リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!
猫守神社へと調査に赴いた歴史研究部は仮面ライダーを狙うカマイタチの襲来に遭い、居合わせた汰月と共に立ち向かう。
カマイタチのスピードに、ネコマタの力を借りて猫又ヨロイとなることで対抗した妖魔はカマイタチを撃破することに成功するのだった…。
その一方でもう一体のカマイタチと対峙した汰月の前にはバスターズのリーダー・降谷賢昇が現れ…」
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時雨「同盟…ですか」
汰月「ああ。…先日現れた佐乃緒の仮面ライダー…幽冥。アイツに対抗するためには本格的に俺達が協力する必要があると思う」
時雨「成る程…?その幽冥って仮面ライダーの方は一体どんな人だったのですか?」
汰月「ああ。…先日、君達とともに訪れた猫守神社。そこでカマイタチの一人と交戦していた俺の元に、奴は現れた」
カマイタチの一件から数日後、照羅巣高校を訪れた汰月は時雨に同盟を組まないかと提案し、時雨はそれに困惑しつつも、幽冥がどんな存在なのかを尋ねる。
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第伍話「同盟と悪党襲来!?」
──回想
賢昇「さーて、こっからが見せ場な」
《鬼!》
《装填!》
賢昇「変身!」
《憑依装着!変化!
霊魂「鬼の…仮面ライダー…!」
カマイタチ「お、お前もか!?」
???「俺様は仮面ライダー
《
幽冥「さーて、…木っ端微塵にしてやるよ!」
賢昇は取り出した赤色のアヤダマ…“鬼アヤダマ”を起動して妖書ドライバーに装填し、黒の素体に赤い鬼を模した装甲を身に纏った青色の複眼を持った戦士、その名も仮面ライダー幽冥 鬼ヨロイに変身すると、赤色の槍と盾が複合した武器である妖之盾槍を取り出して構え、刺突を仕掛ける。
カマイタチ「うぐああっ!…くっ…このォッ!」
幽冥「おっと、そう来たか。なら…」
《盾之刻!》
幽冥「ヘッ!当たんねえぜ?オラッ!」
カマイタチ「うぐあっ!ず、狡いぞ!!」
幽冥「狡いだぁ?攻撃防いだだけだろ?」
刺突を受けたため、距離を取って風の刃を放つカマイタチに対し、幽冥は妖之盾槍を真ん中にある持ち手の少し上部分から前へと90度折り曲げ、更に穂先の部分を90度折り曲げて展開することで盾状態に変え、攻撃を受け止める。そして、ブンプクブラストフォンによる射撃で追い詰める。
幽冥「さーて!唯我独尊冷酷無情!それが俺様だ!!俺の前に…ひれ伏せェ!!」
《一・撃・必・殺!》
カマイタチ「くっ…ここは撤退を…」
幽冥「させるかよ!」
《鬼気剛撃!》
幽冥「フンッ!」
カマイタチ「ぬああ!?」
幽冥「オラアアアッ!!」
カマイタチ「うぐああああっ!!!」
幽冥は妖書ドライバーを操作し、不利を悟ったカマイタチが逃げ去ろうとするのを回し蹴りに合わせて発生した炎の金棒型のエネルギーで叩き落とすことでカマイタチの逃亡を阻止し、続け様に炎を右脚に纏わせての跳び蹴りを叩き込むことでカマイタチを撃破する。
幽冥「さて…霊魂」
霊魂「!…何」
幽冥「次会った時はお前等のアヤダマを貰う。妖魔の奴にも伝えとけ」
霊魂「何!?」
幽冥「じゃあな〜!」
霊魂「待てっ!…逃げたか」
──────
────
──
汰月「あんな奴がどういうわけか俺達のアヤダマを狙ってる。そんなわけでここは一つ、俺達と組まない?」
時雨「成る程…となると確かに困りますね」
聖「それは佐乃緒の仮面ライダーだな。確か、私の知る限りでは彼は“バスターズ”という佐乃緒の不良グループのリーダーであり、仮面ライダーの力を使って佐乃緒のモノノケ事件の解決などの依頼をこなす“モノノケの退治屋”だったはず」
時雨「それがどうして僕達を狙っているのでしょうか…」
聖「そこまでは私には分からないな。…ただ、バスターズはモノノケの退治に限らず、依頼された任務は必ず果たすという。もしかすると、そこが関係してるのかもしれないな」
汰月「何者かの命令で俺達仮面ライダーを狙ってるわけか…」
汰月から幽冥について聞いた時雨は、その行動の理由は何なのか推察し、聖からの情報で二人は何者からの依頼ではないかという結論を出す。
時雨「分かりました。ここは協力体制を組むことにしましょう」
汰月「ありがとう」
聖「そうだね…。そうしたら今少し時間良いかな?」
正式に同盟を組むこととなった歴史研究部と治安維持委員会。すると、聖は二人に時間はあるか問う。
時雨「ありますけど…」
汰月「何か用事ですか?」
聖「折角なら君達に紹介したい人がいてね。貴真賀中央大学まで着いてきてほしいんだ」
「「?」」
聖の提案により、時雨と汰月は貴真賀中央大学へ向かうことになったのだった…。
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──貴真賀中央大学
時雨「ここが貴真賀中央大学ですか…」
汰月「聞いてはいたけど…広いね」
時雨「僕達もこのままいけばこの大学に通うことになるってことですよね…」
聖「そうだね。照羅巣高校、津久代高校…そして佐乃緒高校はこの大学の附属校だから、君達は原則卒業と共にこの大学に進学することとなる」
やって来た貴真賀中央大学で、時雨と汰月はその広さに驚き、自分達も卒業後にはここに通うことになるのだという事実を噛み締めていた。
聖「ここだよ」
時雨「理工学部特別研究室…?」
汰月「特別研究…って何のだろう」
聖「すぐに分かるよ」
聖がやって来たのは理工学部特別研究室と書かれた札のある部屋。
その部屋の扉を聖がノックすると、すぐに返事が返ってくる。
???「どうぞ〜」
聖「…失礼します」
時雨「失礼します…」
汰月「失礼します」
???「聖、この子達が例の仮面ライダー達だね」
聖「はい。…この人は
時雨「は、初めまして。晴河時雨です」
汰月「日島汰月です。初めまして」
理工学部特別研究室にいたのは白衣を纏い、白衣の胸元には葉の形のバッジが付けられている、無精髭が特徴的なダンディな中年男性と、その傍に立つ黒髪で眼鏡をかけた端正な顔立ちの穏やかそうな青年だった。
聖はそれぞれ田貫夜御哉と白石真黒であると紹介し、時雨と汰月も名乗る。
真黒「初めまして。白石真黒です。先生はお久しぶりです」
聖「白石君は私の元教え子なんだ」
時雨「そうだったんですね」
夜御哉「話は聞いとるよ、君が妖魔で、君が霊魂だ!」
聖「夜御哉さんは実はモノノケでね」
時雨「へぇ、そうなんですか。…そうなんですか!?」
汰月「どこからどう見ても人間にしか見えない…」
夜御哉「はっはっはっ!そうだろう?俺はイヌガミギョウブっていう狸のモノノケさ!これでも1000年は生きてるぜ?自慢じゃないが808匹の部下もいてな。田貫夜御哉という名も狸と八百八の捩りさ!」
真黒「あ、僕は正真正銘の人間だけどね」
時雨「そ、そうだったんですね…」
汰月「そんな人…モノノケがどうして人間の大学で研究を?」
夜御哉「俺は昔から物作りが好きでねえ。人間に対しては結構好意的に思っているんだ。ところが、モノノケの中には人に対して敵意を持つ輩が一定数いるんでね、そういう奴に対抗するための手段を用意するために、この大学に雇われたのさ」
時雨「な、成る程…」
真黒「僕は今この大学の三年でね。色々と事情があって、田貫先生のサポートをしているんだ」
豪快に笑いながら正体を明かす夜御哉は、汰月の質問に応える。
聖「それでモノノケ関連の研究をしているんだ。ツクモブースターも夜御哉さんの発明品なんだよ」
時雨「そうだったんですか!?」
リュウジン「やはりお前だったかイヌガミギョウブ!」
夜御哉「今は田貫夜御哉と呼んでほしいですな、リュウジンさん」
時雨「わっ、リュウジンさん…って、お二人は知り合いなのですか!?」
リュウジン「前に言ったろ。ツクモブースターに関して心当たりがあると。コイツは我が眠りに付く前からの知り合いなんだが…その当時から機械弄りが大好きな変人…変狸でな。コイツの悪戯には困らされたものだ」
夜御哉「いやぁ、懐かしいですな。会えて嬉しいです!」
リュウジン「ふんっ!」
夜御哉を前に突如飛び出したリュウジンは、かつて知り合いだったことを明かすと、気さくに話しかけてくる夜御哉に対してそっぽを向いてしまう。
時雨はそんな状況に苦笑いすると、本題に入ろうとする。
時雨「…それで、今日僕達がここに来た理由って……」
聖「それはね、君達に新しいアイテムを渡したいらしくて」
夜御哉「真黒君、渡してあげたまえ」
真黒「はい。これ、どうぞ」
汰月「これって!」
時雨「スマホ…ですか?」
汰月「いや…これは銃にもなる。ですよね?」
夜御哉「ああ。その通りだ。これはブンプクブラストフォン。このテールグリップを接続すればブラストモードに出来るよ」
時雨「じゅ、銃!?スマホがですか!?」
汰月「先日幽冥が使ってたからね」
時雨「そうなんですか…」
夜御哉「ああ、賢昇君か。俺の発明品をしっかり使ってくれてるみたいで嬉しいよ」
汰月「あなたが渡したんですか!?何故あんな奴に…!」
夜御哉「まあ落ち着きたまえ」
真黒が時雨と汰月に手渡したのは黒色を基調として白色の差し色が入ったスマートフォン型のデバイスのブンプクブラストフォンと、同じく黒色を基調として白色の差し色が入った銃のグリップ型のデバイスであるテールグリップ。
しかし、以前賢昇が扱っているのを見た汰月はそれがただのスマホではなく、銃として扱えると看破する。
そしてその際に賢昇にブンプクブラストフォンを渡したのが夜御哉だと発覚し、汰月は詰め寄る。
夜御哉「君がどう思ってるのかは分からないが、彼は悪人ではないよ。…まあ、調子に乗った時や、迷惑をかけられた時はお灸を据えてやると良い」
汰月「…そうですか」
夜御哉「さて、ではしっかり説明すると、このブンプクブラストフォンはさっきも言った通り銃として使える。ただ、それだけではない。こうしてテールグリップを別の向きにセットすると…」
《グリップコネクト!ラクーンモード!》
夜御哉「狸型のラクーンモードになる。この状態では自律可動してモノノケに攻撃を仕掛けたり、物を回収して来てくれたりするよ。高度な人工知能が搭載されていて、意思もあるから可愛がってあげてね」
時雨「可愛いですね!」
汰月「おお…!凄い!」
夜御哉は賢昇を庇うように説明すると、話を変えてブンプクブラストフォンの下側にあるコネクターにテールグリップをブンプクブラストフォンに対して上向きの垂直になるように合体させると、ブンプクブラストフォンの画面の背部に収納されてあった手足と顔が展開し、狸の形のメカになる。
夜御哉「そして…テールグリップの向きを変えれば…」
《グリップコネクト!ブラストモード!》
夜御哉「こうしてブラストモードに出来る。それなりの威力の妖気弾を発射出来るよ。ああ、因みにフォンモードの時は問題なくスマホとして使えるから安心してね」
時雨「す、凄いですね…」
夜御哉はブンプクブラストフォンのテールグリップを一旦取り外すと、今度はブンプクブラストフォンに並行になるようにテールグリップを再度合体させ、ブラストモードに変える。
夜御哉「ま、そんなわけで持ってっちゃってよ。役立ててくれると嬉しいかな」
時雨「ありがとうございます!」
汰月「ありがとうございます」
聖「夜御哉さん、ありがとうございます」
夜御哉は時雨と汰月にブンプクブラストフォンを授け、二人は感謝の意を示す。
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──翌日
凪桜「どんな人達だった?」
時雨「そうだね…田貫夜御哉先生は、豪快だけど、何だか凄そうな人で…その助手の白石真黒さんは何ていうか…穏やかでカッコいい人だったよ」
凪桜「…白石真黒……そっか」
咲穂「良い人達だったみたいですね」
調「良かったですね、晴河部長」
時雨「そうだね。…そんなわけで、貰ったブンプクブラストフォンがこれ」
凪桜「確かにスマホにしか見えないな」
調「これが狸や銃に…」
咲穂「凄い技術力ですね…」
時雨「こうやると…」
《グリップコネクト!ラクーンモード!》
凪桜「おお…!可愛いな!」
時雨「でしょ?」
翌日、時雨は歴史研究部の仲間に貰ったブンプクブラストフォンを見せていた。
すると、ノックの音が響く。
時雨「はい!」
凪桜「依頼かな」
調「ですかね」
咲穂「ん?この方の制服…佐乃緒の…!?」
時雨「?佐乃緒の生徒さん…ですよね?どちら様ですか?」
賢昇「フッ…降谷賢昇…って言えば分かるか?」
時雨「!それって…仮面ライダー幽冥の…!?」
賢昇「そうだ。それが俺様、降谷賢昇様だ!」
凪桜「!佐乃緒の仮面ライダーが、何の用?」
千瀬「まあまあ、そんな怖い顔しないでよ〜」
結佳「…さっさと本題に入ったら?リーダー」
賢昇「だな。…さて、妖魔。俺とアヤダマを賭けて勝負しようぜ」
突如現れた来客の正体は賢昇率いるバスターズだった。予め汰月から情報を聞いていたために警戒する時雨達だったが、そんな時雨に賢昇はある提案をする。
時雨「……アヤダマを、ですか?」
賢昇「ああ」
時雨「折角のお話ですけど…賭博は校則で禁止されてるので…」
賢昇「成る程な。…って、そこか!?そこじゃなくねえか!?」
凪桜「?校則を守るのは学生として当たり前では…?」
結佳「……」
千瀬「ぷっ…ぷははっ!先輩、何この人達面白いじゃん!」
賢昇「リーダーな?」
圭佑「…リーダーの言うことが聞けねえってんすか?」
咲穂「そりゃあ今出会ったばかりですし…」
調(ふ、不良怖い…)
賢昇の提案を斜め上の方向から断る時雨だったが、そんな様子を見た賢昇は別の視点から攻めることに決める。
賢昇「何だよ、この俺様の活躍を聞いて恐れを成したか?」
結佳「そんな分かりやすい挑発に乗るわけ…」
凪桜「時雨先輩はそんなに弱くない!そこまで言うなら勝負して、格の違いを教えるべきだよ」
時雨「凪桜ちゃん!?」
咲穂「あら…」
調「えぇ…こんな怖い人達と戦って、部長大丈夫…?」
賢昇「決まりだな!ほら、表出ろよ!」
時雨「そんなぁ…」
賢昇の挑発にすぐに乗ってしまった凪桜により時雨は賢昇と戦う羽目に。
そのまま一同は旧部室棟を出ることに。
賢昇「いくぜ」
《鬼!》
時雨「うう…どうしてこんなことに…」
《龍!》
《装填!》
賢昇「変身!」
《憑依装着!変化!》
時雨「変身…」
《憑依装着!変化!》
《鬼気粉砕!鬼ヨロイ!》
《登竜大成!龍ヨロイ!》
あれよあれよという間に決闘することとなってしまったがために対時する時雨と賢昇。
二人はそれぞれ妖魔 龍ヨロイと幽冥 鬼ヨロイに変身する。
そして、先に仕掛けたのは案の定幽冥だった。
幽冥「オラアッ!」
妖魔「くっ…!」
幽冥「どうした!攻撃しなきゃ勝てねえぞ?」
妖魔「うわっ!?」
幽冥が振り下ろした槍状態の妖之盾槍を妖之弓剣で辛くも受け止めた妖魔。
しかし、幽冥は攻める手を止めず、左手に持ったブンプクブラストフォンによる銃撃を浴びせる。
妖魔「うう…」
凪桜「時雨先輩!」
幽冥「オイオイ、つまんねえぜ?こいよ!」
妖魔「どうして…僕達仮面ライダーが戦わないといけないんですか…?協力してモノノケに立ち向かうべきじゃないんですか?」
幽冥「あ?そんなの幻想だろ。俺は孤高を貫く冷酷無情な大悪党だ。アヤダマ奪われたくなけりゃ精々抵抗してみろ!」
妖魔「くっ…!」
幽冥に対して妖魔は戦いを止めるよう説得するが、聞く耳を持たずにブンプクブラストフォンによる追撃を喰らってしまう。
夜御哉『彼は悪人ではないよ。…まあ、調子に乗った時や、迷惑をかけられた時はお灸を据えてやると良い』
妖魔「……分かりました。そこまで言うなら…!」
《グリップコネクト!ラクーンモード!》
幽冥「ぐっ…!やるじゃねえか!!」
《猫又!》
妖魔「こっちも全力で相手になります!」
《装填!》
幽冥「へぇ…!」
《憑依装着!変化!
俊敏鉤爪!猫又ヨロイ!》
幽冥を説得するのは不可能だと察した妖魔は意を決してブンプクブラストフォンをラクーンモードに変えて突撃させることで窮地を脱しつつ、隙を見て猫又ヨロイへと姿を変える。
妖魔「はああっ!」
⭐︎⭐︎⭐︎
汰月「今日の見回りはこれで終わりかな…」
克真「あ、日島委員長、丁度良いところに」
汰月「克真に由香里、何かあった?」
治安維持委員会の活動の一環として町内見回りに出ていた汰月の元に、同じ治安維持委員会の後輩である克真と由香里がやって来る。
自分を探していたらしい様子に、汰月は何かあったのかと問う。
由香里「実は学校の前に倒れている方がいらっしゃいまして…」
克真「今は保健室に寝かされてるんですけど…」
汰月「成る程…分かった。行こうか」
由香里や克真から受けた説明で状況を把握した汰月は、二人と共に保健室へ向かう。
そして保健室には、茶色のロングヘアが特徴的で、雪のように白い肌のまさしくお嬢様のような儚さと、溌剌とした明るさを併せ持ったような雰囲気の少女がいた。
どうやら目が覚めたのかベッドから起き上がっている。
愛菜「日島君、話は伺いましたか?」
汰月「うん、さっき聞いたよ。…お目覚めかな?」(物凄く可愛い子だな…)
???「!…あなたは…?」
汰月「俺は日島汰月。この佐乃緒高校の治安維持委員会って委員会の委員長をやってるんだ。君はこの高校の前に倒れてて保健室に運び込まれたんだけど…」
???「そう、だったんですね…私が…」
汰月「えっと…名前、聞いても良いかな?」
???「…私は…
汰月「それって……」
???「…その…今までの記憶が、ないんです。名前を問われたら自然と浮かんできたのがこの名前で…」
起きた少女に名を尋ねると、少女は自分の名は斜馬星海であるはずだと言い、その様子に違和感を覚えた汰月の問いに答えて、少女はこれまでの記憶がないことを明かす。
汰月「記憶喪失…ってことか」
由香里「あ、あなたが持っていた鞄の中にこんな物が入っておりまして…」
星海「…!」
汰月「これは…宝石?」
由香里「これ、かなり強力な妖気が込められているみたいなんです」
汰月「!…だとすれば…何かのモノノケ関連の事件に巻き込まれた可能性があるな。さて、この石…何か覚えてる?」
星海「…分かりません。…ただ、とても大切な物だった気がします」
汰月「…そっか」
星海が所持していた蒼色の宝石には強力な妖気が込められていると知った汰月は、星海が何らかのモノノケに関する事件に巻き込まれたのではないかと推察する。
汰月「倒れていた所に行けば何か思い出すかな?ちょっと付き合ってもらっても?」
星海「はい」
汰月の提案から、何か思い出すことがあるかもしれないと倒れていたという校門へ汰月と星海、愛菜の三人で向かうことにする。
愛菜「何か思い出すことはありましたか?」
星海「……すみません、何も…」
汰月「まあ、そんな簡単にどうにかなったら苦労しないか。謝らなくても大丈夫。気長にやろう」
星海「はい…」
都黎「まさか、霊魂に保護されていたとはな」
「「「!」」」
校門へ来ても特に思い出すことはなかったが、そこへ都黎が現れる。
汰月「暗夜丸の昏時都黎…何しに来た」
都黎「そいつに用があってな」
汰月「成る程…それは聞き捨てならないかな」
都黎「別にどちらでも良い。抵抗するならば…力尽くで連れ去るだけだ。…変幻」
《居合変化…!》
《大蛇!》
《装填!》
汰月「そんなことはさせない。…変身!」
《憑依装着!変化!
蛇行咬合!大蛇ヨロイ!》
《暗夜丸!》
霊魂「はあっ!」
暗夜丸「ふん」
汰月は霊魂へ、都黎は暗夜丸に姿を変える。そして霊魂は銃状態の妖之斧火縄を発砲するが、暗夜丸はその弾丸を闇夜月で斬り捨てる。
暗夜丸「何だ、津久代の仮面ライダーも大したことはないな」
霊魂「言って…くれるね!」
暗夜丸「事実だからな」
霊魂「こいつ…時雨から聞いてたけど強いね。…なら」
《斧之刻!》
霊魂「はあっ!」
暗夜丸「当たらんな。…!」
《グリップコネクト!ブラストモード!》
霊魂「はあっ!」
暗夜丸「成る程、そう来たか」
暗夜丸の強さに危機感を覚えた霊魂は妖之斧火縄で闇夜月を受け止めつつ、素早く斧状態に切り替えると、一薙ぎして暗夜丸と距離を作って空中へ放り投げる。
その隙にブンプクブラストフォンをブラストモードに変えて暗夜丸を銃撃し、右手で落下してきた妖之斧火縄をキャッチしつつ斬りつける。
暗夜丸「ならば…」
《夜行流奥義!》
《秘剣・暗黒剣舞!》
暗夜丸「はっ!」
霊魂「負けない…」
《アヤダマ!》
《アヤダマブラスト!》
霊魂「はああっ!」
暗夜丸は闇夜月の鍔を一回転させて闇の斬撃を放つ。対して霊魂は妖之斧火縄を再度放り投げ、続けて大蛇アヤダマをブンプクブラストフォンの裏面に装填すると、青色の妖気を銃口に集中させる。そして放たれた水のエネルギー弾に乗せて落ちてきた妖之斧火縄を飛ばすことで暗夜丸の攻撃と相殺し合う。
暗夜丸「…どうやらこれ以上は時間の無駄だな。また今度、そいつは連れて行くとしよう」
霊魂「!待てっ!…逃げたか」
暗夜丸は撤退し、残った霊魂は変身を解いて星海と愛菜の元へ戻る。
汰月「間違いなく、モノノケ絡みのようだね」
愛菜「となると下手な所へ引き渡すよりここでお守りした方がいいかもしれませんね」
汰月「そうだね…」
星海「えっと…何の話をなさってるのでしょうか…?」
汰月「君についてだけど、俺達もちょっと無関係ではなさそうだから、暫くは俺達の所で保護っていう形になるよう掛け合ってみる。それで良いかな?」
星海「すみません…ありがとうございます」
一先ず星海を自身の元で預かるべきだと判断した汰月はその是非について星海に問う。
元より現状では身寄りのない星海は汰月に感謝の意を示す。
⭐︎⭐︎⭐︎
妖魔「はああっ!」
幽冥「良いじゃねえか!ノッてきてんな!!」
妖魔は逆手に持った剣状態の妖之弓剣で斬撃を放ち、幽冥はそれを盾状態の妖之盾槍で弾き飛ばすと、ブンプクブラストフォンによる銃撃を放ち、妖魔を攻撃する。
妖魔「終わらせます…!」
《装填!一・撃・必・殺!》
幽冥「ヘヘッ!そう来ねえとなぁ!!」
《チャージ!》
《俊敏剣撃!》
《チャージブラスト!》
妖魔「はあっ!」
幽冥「うおりゃあっ!」
妖魔は逆手に構えた妖之弓剣に猫又アヤダマを装填し、高速で幽冥に接近する。対して幽冥はブンプクブラストフォン側面の電源ボタンを押すことでエネルギーを溜めて青白い妖気のエネルギー弾を発射する。
幽冥の妖気弾が命中する直前、妖魔は突如二人に増え、白い光を帯びた妖之弓剣でその弾丸を切り裂く。
妖魔「「はあああっ!」」
幽冥「何!?くっ…!」
《装填!一・撃・必・殺!》
《鬼気防撃!》
幽冥「はっ!」
妖魔「「たあああっ!」」
幽冥「うぐああっ!」
妖魔「うあああっ!!」
凪桜「!時雨先輩!」
千瀬「やるじゃん」
二人に増えて放たれた妖魔の斬撃。咄嗟に幽冥は妖之盾槍に鬼アヤダマを装填して火炎のバリアを発生させて片方の攻撃を受け止めつつ、火炎による反撃を浴びせる。どうやら受け止めた方が本物だったらしく、妖魔は弾き飛ばされてしまう。しかし、もう一人の偽物の妖魔の方が放った斬撃に対処し切れず、幽冥も吹き飛ばされてしまう。
結果、両者は同時に変身解除されてしまう。
賢昇「相討ちか…面白えじゃねえか、お前」
時雨「はあ…はあ…」
凪桜「時雨先輩…後で特訓だね。この世は優勝劣敗弱肉強食。あんな運任せの戦術がやっとじゃ、いつかやられてしまうよ」
時雨「スパルタだね!?」
賢昇「!…八字コンボか。やるじゃねえかお前」
調「…八字コンボ…って何でしょうか?」
咲穂「恐らく『優勝劣敗弱肉強食』の四字熟語二つを連続して言ったことについてではないでしょうか…」
千瀬「そーそー!ウチのリーダー、四字熟語大好きでさ!所謂中二病ってヤツ?ウケるよね〜」
賢昇「なんか言ったか千瀬!」
圭佑「そうっすよ!リーダーの四字熟語カッコいいじゃないですか!」
結佳「はぁ…まあ取り敢えず今回は帰ろうか。引き分けた以上、目的は果たせそうにないし」
賢昇「そうだな…妖魔のガッツとソイツの八字コンボに免じて、今回は退散するとしよう。またな!」
千瀬「またね〜♪」
圭佑「次こそはアヤダマを奪うっすから!」
結佳「ほら、さっさと行くよ」
時雨「……何か、嵐のような人達だったね…」
調「そ、そうですね…」
咲穂「波乱は続きそうですね…」
凪桜「さあ、時雨先輩!特訓しよう!特訓!」
時雨「ええ…本当に特訓するの…?」
凪桜「勿論!時雨先輩はアヤダマを奪われても良いの?」
時雨「まあ…それは嫌だけど…」
凪桜「なら、特訓あるのみだよ。さあ行こう」
時雨「そんなぁ…」
帰って行ったバスターズの面々を見送った後、時雨達はその騒がしさに疲労感を覚える。その一方で戦いの結果に満足していなかった凪桜は時雨に特訓に励むよう急かし、時雨は渋々特訓することとなるのだった…。
⭐︎⭐︎⭐︎
次回!仮面ライダー妖魔!
凪桜「依頼かな」
時雨「モノノケ…!?」
次の依頼人はモノノケ!?
時雨「一緒にいきましょう!」
水の超パワーで立ち向かえ!
汰月「新しい仮面ライダー…」
「俺は仮面ライダー禍炎…。お手並み拝見といこうか」
第陸話「大池横綱と悪の仮面ライダー!」
日曜午後9時!
第五話ご覧いただきありがとうございます!
今回は3号ライダー・幽冥が初登場することとなりました!
赤い鬼のライダーということですが、別にモモタロスは関係ありません。
いよいよメイン3ライダーが揃ったところですが、次回には早くもダークライダー登場となります!
所謂ドレッドやゲンムのようなポジションとなる“敵”を前に3人の仮面ライダー達がどう立ち向かうかぜひご注目ください!
ちなみに今回初登場のスマホアイテム枠のブンプクブラストフォンについては語感が可愛い(個人的見解)ので結構気に入っております。