リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!
歴史研究部を訪れたのは保健委員長の柚木智由!彼女の連れてきたカッパの策により、時雨達は暴れん坊の池の主・スイコと対峙する!
そこに現れた謎のフードの男がまさかの仮面ライダー禍炎に変身!霊魂に幽冥、暗夜丸まで乱入しての大乱闘に!
自分に優しくしてくれた時雨達を助けたい一心でスイコを裏切ったカッパの力を借りて妖魔は河童ヨロイに変身!見事スイコを撃破するのだった…」
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都黎「……斜馬星海…あの女の身柄が霊魂の元にあるのは面倒だな…」
???「ならば…アタシに任せなさいナァ…」
都黎「お前は…?」
???「アタシはノヅチ。あの方の考えに賛同する者の一人ヨォ。霊魂の噂は聞いたワァ…キャラが被ってて気に食わないのよネェ…!」
野太い声で気色悪い声色を出しながら都黎の元へやって来たのは焦茶色の身体の蛇が人型を形作っているかのような見た目のモノノケ・ノヅチ
都黎(変な喋り方だな…)「まあ良い。ならば試してやる。…霊魂から斜馬星海を奪い取れ」
ノヅチ「ふふっ…張り切っちゃうワァ…!!」
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汰月「…ってことはつまり、あの仮面ライダーは田貫教授の造ったドライバーを盗み出した何者か、ということですか?」
真黒『ああ。それで、田貫先生からの伝言なのだけどね。アレは強力なライダーシステムだから、十分に注意してほしいということと、可能ならば回収してほしいとのことだよ』
汰月「分かりました。連絡ありがとうございます」
真黒から禍炎について聞いた汰月は、礼を言って電話を切ると、懐から橙色のアヤダマを取り出す。
汰月「やっぱりこの先アイツに対抗していくには、このアヤダマを使えるようになっておかないと…」
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第漆話「暴走車両を乗りこなせ!」
時雨「あ、もう皆揃ってるね」
凪桜「時雨先輩!それで…結果は…?」
時雨「うん」
「「「……」」」ゴクリ…
時雨「文化祭でのバンド、無事に許可取れたよ〜」
雪音『バンドですか?良いじゃないですか。私も時雨君の演奏聞いてみたいですし。時雨君達には日々頑張ってもらっていますからね。それくらいは構いませんよ。私の方から話は通しておきましょう』
時雨『ありがとうございます!』
雪音『そのくらいお安いご用です。私と時雨君の仲ですから』
ある日の歴史研究部。時雨は他の部員より遅く到着するが、その理由は生徒会に文化祭の出し物の件を相談しに行ったからだった。無事に許可を得ることが出来たことを、時雨は報告する。
凪桜「!良かった…」
調「じゃあ練習しないとですね」
咲穂「じゃあ、今日の部活終わった後に時間がありましたら、私の家に行きましょうか」
時雨「そうしようか。…ん?日島君から連絡だ……はい、もしもし」
汰月『時雨、今ちょっと良い?』
時雨「大丈夫ですけど…何かありました?」
汰月『この前現れた仮面ライダー禍炎…。アイツの使ってるドライバーが、田貫教授の開発した物ってことは多分聞いてるよね?』
時雨「はい。藍羽先生から連絡があったので」
汰月『…田貫教授から聞いたんだけど、アレは相当ヤバいらしい。だから十分に注意してくれって言ってた』
時雨「僕も注意するようには言われましたが、やっぱり危険な物みたいですね…」
時雨が制服のポケットにしまっていたブンプクブラストフォンがなったので取り出すと、汰月から電話がかかってきていた。
時雨が電話に出ると、その連絡の内容は禍炎に関する情報共有だった。そしてある程度情報共有を終えたところで、汰月は時雨にある提案をする。
汰月『それで…禍炎に対抗するためにも、俺達はもっと強くならなきゃいけない』
時雨「…そう、ですね」
汰月『うん。それで…奴等に対抗するためにも使える手は多い方がいいってことでさ、俺の特訓に付き合ってほしいんだ』
時雨「特訓…分かりました。そういうことなら是非」
汰月『ありがと。…じゃあ、明日津久代高校に来てもらっても良い?』
時雨「はい。ではまた明日です!」
汰月と特訓の約束をした時雨は電話を切る。すると、凪桜から電話の内容についての質問が入る。
凪桜「時雨先輩、何の電話だったの?」
時雨「この間の仮面ライダー禍炎に対抗するために特訓したいらしくて」
咲穂「確かに…かなりの強敵でしたものね」
調「頑張ってきてください!」
時雨「…うん!」
凪桜「時雨先輩、頑張って来て。…あ、私との約束、忘れてないよね?」
時雨「勿論。明後日の日曜日にワンダーファンタジアのコンビニコラボグッズを買いに行く、でしょ。ちゃんと覚えてるよ」
凪桜「ならよし。行ってらっしゃい」
時雨「うん。行って来ます」
──翌日
時雨は汰月との約束のために津久代高校を訪れていた。
時雨「津久代高校…来るのは初めてだなぁ…」
汰月「あ、時雨。こっち。…休日なのにごめんね」
時雨「日島君、それに治安維持委員会の皆さんまで。そんなに気にしなくても、僕は全然大丈夫ですよ」
由香里「お久しぶりです」
時雨が津久代高校の敷地内に入って少しすると、汰月達治安維持委員会の面々が待ち構えていた。
そして汰月達の案内で目的地に向かう途中、時雨はふと津久代高校の敷地の広さについて言及する。
時雨「津久代高校も結構広いですね」
汰月「まあ、昔は照羅巣と佐乃緒も含めた一つの高校があったのがここだからね」
時雨「え?そうなんですか?」
汰月「今じゃ結構忘れられてるんだけどね。元々はこの津久代高校は貴真賀高校という名前だったんだ。けど、街が発展して生徒も増えた結果、成績の良い生徒と、成績の悪い生徒、そしてそのどちらでもない中間の生徒という具合に三つに分かれた。それこそが今の照羅巣と佐乃緒、そして津久代の原型ってわけだ」
時雨「そんな歴史があったなんて…」
汰月「元々照羅巣と佐乃緒の仲が悪いのもそこに起因するな。今ではそこまででもないんだけど、当時はやっぱり成績で分けたこともあって、照羅巣はエリート、佐乃緒は出来損ないみたいなイメージが出来ちゃったわけだ。そうなると、佐乃緒の生徒は照羅巣の生徒が気に入らないし、扱いの差から反抗的な態度になる。すると今度は照羅巣の生徒はそんな佐乃緒の生徒を見下したり、荒れていることに対して嫌悪感や忌避感を抱いたりする。そんな悪循環が生まれてしまい、自動的に津久代が中立の姿勢を取らざるを得なくなった…っていう歴史があるんだよ」
時雨「そんなの全然知りませんでした…。照羅巣と佐乃緒の生徒が仲悪いのは知ってましたけど、そこにそんな事情があったんですね」
汰月「まあ、どうしても雰囲気は受け継がれちゃって、やっぱり今でも照羅巣は大人しい優等生な人が多くて、佐乃緒は荒っぽいヤンキー系の人が多くなっちゃったんだよね。
…そして、そのどちらでもない津久代は他二校に比べて生徒数が少なくなったんだ」
時雨「…確かに、僕が照羅巣を選んだのも、一番落ち着いてそうな校風だったからなんですよね」
汰月「成る程…まあそうだよね。さて、着いたよ」
布留杜学園にまつわる話を聞きながら時雨がやって来たのは津久代高校の本校舎の裏手にある寂れたテニスコートだった。
汰月「さて…早速始めようか」
時雨「はい!それで、何をすれば良いんですか?」
汰月「俺は今からこのアヤダマを使おうと思うんだけど、これが中々に厄介なアヤダマでね。制御の訓練をしたいんだ。それで、水の力を持つ河童アヤダマを持ってる時雨に協力を仰いだのさ」
時雨「成る程…分かりました!」
《河童!》
汰月「話が早くて助かる」
《大蛇!》
《装填!》
「「変身!」」
《憑依装着!変化!》
《水勢怪力!河童ヨロイ!》
《蛇行咬合!大蛇ヨロイ!》
汰月の説明を聞いた時雨はその頼みを承諾、時雨は妖魔 河童ヨロイへ、汰月は霊魂 大蛇ヨロイへと変身する。
霊魂「よし…」
《火車!》
《装填!》
霊魂「はあっ!」
《憑依装着!》シュボッ!メラメラメラ…!
霊魂「うっ!ぐあああっ!」
妖魔「!も、燃えた!?だったら…はあっ!」
霊魂「ふぅ…助かったよ。この調子でお願い」
霊魂は橙色の火車アヤダマを装填し、解放栞を引き下げるが、次の瞬間に飛び出した燃えている車と融合した炎の獣が霊魂と一体化するやいなや、その身体が燃え始めて苦しみ始める。
それを見た妖魔が地面に向かって発勁して霊魂の足元から水柱を発生させて鎮火すると、火車アヤダマは妖書ドライバーから弾け飛ぶ。
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賢昇「禍炎…あの厄介な野郎をどうにかするには……」
千瀬「何々〜、賢ちゃん先輩考え事?」
賢昇「リーダーだっつの。…まあ、少しな。こないだ出て来た仮面ライダー禍炎…タヌキのオッサンはとんでもなく危険な相手だって言ってやがったが…一体何者なんだ?」
圭佑「だ、大丈夫っすよ!リーダーなら負けるはずがありません!」
賢昇「……そうだな」
アジトであるゲームセンターのエアホッケーの台に寝転がって禍炎について考えていた賢昇。その存在への疑問を深めていたものの、格闘ゲームで対戦しながら返答している千瀬と圭佑の言葉から自信に溢れた笑みを浮かべながら起き上がる。
賢昇「ま、今は結佳が調べ物してくれてるしな。俺が焦っても仕方ねえか」
千瀬「やったー!ウチの勝ち!…ま、リーダーに深い考え事なんて無理な話だし」
賢昇「んだとぉ!?」
圭佑「また負けたっす…。けど、リーダーはそうやってマイナスなこと考えてるより、真っ直ぐ自信に溢れてる方が似合うのは確かっすよ」
賢昇「ま、そうだな。いずれにせよ、この極悪非道の大悪党であるこの俺様の敵ではないぜ!」
バスターズの面々がそんな話をしていた頃、霊魂の特訓は続いていた。
燃えては鎮火、燃えては鎮火を繰り返し、汰月は疲弊し切って変身解除して倒れ込む。
汰月「はぁ…はぁ…」
星海「日島さん…これ、スポーツドリンクです」
汰月「ありがと…。はぁ、はぁ…」
時雨「…大丈夫ですか?」
汰月「まあ、何とかね。……けど、全然ダメだな…どうしてこう上手くいかないのだろう…」
時雨「何か使うために必要な条件みたいなのを満たせてない、とかですかね?」
リュウジン「そうだな。見たところ、このままではお主はソイツを上手く扱えこなせないだろう」
時雨「わっ、リュウジンさん」
汰月「条件…何だろうか」
時雨「そのアヤダマはどこで入手したんですか?」
汰月「カシャは俺が初めて倒したモノノケなんだ。妖書ドライバーを得て、初めて戦った相手」
時雨「そうだったんですか…」
汰月「兎に角熱苦しくて、滅茶苦茶な奴だった」
時雨「結構個性の強い方だったんですね…」
リュウジン「そうだな…一つアドバイスをやろう。お前はソイツとの向き合い方を『間違えて』いる。それが何か分かれば、きっと扱えるようになるだろうな」
汰月「向き合い、方…。うん、考えてみる。もう時間も遅いし、今日はこの辺で。また暇があったら付き合ってよ。二人ともありがとう」
時雨「何度でも付き合いますよ。じゃあ、また今度」
リュウジン「まあ、精々我のアドバイスを上手く活かすのだな」
汰月「うん、またね」
汰月は自身が初めて仮面ライダーになった時のことを思い返し、完全に日が落ちたこともあって時雨に帰るよう促す。
汰月「俺に足りないもの…か」
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時雨「いやぁ〜、ワンダーファンタジアのグッズ、無事に揃ってよかったね」
凪桜「うん。貴真賀地区まで来てコンビニ10軒巡った甲斐あり」
時雨「他のお客さんのことも考えるとあんまり一つの店で買い占めるわけにもいかないし、そもそも揃わないもんね。取り敢えずハムボシさんのグッズも無事揃って良かった〜」
凪桜「私もニャイトのグッズが買えて良かった」
日曜日。時雨と凪桜は約束通りワンダーファンタジアのコンビニコラボグッズを手に入れるべく二人で出かけていた。
そして、時雨は頭に三ツ星模様のあるハムスターのような外見のキャラ“ハムボシさん”、凪桜は騎士のような格好をした凛々しい猫のキャラ“ニャイト”という特にお気に入りのキャラのグッズを手に入れられたことに喜ぶ。
賢昇「おっ、妖魔に八字コンボの奴、偶然じゃねえか」
時雨「あなたは…!」
凪桜「…降谷賢昇」
賢昇「そう警戒すんなよ。…ま、ここで会ったのも何かの縁だ。アヤダマを賭け──」
ドオオオオンッ!
時雨「うわっ!?」
賢昇「あ?何だ?」
凪桜「時雨先輩、あっちから煙が…」
時雨「!あっちは津久代の…凪桜ちゃんはここで待ってて!」
凪桜「…分かった」
賢昇「あ、おい!待て!」
街の中央部である貴真賀地区まで来たせいか、賢昇と偶然にも遭遇してしまった時雨と凪桜。当然時雨達は警戒し、賢昇はアヤダマを賭けた勝負を挑もうとするが、その言葉を言い終わる前に爆発音がそれを遮る。
その爆発が津久代地区の方向から鳴り響いたものだと気付いた時雨は凪桜を残してそちらへ向かおうとし、賢昇もそれを追いかける。
汰月「…まさか、こんな追っ手がいたとはね…!」
星海「ご、ごめんなさい…私のせいで…」
汰月「星海のせいじゃない。…悪いのはアイツ等だ」
爆発音が鳴り響いたその瞬間。まさにその現場にいた汰月は、目の前にいる暗夜丸と、ノヅチと対峙する。
ノヅチ「その女の身柄を渡してもらおうかしラァ…」
汰月「悪いけどお断りかな」
《大蛇!》
暗夜丸「聞き分けの悪い奴だな」
ノヅチ「ふん…馬鹿な男は嫌いヨォ。赤の他人のためにその命を散らすなんてネェ……」
汰月「嫌いで結構。散るのは…お前達の方だ」
《装填!》
汰月「変身!」
《憑依装着!変化!
蛇行咬合!大蛇ヨロイ!》
ノヅチに対し、汰月は毅然とした態度でその要求を断り、霊魂 大蛇ヨロイへと変身する。
霊魂「はあああっ!!」
ノヅチ「効かないワァ!はぁぁ…ふん!」
ドゴーンッ!
霊魂「うわっ、何これ…うああっ!!」
暗夜丸「この分じゃ、俺の出るまでもなさそうだな」
霊魂は銃形態の妖之斧火縄でノヅチを銃撃するが、ノヅチの口から吐いた赤茶色の煙が爆発し、霊魂を吹き飛ばす。
星海「!日島さん!」
霊魂「今のは…爆発性のガスか…」
ノヅチ「分かったところで…無意味なのよネェ!ほらほら!そんな豆鉄砲じゃアタシは満足しないワァ!」
霊魂「…銃撃もあの皮膚に防がれる…なら」
《火車!》
霊魂「一か八か、こいつで…」
星海「そのアヤダマって…む、無茶です!」
《装填!》シュボッ!メラメラメラ…!
霊魂「うっ…ぐあああっ!!…ダメか…!」
ノヅチ「何やってんのヨォ…自滅とかつまんなすぎるワァ…」
霊魂「くっ、まだだ…!」
暗夜丸「これでコイツも終わりか…」
ノヅチの持つ能力に脅威を覚える霊魂。一か八かの逆転を狙って火車アヤダマを使用するが、その反動で火に包まれる。
そしてその様を見た暗夜丸は冷たく霊魂の最期を悟る。
時雨「!あれは、日島君!助けないと…」
賢昇「おい、待て。…出やがったぜ、噂のアイツがな」
時雨「…仮面ライダー…禍炎…」
禍炎「…お前達の相手は俺だ」
駆け付けた時雨と賢昇。時雨は汰月の姿を見て駆け寄ろうとするが、その行手を阻むように現れたのは、禍炎 八咫烏餓者髑髏ヨロイだった。
時雨「降谷君、ここは協力して禍炎に対抗しましょう!」
賢昇「あぁ?お断りだな。寧ろ俺と勝負しろ!アイツを先に倒した方が勝ちな!そして…勝った方がアヤダマ総取りだ!」
《鬼!》
時雨「ええ!?…あーもう、どうしてこうなっちゃうんだろ…」
《龍!》
《装填!》
時雨「変身!」
賢昇「変身」
《憑依装着!変化!》
《登竜大成!龍ヨロイ!》
《鬼気粉砕!鬼ヨロイ!》
禍炎を前に協力を持ちかける時雨だったが、賢昇はそれを拒み、逆に勝負を吹っ掛ける。そんな様子に時雨は頭を悩ませるが、ひとまず二人はそれぞれ妖魔 龍ヨロイと幽冥 鬼ヨロイへと変身する。
妖魔「はああっ!」
幽冥「ふんっ!」
禍炎「効かんな。ふんっ!!」
「「うああっ!」」
妖魔は剣状態の妖之弓剣で斬りかかり、幽冥は槍状態の妖之盾槍で刺突するが、禍炎は斬撃を右腕で受け止め、刺突を左手で弾いて防ぐと、二人を発勁で吹き飛ばす。
⭐︎⭐︎⭐︎
霊魂「はあっ…はぁッ…」
暗夜丸「無様だな」
霊魂「お前…は…ッ!」
ノヅチ「アタシは諦めのいい男の方が好きヨォ。サァ…終わりにしてあ・げ・る」
霊魂「!」(ここで…終わりなのか?…一体何が、俺には足りてないんだ?何でコイツを使いこなせないんだ?)
時雨『何か使うために必要な条件みたいなのを満たせてない、とかですかね?』
汰月『兎に角熱苦しくて、滅茶苦茶な奴だった』
リュウジン『お前はソイツとの向き合い方を「間違えて」いる』
霊魂「…!そうか、そういうことか!!」
ノヅチ「避けたのネェ…でーも、少し生き延びただけにすぎないワァ。結果は…変わらない!」
霊魂「それはどうかな?」
《火車!》
星海「!無茶です!」
《装填!》
霊魂「いや…今度こそ、いけるはず!」
《憑依装着!変化!
ノヅチ「む…うおおおっ…!」
一瞬諦めかけた霊魂だったが、特訓の時の会話から、とあるヒントを掴むと、すんでのところでノヅチの毒霧を回避し、火車アヤダマを起動、装填する。すると、霊魂の身体は焼かれずに、炎に包まれた車輪を持った獣の変化した鎧を身に纏う。
そうして橙色と黒色を基調とした装甲に、頭は黒色と橙色を基調とした太い一本角の獣を模したものになり、両腕には橙色の炎を帯びた車輪が取り付けられている霊魂 火車ヨロイへと姿を変える。
ノヅチ「ナニアレェ…!?」
暗夜丸「あのアヤダマは使用出来ないのではなかったのか…?」
霊魂「…俺はずっと、コイツを制御することばかり考えていた。だから上手くいかなかったんだ。コイツの持ち味は熱さと速さ!だからこそ…俺はそれを解き放つ!」
ノヅチ「ぐっ…!」
暗夜丸「厄介な…」
霊魂は炎を纏って急加速すると、炎を帯びた拳をノヅチに浴びせ、横蹴りを暗夜丸に叩き込む。
暗夜丸「フンッ!」
霊魂「おっと!はあああっ!」
暗夜丸「む…!」
ノヅチ「くっ…獣のくせに蛇に楯突くなんテェ!生意気ヨォ!」
霊魂「さっきからお前うるさいよ」
ノヅチ「うぎゃっ!!」
星海「す、凄いです…」
暗夜丸の斬撃を腕の車輪で受け止めた霊魂はそのまま地面に右腕の車輪を付けるようにして高速回転し、炎の渦の如き回し蹴りを炸裂させる。
《装填!一・撃・必・殺!》
霊魂「俺が平和を守り抜く!」
《熱狂断撃!》
霊魂「はあぁ…!はあっ!だあっ!どりゃあああっ!!」
ノヅチ「ぐうう…ぐあああっ!こんなはずじゃ…なかったのヨォォォォォ!!」
暗夜丸「…これは…!ふっ…ふんっ!…速い…!ここは!」
《唐傘御化!》
《アヤダマ装填!》
暗夜丸「ふん!」
《アヤダマ一閃!》
暗夜丸「む…!」
霊魂は斧状態の妖之斧火縄を取り出すと、火車アヤダマを装填する。そして高速で移動しながら炎を纏った妖之斧火縄で斬撃を繰り出し、轍状の斬撃の跡を残しながらノヅチを爆散させ、闇夜月に唐傘型のエネルギーを展開した暗夜丸を対応外の速度で斬り裂き吹き飛ばす。
禍炎「ふんっ!」
妖魔「くっ…!」
幽冥「厄介な…」
禍炎「回収させてもらおう」
霊魂「!禍炎…」
ノヅチがやられたことを確認した禍炎は猫又ヨロイに姿を変えていた妖魔と幽冥を辻風之鎌で纏めて斬り払うと、霊魂に倒されたノヅチを焦茶色のアヤダマに変化させる。
それによって霊魂は禍炎の姿に気付く。
禍炎「さて…用は済んだ」
幽冥「こっちの用は…まだ済んでねえ!!」
妖魔「はあっ!」
禍炎「はぁ…無意味なことを」
《オーバーブースト!》
《禍炎カタストロフ!》
禍炎「はああ…ふんっ!!はあっ!」
妖魔「うああっ!」
幽冥「ぐあっ!!」
霊魂「!」
禍炎「…さらばだ」
禍炎が立ち去ろうとしたのに対し、幽冥はブラストモードのブンプクブラストフォンで射撃し、妖魔は爪による斬撃を浴びせて妨害する。しかし、大して効いた様子も見せない禍炎は炎呪之御札を焚書ドライバーから取り外してモニター部分に二度翳し、再度装填する。
そして、両手に構え直した辻風之鎌で妖魔と幽冥の二人を風を纏いながら高速回転を加えた斬撃の竜巻で襲うことで変身解除に追い込むと、そのまま飛び去る。
時雨「いてて…」
汰月「時雨、大丈夫?」
時雨「あ、日島君。何とか…。そういえば火車アヤダマ、使えるようになったんですね」
汰月「ああ。時雨との特訓のお陰だよ。ありがとう」
時雨「?僕はあんまり役に立てたなかったような…」
汰月「それと、リュウジンのアドバイスのお陰でもある。ありがとう」
リュウジン「フッ、当然だな」
賢昇「何の話かよく分からねえが、アヤダマを寄越せよ」
汰月「あげるわけないだろ。良いからさっさと帰れよ」
賢昇「何だと?」
時雨に手を差し出して立ち上がるのを手伝った汰月は、そのまま特訓に付き合ってくれたことの礼を告げ、リュウジンにもアドバイスの礼を言う。
そしてその会話に混ざって来た賢昇に対していつも通りの塩対応で返して険悪な雰囲気になる。
時雨「ま、まあまあ…二人とも落ち着いてください」
汰月「…禍炎…そう簡単には勝てそうになさそうだけど、負けるわけにもいかないね」
賢昇「アイツは俺が倒す。…じゃーな」
⭐︎⭐︎⭐︎
貴真賀中央大学の研究室にて、一枚の写真を見つめる男がいた。
真黒「……必ず、君に辿り着いてみせるから」
そう言って真黒は、写真を机の上に置く。その写真には照れくさそうに笑う真黒と共に青みがかった黒髪のロングヘアで、優しい笑みを浮かべた少女、栗色のショートヘアで自信なさげに笑う少女が写っていた…。
そして、その写真を見つめる真黒の瞳には、強い決意の色が宿っていた。
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次回!仮面ライダー妖魔!
「恐怖に染まった人間の魂はたまんねえなぁ!」
聖「怪しい鳥のようなモノノケを見たという情報が相次いでいてね」
時雨「あの…本当にこれやるんですか?」
凶悪なモノノケに対抗せよ!
時雨「誰かの未来をハッピーエンドにする手伝いに少しでもなれるなら、素敵だと思いませんか?」
時雨「…人の絶望を楽しんで…その命を奪っておいて…都合のいいことを言わないでください!」
時雨の怒りが爆発する!
第捌話「山中修行とアブナイ鳥」
日曜午後9時!
第七話ご覧いただきありがとうございます!
今回は2号ライダー・霊魂のフォームチェンジお披露目となりました!
アヤダマ自体は四話から使ってましたけどね。
前回から文化祭関連の話も同時並行で進んでおりますが、今回は汰月のメイン回となりましたが、同時に汰月の口から照羅巣高校、津久代高校、佐乃緒高校の三校がどういった成り立ちの元にあるのかが語られました。
イメージ的には「ポケモン」におけるキュレムとゼクロムレシラムの関係に近いですかね。元は同じ一つだったものが、ある理由から三つに分かれた、という点で。
知らないけど興味はあるという方はキュレムやゼクロムレシラムについてpixiv百科事典等を用いて調べてみるとわかるかもしれません。