雪風に転生しました。これより深海棲艦の指揮に入ります! ……どうして?   作:氷水メルク

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https://syosetu.org/novel/340813/

エイプリルフール企画
艦これMMDを見て、自分も書きたいと思ったので作成しました!
ぜひ、読んでいってください! 1万近く文字数ありますが。


中途半端な深海提督

 

 提督を捕獲したわたしは、首根っこを掴んで司令室から去る。

 ここの書類にまで手を出したら、それこそ動かぬ証拠が無くなってしまう。

 持って行っても仕方ない。

 あと、鼻が曲がりそうなくらい臭いな、この提督。

 よく時雨はこんなのに……。

 

「終わったよ時津風! ……時津風?」

 

 途中、司令室から離れた部屋に寄る。

 時津風と睦月を避難させていた。

 扉を開けると時津風と睦月が振り返る。

 時津風はわたしを見るなり、袖で目を拭いた。

 

「うへっ、雪風!? あつ、違う違うよ! 泣いてない泣いてないからね!」

 

「そっか。時津風、睦月も辛いと思うけど、これ本当にしれぇで合ってる?」

 

 わたしは先ほど司令室から手に入れた提督を見せてみる。

 もしかしたら違う可能性も無いわけじゃない。

 山賊と提督の区別がつかないから。みんな太ってるし。

 時津風と睦月が首を傾げた。……違うの? 

 

「ごめん雪風。時津風はしれーを見たこと無い!」

 

「私も提督は見たことないかな」

 

 ……えっ。

 提督じゃないと艦娘を建造できないはずじゃ? 

 時雨からそう聞かされている。間違いない。

 なのに艦娘が提督を見たことない? 

 もしかして本当は違うとか? 

 

 いやいや、どうせ建造する間の時間提督が居なかったとかそういうオチでしょ。

 着任挨拶をする前に山賊に蹂躙されたって考えればおかしくはない。

 

 艦娘を建造しているのに報告どころか認知もされていない。

 それ、大丈夫なの? 艦娘って一応海軍? じゃないの? 

 書類上存在してない艦娘がもしかしていっぱいいるんじゃ。

 

 ひとまずわたしは隣の部屋の山賊も回収する。

 山賊はわたしの引き摺っている男を見るに、目が飛び出るくらい驚く。

 

「只野少佐!?」

 

「こいつ、ここのしれぇであってます?」

 

 口パクパクさせて何も反応を示さない山賊ども。

 だからわたしは山賊どもの目の前で床を踏み砕く。

 

「ここのしれぇであってますか?」

 

 山賊どもは青い顔で頷きまくる。

 初めからそうしてれば良いのに。

 

 そっか、こいつここの提督であっていたのか。

 それにしては怖いよママ―! とか叫んでいたけど。

 人間死ぬときにママとかお母さんって叫ぶ人、結構いるみたいだけどね。

 雷や鳳翔さんとかいれば良かったのにね。

 自分の手で沈めたんだもんね。

 

 *  *  *

 

 外に出ると、爆撃は鳴りやんでいた。

 いや、屋内にも響くから途中で気づいてたけど。

 深海棲艦は既に陸に上がっていた。

 イ級やロ級、ヘ級、リ級、タ級たちが艦娘寮に齧りついてる。

 正確には艦娘寮から漏れ出た怨念を貪ってる。

 

 時津風や睦月、山賊どもにはそれが見えないみたい。

 時津風と睦月はお互いに抱き合う。

 山賊どもは馬鹿なのか悲鳴を上げた。

 

 深海棲艦たちが一斉にこちらへと振り向いた。

 山賊や時津風、睦月を見て一斉に砲身を傾ける。

 しかしてわたしを視界に捉えると、何事も無かったかのようにまた、怨念を貪り始めた。

 

 深海棲艦に襲われないって、味方にも付与されるのかな。

 付与されるよりかは、わたしたちよりも目先の怨念って感じだけど。

 

「か、掛かってくるなら掛かってこーい」

 

「……みんな、ごめんね。睦月はもう、ダメみたい」

 

 なんだろう、妙な場違い感が。

 わたしだけまったく危機感を持ってない。

 

「……シズメ」

 

 艦娘寮に張り付いてたホ級が、腕で身体を持ち上げてわたしの近くに降りてきた。

 この子はわたしのところにいるホ級。

 感覚で分かる。

 感覚で分かるけど、視覚でも分かるようにすれば良かった。

 深これって確か、味方の深海棲艦は調べられるみたいだから。

 多分、そんな感じ。わたしが提督だからでしょう。

 

 ホ級はわたしよりも大きい。

 大体時雨と同じくらいのでかさはある。

 そんな巨躯が威圧感を出すから。

 時津風と睦月は、震え上がって尻もちをついてしまった。

 わたしはそんな二人より前に出る。

 

「悪雨見なかった?」

 

「……シズメ。シズメ」

 

 ホ級は白く巨大な腕で艦娘寮のひとつを指さした。

 

「キヒヒッ、最高ダ! 最高ダゼ!」

 

「ウルサイワネェ。少シ黙ッテテクレナイカシラァ?」

 

「コンダケアレバタクサン戦エル! 夜戦ダ夜戦ダ──!」

 

 ……ハッスルしてるなぁ、悪雨。

 うちで演習をやるときくらい、腕を振り上げまくっている。

 軽巡棲鬼はそんな悪雨を鬱陶しそうに払っていた。

 ちゃんと艦娘を助け出してるんでしょうね? 

 

 悪雨はわたしに気が付くと、大振りに手を振ってくる。

 

「オーイ! 艦娘ハドッグニ避難サセトイタゾー!」

 

「お疲れ様ー! 憲兵は?」

 

「サァ? 鬼ガ、ヌ級タチ部下ニ任セタッテ言ッテタゼ!」

 

 ヌ級? 

 ……まぁ軽巡棲鬼に聞けばいいかな。

 

「掃除! よろしくねー!」

 

「オウ! テートクモシッカリヤレヨ!」

 

 それだけ言って悪雨はまた怨念集めに勤しむ。

 一瞬、ほんの一瞬だけ悪雨が怨念色に輝いたような? 

 気のせいかな? 

 いややっぱり、気のせいじゃない。

 なんか悪雨怨念色の炎吹いてる! elite? eliteなの!? 

 

「雪風が……深海棲艦の……しれー?」

 

「確かに今、雪風ちゃんを提督って。あの深海棲艦の子、言ってたよね?」

 

 二人に正体がバレた。現行犯で。

 次からは気を付けるように言わないと。

 誤魔化した方が良いかな? 

 いや、ホ級と話している時点でダメか。

 誰がどう考えても深海棲艦と関わりがあるって分かる。

 時雨も最初は否定的だったし。

 艦娘に嫌われるか。こんな役目だから仕方ないけど嫌だなぁ……。

 

「──タ! ネェ、聞イテル深海棲艦ノ提督! モシカシテ艦娘ダケジャナク、人間モ救ウトカ言イダスンジャナイデショウネェ!!」

 

「軽巡棲鬼」

 

「私ハ人間ヲ皆殺シニスルッテ条件デ引キ受ケタノヨォ? 艦娘ヲ見逃ス代ワリニネェ?」

 

 わたしの心臓に言葉のナイフが突き刺さった。

 時津風と睦月が言葉もなくわたしを見つめる。

 相変わらず嫌なタイミングで嫌なことを言ってきますね。

 間違いではないですけど。

 雪風は裏切ったって言ってるも同然。

 艦娘を助けるために、魂を売って深海棲艦についたって。

 雪風だけ安全圏は許さないってやつね。

 

「……深海棲艦に、まだ生きてる憲兵を連れて、海に集合させて」

 

「ハアアアア? 何スル気ヨォ?」

 

「ここの憲兵としれぇには、海に出てもらいます」

 

 艦娘に無理難題を言うのは、ここの提督たちは深海棲艦の恐怖を知らないからじゃないかなって。

 わたしは人を嬲るような趣味を持ってないけど。

 自分たちが艦娘にどんな過酷なことをしてたか、これで理解するんじゃないかなって。

 

 これだと助かる前提ですね。

 わたしは人間の命も助けようとしてるってことでしょうか? 

 時雨の言葉が今になって響く。わたしは頭を抑えて言葉を覆う。

 

「ウフフ、ナンダソウイウコトォ。イイワァ」

 

 わたしは軽巡棲鬼から視線を外す。

 そのすぐ後に軽巡棲鬼が号令を出した。

 深海棲艦が動き始める。

 わたしは改めてホ級に聞く。

 

「ホ級、ドッグの場所ってどこ?」

 

「シズメ」

 

 ホ級が先達してくれるようだ。

 ついていこう。

 

「ソコノバカ! 船ハドッグジャナク波止場!! アッチヨォ!」

 

 *  *  *

 

「ねーねー、雪風?」

 

 船着場までの道中。

 恐る恐るといった調子で時津風が訪ねてくる。

 時津風と睦月はわたしから離れている。

 その顔に映すのは疑心暗鬼、それとも恐怖心でしょうか。

 まるでも何も、深海棲艦を見る目をしてる。

 

「……雪風は……深海棲艦のしれーなの? わたしたちの、敵……なの?」

 

「そーですね。敵になるかどうかは……時津風や睦月の行動次第です」

 

「怖い、怖いよ雪風。なんでそんなこと言うの?」

 

「さっき時津風が言ったでしょー。わたしは深海棲艦のしれぇ。今回の襲撃(しゅーげき)首謀者(しゅぼーしゃ)です」

 

「……嘘、嘘だよ! だって雪風はわたしと同じ艦娘じゃん! わたしを助けてくれたじゃん! ねー、あの笑顔は嘘だったの!」

 

「時津風はこっちに来ないでね」

 

 しゃっくりを上げ、時津風は目に涙を溜める。

 ダメだね。本当の雪風に怒られる。

 時津風を泣かせてしまった。

 妹を泣かせる姉とか、何が幸運艦でしょうかね。

 中身はまったくの別人なので、姉ですらないですけど。

 

「雪風……。信じてる。わたしは信じてるから」

 

 口ではこうだけど、時津風は暗い調子で頷いた。

 睦月も表情を何度も変えて口を閉ざす。

 別にいい。これが普通。時雨たちが特殊なだけ。

 

「深海棲艦に下るなど、貴様は解体されても——」

 

「黙ってて?」

 

 活気を取り戻した様子のクソ提督。

 わたしに引き摺られながらも、威勢よく喋っていた。

 だからわたしはクソ提督の顔横に足を振り下ろし、コンクリートを割る。

 いつでも攻撃できるんだから大人しくしててと意味を込めて。

 

「ひぃぃぃぃ、怖いよママ! 助けてママー!!」

 

 山賊は完全に言葉を失っていた。

 どちらかと言うと、自分たちの運命を悟った感じの。

 

 ホ級についていった先には小型漁船が寡黙に停泊していた。

 海が深海棲艦に占拠されているからだろう。機銃らしきものも搭載されている。

 整備はされているようで船に錆びとかついてないみたい。

 わたしは提督と山賊を小型漁船にポイッと投げ入れた。

 

 錨を外す方法は分からないので、連装砲で破壊する。

 漁船の運転方法も知らないので力尽くで……。

 流石に無理か。重すぎる。

 ホ級にも手伝ってもらう。

 全力でオーエスしてると、後からやってきた軽巡棲鬼とその仲間たちに白い目で見られた。

 

「ナニヤッテルノヨォ」

 

「操縦できないので、無理やり押してます」

 

「アナタ、ナンニモ知ラナイノネェ? ソンナンデ良ク深海棲艦ノ提督デキテルワネェ? ココノ提督ノ方ガマシナンジャナイカシラァ? 根性デナンデモデキルワケジャナイノヨォ?」

 

「根性論は一番嫌いです!」

 

「馬鹿ナノォ? アナタモシカシテ、相当馬鹿ナノォ? リ級」

 

 軽巡棲鬼が言葉を掛ける。群れの中から人型の深海棲艦が現れる。

 その身に纏うは黄金の炎(フランドール)

 確かフラグシップ。

 前から思う。なんで一艦隊に二体も旗艦いるんだろ。

 

 リ級はわたしに離れるよう手を振ってくる。

 それから小型漁船に乗り込んだ。

 優しいマシンガンのような音。

 エンジンが掛かり、小型漁船は動き出した。

 小型漁船が陸地から離れていく。

 

「憲兵たちは?」

 

「人間ハミンナ殺シタワァ。捕獲スルヨウニ言ワレテナイモノォ」

 

 そういえば言ってませんでしたね。

 じゃあ良いです。

 軽巡棲鬼が号令を掛ける。

 陸に上がった深海棲艦たちが一斉に小型漁船を追いかける。

 途中でリ級も船から降りて、深海棲艦の群れへと消えていった。

 

「わたしも行きますかね。面白く無いけど」

 

「アラァ? ソノ割ニハコンナ楽シソウナコト思イツクジャナイィ?」

 

「思いつくのと面白いと感じるかは別ですよ。今回はただ、しれぇに艦娘の気持ちを味わってもらおうかと思っただけです」

 

「知ッテドウスルノカシラネェ? ドウセ殺スノヨォ?」

 

 わたしは軽巡棲鬼の言葉に答えられず口を閉ざす。

 何も答えられない。答えようがない。

 こんなショーは意味が無い。

 艦娘がどんな思いで海に出ているのか味合わせる、死を娯楽としたショーは。

 

 提督に情が湧いたわけじゃない。むしろ殺してやりたい気分。

 艦娘をあんな目に合わせて、ひとり笑っているなんて許せない。

 殺すのは生温い。

 そう感じてしまったせいで、わたしは逆に殺せなくなってしまった。

 

「そもそもわたしには、あのしれぇを殺す権利どころか、罰を与える権利すらない」

 

 その権利を持っているのは時雨や夕立、白露や時津風に睦月。

 この鎮守府の艦娘たち。

 わたしは時雨から聞かされただけで、深海棲艦ともどもなんの被害も受けてない。

 

 わたしが世界の意思から与えられたのは、ブラック鎮守府の消滅。

 わざわざ人間を殺す必要は無い。

 意識改革させるだけでも十分なはず。

 

「もしこれで殺せば完全に私怨ですし、あのしれぇと同じ外道(げどー)に堕ちることになりますね」

 

「クダラナイ。ホント、クダラナイ。不愉快ヨ、中途半端。深海棲艦ノ提督ノクセニ、外道ジャナイツモリナノカシラァ?」

 

「それこそまさかって奴ですよ」

 

 そんなのは分かり切ってる。

 だからわたしは時雨たちを……。

 でも、あれでいい。

 

 何百の深海棲艦に囲まれる小型漁船。

 リ級が降りてから右や左に旋回してる。

 わたしと同じく、操縦できる人が居なかったのでしょう。

 たまに深海棲艦に突っ込んでる。

 

「マァ、イイワァ。アレカラ取レル怨念デ満足ヨォ」

 

「取れる? 人間からも怨念が?」

 

「何ニモ知ラナイノネェ。怨念ハ生物ヲ殺スト取レルノヨォ」

 

「艦娘じゃなくても?」

 

「未練ヤ後悔、ヤリ残シタ思イヲ持ツ生物ハミンナ落トシテクレルワァ。満足ニ沈マレルトコッチガ迷惑ナノヨォ」

 

 怨念が出ないからか。

 じゃあもしかしてこの鎮守府、艦娘だけじゃなくて人間をヤってる可能性も……。

 ……わたしが甘かったかもしれない。

 

「ココノ海域ノ艦娘ハ自分カラ轟沈シテクレタカラ楽ダッタノヨネェ」

 

「轟沈した艦娘は深海棲艦になるの?」

 

「質問ガ多イワネェ。ナルノモ居ルワァ。艦娘ハ燃料、弾薬、鉄、ボーキサイトデデキテルモノ」

 

 そこに艦娘が出した怨念が混ざり合って深海棲艦へと変性する。

 変性しなくとも、怨念は出してくれるってことかな。

 結局この鎮守府は、人類の敵を増やしてさらに塩を送り続けたってこと。

 

「良―鎮守府」

 

「最高ノ鎮守府ヨネェ!」

 

 わたしは皮肉を込めて。

 軽巡棲鬼は心の底から笑ってた。

 

 提督たちを乗せた小型漁船はまだ沈んでない。

 深海棲艦たちが文字通り楽しんでるから。

 逃げる提督に、わざと魚雷や砲撃を外してる。

 上げる悲鳴を甲高い声で嘲笑う。

 

 わたしは目を背けようとして、やっぱり止める。

 これはわたしがやったことなの——。

 

「雪ぃぃぃぃぃぃ!!」

 

 暗き紅に染まる空の下で砲撃の音が響く。

 えっ、なんで。

 濡れ羽色の髪、風にはためく三つ編み。

 放たれた砲弾は深海棲艦の群れへと着弾する。

 

「白露、夕立、シロコ!」

 

「あっ、一番はあたしあたし!」

 

「っぽい!」

 

「時雨サン、了解シタワ!」

 

 白露と夕立の一斉射撃とシロコの空爆が、深海棲艦の群れへと牙をむく。

 爆風がわたしの肌を揺さぶる。

 提督の船に群がっていた深海棲艦たちは、突然の攻撃に足を止めた。

 軽巡棲鬼が忌々しそうにわたしを見る。

 

「ドウイウツモリィ?」

 

「わたしにも分からない!?」

 

「部下ノコトクライ把握シナサイヨォ、無能提督!」

 

 なんで深海棲艦に攻撃してるの? 

 なんでシロコは時雨の言うこと聞いてるの? 

 いや、それよりももっと気になることがあるけど!? 

 

「シロコ、なんでわたしの腕を握るの?」

 

「司令官、私悲シイワ」

 

 シロコは深海棲艦を通り抜け、わたしの右腕を掴んできた。

 何が悲しいの? 

 わたし何かした? 

 もしかして置いてったこと? 

 置いてったことを根に持ってる? 

 言い訳をする前に反対側の腕を白露と夕立に掴まれる。

 

「ごめんねー、雪風には何の思入れも無いけど。時雨が行くっていうから」

 

「ついてきたっぽい!」

 

 ちょっと待って。逃げられない。

 シロコ戦艦だから力強い! 

 でもまだ何とかなる。

 

「悪雨、助けて!」

 

「ヤダ」

 

 悪雨はめっちゃ良い笑顔で頭に手を回す。

 そのまま嫌がる軽巡棲鬼の肩に腕を掛けた。

 何か交渉をしてる? 

 聞き取れないし聞き取る前に動けないし! 

 時雨が近づいてくる。拳を鳴らすような仕草をしてるし。

 

「ロ級、ホ級!」

 

 ロ級とホ級に目をやると、顔を逸らされた。

 その間からイ級がこんにちはする。やっぱり助けてくれない。

 うちの深海棲艦が時雨の味方をする! 

 

「なんで来たの! わたしは深海棲艦のしれぇだよ! 時雨、艦娘にとっての敵! 時雨は艦娘で人類の味方でしょ! 鎮守府はわたしが潰す! 今深海棲艦と仲間みたいに振舞ったら時雨が——」

 

 時雨が手のひらを振り上げる。

 衝撃に備えてわたしは目を閉じる。

 ……衝撃がいつまでも来ない。

 代わりにやってきたのは、温かな感触。

 わたしはゆっくりと目を開ける。

 視界に飛び込んだのは時雨の黒い制服。

 それも少しして離れる。

 時雨は頬を赤くさせて、わたしの両肩を掴んだ。

 

「嘘つかないでよ! 雪! そんなに僕が信頼できない!?」

 

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