転生宇宙人は地球を楽しみたい!〜 Galactic Travelers 〜   作:D-Ⅸ

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SFというものを書いてみたくて書いてみました。
まだ頭文字Dの二次創作もまともに進められてないのに何をやってるのやら。

出来れば、色々な宇宙人たちが地球でワチャワチャする感じのゆる〜い話にできたらいいかなぁ……?


001 プロローグ

無限の闇に無数の星を散りばめた宇宙。

その星のうちの一つ。

 

赤色矮星の周囲、生命の存在に適したハビタブルゾーンと呼ばれるエリアを同じ面を向けて回る、昼と夜が入れ替わらない不思議な星。

その惑星の北半球側、昼と夜の境目のトワイライトゾーンと呼ばれる暑くも寒くもない快適なエリアに作られたコロニーの中央に鎮座する、まるで宮殿の様なドーム状の建物に私……リン・シ・ルウィはいた。

ちなみに名前の意味は「リン王朝のルウィ」となる。

これは短縮系で、本名はもっと長い。

それに名前の方が後に来る点は日本人と少し似ている。

 

そう、ここは私の前世の故郷『地球』とは違う惑星だ。

現世において、私はその惑星を支配する王族の女性として生を受けていた。

とは言え、私たちも加盟しているこの複数の銀河を束ねるこの巨大な星間文明同士の共同体、『超銀河間星系文明連合』の中に無数に存在する星々のうちのほんの一握りどころか一摘み程度を支配している王族程度、そこまで珍しい存在ではなかった。

 

そんな私の姿だが、自画自賛にはなってしまうが、白銀の頭髪を持ちエメラルドの様な輝きの瞳をその顔に頂く美貌にすらりと伸びた手と足、そしてスリムでくびれた胴をしている。

ここまで言えば人間と同じ様に感じるかもしれないが、この惑星の種族と地球人類には大きな違いがあった。

 

私の身長は地球の単位に直すとおおよそ2.8メートル強はあり、これは小柄な人間の倍ほど。

指は手足共に6本で、しかも一般的な人間よりも長く、根元の付近にはかつて水棲生物だった頃の名残だと言われている水かき跡が人間よりもより強く残っていて、それが水中での活動の助けになっていた。

地球人同様に雑食性だが歯は地球人よりも上下共に少なく、犬歯がやや鋭い。

耳はエルフの様に横に長く伸びており、なおかつ尖っていてそれをピクピクと動かすための筋肉が頭部に存在している。

これにより少しだけではあるが耳の位置を調整して聞き取りたい方向へと耳を向けることも可能だ。

その頭部も人間とは少しだけ形状が違う様に私には思えた。

そして何よりも肌の色が違っていた。

私の肌の色は人間からすれば血色が悪すぎると思われてしまうかもしれない様なほんのり緑がかった色白の肌だった。

 

 

 

そんな異星人の王族として生まれた私の1日は早い。

この星では地球でいうところの月の様な衛星『アディ』があり、これがこの星を高速で公転している。

その衛星が天頂から天頂まで1周する時間を1日としているのだが、この星の動きを文字盤に直したものを時計として用いている。

1〜36までの数字を円を描く様に配置して時針と分針と秒針にあたる針を配置している地球のものと殆ど仕組みの変わらない時計を用いていて、私はその時間における4時にはすでに起きていた。

 

この星で産出されるまるで葦かススキの様な植物の繊維を用いて作られた、簡素ながら軽くて丈夫な白いシャツと、同じ繊維で作られたスリット付きの薄灰色のスカートを履いて、その上にベロア生地に似た質感の深緑のローブの様な服を羽織り全身をすっぽりと覆い隠す。

典型的なヒューマノイド種らしい体の構造なだけあって服飾に関しては地球のものとほぼ同じだ。

 

真円に近い形を描きつつもほんの僅かに歪んでいるこの天体の軌道において、今は太陽にあたる恒星『ラカ』に最も近づく近日点に近いこともありやや暖かい。

今日も変わらず、1日を通して降り注ぐ夕暮れ時を思わせる柔らかい光を浴びて、少しばかり軽く体を動かしたのちに使用人の同族を呼んで朝食を用意させる。

先人たちの努力もあり大きな諍いもなくもう数千年〜1万年近く平和を維持し続けてきたこの星での生活に特にこれと言った不満はないが、唯一何か挙げるとすればそれは地球に比べて食文化が貧弱というところだろうか。

 

まず、私もそうなのだがこの種族は頑張れば自力で冬眠とかできるんじゃないかと思えるくらいには総じてエネルギー効率が良く省エネであるし、この星にはやけに栄養価の高い幾つかの植物が自生しており、その植物の果実や種子を砕いて練って丸めたインゲン豆の様な見た目の、少し塩気と辛さと苦味とほんの少しの甘みのある変な味の栄養剤をボリボリゴリゴリ言わせながら噛み砕いて少量食べるだけで、水分以外の1日に必要な栄養素をほぼ完全にカバー可能という有様である。

 

こんな事だから私の様な一部の物好きが、皮から実まで白いジャガイモっぽい澱粉質の野菜をペースト状になるまで加工して幾つかの野菜を混ぜてポテサラもどきを作ったり、根菜を食べるハダカデバネズミの様な気持ち悪いが美味い謎動物を丸焼きにしたりする程度で、コンソメの様な手の込んだものはほぼ無い。

料理のレパートリーは少なくそれが地球人としての前世を持つ私にとっては物足りなかった。

ついでに言えば娯楽なんかも地球に比べれば少ない。

 

そしてその物足りなさも原因の一つなのだろうか、私はほんの少しだけかつての地球に対してホームシック混じりの懐かしさの様なものをこの長い人生の中で時折抱いていた。

 

そんなこんなで朝食を食べ終え、気持ちを改めて仕事へ向かう。

とは言え私の仕事場はこの巨大なドーム状の建物の王宮と、そこに隣接する施設群の中にある。

自室からそう遠くない北側の区画の大部分を占めるとある施設の執務室へと向かい、自動ドアを通り抜けて私はオフィスに足を踏み入れた。

 

そのドアの隣にかけてある札にはこの星の言葉で『王立宇宙局 星間探索プロジェクト 第一研究室』と書かれていた。

私は()()()()()()()()()()()()宇宙を志し、そしてその夢を叶えていた。

 

目的は、前世の故郷である『地球』を探すため。

 

私の魂の里帰りを果たすため。

 

今日も私は星を見る。

 




今作では様々な都市伝説などの情報を参考にしつつ、他にも宇宙人らしい宇宙人も出していこうかなとか考えています。

Tips
ハビタブルゾーンとは、恒星系内に存在する生物が生存可能な領域のこと。
これは各恒星のサイズや温度などによって異なる。

2024 / 4 / 3
誤字の訂正と表記の追加。

2024 / 6 /25
主人公の名前に関する記述を一部追加。
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