前回のあとがきでオリキャラに"何も触れてない"件について。
いやぁ、忙しかったからね。
しゃーないしゃーない(しゃーなくない)
とりま新キャラ、名護健介!
名前で大体みんな察せるよね、以上!
753は315です!
そしてお気に入り25突破フォォォォォ!(矢沢)
皆さん本当にありがとうございます!
今後ともぜひ本作を応援してください!
追記3/30:え?ルーキー日間ランキング36位てマ?
都内にある、一軒の邸宅にて...
「失礼します。」
ガチャリとドアを開き、名護健介はとある部屋へと入った。
一部屋に荘厳さが凝縮されたように、まるで事務所の社長室のような場所。
その奥にある木製のデスクに、少し老いた男性が座っていた。
「名護さん。」
その人物へと健介は呼びかける。
「健介君。どうしました?」
ほんの少しの沈黙を破り、『名護』と呼ばれた老いた男性はそう言った。
すると健介は、男性のデスクの上に1つの新聞を置いた。
「昨日のノイズ討伐についてです。
ニュースでは自衛隊の活躍などとと言っていますが、
明らかに不自然ではありませんか。」
「不自然、とは?」
新聞を一瞥すると、再び名護は健介の方を見る。
「"対抗手段"については聞いていますが、
そう簡単にノイズが倒せるとは思いません。
ましてや昨日『到着が遅れる』などの話を聞いては、ですね。」
「....盗み聞きは、良くありませんよ。」
健介の発言を聞くと、名護はゆっくりと席から立ちあがった。
「"ファンガイア"でも、ノイズには対抗できません。
教えてください。一体昨日、何があったんです!?」
歩きながら壁の絵を見回し始めた名護の背中へと、
健介は声を大きくして問いただす。
「機密、としか言いようがありません。
君だって分かっているはずだ。
特異災害の問題に子供が関わるのは危険だと。
『イクサ』の改修が未完了の今、
余計に君が足を踏み込む必要はありません。」
健介の方を見ることは無く、そうとだけ名護は答えた。
「...『ファンガイアの鎧』、というのは?」
その一言に、名護が体を震わせ少しだけ反応したように見えた。
「それがどうしたと?この国には鎧はもう...」
動揺を隠すようにして、完全に顔を向けずに名護は話す。
しかしその途中で、言葉は止まってしまった。
「『キバ』とも『闇のキバ』とも言いません。
しかしそれでも自分には一つだけ心当たりがありまして...」
「あったとしても、君が使うことは無い!」
そこで健介の話をさえぎるようにして名護が声を荒げ叫ぶ。
「ッ!?...すみません。少し図に乗りすぎました。」
その声に怖気づいたのか、健介も頭を下げた。
「...話を変えましょう。高校の方はどうでしたか?」
健介へと向き直る名護。
その顔には、先ほどの叫び声からは想像できない柔らかな表情があった。
「はい。流石に入学式で、『あの人』にお会いすることはありませんでしたが...
面白い人に出会いましたよ。」
「面白い人?」
名護が首をかげると、健介は笑って見せる。
「はい、それは―――」
入学式の翌日。
響たちは学院の食堂へと来ていた。
「ビュッフェで好きに食事を選べるのも、
いいとこだよね~この学校。」
そう言いながらウキウキとご飯に手を付ける響。
「だからって、ごはんの食べすぎには注意だよ。」
テーブル越しに未来も微笑みながら言う。
「それは俺も同感だな。」
そこで、響の横の席へと誰かが座ってきた。
「健介君!」
「やあ立花さん。隣、失礼するよ。」
「あっ...」
“特等席“を取られ、未来から何かの声が漏れ出る。
「あれ、どうしたの?小日向さん。」
その様子に気づいたのか、健介は未来に尋ねてくる。
「あ、ううん、なんでもないよ。」
「...そっか。」
だがバレまいと必死に、未来はそれを茶化した。
そうして健介も頷き、自分の食事に手を付け始める。
「そういえば昨日聞けてなかったけど...健介君って
なんでこの学校入ったの?」
突如響から質問されると、少し健介は間を置いた。
「うーん...決め手ってのは無かったけどさ。
家の両親が結構音楽と関わりあるってのが大きいかな。
知り合いもいるし。」
「健介君の家?」
今度は未来が、健介へと尋ねる。
「まぁ別に、音楽家って訳じゃないよ?
ただ知人がそっちの方の関係者ってだけでさ。」
「へぇ〜なんかその人って、今も活動してるの?」
「うん、まぁ...海外でだけどね。」
「でも音楽家と関係あってこの学校に来るなんてすごいよ〜。
私だって憧れている人がいるからここに入った訳だし。
なんてったってここには、あの人が...」
そうして響が話し出した瞬間、突如として食堂内生徒たちがざわめき出した。
「ねぇ、あの人って...」
「間違いないわ、『風鳴翼」よ!」
「スッゲェ、生で見ると美しさ段ちげぇだぞ...」
各々で囁き合いだす生徒たちのその奥。
そこから、青い髪をたなびかせたある人物がやってきた。
「風鳴、翼...」
再びその名を、健介が呟く。
「!?」
それに反応し、響は勢いよく席から立ちあがった。
そして振り返った、その眼前。
国民的アーティスト、風鳴翼がそこにいた。
「...ふぇ?」
あまりにもいきなりだったのか、思わずそこで響は固まる。
憧れの人と目が合ったまま、ただ時が過ぎてゆく。
何か言おうにも、体が動かない。
そうしているうちに今度は風鳴翼の方が、
自分の唇の横を指さした。
「え?」
腑抜けた声を上げ、響が指摘された場所を触る。
そこには、たった一つの米粒がついていたのだった。
「あぁー...絶対翼さんにおかしな子と思われたよー。」
まるで昨日の光景の生き写し。
夕日が差し込む教室で響は自分の行動を嘆いた。
「間違ってないんだからいいんじゃない?」
「その上健介君にいろいろばれたけど。」
「まぁ、『意外』なんて言われたしね。
そうやって見られてたんじゃないの?」
「なんか翼さんの件よりそっちの方が落ち込む
...それ、いつになったら終わるの?」
居残りながら課題をしている未来の横で、
再び響はため息をついた。
「何か悔しい...まだわかんない。そういえば今日CDの発売日だったんじゃないの?
今更CDにこだわることもないと思うけど。」
未来のその言葉に、響は得意語りのように話し出す。
「分かってないなー。CDは初回特典が違...」
そんなところで、今度は響の横でコロンと、何かが落ちる音がした。
「ん?」
音がした方向へ顔を向けると、そこには一本のペンが。
席から立ちあがり、響はそれを拾う。
「これ、誰のだろ...」
「すまない、渡してくれないか。」
そして独り言を呟いた直後、後ろから聞いたことのない声が耳に入った。
「...え?」
しかし振り向くとそこには、見慣れた顔が。
教室に段差があることで、ちょうど見下ろされる形になっている。
そこで響は、昨日の事件が災いしてクラスメイトの顔をまともに見てないことを思い出した。
しかしましてや、この男が居るとは予想できなかっただろうが。
「...どうした?渡してくれと言っているんだが。」
何も感情が無いような声が、少し鋭く感じさせる。
これが"黒森飛牙"の声だとは、到底思えなかった。
「あ、はい。すみま、せん...」
片言になりながらも、響はペンを渡す。
受け取るや否や飛牙は何か言うことは無く、すぐに上の席へと戻っていった。
「黒森君か...なんか冷たいね。
ちょっと感じ悪いなぁ。」
その様子を見届けていた未来はそう言う。
「う、うん...」
響はそれに対し、相槌を打つことしか出来なかった。
「...それはさておきCDって、売り切れないの?」
話題を変え、未来が尋ねてくる。
「え?」
「だって、初回特典が豪華なら争奪戦になりそうじゃない?
売り切れたら大変だよ。」
その直後、響の体は既に動き出していた。
「戻ったぞ。」
リディアンの隣の山にて。
森に隠れるように建てられた邸宅、
『黒森邸』へと飛牙は戻ってきていた。
「どうでしたか、学院の方は。」
玄関先にやってきたのは、ルーク。
「別にな...何とも無かった。」
そうとだけ返すと、ルークの横を飛牙は通ろうとする。
「お待ちください。ジャコーダーの回収を。」
そこでルークが手で道を塞ぎ、飛牙を止めた。
「何故だ?ビショップから俺が持っていいと言われただろう?」
一気に鋭い声に変わり、飛牙はルークを睨みつけた。
「あの方は貴方に甘すぎます。まだ幼い身でキングなのですから、
『チェックメイトフォー』の一員である我々が補佐しないと...」
「断る。」
そう一言で片づけると、飛牙はルークの手を跳ね除けた。
「どうしてそこまで、この力にこだわるんです!?」
早歩きで部屋へと向かおうとする背に向かって、
ルークは尋ねる。
「最近ノイズ共の発生数が多くなっている。
いつでも戦えるようにするためだ。」
一旦歩きを止め、ルークの方へと振り返り飛牙は言った。
「確かに、そうですが...」
「それに...もし手間取れば全部叩くことが出来なくなるかもしれない。」
「...全てではなくても、そこは『シンフォギア』が」
「ふざけるなッ!」
そこでいきなり、飛牙はルークの言葉を遮るようにして叫んだ。
視線は冷たいものから、もはや怒り感じさせるものへ変わっていた。
「いいか。俺は自分の手で全部のノイズを潰す!
そこに誰の邪魔も挟ませない!
奴らが一匹残らず消え去るまで、お前は俺自身のことに対して何も言うな!」
「......」
凄まじい気迫が、彼を襲う。
飛牙の見せる威厳は、まさしく『キング』の名にふさわしかった。
だがそれだけではいけない。
『王』の地位に立つものには、もっと大事なものが要る。
しかしその睨みつける視線を前に、ルークは何も言うことが出来なかった。
気付いた時には飛牙は消え、彼の部屋の扉が閉まる音だけが響いたのだった。
どうして自分は今、こんな目に遭っているのだろうか。
普段なら「私って呪われてるのかも」と愚痴の一つでも呟けるのに、
彼女はただ、CDを買うために急いで学校から駆け出しただけだった。
そして売店の目の前まで行き、炭の山を目にして悲鳴を聞き―――
こうして小さな女の子の手を引っ張って走っているだけだ。
いつの間にか見知らぬ場所にまで来てしまっている。
角を曲がれば、寸前に迫る"死"。
「怖いよぉ...」
「大丈夫、お姉ちゃんがついてるから。」
恐怖で身を縮こまるこの子に掛けられる言葉は、それしかない。
ずっとがむしゃらに走った。
川に飛び込み、訳の分からい工場地帯に迷い込み...
「きゃぁっ!?」
そんなところで、転んでしまった。
全身が悲鳴を上げる。
だがここで止まる訳にはいかない。
自分の命だけじゃない。この小さな子供の命までかかっているのだから。
―――生きるのを諦めるな!
辛いときには、よくこの言葉を思い出す。
あの惨劇の中で見た光景が、夢でも現実でも構わない。
それが自分の支えになっているのだから。
必死の先に待つものとは―――
そうして響は、子供を背負い梯子を登る。
限界のその先まで。
そうしてついに、よく分からない建物の屋上までたどり着いた。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、......」
既に呼吸は乱れ切っていて、体は動かない。
夕日はもう沈むすぐそこまで来ていて、暗さが後を追うように広がっている。
思わずそこで、仰向けに腕をいっぱいに広げ寝ころんだ。
ここまで来てしまえば、もう逃げ道もない。
”詰み”という言葉が、頭をよぎった。
「状況を教えてください。」
開かれた自動扉から、風鳴翼はある部屋に飛び込んだ。
そこはまるで、近未来のような広大な空間。
窓は無く、正面にいくつもの画面が表示された巨大なモニターがある。
分かり易く言えば、どこかの司令塔のような場所だった。
「現在、反応を絞り込み、位置の特定を最優先としています。」
二段に分かれた階層の下で、オペレーターのような人物が言う。
その上では、赤いシャツにネクタイの先を胸ポケットに突っ込ませた
屈強な男性と、その横でフラットな白衣姿の眼鏡をかけた女性がいた。
急いでオペレーターの言葉を待つ翼。
そんな時、突如赤シャツを着た男性の懐から音が鳴った。
「もしもし?」
そこから携帯を取り出すと、男性はすぐに応答する。
『ノイズ出現ですか?』
すると電話の先から、穏やかな口調の声が聞こえてきた。
「理事長殿。」
『どうですかね、発生場所は。我が校から近いですか。』
「いえ、そこまでまだ情報が...」
『そうですか。生徒が巻き込まれていなければいいんですが。』
「安心してください。我々『特異災害対策機動部二課』が防いで見せます。」
『そうですか。折角我が校の土地を貸させているんですから...
期待させてもらいますよ。』
そこで、電話は一旦切られた。
「ふぅ...」
一呼吸置いて、ビショップは受話器を戻した。
「だそうですよ。」
そうして、後ろに居る人物へと語りかける。
「...成程な、所詮あいつらの技術力もその程度か。」
白いジャケットを着こんだ少年...黒森飛牙はそう呟く。
その視線の先には、黒森邸の窓から見えるリディアンの校舎があった。
「まぁ、同胞からの情報だけで動いている我々、
ファンガイアが言うことではありませんが。」
くるりと振り返り、ビショップは飛牙へと向き直った。
「どうするおつもりです、キング?」
その覚悟を、側近は問いただす。
「愚問だな...決まっているだろう。」
そう言うと飛牙は右手を高く掲げ、扉の方へと歩き出した。
「サガ―ク。」
呼びかけに答え、円盤の生物は後を追う。
「健闘を。」
その背中へと小さな声でビショップは言うのだった。
すっかり空には、幾千もの星が顔を覗かせていた。
「...死んじゃうの?」
響の真横で、女の子は尋ねる。
それを見て微笑みながら、響は顔を横に振った。
「...!?」
しかし振り返ると一転、そこには怪物『ノイズ』の群れが広がっていた。
「きやぁぁっ!」
それを見るなり女の子は響の方へと縋りつく。
一方の響も足に力が入らず、よもや立つこともままならない状況である。
しかしそれでも、彼女はただ一つのことだけを考えていた。
―――何か私に出来ることを...!
出来ることはきっとあるはず。
そして願い続けたその時―――
ある一節が突如、彼女の胸に浮かんだ。
ーBalwisyall nescell gungnir tronー
『✕〇※△』
サガークが飛び、ノイズの群れを消し飛ばす。
目の前には、あの夜とは比べ物にならないほどの量のノイズ。
その軍団に飛牙は1人向かい合った。
「行くぞ。」
そうして懐からスティック状のもの、ジャコーダーを取り出し...
掛け声を口にしようとした、その瞬間。
ノイズの群れの奥から、突如として光の柱が出てきた。
「何!?」
その光景に、飛牙は目を奪われる。
そして直後、その耳には―――
確かに歌が、鳴り響いた。
また別の場所。あの指令室で。
警報が鳴りしきり、部屋内は緊張に包まれていた。
「反応絞り込みました!位置を特定!」
「ノイズとは別の、高出量エネルギーを検知!
...『サガ』でもありません!」
「波形の照合、急いで!」
オペレーターの言葉に、白衣の女性も急いで手を動かす。
導き出された、結論は...
「まさかこれって...『アウフヴァッヘン波形』!?」
叫ぶと同時に、画面にある文字が映し出された。
【GUNGNIR】
「『ガングニール』だとぉっ!?」
「......ッ!?」
その言葉に、翼の心は震えた。
ただ無心に呟いた歌。
それを唱えた瞬間、響の体には異変が起こっていた。
「なに、これ...?」
光り輝く自身の体。
しかもその源は、あの日ついた胸元の傷跡からだった。
「がぁっ!?あっ...あっ...」
その直後、とてつもない痛みが響を襲う。
まるで、自分の体に何かが絡みつくように。
そして彼女を光のドームが包み、その身を一瞬にして変えた。
機械のようなものが体から飛び出し、また引っ込む。
さっきまで着こんでいたリディアンの制服はどこへ行ったのか、
ぴったり身についたインナースーツ。
それに続くように、メカメカしいアーマーが蒸気を立て纏わりつく。
次第に、痛みも消えていった。
しかしその顔は、どこまでも黒く―――
狂気を感じさせるものへと、変貌していた。
あの光に、見違いは無い。
そして確かに聞いた、その名を。
昔に聞いたそれを、彼は...白銀飛牙は一度たりとも忘れたことは無い。
「ガング、ニール...」
運命の歯車が、今ここに動き始めようとしていた。
宿題がぁ...高校の、宿題がぁ...
頼むぅ、助けてくれぇ...(ウヴァさん)
今更ながらこの小説は不定期投稿です。
期待はしないでください、
いつ更新するかなんて私にも分かりません。
やっべこのペースだとキネクリさんいつ登場だろ。
良かったら感想、誤字報告お願いします。