「…問題ない。しかし、どうしたものか…」

 

ウミボウズ「喰らえぇぇっ!!」

 

暗夜「なっ…」

 

氷雪「足が掬われて…!」

 

夢幻「ヤバっ…!?」

 

神羅「皆!」

 

両面宿儺「哀しいな…仲間を守れぬ無力さは。憎いな…戦の最中に余所見するその余裕が」

 

神羅「くっ…離れろ…!」

 

ウミボウズ「潰してやる…っ!」

 

暗夜「…!!」

 

 ウミボウズとの戦闘で苦戦する暗夜達三人。

 ウミボウズの伸ばした触手に足を掬われ、三人とも倒れてしまう。

 神羅も両面宿儺に妨害され近付けずにいる中、ウミボウズは三人にトドメを刺そうとその腕を振り上げる。

 

《三位剛撃!》

 

「「「はあーっ!!」」」

 

ウミボウズ「!?ぐああっ!!」

 

妖魔「皆!大丈夫!?」

 

暗夜「来てくれたのか…」

 

禍炎「僕もいるよ」

 

 ウミボウズの拳が振り下ろされる、その刹那、空から黄、青、赤の三色のオーラを右腕に集めた妖魔が空から強烈なパンチを叩き込み、ウミボウズを大きく仰け反らせる。

 

《一・撃・必・殺!》

 

妖魔「皆、一気に決めよう!」

 

《妖魔!》

 

暗夜「良いだろう…!」

 

氷雪「了解…です!」

 

夢幻「オッケー!」

 

《スペシャルムーブ!》

 

禍炎「…これ以上暴れられるのは御免だからね」

 

《オーバーブースト!》

 

霊魂「全員での攻撃なら…きっと」

 

《霊魂!》

 

幽冥「あのデカブツをぶっ潰すぞ!」

 

《幽冥!》

 

《三位連撃!》

 

《常闇ストライクフィニッシュ!》

 

《凍結ストライクフィニッシュ!》

 

《幻影ストライクフィニッシュ!》

 

《禍炎インフェルノ!》

 

「「「「「「はあーっ!!」」」」」」

 

ウミボウズ「くっ…うぐぐ…うぐああああっ!!」

 

 妖魔と禍炎の加勢により形成を逆転すると、五人は一斉に跳び蹴りを繰り出し、ウミボウズを貫く。

 

神羅「…よし、さすが皆だ。私も負けていられないな…!はあっ!」

 

両面宿儺「!」

 

《超過段階解放!》

 

神羅「喰らえっ!!」

 

《天界パニッシュメント!》

 

神羅「はーっ!!」

 

両面宿儺「くっ…ぐ…うああああっ!!」

 

 神羅は妖魔達の活躍を見ると改めて奮起し、両面宿儺の拳を右手で受け止め、前蹴りで距離を取る。

 そして神書ドライバーに神祝之御札を二度翳すと、掌から強烈な重力弾を発射して両面宿儺の身体を拘束すると、更に黄金の光の刃を飛ばすことで致命的な斬撃を叩き込み、両面宿儺を爆散させる。

 

真黒「……海坊主アヤダマか…」

 

時雨「回収するんですか?」

 

真黒「まあ、一応ね。下手に放置して何か悪事に使われると嫌だし…」

 

時雨「成る程…」

 

「なあ、あんたら」

 

 変身を解いた真黒はウミボウズの残滓から焚書ドライバーを用いて瑠璃色の海坊主アヤダマを生成すると、悪用されないためにアヤダマとして回収しているのだと同じく変身を解いた時雨に教える。

 すると、そこに話しかけてくる者が一人。

 

時雨「えっと、何か御用でしょうか?」

 

「さっきのバケモン、どうしてさっさと倒してくれなかったんだ!」

 

汰月「は?」

 

「モノノケ?とか言ったっけ。アイツらのせいで最近おかしなことばっかり起こるじゃないか!」

 

「あんたらモノノケを倒す仮面ライダーなんだろ!?だったらさっさとモノノケを全員倒してくれよ!」

 

時雨「ちょ、ちょっと待ってください!モノノケは全部が全部悪いわけじゃないんです。普通に密やかに暮らしてる、善良なモノノケだって沢山いるんです!」

 

「仮面ライダーの癖にモノノケの味方するのか!?」

 

「おい、そこの宙浮いてるトカゲもモノノケじゃないのか!?なんで倒さないんだ!」

 

リュウジン「!?…誰がトカゲだ!」

 

 近隣の住民達は安全になった途端に時雨達の元に押しかけ、モノノケをすぐに倒せなかったことを非難する。

 

時雨「リュウジンさんは僕達と一緒に戦う仲間なんです。悪いモノノケじゃありません!」

 

リュウジン「トカゲの部分も否定しろよ」

 

「はあ?信じられるかよ」

 

「さっきまで暴れてた奴と何が違うってんだ!同じモノノケだろ!」

 

リュウジン「あんな暴れることしか考えてないような奴と一緒にするな!」

 

時雨「ですから…」

 

聖「一旦、落ち着きましょう?」

 

時雨「藍羽先生…」

 

聖「…いきなりモノノケに襲われて混乱してらっしゃるのは分かります。ですが、人にも色々いるように、モノノケにだって色々います。…先程、同じモノノケだろ、とおっしゃいましたね?」

 

「そ、それがどうした」

 

聖「それは、罪を犯した人と、何もしていない普通の善良な人を比べて、同じ人間だから同罪、と言ってるのと同じです」

 

「!」

 

聖「…モノノケは人と同様の知性を持っています。故にこそ、善良な者もいれば悪事を働く者もいる。私達が戦うのは人を傷付け、苦しめようとするモノノケ達とであって、全てのモノノケではないんです。…何より、彼等はまだ高校生です。モノノケを狩るための存在なんかじゃない、多感な時期の子供なんです」

 

「…わ、悪かったよ……」

 

「悪かったけどよ、仕方ねえだろモノノケなんて知らなかったんだから…」

 

 時雨を庇うように前に出た聖の言葉に、ぶつくさと言いながらもすごすごと住民たちは去っていくのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

時雨「はぁ…」

 

汰月「…落ち込んでるな」

 

賢昇「無理もねえよ。アイツの目標、知ってんだろ」

 

凪桜「人とモノノケの共存とは程遠い景色を目の当たりにしたわけだしね…」

 

雪音「…そうですね」

 

夢華「雪ちは平気そうだね」

 

雪音「…まあ、慣れていますから」

 

 歴史研究部の部室に戻り、落ち込む様子の時雨。自分の目標として掲げていた人とモノノケの共存の程遠さを目の当たりにしたため、無理もないと周りは考える。

 

真黒「…晴河君」

 

時雨「…白石さん」

 

真黒「まあ、あんまり気分の良くないものを見てしまったとは思うんだけどさ。あれは無理もない反応なんだ。人間っていうのはいつでも違うことを、知らないものを恐れる。ましてやそんな未知のものに危機に晒されるリスクがあるなら尚のこと」

 

時雨「そう、ですよね」

 

真黒「けど、そうやって恐れ、怖がられてきたものでさえ、慣れていった今の時代においてはどうということのないものとして扱われることも多々ある。例えば…一昔前は写真を撮ると魂を抜かれる、なんて迷信があったけれど、今ではそれを信じている人の方が少ないだろう?写真を恐れる人の方が珍しいくらいだ」

 

時雨「…つまり、時間をかけて少しずつモノノケのことを馴染ませていく、ってことですか?」

 

真黒「そういうこと。時間が解決することだってあるさ。だから、今僕達に出来ることは…モノノケによる人への被害を抑えて、少しでも人とモノノケの関係が悪いものにならないよう尽力することなんじゃないかな」

 

時雨「…そう、ですよね。難しいことだなんて、最初から分かってたことです。それでもやるって、そんなハッピーエンドが良いんだって決めたのは…僕自身ですから。だから諦めなんてしません!…一つずつ、やるべきことをやって…いつかきっと叶えてみせます!」

 

真黒「それでこそ晴河君だ」

 

 真黒の励ましを受けて奮起する時雨。そんな様子に、真黒を始め、時雨を信じる仲間達も勇気を貰う。

 

都黎「…そのためにも、まずはヌラリヒョンを何とかしないとな」

 

汰月「まさか俺達が来るのまで読んでるとは…」

 

聖「やはり底の知れない敵だね…」

 

真黒「まあ、今回の件に関しては僕の責任でもある。…向こうに出入りが可能な僕がいる以上、こういう出方をするのは読めたはず。僕の考慮不足だった。ごめん」

 

時雨「い、いえいえ!白石さんのせいじゃありません!」

 

賢昇「そうそう、気付けなかったのは俺等も一緒だしな」

 

真黒「皆…」

 

 ヌラリヒョンの策に気付けなかった件について真黒が謝罪するが時雨達は真黒だけの責任じゃないとフォローする。

 

真黒「さて、仕切り直して考えるとしようか…。ん?…ゲッ」

 

時雨「どうかしました?」

 

真黒「いや、その…朱井さんから連絡が来てて…気付いてなかったからスルーしちゃってて…」

 

凪桜「…早く行ってあげたら?」

 

真黒「…そ、そうさせてもらうよ。ごめんね」

 

 仕切り直して改めて今後の策について話そうとする真黒だったが、スマートフォンを取り出した際に清那からの連絡が大量に入っていたことに気付き、慌てて蒼炎に身を包んでその場を去る。

 

時雨「…それにしても、どうしようか」

 

汰月「一つ一つ解決するしかないだろうな」

 

賢昇「まずはオオタケマル。アイツを何とかしてえところだが…」

 

時雨「…そうだね」

 

 清那の入院する病院へ向かった真黒は抜きにして改めて相談を始める時雨達。

 そこで、五行最強の存在であるオオタケマルからどうにかするべきではないかという意見が出る。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

清那「…連絡も付かずに、今までどこいたの」

 

真黒「ごめんって。ちょっと色々あって」

 

清那「へえ、例えば反人間連合の本拠地に乗り込んだりとか?」

 

真黒「な、何でそれを…」

 

清那「凪桜ちゃんから聞いてるんだから」

 

真黒「…凪桜ちゃん……」

 

 何故言うんだ。そう言いたい気持ちをぐっと堪え、真黒は説教を甘んじて受け入れる。

 清那からの連絡に慌てて入院中の病院へと行ってみれば、待っていたのは清那からのお叱りの言葉だった。

 

清那「大体、どうして白石は私の知らないところですぐに無茶するの?」

 

真黒「いや、今回は晴河君達もいたし…」

 

清那「そういうことじゃない!」

 

真黒「はい。すみません…。あ、けど、ここ病院だし、声は小さくね」

 

清那「…あ、ごめん。…コホン、あのね。白石が思ってる以上に、私は白石を大切に思ってるし、心配してるんだよ」

 

真黒「…ごめん。気を付けるよ」

 

清那「分かればよろしい」

 

 清那の怒りが真黒を想うが故のものだと改めて伝わり、真黒も素直に謝罪する。

 

真黒「それで、僕に連絡したってことはなんかあったの?」

 

清那「え?ああ、うん。あるにはあるんだけど…」

 

真黒「だけど…?」

 

清那「…何もなかったら連絡しちゃ駄目なの?」

 

真黒「……いや、そんなことはないけど。好きな時に連絡しなよ」

 

清那「本当!?その言葉、覚えたからね」

 

真黒「今更そんな遠慮しなくても…」

 

清那「…い、良いでしょ。それより本題だよ」

 

 どうやら寂しかったらしい清那に、微笑ましげに話しかける真黒だったが、照れ隠しするように清那は本来真黒に連絡しようとしていた本題に戻る。

 

清那「実は、反人間連合のことで気がかりなことがあって」

 

真黒「え?」

 

清那「もしかすると、五行のアヤダマを何者かが集めてる可能性があるの」

 

真黒「!…ど、どういうこと…!?」

 

清那「あの時、私も久々に外に出れたから気付かなかったけど、後から思い返してみればヌエが倒された後、ヌエの妖気がパッタリ途絶えたんだよね」

 

真黒「…!」

 

清那「…他のモノノケならともかく、三年も中にいて、長く触れてきたヌエの妖気がどんなものだったかくらいは覚えてる。それが急に消えたように感じて…気のせいなら良いけど、気のせいじゃないとしたら…」

 

真黒「……残った妖気をアヤダマに変えた…?」

 

清那「うん。その可能性があるんじゃないかなって」

 

 清那が語った内容。それは五行の力を持ったアヤダマを集めている者がいるかもしれないということ。五行の一人たるヌエが撃破された時のことを思い返して警戒する清那に真黒も表情を険しくする。

 

真黒「…仮に五行のアヤダマを集めているとして、誰が、何のために…」

 

清那「誰が、は正直私は一人しか思い付かないけど。そもそも強いモノノケほど、妖気をアヤダマに変えるのには相応の技術が必要になるわけだし」

 

真黒「……ヌラリヒョン」

 

 そういえば、と真黒が思い返してみれば、ヌラリヒョンの目的はイマイチ掴みきれない。

 全てはイザナミを復活させるための布石だったのかと思えば、あっさりとイザナミを切り捨てて逃げ去った。

 ヌラリヒョンの企みは一体何なのか、底知れないその策謀に、真黒は肝が冷えるのを感じる。

 

真黒「…もし、もしヌラリヒョンが何らかの目的のために五行のアヤダマを集めているとして…何のためか考えられる理由とかある?」

 

清那「…五行…だよね。…五行…もしかすると、何かとてつもない術式を行使しようとしている…とか?」

 

真黒「…というと?」

 

清那「そもそも、五行っていうのはこの世界を構成する元素を木、火、土、金、水の五つに分けて表現したもの。陰陽道の術式も基本的にはこの五行の属性に沿って生み出されるの」

 

真黒「…そして、そのそれぞれの属性に特化した妖力を持つ、強力な五体のモノノケ…」

 

清那「…それだけの力を集め、行使することが出来たなら、あるいはこの世界の理をひっくり返してしまえるだけの術式を発動することだって…不可能ではないかもしれない」

 

真黒「……」

 

清那「…勿論、ただ五行のアヤダマを集めるだけじゃ駄目だし、それを扱えるだけの“何か”が無ければ術式を行使しようとしたヌラリヒョンが自滅するだけではある。けど…」

 

真黒「無視出来ない可能性…ではあるね」

 

 清那の話から、真黒はヌラリヒョンが五行の力を行使してまでとんでもないことをしでかそうとしているのではないかと疑念を抱くのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

オオタケマル「人間の街か。…相変わらず下らんな。ふんっ!!」

 

「うわああ、化け物だ!!」

 

「に、逃げろっ!!」

 

「あ、あれモノノケとかいう奴じゃない!?」

 

オオタケマル「…ふん」

 

 街中に現れたオオタケマルは、近くの建物を大剣を振るって放った斬撃によって破壊すると、逃げ惑う人々を見て鼻を鳴らし、己に課せられた使命を思い出す。

 

雹介『時は来た。オオタケマル、君には仮面ライダー達を討ち取ってほしい』

 

オオタケマル『承知しました。平和に溺れた愚かで弱い人間共に、強き者の鉄槌を下してやります』

 

雹介『ああ。…吉報を待っているよ』

 

オオタケマル『必ずや、あなた様の元に連中の首を持ち帰ってみせます』

 

オオタケマル「出て来い…仮面ライダー共…!」

 

 人もいなくなった広場にて、オオタケマルは一人仮面ライダー達を待つのだった…。

 

凪桜「大変、モノノケが街で暴れてるみたい。…何でも、金色の鬼みたいな奴だって」

 

時雨「それって…!」

 

汰月「…オオタケマルの奴…今度はこっちに来たか」

 

賢昇「街で暴れるなんてな…!」

 

都黎「…行かなくては……」

 

時雨「都黎君達は休んでて。ここは…僕達三人でいく」

 

聖「私も…」

 

凪桜「藍羽先生はさっき変身したばかりでしょ。ここは時雨先輩達に任せよう」

 

聖「…分かった。無茶はしないようにね」

 

時雨「大丈夫です。僕達三人でなら…負けません。それが、僕の今やるべきことですから」

 

汰月「だな。…向こうから来るんだったら、倒すだけだ」

 

賢昇「おう。さっきのリベンジだ。ここで奴をぶっ潰す」

 

凪桜「負けないでね」

 

時雨「…勿論!」

 

 突然のオオタケマルの襲来に驚きながらも、ウミボウズ戦で消耗の激しい都黎達を休ませ、時雨、汰月、賢昇の三人で向かうことになる…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

オオタケマル「来たか…」

 

時雨「…あなた達反人間連合の思い通りにはさせません!」

 

《無双!》

 

汰月「人とモノノケ、両方の未来のためにもお前達を倒す」

 

《激怒!》

 

賢昇「最強の五行だか何だか知らねえが…俺達がぶっ潰す」

 

《地獄!》

 

オオタケマル「ふん、さっきは逃げた弱虫の癖に、威勢だけはあるな」

 

《装填!無双!》

 

《大蛇装填!》

 

《装填!》

 

時雨「変身!!」

 

汰月「…変身!」

 

賢昇「変身ッ!」

 

《憑依装着!超変化!

 

超絶最強!無双ヨロイ!》

 

《編纂装着!変化!

 

八重展開!八岐大蛇ヨロイ!》

 

《憑依装着!変化!

 

閻魔裁決!地獄ヨロイ!》

 

 建物の前で待ち構えるオオタケマルに挑むべく、姿を現した時雨、汰月、賢昇の三人はそれぞれの最大戦力である妖魔 無双ヨロイ、霊魂 八岐大蛇ヨロイ、幽冥 地獄ヨロイへと変身する。

 

妖魔「はああっ!!」

 

オオタケマル「…ほう、少しは骨のある奴もいるみたいだな!」

 

妖魔「くっ…!…今までの五行とは…力が桁違い…!」

 

霊魂「はっ!!」

 

幽冥「ウラアアッ!」

 

オオタケマル「ふんっ!」

 

「「ぐあっ!!」」

 

 妖魔の重い拳を受けて少し怯んだオオタケマルだったが、お返しとばかりに強烈な斬撃を手に持つ大剣から繰り出し、咄嗟に腕を組んでガードした妖魔をそのまま後退させる。

 その隙に射撃と斬撃で攻撃を仕掛けようとしてきた霊魂と幽冥にはその攻撃を受け止めて斬撃を叩き込むことで弾き飛ばす。

 

妖魔「はっ!…大丈夫?」

 

霊魂「助かった…!」

 

幽冥「ありがとよ…!」

 

オオタケマル「ふん」

 

妖魔「連携でいこう!…はあっ!!」

 

霊魂「だなっ!ふっ!」

 

幽冥「オラアッ!」

 

オオタケマル「くっ…」

 

 妖魔は弾き飛ばされた二人の着地点に高速で先回りして受け止めると、自身はブンプクブラストフォンの連射でオオタケマルの動きを阻害し、更に霊魂がオロチキャノンからの砲撃で追撃し、幽冥が冷気を帯びた跳び蹴りを喰らわせる。

 

オオタケマル「ならば…!」

 

妖魔「二刀流…!それならこっちも!はあっ!」

 

オオタケマル「くっ…」

 

妖魔「はああっ!!」

 

オオタケマル「そんなもの…!」

 

幽冥「俺達もいんだよ!」

 

霊魂「忘れてもらっちゃ困るな!」

 

オオタケマル「なっ…ぐああっ!!」

 

 オオタケマルは武器を二振りの刀に変えて妖魔に斬りかかるも、妖魔も対抗して妖之流星刀と妖之弓剣の二刀流になり、巧みな剣捌きでオオタケマルの攻撃を抑える。

 更に妖魔が追撃しようとしたところで、オオタケマルは何とか体勢を整えようとするが、すかさず火炎弾が飛来し、鋭い岩が隆起して刺突してくることでオオタケマルにダメージを与えつつそのバランスを再度崩し、妖魔の斬撃を決めさせる。

 

オオタケマル「…成る程、少しはやるようだな」

 

幽冥「どうだ!これが俺達の力だ!」

 

霊魂「さっきまでと同じと思うなよ」

 

オオタケマル「…確かに、多少警戒すべきらしい。ならば、こちらは奥の手を使うまで。…魂壊!」

 

 妖魔達三人の持つ力が想像以上であったことを認めたオオタケマルは全力を尽くして倒すべく、魂壊の術を発動させる。

 

妖魔「…!」

 

霊魂「使ってきたか…!」

 

幽冥「…何して来ようが関係ねえ。倒すだけだ!」

 

妖魔「…そうだね。いくよ!」

 

オオタケマル「…小童め。…ふんっ!!」

 

「「「うあああっ!!」」」

 

 パワーアップしたオオタケマルにも怯まず挑もうとする妖魔達。

 しかし、想像を絶する攻撃力を発動したオオタケマルは凄まじい力で生成した斧を振るい、その暴力的なまでの威力の斬撃を受けた妖魔は大きく後退させられ、霊魂と幽冥は地面を転がされてしまう。

 

妖魔「なんて力…!」

 

オオタケマル「ふん。妖魔は確かに強い。だが霊魂と幽冥は大したことない…ん?」

 

霊魂「…誰が、大したことないって…?」

 

幽冥「俺達も舐められたもんだなぁ…!」

 

妖魔「二人とも、大丈夫?」

 

霊魂「当然。…あんな奴に、負けてたまるか」

 

幽冥「あんなただの馬鹿力…なんてことねえ」

 

 オオタケマルの攻撃を受けてなおも余力を多く残している妖魔をオオタケマルは評価しつつも、霊魂と幽冥を嘲る。

 しかし、そんなオオタケマルに対して霊魂と幽冥も負けじと立ち上がり、再び妖魔に並び立つ。

 

オオタケマル「ほう…少しは骨があるようだな。ならば…儂を楽しませてみろ!」

 

霊魂「ふっ…お前の道楽に付き合う義理はない!!」

 

オオタケマル「ぬうっ…!」

 

幽冥「楽しみたきゃ…一人で勝手に楽しんでろ!!」

 

オオタケマル「ぐっ…!」

 

妖魔「僕達は…人とモノノケが手を取り合える未来のために…全力で闘ってるんです!」

 

オオタケマル「ぐあっ!」

 

 火の付いた様子の三人は奮起すると、オオタケマルの言葉に反論しながら次々に反撃を繰り出していく。

 霊魂はオオタケマルの飛ばした斬撃を飛び越えて至近距離から妖之斧火縄で銃撃を撃ち込み、幽冥はオオタケマルの斬り裂く軌道を掻い潜ってオオタケマルに妖之盾槍による刺突を喰らわせ、妖魔はオオタケマルが攻撃を放つよりも早く接近し、妖之流星刀と妖之弓剣で連続斬撃を叩き込む。

 

オオタケマル「ふんっ…」

 

妖魔「させない!」

 

オオタケマル「何…!」

 

霊魂「ふっ!!」

 

幽冥「オラアアッ!!」

 

オオタケマル「邪魔な…!」

 

 連撃を受けて反撃を狙うオオタケマルは斧を振り上げるが、すかさず妖魔が妖之流星刀を投擲してそれを防ぎ、更に霊魂と幽冥が斧状態の妖之斧火縄と盾状態の妖之盾槍を構えてオオタケマルに突撃し、斬撃と打撃でダメージを与えていく。

 

オオタケマル「ふんっ!!」

 

霊魂「っ!この装甲…」

 

幽冥「やっぱ硬え…!」

 

妖魔「だったら…」

 

《猛攻之刻!》

 

オオタケマル「ふん。…ん?」

 

妖魔「はああっ!!」

 

《無双猛攻剛撃!》

 

妖魔「はあ…はあっ!はっ!はああっ!!」

 

オオタケマル「くっ…何だ…この攻撃…一撃一撃が重くなっていく…!?」

 

妖魔「はあーっ!!」

 

オオタケマル「ぐっ…!」

 

霊魂「喰らえっ!!」

 

《蛇行銃撃!》

 

幽冥「砕けろ!!」

 

《鬼気槍撃!》

 

オオタケマル「ぐああっ!!…くっ…我が装甲を砕くとは…!」

 

 妖魔は赤色のオーラを全身に纏って全力の殴打を繰り出し、一撃一撃の度に重くなるその拳にオオタケマルは驚いた様子を見せる。

 やがて妖魔の全力の拳がオオタケマルの防御すら貫いてその腕の装甲を砕き、胸部装甲にもヒビを入れる。

 そこに好機を見た霊魂の放った蛇型の水流弾丸と幽冥の炎の金棒状の刺突が同時にヒビに直撃し、オオタケマルの鎧に穴を開ける。

 

妖魔「一気に畳み掛けるよ!」

 

《一・撃・必・殺!》

 

《超絶剛撃!》

 

霊魂「了解!」

 

《一撃!必殺!》

《超!弾丸装填!》

 

《八重憤怒爆撃!》

 

幽冥「いくぜ!!」

 

《焦熱地獄!判決之刻!》

《一撃・必殺!》

 

《焦熱刑撃!》

 

オオタケマル「ぐっ…うぐああっ!!」

 

 オオタケマルに出来た大きな隙を見逃さず、妖魔は分裂する黄金の矢を、霊魂は強烈な大量のエネルギー弾を、幽冥は巨大な火炎弾を同時に放つことでオオタケマルにぶつけ、吹き飛ばす。

 

オオタケマル「まさか…ここまでの力を持っているとは…!」

 

妖魔「エピローグといくよ!」

 

霊魂「俺が平和を守り抜く!」

 

幽冥「豪華絢爛に決めるぜ!」

 

《究極之刻!》

 

《一・撃・必・殺!》

 

「「「はあーっ!!!」」」

 

《無双究極剛撃!》

 

《八重憤撃!》

 

《閻魔剛撃!》

 

オオタケマル「ふんっ!!…くっ…うぐぬおおお…っ!」

 

「「「はあああああ…はあーっ!!!」」」

 

オオタケマル「うぐああああああっ!!!」

 

 黄金のオーラを右脚に纏わせ、白い稲妻を迸らせた妖魔、深い青色のオーラと岩状のエネルギーを右脚に纏わせた霊魂、黒色のオーラと赤色の炎のようなオーラを右脚に纏わせた幽冥の三人は同時に跳躍して跳び蹴りを放ち、矛を生成して迎え撃とうとするオオタケマルと拮抗する。

 しぶとくも粘るオオタケマルだったが、更に力を強めた三人の全力により打破され、そのまま爆散する。

 

妖魔「…やったね」

 

霊魂「だな」

 

幽冥「これで五行は全員撃破か…」

 

雹介「ふふ…これで最後のピースが揃った」

 

真黒「何を企んでいる、ヌラリヒョン…!」

 

雹介「おっと、見付かってしまったか」

 

妖魔「!白石さんに、ヌラリヒョン!?」

 

霊魂「ヌラリヒョン…何故ここに…!」

 

真黒「どうやら、君達が今倒したオオタケマルのアヤダマを回収していたみたいでね」

 

幽冥「はあ!?どういうことだ!」

 

 勝利を分かち合い、絆を更に深めた三人の裏で、オオタケマルの妖気から暗い白色の大嶽丸アヤダマを作り出した雹介。

 しかし、そこに現れた真黒によってその行動が暴かれる。

 

真黒「君達がオオタケマルと戦ってると聞いて向かってみれば…陰でコソコソアヤダマを作っているヌラリヒョンがいたものでね。答えろ、これまで晴河君達が倒してきた五行も同じようにアヤダマにしたのか…!」

 

雹介「…ふふ、そうさ。この通りね」

 

妖魔「!」

 

雹介「いやあ、君達のお陰で捗ったよ」

 

真黒「何を企んでる…!」

 

雹介「…そう焦らなくても、近々分かるよ。じゃあね」

 

真黒「待てっ!」

 

妖魔「!…逃げた…」

 

 真黒の追及にもどこ吹く風といった様子で対応する雹介。

 これまで集めて来た五行全員分のアヤダマを見せると、ヘラヘラとした態度のまま姿を消す。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

時雨「ごめんなさい。…その、作戦が失敗してしまって…」

 

夏希「いえ…五行の一人は倒せたとのことですし」

 

時雨「…今回、ヌラリヒョンを倒すことは出来ませんでしたけど…いつか必ず、人とモノノケが共存出来るような、そんな世界にしてみせます。…それが、僕にとっての、夢でもあるので。だから、ヌラリヒョンがそんな世界を全て滅茶苦茶にしてしまうというなら…僕が、僕達が絶対に阻止します」

 

夏希「…成る程。話には聞き及んでましたが、お噂通りの方のようですね。…私も、あなたの夢に賭けるとしましょう」

 

時雨「!…ありがとうございます!」

 

夏希「…協力が必要なら言ってください。…ではまた」

 

時雨「はいっ!」

 

凪桜「…良かったね」

 

時雨「…うん。けど、まだまだだよ。頑張んなきゃ」

 

 後日、依頼を達成出来ていないことを謝る時雨だったが、人とモノノケが共存出来る世界…夏希にとっても望ましい世界に必ず変えていくと宣言し、そんな時雨を信じると決めた夏希は納得した様子を見せて歴史研究部の部室を去っていく。

 そして、時雨は自分の目指す道の程遠さを実感しながらも、夢に向かって邁進していくことを誓うのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

次回!仮面ライダー妖魔!

 

「「「「海だー!」」」」

 

聖「夏、満喫しようよ」

 

咲穂「皆で海に行くのも良いかもですね」

 

時雨「皆、全力で夏を楽しもう!」

 

束の間の平穏…夏を楽しむ時雨達!

 

雹介「計画は最終段階に入る…」

 

聖「…この先では私の大切な生徒達が青春を謳歌していてね。…お帰りいただこうか」

 

雹介「私は仮面ライダー伏魔…。私の初陣を飾れること、光栄に思うと良い」

 

真黒「無茶苦茶だ…!」

 

仮面ライダー伏魔…絶望の降臨

 

第肆拾漆話「夏の思い出と計画全貌」

 

日曜午後9時!




第四十七話をご覧いただきありがとうございます。

今回の内容は時雨の夢に対して、一つのアンサーを出す回となります。

劇中でも語られている通り、人というのは未知の存在、それも牙を向けてくれば下手をすれば命の危機すらある、そんな存在をそう容易くは受け入れたくはないでしょう。
ですが、その問題をどうしたら解決出来るのかなと考えた時、基本的に何か凄い妙案でどうこうなる、というものではありません。
これまた劇中での結論の通り、慣れてもらうしかないんです。
けどそれは、時雨達が何もしない、というわけではありません。
時雨達にやれることは存在そのものが人とモノノケの共存に反している反人間連合の撃破だったり、まずは人のモノノケの関係が悪化しないように努めていくこと、そして少しでもモノノケは人と同じように殆どが善性を持っていて、知性を持つ存在なのだと伝えていくことでしょう。
先にも書いた通り、人間というのは案外慣れてしまえば気にしないものです。最近だとコロナなんかも顕著でしょうか。
勿論、ウイルスと妖怪とでは意味が大分違いますし、コロナへの警戒心は最低限持っていた方がいいと思いますが、必要以上に怖がる必要はないでしょう。
モノノケにしてもそれは同じで、「良き隣人」として過ごせていけるように変えていくことが大切なのかなと思っております。

さて、そんな自分の目的のためにもヌラリヒョンとの決着に臨む時雨達ですが、そんな決戦が始まったら夏楽しめないじゃん!ということで次回は夏イベントをギュッと詰め込んだ回となっておりますので是非ともお楽しみに!
そして…いよいよ登場するヌラリヒョンのライダー形態の力をとくとご覧いただけると幸いです。
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