リュウジン「前回までの仮面ライダー妖魔は!
照羅巣高校に通う普通の高校生だった晴河時雨はある時、後輩の暁凪桜と共に訪れた古本屋で妖之書を見つけ、龍のモノノケであるリュウジンと出会ったことをきっかけとして仮面ライダー妖魔へと選ばれる!
時雨は歴史研究部として凪桜、そして仲間になった霞流咲穂と霧宮調と共にモノノケの起こす事件を解決していき、更には津久代高校の仮面ライダー霊魂に変身する日島汰月、佐乃緒高校の仮面ライダー幽冥に変身する降谷賢昇達と協力して学園間の抗争を止めたり、死の世界を生み出そうとしたイザナミを倒し、そして世界滅亡の危機をヌラリヒョンを倒すことで止めたのだった。
そして今日、そんな時雨は高校生活最後の一日を迎えようとしていた…」
⭐︎⭐︎⭐︎
特別編「卒業之刻、そしてこれからの物語」
時雨「今日で卒業かぁ…」
雪音「…色々なことがありましたね」
時雨「そうだね…。妖魔になったのがもう一年以上前なのかあ…」
桜舞い散る中、コサージュをつけた制服姿で照羅巣高校にやって来ていたのは時雨と雪音。
三月の半ば、早咲きの桜の中で時雨は照羅巣高校を卒業しようとしていた。
雪音「まあ、大学も皆さん同じなわけですから、よろしくお願いしますね」
時雨「だね。これからもよろしく。…ってもうこんな時間、そろそろ教室向かわないとね。今日は学校見て回るのに誘ってくれてありがとう」
雪音「…時雨君」
時雨「どうしたの?」
他愛もない会話をしながら照羅巣高校を見て回っていた時雨と雪音。
そろそろ教室に行かなければならないという時間となり、時雨が雪音に声を掛けると、雪音は真剣な面持ちで時雨に呼び掛ける。
雪音「…卒業式が終わった後、大切なお話がありますので…生徒会室へお越しいただけないでしょうか」
時雨「!……分かった。生徒会室だね。行くよ」
雪音「…ありがとうございます。では、行きましょうか」
時雨「…うん」
時雨に卒業式後に生徒会室に来るよう伝えた雪音。
それに時雨が応えると、二人は共に3年A組へと向かう。
⭐︎⭐︎⭐︎
沢彦「ししょ〜!」
時雨「あはは…」
咲穂「まあまあ、大学も同じなわけですし…」
沢彦「確かに!これからもよろしく!」
弘毅「…切り替え早すぎないか?」
雪音「ふふ、ですが…皆さんとこの先も同じ学校に通えるのは楽しみですね」
夢華「確かに、中々ないもんね〜」
弘毅「…そうだな」
卒業式までの待機時間、教室にて時雨達と縁のある面々が集まって会話している中、時雨のブンプクブラストフォンに電話がかかってくる。
時雨「あ、凪桜ちゃんから…。…ごめん、ちょっと電話」
雪音「……やはり…」
夢華「雪ち…」
凪桜から掛かってきていた電話に出るために一度廊下に向かう時雨。そんな時雨を見て、雪音は朝と同じ真剣な面持ちでいた。
時雨「もしもし、どうかしたの?」
凪桜『…時雨先輩。卒業式の後…時間ある?』
時雨「少し予定はあるけど…時間を作れるとは思うよ」
凪桜『じゃあその予定が終わってからで良いから、歴史研究部の部室に来てほしい』
時雨「…分かった。丁度良かった。僕からも凪桜ちゃんに話があったから」
凪桜『?そうなんだ。…じゃあ、約束だよ。…また後で』
時雨「うん。また後で。…あっ、そろそろ教室戻らなきゃ…!」
雪音との約束の後、凪桜とも約束が出来た時雨は慌てて教室へと戻る。
⭐︎⭐︎⭐︎
雪音「…以上を持ちまして、答辞とさせていただきます。卒業生代表、楓山雪音」
卒業生代表としての雪音のスピーチが終わり、会場を拍手の渦が包み込む。
調「咲穂先輩も、時雨部長も卒業かぁ…」
凪桜「…そうだね」
調「…やっぱり緊張してる?」
凪桜「…してないと言えば嘘になる」
調「…まあ、凪桜ちゃん、これからは歴史研究部の部長でもあるもんね。そっちは俺も協力するから」
凪桜「…そのためには新入部員が欲しいけどね」
調「1年生の入部希望者いなかったもんね…」
凪桜「まあ、戦いに巻き込まれるのは怖いだろうからね。…反人間連合もいなくなった今ならまだ何とかなるだろうけど」
拍手をしつつコソコソ会話する凪桜と調。
四月からは部長になるという凪桜を慮りつつも、凪桜の緊張はどうやらそれだけが理由ではない様子を見せる。
⭐︎⭐︎⭐︎
聖「というわけで…改めて皆、卒業おめでとう!」
卒業式を終えて教室に戻って来た後、聖はクラスの面々の卒業を祝う。
聖「この一年、色々大変なことがあったと思う。それでも乗り越えて、こうして卒業の日を無事に迎えられて良かったと思っているよ。
…この先の君達の道のりに、幸多からんことを、一教師として祈っているよ。それでは、最後のホームルームはここまでとしたいと思います!」
感極まった様子でホームルームを締め括った聖。
その様子にクラスの面々も大きな拍手で応えるのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「汰月君や賢昇君、都黎君の方も卒業式終わったかな?」
智由「晴河君」
時雨「柚木さんに樫崎さん、それに遠野さんまで。どうしたんですか?」
夏希「晴河君にはお世話になったので、お礼を言いに来たんです」
希「私も同じです」
智由「まあ…私はお世話してた気もしますが…そこそこ長い付き合いになりましたから。クラスも違うので一応ちゃんと挨拶しようかと」
時雨「三人とも…ありがとうございます」
希「まあ、大学は一緒ですし、これからもよろしくお願いしますね」
夏希「もうちょっと付き合いは続きそうだね」
智由「そういうことです。…あ、それと怪我はしないようにしてくださいね」
時雨「あはは…気を付けます。それじゃあ、また」
生徒会室へ向かう道すがら、かつて歴史研究部で受けた依頼で関わってきた智由、希、夏希の三人と出会した時雨は挨拶を交わし、別れる。
???「あれが妖魔か…!」
…そして、そんな時雨を陰から見つめる謎の怪物がいたことに、まだ誰も気付いていない。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「ごめん、お待たせ。雪音ちゃん」
雪音「時雨君。…そんなに待ってませんよ。それに…ここに一人でいるのも感慨深いものがありますから」
時雨「…そっか。それにしても、よく生徒会室貸し切れたね」
雪音「まあ、後輩には人払いを少しお願いをしましたし…元々卒業式が終わったら現生徒会はやることがないのですぐに帰りますから」
時雨「成る程…」
生徒会室にて時雨を待っていた雪音。
その話題はかつてこの場所であったやりとりに変わる。
雪音「そういえば…あの日、時雨君が私の夢を支えると決意を語ってくれたのもここでしたね」
時雨「……そんなこともあったね…」
雪音「時雨君は凄いです。その夢を叶えるために戦い抜きました」
時雨「…僕にとっての夢でもあるからね。それに…まだまだだよ。まだやることは沢山あるし。雪音ちゃんも、一緒に戦ってくれてありがとう」
雪音「いえ…あの日、時雨君が私の…人とモノノケの共存という夢を共に見てくれると言ったあの日、私は誓ったのです。時雨君と共に覚悟を決めて戦い抜こうって。…まあ、あの時は仮面ライダーに変身するとまでは思いませんでしたが…」
時雨とのかつての思い出を一通り振り返ると、雪音は意を結したように口を開く。
雪音「…時雨君、単刀直入に言いましょう」
時雨「…うん」
雪音「私は、感謝しているんです。私の夢を、共に見続けてくれてありがとうございます」
時雨「雪音ちゃん…」
雪音「…そして私は…そんな時雨君が好きなんです。初めて出会ったあの時から…ずっと、お慕いしています。…時雨君。私の…恋人になってくれませんか?」
雪音は先に時雨への感謝を告げると、意を決して自身の秘めていた恋情を伝える。
時雨「雪音ちゃん…ありがとう、僕のこと…その、好きになってくれて。それだけじゃない。雪音ちゃんが歴史研究部って居場所をくれたから、人とモノノケの共存って夢をくれたから…一緒に戦ってくれたから、今があるんだと思う。…けど、その想いには応えられない。…ごめんなさい」
雪音「……別に好きな人がいるから…でしょう?」
時雨「!……うん。…気付いてたんだ」
雪音「あなたのことは沢山見てきましたから。……きっと、彼女と幸せになってください。そうあってくれると…私も嬉しいです」
時雨「…うん…約束するよ」
雪音「さあ、約束があるのでしょう?あまり女の子を待たせるものではありませんよ」
時雨「…うん。…雪音ちゃん…ありがとうね」
雪音「!…どういたしまして」
実らなかった思い。けれども、雪音は時雨の前では涙は見せず、時雨を送り出す。
雪音「っ…薄々分かっていたとはいえ…辛いものがありますね」
夢華「…フラれちゃったかぁ」
雪音「夢華さん…」
夢華「ま、今のうちに沢山泣いときなよ」
雪音「うっ…うあああっ!!」
夢華「さて、都黎でも呼んで雪ちの慰め会でもやるかなぁ」
雪音が一人涙を流していると、そこに夢華が入ってくる。
そして優しく雪音を抱き締めると、雪音は堰を切ったように泣き出すのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「…急がないと」
歴史研究部の部室がある旧部室棟へ急ぐ時雨。
しかし、突如としてその足元に謎の裂け目が開く。
時雨「えっ…ええ!?うわああっ!!」
「「時雨っ!」」
地面に現れた黒い裂け目に飲み込まれて落ちていく時雨。
背後から誰かの呼ぶ声を聞きつつ、時雨は裂け目の底へと落ちていく。
時雨「っいたた…ここは…?」
汰月「何なんだここは」
賢昇「どうなってやがんだ」
時雨「さあ?……ってええ!?何で汰月君と賢昇君がここに!?」
汰月「あー、その…時雨が今日、一歩踏み出すって言ってたから、見届けようと…」
賢昇「そういうわけで様子を見に来てみたら、お前が裂け目に落っこちそうになったところに出くわしてな」
時雨「な、成る程…?…って、つまり野次馬しに来たってことなんじゃ…」
汰月「親友とも言える時雨の大一番だから…つい。すまない」
賢昇「縁結びマスターの名にかけてサポートをしようと思ってな」
時雨「…まあ、良いけど。というか賢昇君、反省してないでしょ」
賢昇「ギクッ」
汰月「賢昇…」
賢昇「お前も同罪だろ!?」
汰月「俺は素直に謝った」
裂け目の向こうの謎の神殿のような空間にやって来た時雨。…と、何故か着いて来ている汰月と賢昇。
明らかに野次馬しに来ていたであろう二人に時雨がツッコミを入れていると、汰月と賢昇は互いに自分のことを棚に上げて小競り合いを始める。
時雨「ま、まあまあ。…それにしてもどうやって出ようか」
???「ふん!ここから出ることは出来ないぞ!」
時雨「…!?あなたは…!」
汰月「モノノケ…とも違う?」
賢昇「変な怪物…」
???「変な怪物とはなんだ!吾輩こそ数多の並行世界を束ねし並行世界の王!パ・ラレールだ!そしてここは吾輩が生み出した世界と世界を繋ぐ城!吾輩を倒さなければ貴様等はここから出ることも出来ぬのだ!フハハハハッ!」
いつものやり取りをしていた時雨達の前に現れたのはモノノケとは何かが違う、王冠を被って宝石の付いた杖を持ち、白色を基調として金色の模様が入った体躯の中に機械、魔物、生物、植物、建物などの様々な要素がごちゃごちゃに混ざったような不気味な容姿の怪物。
自らを並行世界の王、パ・ラレールと名乗り、三人をここに連れてきた張本人だと語る。
時雨「パ・ラレール…パラレルワールドだから、パ・ラレール…?」
賢昇「んだよそれ、安直だな」
汰月「全くもってセンスのない名前だな」
ラレール「貴様等…よくも吾輩の名前をバカにしたな…!」
汰月「何にせよ…倒すべき敵なのは確かだ」
賢昇「ぶっ潰せば帰れるみたいだしな!」
時雨「急いで終わらせないと…!」
ラレール「フハハッ!それを狙っていたのだ!」
時雨「えっ!?うわああっ!!」
汰月「時雨!大丈夫か!?」
時雨「…う、うん…何とか…」
賢昇「無双アヤダマを奪いやがっただと…?」
並行世界の王だからパ・ラレールという捻りのないネーミングに三人が困惑する中、ラレールは迎撃しようとした時雨の構えた無双アヤダマを杖から発動した念動力で奪い取り、更に念動力で時雨を吹き飛ばす。
ラレール「この力さえあれば…俺は最強だ!全ての並行世界を思いのままに出来る!」
賢昇「アイツ…それが目的だったのかよ…!」
時雨「なら…って、そういえばここ並行世界と並行世界の間なんでしたっけ?ならリュウジンさん来てくれるのかな…?」
リュウジン「我ならここにいるが」
時雨「うわあっ!?いたんですか!?」
無双アヤダマを奪い取られた時雨は龍神アヤダマを取り出すが、その場所の特殊性から変身出来るのか疑問を覚えるも、鞄の中からリュウジンが現れる。
リュウジン「暇だったから時雨の鞄の中で寝ておったわ。…しかし、さっきので叩き起こされたぞ。何なんだあの気色悪い怪物は」
ラレール「誰が気色悪い怪物だ!」
時雨「パ・ラレールさんです」
リュウジン「???」
汰月「並行世界の王らしい」
賢昇「並行世界…パラレルワールドの王だからパ・ラレールなんだとよ。安直だよなー」
リュウジン「成る程…くくっ。確かに安直だな」
ラレール「また吾輩の名前を馬鹿にしたな…!トカゲ風情が頭が高い…!」
リュウジン「トカゲ風情!?時雨!あんな奴さっさと倒すぞ!」
時雨「ええ!?それって私怨じゃ…」
リュウジン「う、うるさい!…それに、お前もこの後大切な用事があるだろ」
時雨「それはまあ…そうですけど。…というかそれ分かってて鞄の中にいたってことは盗み聞きしようとしてたってことじゃ…」
リュウジン「ギクッ!…い、いいからいくぞ!」
時雨「どうしてこう、皆して野次馬しようと…」
汰月「よし、サクッと倒そう」
賢昇「だな!ぶっ潰すぞ!」
時雨「あっ、もう…仕方ないか」
リュウジンは状況を知るとラレールの名前を弄るが、逆にトカゲと呼ばれてしまい怒り始める。
一方で時雨がリュウジンが盗み聞きしようとして鞄にいたのではと言い当てると図星だったようで露骨に話を逸らし、汰月と賢昇もそれに乗っかる。
《龍神!》《真打!》
《『真価覚醒!』》
《激怒!》
《地獄!》
《装填!》
《大蛇装填!》
「「「変身!」」」
《憑依装着!変化!》
《編纂装着!変化!》
《『画竜点睛!龍神ヨロイ!真!』》
《八重展開!八岐大蛇ヨロイ!》
《閻魔裁決!地獄ヨロイ!》
ラレール「ふん…この力を得た吾輩には敵わぬ…!」
妖魔「はああっ!!」
霊魂「ふっ!」
幽冥「オラァッ!」
ラレール「…無意味だなぁ!」
妖魔「えっ…うわあああっ!!」
霊魂「くっ…」
幽冥「おわっ!」
時雨は妖魔 龍神ヨロイ・真へ、汰月は霊魂 八岐大蛇ヨロイへ、賢昇は幽冥 地獄ヨロイへと変身するとラレールに向かっていく。
しかし、ラレールは無双アヤダマを取り込むと先程より強化された念動力で妖魔を吹き飛ばし、そのまま妖魔に巻き込む形で霊魂、幽冥も吹き飛ばしてしまう。
霊魂「無双の力を取り込んでるだけあって手強いな…!」
幽冥「ふざけた名前だからって油断は出来ねえか…」
妖魔「それなら…!」
ラレール「ふん!…何?」
妖魔「…はあっ!!」
ラレール「ふん!」
妖魔「!?受け止められた…!」
ラレール「フハハ!喰らえっ!!」
霊魂「ぐっ…雷だと…!」
幽冥「このヤロ…ぐあっ!」
妖魔「うわわ!?」
妖魔は霞で作り出した分身体でラレールを撹乱しつつ、龍神之大砲剣で斬りかかるが、バリアによって防がれてしまい、更には強力な雷を降らせて妖魔、霊魂、幽冥を追い詰める。
霊魂「だったら…ふん!」
幽冥「喰らえ…オラッ!!」
ラレール「フハハ!無駄無駄!吾輩のバリアは破れなーい!」
幽冥「マジかよ…!」
霊魂「無駄に硬いな…!」
霊魂は地面を鋭く隆起させて突き刺し、幽冥は針を束ねた腕のブレードで斬り裂くが、バリアは破れず、弾き返されてしまう。
ラレール「ふん、吾輩の奥義を見せてやる!パラレルキングビーム!」
妖魔「!マズい…!」
霊魂「なっ…!」
幽冥「!?」
「「「うああっ!!」」」
ラレールは杖を構えると青白いレーザービームを放ち、咄嗟に風のバリア、岩の壁、盾状態の妖之盾槍で防御を図った妖魔達三人を纏めて吹き飛ばす。
ラレール「フハハハ!どうだ見たか!これが並行世界の王!ラレール様の力だ!!」
妖魔「くっ…強い…!」
霊魂「アイツ…時雨から奪った力でドーピングしてるだけの癖に…!」
幽冥「何とかして無双アヤダマを取り返さねえと…!」
思った以上の強さに苦戦を強いられる妖魔達は、どうにか無双アヤダマを取り戻す術はないかと考える。
ラレール「トドメを刺してやろう」
妖魔「またあの攻撃が…!」
霊魂「くっ…今度こそマズいぞ…!」
幽冥「どうする…!」
ラレール「フハハ!塵になれ…!パラレルキングビー…」
《アクティベート!
シナジースピード!ホッパーバイク!》
「させない!はあーっ!!」
ラレール「ぐはあっ!?」
妖魔「えっ?」
ラレールは杖から再び強力な光線を放とうと力を収束させるが、光線を放つ寸前に謎の戦士が跳び蹴りを叩き込んでラレールを蹴り飛ばす。
ラレール「くっ…な、何だ…!?」
霊魂「あれは…仮面ライダー…!?」
妖魔「あ、あなたは…?」
「俺は仮面ライダーメカニック!ヒーロー目指してるんだ!よろしく!」
妖魔「よ、よろしくお願いします…?」
突如乱入してきた謎の戦士は明朗快活な様子で自らを仮面ライダーメカニックと名乗る。
メカニック「全く…気付いたら怪物の暴れてる知らない街に飛ばされたかと思えば今度はよく分からない建物の中…いつになったら帰れるんだろ」
幽冥「なんかよく分かんねえが…苦労してんのな」
ラレール「ぐぬぬ…!この吾輩を放置するな!…ってあれ?杖どこだ?杖…」
メカニック「ま、何はともあれ、ヒーローたるもの困ってる人はほっとくわけにはいかないし…手を貸すよ!」
バッタの要素が入った装甲とバイクの要素が入った装甲が各所に追加された姿に、マゼンタに輝く複眼を持つ戦士、仮面ライダーメカニック ホッパーバイクシナジーは自らも妖魔達に手を貸すことを宣言し、並び立つ。
⭐︎⭐︎⭐︎
メカニック「ヒーローの名にかけて…悲劇は俺が終わらせる!はあっ!」
ラレール「あっ、杖あった…ってうわああっ!!」
妖魔「!また攻撃が通ってる…?」
霊魂「そうか…バリアも他の攻撃も、全部あの杖で生み出してる。…だから攻撃を仕掛ける時はバリアが切れるし、杖がないとそもそもバリアが張れなかったんだ…!」
幽冥「そういうことなら…バリアを張る隙なんかやらねえ!メカニックとか言ったな!もっと攻撃してくれ!」
裏で杖を探していたラレールが丁度杖を見つけたのと同時に素早く接近していたメカニックが連続で打撃を叩き込む。
その間バリアが展開出来ていないことからその弱点に気付いた妖魔達はメカニックに加勢する。
メカニック「えっ?…なんかよく分からないけど…分かった!」
《ホイールカリバー!》
メカニック「はあっ!」
ラレール「くっ…バリアを張らねば…」
霊魂「させるか!」
ラレール「ぐあっ!」
幽冥「どりゃあっ!」
ラレール「うぎゃ!」
妖魔「はあっ!!」
ラレール「どわあっ!」
バリアを攻略するべく、タイヤから刃が飛び出て、反対側のスポークが展開して持ち手になったような形状の剣・ホイールカリバーで斬撃を叩き込むメカニックに続いて連続でクサナギガトリンガーによる銃撃、氷の礫を飛ばしての攻撃、疾風の斬撃を叩き込んでラレールを追い込む。
妖魔「メカニックさん!同時にいきますよ!」
メカニック「!…了解!」
「「はあっ!!」」
ラレール「うぐああっ!?…しまった…無双の力が…!」
妖魔「よし、取り返せた…!」
妖魔はメカニックと同時に斬撃を叩き込み、ラレールの中に取り込まれていた無双アヤダマを奪還する。
妖魔「…この後大事な用があるので…本気で行かせてもらいます…!」
《無双!》
ラレール「ま、マズい…!」
《装填!無双!》
メカニック「お?」
《憑依装着!超変化!
超絶最強!無双ヨロイ!オォー!》
妖魔「いきますよ…!」
メカニック「おお!金ピカでマント!まさしくヒーローという見た目!カッコいいなぁ」
妖魔「はあっ!!」
ラレール「ば、バリアを…」
妖魔「!…させません!」
ラレール「ぐぼあっ!?」
無双ヨロイになった妖魔は何とかバリアを張ろうとするラレールに対して黄金の粒子を纏って高速で接近して殴り飛ばし、バリアの展開を阻止する。
妖魔「はあっ!はあーっ!!」
霊魂「決めるぞ!」
幽冥「だな!いくぜ!!」
メカニック「よーし、俺も!」
妖魔が妖之流星刀を取り出して連続で斬撃を叩き込むと、霊魂、幽冥、メカニックもそれに続いていく。
霊魂「はあっ!!」
幽冥「どりゃあ!!」
ラレール「ぐあっ!!」
メカニック「はああっ!!」
ラレール「ぐ…この!」
妖魔「はあっ!!」
ラレール「何…!?」
メカニック「凄っ!」
オロチキャノンによる砲撃、地獄の業火を纏った拳、素早い連続斬りを受けたラレールは杖を振るって稲妻を放って反撃を図るも、妖魔が無双ゴールドマントを翻すことで打ち消してしまう。
ラレール「くっ…ならば…!」
妖魔「もうその攻撃は通用しません!」
ラレール「なっ…杖が…!」
ラレールは起死回生を狙って念動力で妖魔を狙うも、妖魔は念動力の軌道を見切って避け切ると、そのまま距離を詰めて杖を横蹴りでへし折る。
霊魂「賢昇!」
幽冥「おう!」
「「はあーっ!!」」
ラレール「くっ…俺にはまだ吸収した無双の力がある…!この程度…!」
《究極之刻!》
《一・撃・必・殺!》
《チャージオン!》
妖魔「エピローグといきますよ!」
メカニック「よーし!」
《無双究極剛撃!》
《スピードエナジーフィニッシュ!》
「「はあああっ!!」」
ラレール「くっ…耐え…切れん…っ!」
「「「「はああーっ!!!」」」」
ラレール「うぐ…うがああああ!!」
霊魂と幽冥は先行してラレールへとそれぞれ青色のエネルギーを纏わせた跳び蹴りと赤色のエネルギーを纏わせた跳び蹴りを同時に叩き込むが、無双アヤダマによって強化されていたことで粘られる。
しかし、そこに妖魔とメカニックもそれぞれ黄金のエネルギーを纏った跳び蹴りと緑色のエネルギーを纏って加速しながら跳び蹴りを放って加勢することで完全に打ち破り、撃破する。
妖魔「これで戻れるはず…!」
霊魂「あ、身体が消え始めてる」
幽冥「元の世界に戻ろうとしてるのか」
メカニック「皆、凄いヒーローなんだな。またいつか会えたらよろしく!」
妖魔「はい。よろしくお願いします」
ラレールを撃破したことで元の世界へと帰り始めた四人の仮面ライダー達。
妖魔とメカニックは束の間の出会いに終止符を打つように握手を交わすと、そのまま互いに姿が消える。
⭐︎⭐︎⭐︎
妖魔「あっ、戻って来れた!」
霊魂「だな」
幽冥「時間は…飛ばされた時から10分程度か」
妖魔「…時間の流れが違ったりしたのかな?」
霊魂「かもしれないな。並行世界だし、そういうこともあり得るだろう」
妖魔「って、そんなこと言ってる場合じゃなかった!早く行かないと!」
幽冥「ちょ、時雨その格好で行くな」
霊魂「何事かと思われるぞ」
妖魔「あっ、変身してたんだった…ついうっかり」
幽冥「ったく、しっかりしろよな」
何とか元の世界に帰って来た妖魔達。
慌てるあまりそのままの格好で向かおうとする妖魔を霊魂と幽冥が止める。
時雨「じゃあ、行ってくるよ」
汰月「ああ。…頑張れよ」
賢昇「どんとかましてこい!」
時雨「うん。ありがとう!」
リュウジン「さて…我も…」
汰月「リュウジンは俺達と留守番だ」
賢昇「一人だけ見に行くなんて許さんぜ?」
リュウジン「ぐぬぬ…お主等も野次馬しようとしてた癖にー!」
変身を解いた時雨は改めて旧部室棟へと向かう。
一方でそんな時雨の背中を押した汰月と賢昇はしれっと着いて行こうとしていたリュウジンをとっ捕まえる。
⭐︎⭐︎⭐︎
凪桜「……」
時雨「!…凪桜ちゃん」
凪桜「時雨先輩」
時雨「遅くなっちゃってごめん」
凪桜「大丈夫。そんなに待ってないし」
歴史研究部の部室にて窓の外の桜を眺めていた凪桜。
そこにやって来た時雨は凪桜の横顔に一度息をのむが、すぐに声をかける。
凪桜「…今日、時雨先輩達が卒業するんだよね」
時雨「…そうだね」
凪桜「明日からはこの学校には時雨先輩はいなくて。…歴史研究部も二人でやっていくことになる」
時雨「…うん」
凪桜「…私、本当は不安なんだ」
時雨「不安…か。そうだよね。今までの環境が大きく変わるわけだし」
凪桜「それもあるし…部長として時雨先輩みたいに出来るかなって」
時雨「…大丈夫じゃないかな。…これから歴史研究部の活動もまた変わっていくだろうけど…調君や藍羽先生は照羅巣高校にいるし…僕や咲穂さんだって必ず力になるから」
凪桜「時雨先輩…」
時雨「…だから、凪桜ちゃん一人で背負う必要なんてないよ。…僕だって、一人で歴史研究部をやって来れたわけじゃない。それこそ…最初からずっと支えてくれていた凪桜ちゃんのお陰なんだ」
凪桜「私の…?」
時雨「…そうだよ」
時雨達が卒業することで部員が半分に減る歴史研究部。
これまでとは活動の仕方も変わっていくということや、自らが部長となることもあって不安を抱えていた凪桜だったが、時雨はそんな凪桜の不安を解きほぐす。
そして、自分が部長としてやって来れたのは凪桜のお陰だと語る。
凪桜「…そういえば時雨先輩、私に話があるって言ってたけど、何の話なの?」
時雨「…凪桜ちゃんの話は大丈夫?」
凪桜「うん。…何となく、時雨先輩の話が気になって」
時雨「…その、さっきも言ったけど…僕は凪桜ちゃんのお陰でここまで来れたんだ。だから…本当にありがとう」
凪桜「…私は、私のやりたいようにやっただけ。結果的に時雨先輩を巻き込んだってだけだよ」
時雨「そうかも。けど、そんな凪桜ちゃんのお陰で色んなことを経験してこれた」
凪桜「……」
時雨「僕さ、昔から、自分は平凡で、普通な、どこにでもいるような人間だって思ってたんだ」
凪桜「時雨先輩が?」
時雨「そうだよ。運動も、勉強も、何をやっても普通程度の僕は…きっとこの先も特別な体験なんて、出来ないと思ってた。だから、物語が好きなんだ。自分と違う誰かの物語を見ていると、自分じゃ絶対体験出来ないようなことを知れるから」
凪桜「そう、だったんだ」
時雨「けどね。凪桜ちゃんと出会って、凪桜ちゃんがそんな僕の世界を変えてくれた」
凪桜「!私が…?」
時雨「うん。…元々は計画のためだったかもしれない。けど、それでも…凪桜ちゃんが僕を連れ出してくれたから、僕にも特別な思い出が出来た。だから凪桜ちゃん、本当に…ありがとう」
凪桜「時雨先輩…」
時雨は凪桜に聞かれて自身の話を始める。
そしてこれまで自身を支えてくれていたことへの感謝の想いを伝える。
時雨「…それで、最近卒業を控えて、また凪桜ちゃんとの関係が変わっていこうとしていて、今までの特別な日常が終わろうとしてるってなって…思ったんだ」
凪桜「…?」
時雨「…この先もずっと、凪桜ちゃんと一緒にいたいなって」
凪桜「え…」
時雨「凪桜ちゃん。僕は…凪桜ちゃんのことが好きです。
これからも…僕と一緒にいてくれませんか?」
時雨は凪桜へと「これからもずっと一緒にいてほしい」という自身の想いを伝える。
対する凪桜は珍しくかなり動揺した様子を見せる。
凪桜「…と…」
時雨「…と?」
凪桜「取られた…!」
時雨「取られた??」
時雨の告白を受けて出て来た凪桜の第一声はまさかの「取られた」。
告白に対する答えとしては些か珍妙なその言葉に、さっきまで緊張した面持ちだった時雨も気の抜けた様子を見せる。
凪桜「ズルいよ時雨先輩!」
時雨「え、ええ?」
凪桜「本当は私が言おうと思ってたのに…!」
時雨「…ん?え、ってことは」
凪桜「…私も…私も時雨先輩が好きだよ。私に沢山の宝物をくれた時雨先輩のことが大好きなのっ!!」
時雨「ちょっ、凪桜ちゃん!?なんか自棄になってない!?後ちょっと照れるかも…」
凪桜は自身も時雨に告白しようとしていたことを明かすと、半ばヤケクソになりながら時雨への想いを伝えつつ抱き付く。
凪桜「…私も…一緒がいい。時雨先輩と、ずっと一緒にいたい」
時雨「…うん。これからも…よろしくね。凪桜ちゃん」
凪桜「…うん!」
⭐︎⭐︎⭐︎
賢昇「お、出て来たぞ」
汰月「あの様子は…上手くいったみたいだな」
時雨「二人とも、わざわざ待ってたの!?」
汰月「まあな」
賢昇「そりゃ、気になるしな」
リュウジン「我もいるぞ」
凪桜「リュウジンまで…」
汰月「…まあ、俺等が帰ったらリュウジンが覗きに行きそうってのもあって」
時雨「……確かに」
リュウジン「失礼な!誰がそんなことを…」
賢昇「いやお前二人が出てくる直前まで駄々こねまくってたじゃねえか」
リュウジン「うぐっ」
凪桜「リュウジンは本当に意地の悪いトカゲだなぁ」
リュウジン「と、トカゲじゃない!」
時雨(意地の悪い方は否定しないんだ…)
旧部室棟の近くで待っていた汰月と賢昇、そしてリュウジン。
何度も覗きに行こうとしていたというリュウジンに凪桜はお決まりのトカゲ弄りを繰り出すが、今回は流石に自分に非がある自覚があるためか否定の歯切れも悪い。
賢昇「…にしても時雨も遂に彼女持ちかぁ…羨ましいな」
汰月「賢昇はさっさと繰谷さんに告白すれば良いだろ」
時雨「ちょっ」
賢昇「うううっせー!何でそこにアリスが出てくんだよ!大体な、お前だっていつまでもはぐらかしてっけどな、斜馬といつになったら決着付けんだよ」
汰月「…別に星海とはそんなんじゃない」
賢昇「んな表情で言われても説得力ねえっての」
汰月「いくじなしの癖に」ボソッ
賢昇「ああ!?」
時雨「まあまあ、落ち着いて二人とも!」
何故か互いの恋愛的な話について痛い部分を突き合って喧嘩になる汰月と賢昇。そんな二人を時雨が宥めていると、不意に凪桜が声を上げる。
凪桜「そうだ、都黎にも挨拶しないと」
時雨「…確かに」
汰月「そうだな。行ってくると良い。…俺も星海から連絡が来てるからな。失礼する」
賢昇「ゲッ、俺の方もあいつ等から連絡が来てやがる。…んじゃ、またな」
時雨「うん。二人とも、またね。…ってあれ?リュウジンさんがいなくなってる」
凪桜「拗ねたのかな?まあ良いか」
凪桜の発案で都黎に伝えようという話が持ち上がる一方で、汰月と賢昇はそれぞれ仲間に呼ばれていたらしく慌ただしく帰っていく。
そしていつの間にかリュウジンが姿を消していることに気付くが、拗ねてどこかに行ったのだろうと結論付ける。
⭐︎⭐︎⭐︎
都黎「…そうか。付き合い出したのか。…おめでとう」
凪桜「都黎にはちゃんと伝えておきたくて」
時雨「急な話だったのに時間作ってくれてありがとうね」
都黎「気にするな。…この後夢華に呼ばれているんだが…まあまだ時間はあるしな」
時雨「…夢華さんに?」
都黎「何でも雪音を慰めようという会らしい」
時雨「………あー…」
凪桜「…時雨先輩?」
時雨「聞かなかったことにしておくよ…」
都黎「?よく分からんが、分かった。…その、何だ…時雨」
時雨「どうしたの?」
都黎「…凪桜のこと、よろしく頼んだぞ」
時雨「!…うん。絶対幸せにするよ」
都黎「…お前なら、きっと出来る」
世模継学院高校のある山の麓にて都黎に交際を始めたことを報告した時雨と凪桜。
大切な二人の幸福に都黎も笑顔で祝福し、時雨に凪桜のことを託す。
⭐︎⭐︎⭐︎
リュウジン「というわけで時雨と凪桜の二人がくっついたんだ」
夜御哉「あの二人が…それは喜ばしいことですね」
真黒「それにしてもリュウジンさん、流石に覗きにいくのは…」
リュウジン「うぐっ」
清那「そうですよ〜」
リュウジン「わ、悪かったとは思ってるんだが…」
姿を消していたリュウジンはいつの間にやら貴真賀中央大学に来て真黒や夜御哉達に時雨と凪桜が交際を始めたことを伝えていた。
その一方で覗きに行ったことはここでも咎められ、流石にバツの悪そうな様子を見せる。
夜御哉「まあ、そのくらいにしてあげてやってくれ。時雨君も凪桜君も、リュウジンさんにとっては大切な仲間だし、特に心を許している人間だからね。そんな二人が幸せへの第一歩を踏み出すとなれば気になってしまうのだろう」
リュウジン「…イヌガミギョウブ…」
夜御哉「本人も反省しているみたいだし、多分凪桜君辺りに叱られてるだろうし、我々は大目に見てあげようじゃないか」
リュウジン「お前…意外と良い奴だな」
夜御哉「やっぱり説教した方が良かったかな」
リュウジン「!?」
夜御哉は真黒と清那を宥めつつ、リュウジンを多少擁護するが、そんな夜御哉へのナチュラル失礼発言に突き放されそうになってしまう。
清那「…あの二人も付き合い始めるのかぁ…。私も恋人欲しーなー」
真黒「まあ朱井さんなら探せば幾らでも出来そうだけど…っと、危ない危ない、これじゃなかった、こっちか」
清那「………鈍感。てい!」
真黒「おわっ!何するのさ!?」
清那「…別にー」
リュウジン「…あの二人の道のりは遠そうだな…」
夜御哉「…全くです」
話がひと段落したことで実験に戻りながら羨む清那の話を聞いていた真黒は適当に流すが、そんな真黒を清那はジト目で睨みつつ軽くチョップをお見舞いするのだった。
⭐︎⭐︎⭐︎
汰月「…まあ、そんなわけで時雨達、付き合い出したんだって」
星海「わあ、それはおめでたいですね!」
津久代地区に戻った汰月は星海と一緒に街を歩き回りつつ、雑談を重ねる。
星海「…私も頑張らないと…!」
汰月「…星海?」
星海「何でもないです。さあ、次はあのクレープ屋に行きますよ!」
汰月「…だな」
星海は一人密かに決意を固めると汰月の手を引いてクレープ屋へと向かって行き、汰月と優しい表情を浮かべるのだった。
⭐︎⭐︎⭐︎
アリス「卒業おめでとう、賢昇」
賢昇「な、何でアリスがここに!?あいつ等は!?」
アリス「ふっふっふー、実はそっちより卒業式が早くてね。折角だから賢昇に会いに来たんだ」
賢昇「…あいつ等…嵌めやがったな…!」
アリス「さて、卒業記念にデートしようよ」
賢昇「デッ…!?…何言ってんだよ。…ったく、仕方ねえな」
佐乃緒地区まで戻った賢昇の前に戻って来た賢昇の前に何故か現れたアリス。
相変わらずの様子に翻弄される賢昇だったが、満更でもない様子でアリスと共に出掛けていく。
⭐︎⭐︎⭐︎
都黎「すまん、遅れた」
夢華「あ、都黎。遅いぞー」
都黎「…色々あってな。それにしても、雪音…大丈夫か?」
雪音「…問題ないです。いっぱいケーキを食べて元気を出します!」
都黎「そ、そうか…。ところで、何で俺を呼んだんだ?」
夢華「え?…それはまあ…人数多い方が気分も紛れるだろうからね。ほらほら、都黎もケーキ食べなよ!今日は食べ尽くすぞー!」
都黎「……そうか。それにしてもこんなにも色々なケーキがあるとは…!」
雪音「夢華さん、こちらのケーキもとても美味しいですよ」
夢華「え?あっ、本当だ!美味しい!」
雪音の傷心を癒すために夢華に呼ばれてケーキバイキングへやって来た都黎。
何だかんだと三人でケーキを楽しむのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
咲穂「…どうやら上手くいったみたいですね」
調「だね」
咲穂「遂に凪桜ちゃんと時雨君が…」
調「感慨深いなぁ…」
卒業式を終えてデートしていた咲穂と調。
そんな二人は時雨と凪桜からの連絡を見て二人が付き合い出したことを知る。
咲穂「さて、それなら今度はダブルデートでもしてみましょうか」
調「あっ、良いかも!…ってそれだと結局今までのお出かけとあんまり変わらなさそう」
咲穂「それもまた良いじゃありませんか。さ、調君。私達も負けられませんよ!」
調「えっちょ…何の勝負!?」
時雨と凪桜の二人も合わせてダブルデートするのも良いかもしれない。そんな風に考えた咲穂は調と共にテンションを上げてどこかへと向かっていく。
⭐︎⭐︎⭐︎
時雨「…とまあ、こんな感じかな。僕の仮面ライダーとしてのこれまでは」
「時雨兄ちゃんがヒーローなんて信じられねー」
「モノノケ…妖怪が本当にいるなんてビックリだよなぁ」
近所の子供達に頼まれて仮面ライダー妖魔として戦って来た日々について語る時雨だったが、ふと時計を見て時雨は慌てる。
時雨「あっ、もうこんな時間!」
「なんか用事ー?」
時雨「午後から出掛ける用事があって…」
「彼女だー!」
時雨「…まあ、そんなところ。じゃあ、またね!」
了
特別編までご覧いただきありがとうございます!
一年間妖魔を応援いただき誠にありがとうございます!
この作品を読んでくれた皆様にとって、少しでも思い出に残る作品となっていたら何よりです。
ここで裏話となりますが、劇場版は最終話と特別編の間の出来事となっております!(ネタバレ要素も多分だったので明言はしておりませんでしたが、最後まで走り切ったのでこのタイミングで明かさせていただきました)
さて、ここで告知が二つございます!
まず一つ目はファイナルステージ相当の物語の公開が決定しました!
公開は10月19日(日) 22時予定となりますので、是非ともお見逃しなく!
二つ目は妖魔のその後を描くVシネマ相当の物語の公開も決定しました!
霊魂/汰月と幽冥/賢昇を主役とした前編と暗夜/都黎と禍炎/真黒を主役とした後編の二本仕立ての予定となります!
詳細情報は本日21時半に番外編の方のシリーズで公開しますが、それぞれの公開時期としては
前編:11月14日(金) 午後21時
後編:2月13日(金) 午後21時
を予定しておりますので、そちらも是非ともお楽しみに!