軛を解き放て   作:クマぴょん

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隣人トラブルに巻き込まれて、体調不良が続いた次第(建前
翻訳が長すぎて区切りつけるのに悩みすぎた(本音


~混沌という嵐~
【取引】


 

【挿絵表示】

 

 

 

ロシア・サハリン

元準内地・豊原(ユジノサハリンスク)郊外

ルークの山荘にて。

 

<<まさか、お前から直接おいでなさったとはな。>>

 

リーの腹立たしい声が部屋中に響き渡る。

フレディが言う。

 

「リー、こっちで由々しき事態に(おちい)った。よく耳をかっぽじて聞け。」

 

フレディの冷静沈着な言葉。

そんなことより敵に回った相手にリーは怒り出す。

 

<<ふざけるな!敵のお前によくそんな事を言える立場じゃないだろ!>>

「なら、フキお嬢3人は内地(日本)に戻らない上で内地(日本)蹂躙(じゅうりん)されても構わない・・・と言ったら?」

<<何っ!?>>

 

ハッタリに見せかけた駆け引き。

いや、単なる脅迫だろう。

フレディの脅迫にリーは驚きを隠せない。

 

<<嘘・・・じゃないだろうな?>>

「嘘ならお前に通信しないさ。違うか?」

 

リーは悩むもののフレディがこんなに回りくどいことをするとは思えない。

解るとしたらフレディから『SOS』という信号を自ら発信しているからだろう・・・

どうするか否か?

理解に苦しむ。

が、苦しむからこそ”奴”の脅迫は聞く価値はある

リーは頷きながら取引を聞くことにした。

 

<<・・・なるほどな。で、”取引”内容は?>>

 

応じたのをきっかけにフレディはルークに変わる。

 

「リー、こうやって話すのは20年ぶりね。」

<<・・・お前は誰だ?>>

「あらやだ、上海テロ事件を忘れたわけ?私をテロと知った上で私に触ったこと忘れてるの?」

<<嘘だろ!?生きていたのか神美(シェンメイ)!!>>

 

リーが珍しく声を上げる。

元傭兵の中枢にして司令官とは思えない慌てっぷりだ。

ルークこと神美(シェンメイ)は、妖美(ようび)な笑いでリーを()らす。

笑いの止めない神美(シェンメイ)を見たフレディが、通信の主導権を元に戻す。

 

「リー、本題に入りたい。」

 

取引に入りたいが、リーは戸惑いを隠せず未だに右往左往していた。

そんなリーを見たのか、クルミが通信機から聞こえた。

 

<<なぁフレディ、さっきの話は本当か?>>

 

クルミが聞きたい話は、『DA3人組の未帰還と日本が蹂躙(じゅうりん)される』という話である。

フレディは簡略に答える。

 

「独立戦争を表看板にした大馬鹿野郎が日本を欲している。」

<<なるほど。確かにバカな奴らだな。それでラジアータを含むDAとボクの”頭脳”まで攻撃したんだな?>>

「ご名答。」

<<ならこっちから質問がある。どうやってボクの”頭脳”に繋げた?全ての情報網が敵に渡っている以上、繋げるのは不可能なはずだ。>>

(オレ)の部下が用意したフェイルセーフだ。米軍(アメさん)の通信衛星と偵察衛星をジャックしただけ。簡単だろ?」

 

通信機越しからクルミのため息が聞こえた。

逸脱(いつだつ)しすぎた考えで呆れた』というため息だろう。

ため息をつく間もなく本題に取り掛かる。

 

<<で、本題ってなんだよ。>>

「DA3人組と神美(シェンメイ)を日本に差し出す。(オレ)は大馬鹿野郎の艦隊戦力をすり潰す。」

<<待て待て!ソイツらは艦隊を持っているのか!?それでよくも取引材料として扱えるか!>>

 

取引に慌てて止めるクルミ。

イラつき始めたフレディは取引を急かす。

 

「早朝には作戦開始を発するから、ミカの旦那に伝えておけよ。」

<<はぁ?なんでDAじゃなくてミカなんだよ!>>

「リーの婚約者を亡命するなんてDAが認めるか?無理だろ。現にリー(DA)がクルミに掛け合っている時点で決断能力が欠けるって訳だ。」

<<ふむぅ・・・>>

 

クルミは押し黙ってしまう。

フレディの言い分は一理は確かにある。

ラジアータが”死んで”DAのセキュリティさえ突破された現実を鑑みると、DAには決定権がほぼ無い。

代わりに喫茶リコリコの当主であるミカなら万が一の決定権がある。

それを理解してて、フレディはミカに頼まざる負えない状況下にいるということだ。

フレディの言う通り、今まさにリーが泣きついて、クルミと共にラジアータの復帰を共同で行っている。

あらゆる手段であらゆる角度からDAを見通している。

フレディは喫茶リコリコの麾下(きか)であるクルミを通して、ミカに判断を委ねようとした。

クルミはひとまず答えを出した。

 

<<待ってくれ、ミカを呼んでくる。>>

「了解した。」

 

取引のワンフェイズは終わった。

とりあえずクルミの判断で”取引には”応じてくれそうだ。

問題は、この取引にミカがどう転ぶかだ。

時間はあるとは思っていない。

逆にかなり切羽詰まったわけでもない。

微妙な状況である。

ただ、何としてでもフランクリン派閥の南下作戦を止める必要がある。

ピリピリとした重圧感に、ちゃぶ台がひっくり返る空気が神美(シェンメイ)の山荘に流れた。

 

<<フキ!大丈夫!?>>

 

千束の声だ。

 

 

次回⇒【狼に恩返し】




Q:時間かかりすぎじゃないかな?
A:特殊な書き方をしているからそれに伴い、区切りがわからない状況に。
Q:普通に書けばいいんじゃないの?面倒な書き方してるから…
A:洋画感覚に描こう思った結果的がコレ。面倒くさいというよりかはある種の実験でもある。
Q:いつまで準内地とか内地って呼ぶの?日本とかサハリンでいいじゃない?
A:作者の悪い癖なので大目に見てクレメンス。どっかのタイミングで省いているが、一貫性が無いのは申し訳ないと思っている。
Q:言い回しがよく解らない。
A:70年代のハリウッド映画やハリウッド以外のアクション映画の影響がモロに受けた結果である。
Q:そんな大昔の映画よりも流行りの映画でいいじゃん。
A:現代映画では落とし込める作品が限られているからであり、銃弾と対価を書き始めた時点で結果は見えていた。
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