あの日から1ヶ月がたとうとしていた。
何度か和人のお見舞いに行っていたが、初めてお見舞いに行った時から決心はしていた。
和人を助けにソードアートオンラインにログインする決心を。
あとは、どうやって親を説得して取り上げられたナーヴギアを返してもらうかだ。
説得できなかった場合は、自分で探してでも助けにいくだけだ。
俺は両親に自分の思いを伝えた。
思いのほか、あっさりと許可してもらえた。
それと、俺がゲームの世界に入った後に病院への連絡と入院の手続きをしてくれという約束もしてくれた。
ゲームをする準備はできたもののやはりためらう。
親友を助けに行くと言っても、命のやり取りをするのだ。
ためらいがない方がおかしい。
しかし、すでに決心はついている。
1度決めたら迷うな‼︎
俺はナーヴギアを被り、緊張と不安、そしてわずかばかりの期待を吹き飛ばすかの様に、叫びぎみにあの言葉を放った。
「リンクスタート‼︎」
そして、そこで俺の意識は途切れた。
次に目が覚めたのはソードアートオンラインの、アインクラッドの第一層《始まりの街》の中心だった。
「意外とリアルだな。結構人もいるし」
地面に足をついている感覚や風が体を撫でる感覚がどれも本物と同じなのだ。
だが、先ほどから膝あたりが涼しすぎる。
初期装備は短パンなのか?
そう思いながら膝に目をやった。
「え?ええええええええええええぇぇぇぇぇ‼︎」
なんと、スカートを履いていたのだ。
俺は慌てて近くの窓に近寄り、自分の服装や顔、体型などを確認した。
なぜか、女性アバターだったのだ。
顔は変わらず、長い髪はそのままポニーテールで、髪色はなぜか白い。
キャラクターメイクなんてなかったよな?
そんな事思いながらも、1番気になっている胸を見下ろす。
そこには、女性についている物がしっかりとついていたのだ。
片側は、鉄か何かのプレートで覆われているが、もう片側はでている。
小さすぎず、大きすぎないくらいのそれを見た瞬間、かなり落ち込んだ。
しかし、こんなとこで落ち込んでいる暇はない。
早く和人を探しに行かなければ。
「そういえば、キャラクター名はキリトって言ってたな」
とりあえず、人に聞き回るとしよう。
そう、思った矢先
「お嬢ちゃん、なんでこんなゲームに?」
野武士ヅラのバンダナを巻いた人に話しかけられた。
「ちょうど、よかった。実は人をさがしてて……って、壷井さん⁉︎」
「え?もしかしてユアちゃん⁉︎」
そう、声をかけてきた人は一緒にゲームを買ってくれた壷井さんだったのだ。
「てか、なんで女性アバターなの?男じゃなかったの?どうしてこんなゲームに?」
一気に色んな質問されても困るんだけど。
しかも、最初の方聞くことが違う気がする。
そう思いながらもこのゲームを始めた経緯を話した。
なぜか、女性アバターとういこともだ。
すると、
「キリトって、俺しってるぞ。」
これはラッキーだ。
壷井さん、このゲームではクラインさんの話を聞く限りでは、みんなが現実の姿に戻されたと言う事、すでに2000人が死んだ事、そしてキリトは《第一層ボス攻略会議》に参加するために別の街に向かったと言う事をしった。
さっそく、キリトに会いに行こうと思ったが、クラインさんに止められた。
「そのレベルじゃ危ない。俺たちが送って行ってやるし、戦い方をレクチャーしてやろう。」
めっちゃかっこいい事言ってるのに、なぜか腹が立つ。
まぁ、ここはキリトに会うためにと思って我慢しよう。
その後、街を出て、戦い方を教えてもらいながらキリトの居る街を目指した。
何事も無く、無事にキリトが居るという街についた。
その際に、俺のレベルが3ななった。
道中で出てきた猪の様なモンスターは《フレンジーボア》と言って、スライム相当のモンスターらしい。
実際、対処法を教えてもらってからは楽に対処できた。
「ありがとうございました」
「おう‼︎また、なんかあったらメッセージ飛ばしてくれ」
そういうと、クラインさん達は何処かに行ってしまった。
その後、俺は人の多さに絶望しながらもキリトを探し始めた。
キリトを探し始めて少したった。
やっぱ、すぐに見つかるわけないか。
少し休憩しようと思った時、目の前をキリトが通りすぎてっていった。
俺は慌てて追いかけて肩を掴み、
「やっと見つけた。助けに来たよ、キリト」
「えーっと、どちらさま?」
俺は首をかしげる親友をみて、落胆した。
そして、この助けがいらないほどキリトが強いことを俺は知らなかった。
やっとソードアートオンラインの世界に行きました‼︎
親を説得するシーンがめんどくさいなんて思っていない。