仮面ライダー妖魔   作:玲音考人

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第捌話「山中修行とアブナイ鳥」

 

リュウジン「前回の仮面ライダー妖魔は!

 

仮面ライダー禍炎の登場に危機感を覚えた汰月は時雨と協力して新たな力を使えるようにと特訓するが、その暴れ馬ぶりに苦戦してしまう!

 

しかし、星海を狙って現れたノヅチに追い詰められた汰月は自分に足りていなかったものに気付き、見事克服!霊魂 火車ヨロイへと変身し、ノヅチを撃破することに成功するのだった…」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

 暗い夕闇に包まれたある日の山。

 そこを急足で下る一人の若い女性が。

 

「ちょっと遅くなっちゃったな…」

 

ガサ…

 

「えっ?…気のせいかな」

 

 女性はハイキングにでも来ていたのか、暗くなってしまったために急いでいたらしい。

 そんな中、どこからか茂みが揺れるような音が聞こえた気がし、女性は周囲を見回すが、特に何かがいるわけでもなかった。

 しかし、何か薄寒いものを感じ取った女性はその足を早めようとする。

 

「……早く帰ろっと」

 

ガサガサ!

 

「!?な、何…?」

 

???「キヒヒヒヒ…!キヒヒヒヒ…!」

 

「わ、笑い声…!?…っ!」

 

 女性が早くその場を離れようと歩き出した途端に、背後の茂みが先程よりも鮮明に、強く揺れる。

 そして、それに驚いているのも束の間、突然不気味な笑い声が辺りに響く。

 いよいよ恐怖を感じた女性は一目散に駆け出すが…。

 

???「キヒヒッ!逃げられるとでも思ったかぁ!?」

 

「キャーッ!!化け物!!来ないで!こっちに来ないで!!」

 

???「キヒヒヒヒ!!」

 

「いたっ…止め、やめて…来ないで…!」

 

 走っていた女性の頭上から、何かが飛び出る。

 暗がりで姿は分かりにくいが、ギョロっとした目に嘴、更には翼と、明らかに普通の生き物でないことは確かだった。

 そして、その「化け物」に追い詰められる女性は後退りして逃げようとするが、木の根に躓いて尻餅をついてしまい、絶望感に襲われる。

 

???「良いなぁ!良いよその絶望感!その恐怖に歪んだ顔!最高のご馳走だな!」

 

「いやーッッ!!やだ!やめて…!やめ…っ………」

 

 女性の必死の抵抗も虚しく、「化け物」は女性へと襲いかかり、嘴から青白い何かを吸い上げる。

 女性はなんとか抵抗しようともがいていたが、やがてその動きは止まり、手は地に落ちる。…そしてその身体は、青白い炎へ包まれ塵となって消えていくのだった…。

 

???「キヒヒッ…いやぁ…恐怖に染まった人間の魂はたまんねえなぁ!!」

 

???「…貴様!何をしている!」

 

???「だ、誰だっ!?」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

時雨「もうすっかり文化祭ムードだね」

 

凪桜「今週から準備期間だからか」

 

咲穂「私達のバンドの練習もこの調子なら間に合いそうですね」

 

時雨「凪桜ちゃんのギターも大分様になってきたしね」

 

凪桜「そう?」

 

調「けど…何だか今から緊張してきました…」

 

時雨「なんか分かるかも。僕もちょっと緊張してきちゃったな」

 

 四人がそんな会話をしながら部室にやって来ると、聖が待っていた。

 

時雨「藍羽先生。もう来てたんですね」

 

聖「やあ。早速で悪いのだけれど、今日はこれから星出(ほしいで)山に行こうと思うんだが、良いかな?」

 

時雨「へぇ…ってええ!?また山ですか!?」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

第捌話「山中修行とアブナイ鳥」

 

時雨「あの…何で…いきなり…山なんですか…?」

 

調「はぁっ…はあっ…」

 

咲穂「け、結構ハードですね…」

 

凪桜「何だ皆、情けないな」

 

 星出山にやって来た時雨達だったが、凪桜以外の三人は既にヘロヘロになっていた。

 

聖「ああ、説明がまだだったね。実は最近、この山周辺で怪しい鳥のようなモノノケを見たという情報が相次いでいてね」

 

時雨「成る程…?」

 

聖「そして、そのモノノケというのが夕暮れ時に現れるようなんだが、ソイツに襲われた人は魂を抜かれたみたいに気を失ってしまうらしくてね。しかも、最近何人もの行方不明者まで出てね。何か関係があるんじゃないかと思ったのさ。…ただ、人によっては脅かされるだけで帰れることもあるらしい。実際、私が情報を得たのは逃げて来た人からなんだ」

 

咲穂「そんなモノノケがこの山に…」

 

 時雨の問いに答える形で聖が答え、この山で起きている事件について情報共有する。

 

調「もう暗くなって来ましたね」

 

時雨「まあ、大分日も早くなって来たもんね」

 

聖「すまないね。本当はこんな時間に山に入りたくはないのだが…どうやらこの時間帯に出没するらしいんだ」

 

時雨「…山間とはいっても、舗装されてますし、上には展望公園もあったりしますからね……」

 

咲穂「詳しいですね」

 

時雨「まあ、小学生の時にキャンプ体験で来たからね。あの時はバスで来たから楽だったけど…」

 

凪桜「星が見えるのか…。機会があったら見てみたいな」

 

時雨「また今度、皆で見に行こうか」

 

 時雨が星出山にあるという展望公園について教えていると、突然リュウジンが飛び出す。

 

リュウジン「!時雨…来たぞ」

 

時雨「!」

 

???「お主等…この山に何の用だ」

 

時雨「この山で人を襲っているっていうのは…あなたですか!」

 

???「…もし、そうだと言ったら?」

 

時雨「ここで止めます!」

 

リュウジン「いくぞ!」

 

???「!モノノケ…まさか!?」

 

《龍!》

《装填!》

 

時雨「変身!」

 

《憑依装着!変化!

 

登竜大成!龍ヨロイ!》

 

《グリップコネクト!ブラストモード!》

 

妖魔「はああっ!」

 

???「ふんっ」

 

妖魔「今のは…!?」

 

 リュウジンが警戒の言葉を時雨に伝えると同時、翼を持ったモノノケと思われる存在が現れるが、闇に紛れてその姿はよく見えなくなっていた。

 

 妖魔 龍ヨロイに変身した時雨は早速ブンプクブラストフォンでモノノケを狙うが、モノノケは謎のエネルギーの壁を生み出して防ぎ切る。

 

リュウジン『今のは恐らく神通力だな。見た目から推察するに…アイツの正体はテングだろう」

 

妖魔「テング…?」

 

テング「いかにも!儂はテング。お前が妖魔か。その実力…確かめさせてもらおう!」

 

リュウジン『…待てよ、確かテングは…』

 

妖魔「くっ…」

 

テング「どうした?もう終わりか?」

 

妖魔「まだです!近接なら…はあっ!」

 

テング「甘いな。お前は剣というものを分かっていないようだ」

 

妖魔「うあああっ!」

 

凪桜「時雨先輩!」

 

咲穂「手強いですね…」

 

 リュウジンの分析により、相手の正体はテングであると見破られる。そして、その推理を肯定したテングは地上に降りる。その姿は赤い顔に長い鼻。緑色の山伏のような服を着た白い翼のモノノケだった。

 テングは手に持っていたヤツデの葉を模した剣で斬りかかり、それを妖魔はブンプクブラストフォンで受け止め、取り出した妖之弓剣で反撃に出る。しかし、巧みな剣捌きの前に圧倒されてしまう。

 

テング「はああっ!」

 

リュウジン「待て」

 

テング「…!何だ」

 

リュウジン「一連の事件を起こしているのはお前じゃないだろ」

 

妖魔「!」

 

凪桜「…?」

 

調「!?」

 

咲穂「一体どういう…」

 

聖「…成る程」

 

テング「……何?」

 

リュウジン「テングに人の魂を奪う能力など存在しない。テングは風を操り神通力を使いこなせるが…それで人の魂は奪えない」

 

妖魔「ど、どういうことですか?」

 

テング「…ふむ、見破られてしまったか」

 

 妖魔に追撃しようとしたテングに対して妖魔の前に現れて待ったをかけるリュウジン。そして、一連の事件の犯人はテングではないのではないかと告げる。

 そして、その推理を聞いたテングは素直にリュウジンの言葉を認める。

 

時雨「なら…何であんな嘘を…?」

 

テング「お前ならば止められるのか試したかったのだ。この山に巣食う…オンモラキをな」

 

時雨「オンモラキ…それが、今回の事件の犯人なんですね」

 

テング「そうだ」

 

 変身を解いた時雨がテングに嘘を吐いていた理由を聞くと、テングは真犯人たるオンモラキに勝てるかどうか試そうとしていたことを知る。

 

テング「奴は今、儂が神通力で一時的に封印しているが、それも長くは持たない。だが…今のままでは、奴には勝てないだろうな」

 

時雨「!」

 

テング「儂は全国各地をさすらっておってな。この山に立ち寄ったところで偶然奴を見つけた。それで人間の何人かを逃した後、何とか封印したのだ。…だが、助けられなかった者もおる。封印した時も、一人犠牲にしてしまった」

 

時雨「えっ?気を失うだけじゃないのですか!?」

 

テング「…それは儂が邪魔して中途半端にしか魂を吸われなかった者だけだ。時間経過で回復するだろう。…しかしだ。完全に魂を吸われ、本当にただの抜け殻となった体は…塵となって消えてしまう。…故に、人には分からんのだろうな」

 

凪桜「そのオンモラキって奴…とんだクズだね」

 

時雨「なんてことを…」

 

聖「逃げた人達の証言はテングのことだったわけか」

 

テング「封印が解けるのは明後日。それまでに何とかせねばと思っていたが、好都合だ。明日この山に来い。修行するぞ」

 

時雨「えっ。…えええっ!?」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

時雨「確かに強くなるための特訓ってヒーローものの物語的には付きものですけど…。あの…本当にこれやるんですか?」

 

テング「当たり前だ。さあ行け」

 

時雨「いやでも…今10月ですよ!?そもそもここの水って冷たいですし、そうでなくても滝行は流石に…風邪引きますよ!?」

 

テング「何とかなる」

 

時雨「雑すぎません!?」

 

凪桜「時雨先輩、頑張って」

 

時雨「凪桜ちゃんまで…」

 

調「部長…大丈夫かな…」

 

咲穂「……どうでしょう」

 

 翌日。星出山の滝に連れて来られた時雨は、滝行をさせられそうになっていた。時期も時期なだけあって時雨は渋っていたものの、結局滝行をする羽目になる。

 そして、そんな様子を凪桜と咲穂、調は見守る。

 

時雨「……」ブルブル

 

テング「心頭滅却だ!心を鎮めろ!さすらば寒さなど感じなくなる!」

 

時雨「………っ」ブルブル

 

テング「震えるな!それを抑えろ」

 

時雨「…………ッッ!もう無理です!?」

 

テング「あ、おい!勝手に出るな!」

 

時雨「勘弁してください…流石にこれ以上は無理です……」

 

 何とか滝行に臨む時雨だったが、寒さに耐え切れず、途中で出て来る。

 

テング「仕方ない。ならば、今度は儂の持っている的を撃ち抜いてもらおう。ただし、儂は飛んで動いておる。いくぞ」

 

時雨「が、頑張ります!」

 

《河童!》

《装填!》

 

時雨「変身!」

 

《憑依装着!変化!

 

水勢怪力!河童ヨロイ!》

 

妖魔「はっ!たあっ!」

 

テング「もっとちゃんと狙え!相手の動く方向を予測しろ!」

 

妖魔「くっ!むず…かしい…ですね!」

 

テング「甘すぎるぞ!」

 

妖魔「うぅ…すみません……」

 

 テングは的を持って飛行し出し、時雨は妖魔 河童ヨロイに変身して弓状態の妖之弓剣でその的を狙うが、全く当たらず叱られてしまう。

 

 暫くして、時雨は休憩を取り、草原に倒れ込む。

 

時雨「つ、疲れたぁ…」

 

テング「…まだ終わりじゃないぞ。気合を入れていけ」

 

時雨「はい!」

 

テング「!…意外だな。もっと根気のないかと思っていた」

 

凪桜「時雨先輩は凄い人だよ」

 

咲穂「そうですね。それは同感です」

 

調「俺もです!」

 

時雨「それは褒めすぎだよ。けどまあ…大変ではありますけど…僕は仮面ライダーなんで」

 

テング「…見ず知らずの他人を助けることに、意味があるのか?」

 

時雨「僕は平凡で、これといって何か凄いことが出来るわけじゃないです。それでも…だからこそ、自分の出来ることは、全力でやりたいと思ってるんです。…それで、誰かの未来をハッピーエンドにする手伝いに少しでもなれるなら、素敵だと思いませんか?」

 

テング「フッ、変わってるな。さあ、休憩は終わり。修行の続きだ」

 

時雨「はい!お願いします!」

 

凪桜「お、いい感じになった」

 

調「部長…頑張ってください!」

 

咲穂「私達も応援してますね」

 

時雨「うん!皆ありがとう!」

 

 疲れは見せながらも、諦めない時雨に、その芯にある強さを理解したテングは、修行の続行を伝え、時雨も強く応える。

 

禍炎「これか…フン!」

 

???「はあぁぁ…キヒヒヒッ!」

 

 時雨が修行を続けていた頃、星出山の片隅に封じられていた存在の封印を、禍炎が炎呪之御札を翳して解いてしまう。

 封じられていた存在──オンモラキは笑い声を上げ、その瞳を妖しく輝かせる。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

時雨「はぁっ…はぁっ…」

 

凪桜「お疲れ様、時雨先輩」

 

時雨「あ、ありがとう」

 

 疲れから息を上げる時雨に、凪桜はタオルを手渡す。

 

テング「ふん、大分マシになったな」

 

時雨「あ、ありがとうございます」

 

テング「この分なら明日には奴を…」

 

「うわあああっ!!」

 

時雨「!今のって…」

 

リュウジン「!時雨、妖気を感じるぞ」

 

時雨「…行きましょう!」

 

 突如響く悲鳴。そして、リュウジンは妖気を感知し、それを聞いた時雨は嫌な予感を覚えながらも凪桜達と共に声のした方へ向かう。

 

オンモラキ「キヒヒヒッ!良いなぁ!良い恐怖に染まった魂だ!」

 

時雨「!あれは…」

 

テング「オンモラキ…」

 

オンモラキ「お前は…俺の邪魔をしたモノノケと…知らねえが、その仲間だな!」

 

時雨「!人が倒れてる…これはあなたがやったんですか?」

 

オンモラキ「まあな!恐怖に怯えた奴の魂は実に美味いんだぜ?てか食事中だ。邪魔すんじゃねえよ」

 

時雨「……リュウジンさん」

 

リュウジン「ああ、いくぞ」

 

《龍!》

《装填!》

 

時雨「変身!」

 

《憑依装着!変化!

 

登竜大成!龍ヨロイ!》

 

妖魔「はああっ!」

 

 時雨達が駆け付けると、鳥のようなモノノケ…オンモラキと、その足元に何人かの人が倒れていた。

 自身の犯行を嬉々として語るオンモラキに、時雨は静かな怒りを見せて妖魔 龍ヨロイに変身する。

 

妖魔「はっ!」

 

オンモラキ「キヒヒヒ…ぐっ!この野郎…」

 

テング「特訓の成果だな」

 

禍炎「やるな。だが…ここからは俺も相手しよう」

 

妖魔「禍炎…!」

 

凪桜「!これはマズそうだね…救援を呼ぼう」

 

 妖魔は飛行したオンモラキを的確に撃ち抜くが、そこに禍炎 八咫烏餓者髑髏ヨロイまでもが現れる。

 

テング「時雨、加勢するぞ!」

 

妖魔「ありがとうございます!」

 

禍炎「お前の相手は俺だ」

 

《野槌!》

 

《イグニッション!武装!野槌!》

 

禍炎「フンッ!」

 

テング「うぐああっ!」

 

妖魔「テングさん!」

 

オンモラキ「キヒヒッ!余所見してる余裕があるのかぁ!?」

 

妖魔「うあああっ!!」

 

 突如乱入してきた禍炎。テングが相手取ろうとするも、野槌アヤダマを用いて生成した焦茶色の蛇を模した大鎚“土中之鎚(どちゅうのつち)”での重い一撃でテングを叩きのめし、そちらに気を取られた妖魔をオンモラキが嘴から青白い弾を放って追い詰める。

 

禍炎「フフフ…」

 

霊魂「はあああっ!!」

 

禍炎「!霊魂…!」

 

妖魔「日島君!」

 

霊魂「凪桜から連絡貰ってね。助けに来たよ」

 

妖魔「…ありがとうございます!」

 

 禍炎がテングに追撃しようと近付くと、そこに猛スピードで霊魂 火車ヨロイが突進して妨害する。

 

オンモラキ「キヒヒッ!!お前も絶望してくれよ!その仮面を壊してさぁ!そしたらお前ら全員の恐怖に歪んだ魂を味合わせてくれよお!」

 

妖魔「くっ…攻撃が激しくて…反撃に出られない…っ!ぐああっ!」

 

オンモラキ「おらどうした?かかってこいよ!」

 

テング「……時雨!」

 

 霊魂の加勢によってテングは難を逃れるも、妖魔はオンモラキに一度主導権を握られてしまったことでその攻撃に苦しむ。

 

時雨『自分の出来ることは、全力でやりたいと思ってるんです。…それで、誰かの未来をハッピーエンドにする手伝いに少しでもなれるなら、素敵だと思いませんか?』

 

テング「…そうだな。お前になら…儂の力を託せる!時雨!儂の力を使え!!」

 

妖魔「えっ!?テングさん…分かりました!」

 

 時雨の言葉を思い出したテングは覚悟を決め、妖魔に自分の力を使うように言いながら自ら妖気の塊となり、それを聞いた時雨は妖之書をテングに向け、朱色の天狗アヤダマへと変化させる。

 

妖魔「テングさん…」

 

《天狗!》

 

テング『時雨!修行の成果、儂と共に見せてやろうぞ!』

 

妖魔「はい!」

 

《装填!》

 

《憑依装着!変化!

 

疾風神通(しっぷうじんつう)!天狗ヨロイ!》

 

 妖魔は天狗アヤダマを妖書ドライバーに装填し、解放栞を引き下げて表紙を畳む。

 すると、朱色を基調とした天狗が出現、天狗はそのまま装甲へと変化していき、全体的に朱色を基調として頭には天狗の長い鼻が角のように生え、背中には白い翼を生やし、山伏を模した装甲を身に纏った妖魔 天狗ヨロイへと姿を変える。

 

禍炎「!あれは…」

 

霊魂「流石時雨…俺も負けてられない…なあっ!!」

 

禍炎「ふん…」

 

 霊魂は新たな妖魔の姿に自身も負けられないと奮起し、妖之斧火縄で禍炎に斬撃を叩き込む。

 

妖魔「テングさんの力が使えるなら…はああっ!」

 

オンモラキ「と、飛びやがっただと!?く、来るなぁ!!」

 

妖魔「おっと!…たあっ!」

 

オンモラキ「ぐ…このォッ!」

 

妖魔「ふっ!やあっ!!」

 

オンモラキ「うぐっ!」

 

 妖魔は白い翼を広げて風を纏うことで飛行すると、オンモラキに接近する。

 オンモラキはエネルギー弾を連射することで牽制しようとするが、妖魔は素早い動きで回避しつつ剣状態の妖之弓剣の間合いにオンモラキを入れ、斬撃を放つ。

 抵抗するオンモラキだったが、妖魔は空中での急ターンで避けると、神通力でオンモラキを吹っ飛ばす。

 

妖魔「エピローグといきますよ!」

 

《装填!一・撃・必・殺!》

 

オンモラキ「!くっ…負けてたまるかあああッ!!」

 

《疾風剣撃!》

 

妖魔「はあっ!」

 

オンモラキ「何!?風が…。やめろ…来るな!やめてくれ!」

 

妖魔「…人の絶望を楽しんで…その命を奪っておいて…都合のいいことを言わないでください!これで終わりです!…たああっ!!」

 

オンモラキ「ぐあああっ!!」

 

 妖魔は妖之弓剣に天狗アヤダマを装填すると、逃亡を図るオンモラキを風の渦で閉じ込め、刀身に神通力を纏わせての薄紫色の斬撃を飛ばしてオンモラキを切り裂く。

 

禍炎「おっと…」

 

霊魂「お前…何のためにアヤダマを集めてるんだ?」

 

禍炎「手数は多い方が良いだろう?…強さのためだ」

 

霊魂「……あいつは一体…」

 

 オンモラキの撃破を確認した禍炎はオンモラキを菫色のアヤダマに変化させ、霊魂の問いに軽く答えてから飛び去る。

 そして、そんな答えから霊魂は禍炎の目的を推察するのだった…。

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

調「何はともあれ無事に解決出来て良かったですね」

 

時雨「そうだね。テングさんも仲間になってくれたし…」

 

凪桜「いよいよ来週は文化祭だ。皆、頑張ろう」

 

咲穂「そうですね。沢山練習しましたし、きっと大丈夫ですよ」

 

汰月「?時雨達は文化祭で何か出し物でもするの?」

 

 星出山からの帰り道、時雨達が文化祭についての話をしていると、汰月がそこに食い付く。

 

時雨「実は、僕達文化祭でバンドやることになったんです」

 

汰月「そうだったんだ」

 

時雨「そうだ、日島君も良かったら是非聴きに来てください!」

 

汰月「良いの?」

 

時雨「はい!…まあ、流石にプロ程のクオリティは出せないですけど……」

 

汰月「…なら、楽しみにしてるよ」

 

時雨「!…はい!」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

 時雨と汰月が文化祭での約束をしていた頃、賢昇の変身した幽冥は撃破したモノノケを黒色のアヤダマに変化させ、手中に収めていた。

 

幽冥「よーし、雲外鏡アヤダマゲット〜」

 

暗夜丸「ふんっ!」

 

《アヤダマ一閃!》

 

幽冥「おっと…はあっ!」

 

暗夜丸「…ふっ!」

 

幽冥「へぇ、やるじゃん。…まあ、また今度じっくり遊んでやるよ」

 

 幽冥目掛けて突如提灯御化アヤダマを用いて火炎弾を放った暗夜丸だったが、幽冥は槍状態の妖之盾槍を振るって弾き返し、ブラストモードのブンプクブラストフォンを地面に向けて連射して煙を立て、姿を消してその場を去る。

 

都黎「幽冥も新たな力を手にしたか。……はい、俺です」

 

???『計画は順調かな?』

 

都黎「ええ。先程幽冥が新たな力を得ました。そろそろ次のフェーズに移行します」

 

???『そうか。…任せたよ』

 

 変身を解いた都黎の元に一本の電話が。その電話の主に計画は順調だと伝え、都黎はニヒルな笑みを浮かべる。

 

都黎「精々頑張るんだな…仮面ライダー」

 

⭐︎⭐︎⭐︎

 

次回!仮面ライダー妖魔!

 

賢昇「そろそろ学園祭か…」

 

時雨「僕も行くよ、凪桜ちゃんのとこ」

 

「布留杜学園祭を、守ってほしいんです!」

 

学園祭開幕を前にトラブル!?

 

時雨「それでは、聞いてください!」

 

賢昇「その化けの皮を剥がしてやるよ」

 

新たな力で幽冥は学園祭を守れるのか!?

 

賢昇「豪華絢爛に決めるぜ!」

 

第玖話「学祭開幕!真実を見破れ!」

 

日曜午後9時!

 




第八話ご覧いただきましてありがとうございます。

今回は妖魔の新たなフォームとなる天狗ヨロイの登場となりましたが…なんか修行ばっかりしてる気がしますね。頑張れ時雨!

さて、今回の敵であるオンモラキは、今までのモノノケと比べても大分ヤバめな仕上がり…というか本編で明確に死者を出したのは今回が初ですからね。
そんなヤバい奴を前に初めて怒りを露わにした時雨。あまり激情に駆られるような怒り方をするタイプではないということです。

さて、次回はいよいよ学園祭回となります!10月は実質学園祭準備期間みたいな扱いになってましたが、その集大成となるかと思います!
後は幽冥も新フォームになりますので、そちらもよろしくお願いします!
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